JPH0649253A - 抗菌性多孔質フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

抗菌性多孔質フィルムおよびその製造方法

