JPH0649357U - スポイト付きキャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャップを取る時に、自動吸引を確実に行う
ことができるようにする。 【構成】 円筒状のキャップ本体２内に蛇腹状の吸入部
１１を有するスポイト１０を取り付ける。キャップ本体
２の内周面の中央に上下に離間する一対の段部２ａ，２
ｂを一体突出形成する。一対の段部２ａ，２ｂに吸入部
１１の蛇腹部１２を収納する。スポイト１０の吸入部１
１の蛇腹部１２の下側には瓶口２１に緊密に嵌合する瓶
口嵌合部１１ｂを一体成形する。キャップ本体２の内周
面の下側に瓶口２１への螺合装着部２ｃを形成する。ス
ポイト１０は、蛇腹状の吸入部１１と、吸入部１１の瓶
口嵌合部１１ｂに接続された吸込管１３とで構成する。
キャップ１を取ると瓶２０に入っている内容物Ａが自動
的に吸引される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内容物を小量取り出したり、取り出した内容物に直接手を触れずに 滴下できるようにしたスポイト付きキャップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

普通、瓶に収容した液体を小量ごと取り出すにはスポイトが用いられる。従来 、スポイトは容器とは別部材であるため、紛失することも多く、不便であった。 これを解決するために、キャップを取る時に自動吸液することができる技術とし て、実公昭５３−３７９６４号公報のスポイトを内蔵する蓋や、実公昭５７−３ ４１４０号公報のスポイト付きキャップや、実公平２−３３８７２号公報の液体 定量スポイト容器が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

実公昭５３−３７９６４号公報に開示されたものは、キャップを閉めた時にス ポイトと瓶口との間のシールをパッキンで行っているので部品点数が多くなり、 又、このパッキンを介してスポイトの蛇腹状の吸入部を伸縮させているため、内 容物の粘度が高い時には充分吸液できないことがあった。

【０００４】 実公昭５７−３４１４０号公報に開示されたものは、スポイトを蛇腹構造に替 えてシリンダ構造としたものであるが、部品点数も多く機構が複雑であるという 欠点があった。

【０００５】 実公平２−３３８７２号公報に開示されたものは、スポイトとキャップが一体 化しておらず、使用時にスポイトを直接持たなければならないので、不用意に内 容物が排出されてしまうという欠点があった。

【０００６】 本考案はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、部品点 数を少なくして、キャップを取る時に自動吸液を確実に行うことができると共に 、その液の排出を所望の所で行うことができるスポイト付きキャップを得ること を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記課題を解決するために、以下の構成を採用した。 本考案のスポイト付きキャップは、筒状のキャップ本体に、蛇腹状の吸入部を 有するスポイトが取り付けられ、前記キャップ本体の下部内周面に瓶口への螺合 装着部が形成されたスポイト付きキャップにおいて、前記キャップ本体の内周面 であって前記螺合装着部の上側には上下に離間する一対の段部が設けられ、この 一対の段部間に前記スポイトの蛇腹状の吸入部が収納されており、前記スポイト には、その吸入部の下側に、前記瓶口に緊密に嵌合する瓶口嵌合部が設けられて いるスポイト付きキャップである。

【０００８】 前記キャップ本体の内部であって前記スポイトの吸入部の上側に、前記スポイ トの吸入部に突き当たる排出操作部材をキャップ本体から露出するように配し、 この排出操作部材をキャップ本体に対して上下動可能で且つキャップ本体から離 脱不能に取り付けると、排出操作部材を押すことによりスポイトの吸入部を押す ことができ、スポイトに吸液された内容物を必要量だけ排出することが容易にで きるようになって使い勝手がよい。尚、前記排出操作部材を設けずに、キャップ の上部を開口してスポイトの吸入部を露出させ、この開口から指を入れて吸入部 を押して、スポイトに吸引された内容物を排出するようにすることも可能である 。

【０００９】 前記スポイトは、蛇腹状の吸入部とこの吸入部に連結された吸込管との２部品 で構成してもよいし、あるいは、吸入部と吸入管とを一体成形して１部品として もよい。

【００１０】

【作用】 スポイト付きキャップが瓶口に螺合装着されると、キャップ本体の上側の段部 側にスポイトの蛇腹状の吸入部が縮めらる。この時、スポイトの吸入部の下側の 瓶口嵌合部と瓶口とは緊密に嵌合されるので、輸送時等において内容物が漏れる ことがない。

【００１１】 又、キャップを開けるために瓶口の螺合を緩めると、スポイトの蛇腹状の吸入 部がキャップ本体の上下一対の段部間に伸びて、内容物がスポイト内に吸液され る。この状態から蛇腹状の吸入部をその付勢力に抗して押すと、スポイトから内 容物が排出される。排出操作部材を設けた場合には、この排出操作部材を介して スポイトの吸入部を押す。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１と図２の図面に基づいて説明する。 図１は本考案に係るスポイト付きキャップを瓶口に螺合装着した状態を示す断 面図であり、図２はスポイト付きキャップを瓶口から取り外した状態を示す断面 図である。スポイト付きキャップ１は、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリ ルニトリルスチレン、アクリルニトリルブタジエンスチレン等からなる円筒状の キャップ本体２を有している。このキャップ本体２の内周面には、その中央に互 いに上下に離間して配された環板状の一対の段部２ａ，２ｂが一体的に突出形成 されており、更に下側の段部２ｂの下方に、瓶２０の瓶口２１の螺子部２１ａに 螺合される螺合装着部２ｃが一体的に形成されている。

【００１３】 前記キャップ本体２にスポイト１０が取り付けられている。スポイト１０は、 弾性のある可撓性樹脂（例えば、ポリスチレン、合成ゴム、エラストマー等）で 形成された吸入部１１と、硬質樹脂（例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、 アクリルニトリルスチレン、ガラス等）で形成された吸入管１３とから構成され ている。

【００１４】 吸入部１１は上面側が閉塞された中空筒状をなし、その周部に蛇腹部１２が形 成されていて、この蛇腹部１２が前記キャップ本体２の一対の段部２ａ，２ｂ間 に収容されている。吸入部１１の蛇腹部１２の上部は、キャップ本体２の内周面 の上側の段部２ａに係止される蛇腹上部係合部１２ａになっており、蛇腹部１２ の下部は、伸長時にキャップ本体２の内周面の下側の段部２ｂに係止される蛇腹 下部係合部１２ｂになっている。又、スポイト１０の吸入部１１における蛇腹部 １２の下側には、外周面が逆円錐状になって前記瓶口２１の内周面に緊密に嵌合 する円筒状の瓶口嵌合部１１ｂが一体成形されている。瓶口嵌合部１１ｂの内周 面には前記吸込管１３の基端部１３ａがシール状態に嵌合接続されている。

【００１５】 更に、キャップ本体２の内部であってスポイト１０の吸入部１１の上部には、 硬質樹脂製の略円筒状の排出操作部材１４が上下方向に摺動可能に収容されてい る。排出操作部材１４の頭部１４ａはキャップ本体２よりも上方に突出しており 、筒状をなす脚部１４ｂはその先端をスポイト１０の吸入部１１の上部１１ａに 突き当てていて、排出操作部材１４を押すことによりスポイト１０の吸入部１１ を押圧することができるようになっている。

【００１６】 キャップ本体２の外側には硬質樹脂製の外筒体３が嵌合されている。外筒体３ の上端縁３ａはキャップ本体２の上端縁よりも上方に位置していて内側に屈曲し ており、この上端縁３ａによって排出操作部材１４は抜け止めされている。

【００１７】 次に、前記構成のスポイト付きキャップ１の作用を説明する。 図１に示すように、内容物Ａが入った瓶２０の瓶口２１にスポイト付きキャッ プ１を螺合装着すると、瓶口２１にスポイト１０の吸入部１１の蛇腹下部係合部 １２ｂが当たり、瓶口２１の上端とキャップ本体２の上側の段部２ａとに挟まれ て吸入部１１の蛇腹部１２が圧縮される。この時、吸入部１１の下側の瓶口嵌合 部１１ｂも瓶口１１の内周面に密着して、内容物Ａの漏れなどを防ぐ。更に、ス ポイト１０の吸入部１１は一部品で構成されていて他部品との組み合わせもない のでシール性がよく、内容物が蒸気として揮散することもない。

【００１８】 一方、図２に示すように、キャップ本体２の螺合装着部２ｃの瓶口２１の螺合 状態を緩めると、スポイト１０の吸入部１１の蛇腹部１２がその弾性反発力で徐 々に伸長し、吸込管１３から内容物Ａを吸液し、キャップ本体２の螺合装着部２ ｃの螺子部のストローク分だけの一定容積を常に溜める。スポイト１０に溜めら れた内容物Ａを取り出すには、排出操作部材１４を吸入部１１の蛇腹部１２の弾 性反発力に抗して押し込めばよい。この時の押し込むストローク量を調節するこ とにより、内容物を所望の量だけ取り出すことができる。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、キャップ本体の内周面に上下に離間す る一対の段部を設け、この一対の段部間にスポイトの蛇腹状の吸入部を収納し、 スポイトの蛇腹状の吸入部の下側に瓶口に緊密に嵌合する瓶口嵌合部を設けたの で、部品点数が少なくてシンプルな構造ながら、キャップを開けるだけの操作で 確実に内容物を取り出すことができるようになる。しかも、キャップ本体が瓶口 に螺合装着された時にスポイトの瓶口嵌合部が瓶口に緊密に嵌合されるので、気 密性が高く、内容物が液状で漏れることもないし、蒸気となって揮散することも ないという優れた効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るスポイト付きキャップを瓶口に螺
合装着した状態を示す断面図である。

【図２】前記スポイト付きキャップを瓶口から取り外し
た状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ スポイト付きキャップ ２ キャップ本体 ２ａ，２ｂ 一対の段部 ２ｃ 螺合装着部 １０ スポイト １１ 吸入部 １１ｂ 瓶口嵌合部 １２ 蛇腹部 １３ 吸込管 １３ａ 基端部 １４ 排出操作部材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状のキャップ本体に、蛇腹状の吸入部
   を有するスポイトが取り付けられ、前記キャップ本体の
   下部内周面に瓶口への螺合装着部が形成されたスポイト
   付きキャップにおいて、 前記キャップ本体の内周面であって前記螺合装着部の上
   側には上下に離間する一対の段部が設けられ、この一対
   の段部間に前記スポイトの蛇腹状の吸入部が収納されて
   おり、前記スポイトの吸入部の下側には、前記瓶口に緊
   密に嵌合する瓶口嵌合部が設けられていることを特徴と
   するスポイト付きキャップ。
2. 【請求項２】 前記キャップ本体の内部であって前記ス
   ポイトの吸入部の上側には、前記スポイトの吸入部に突
   き当たる排出操作部材が配されており、この排出操作部
   材は前記キャップ本体から露出しているとともに、前記
   キャップ本体に対して上下動可能で且つ前記キャップ本
   体から離脱不能に取り付けられていることを特徴とする
   請求項１に記載のスポイト付きキャップ。
3. 【請求項３】 前記スポイトは、蛇腹状の吸入部と、こ
   の吸入部の瓶口嵌合部に接続された吸込管、とからなる
   ことを特徴とする請求項１または請求項２に記載のスポ
   イト付きキャップ。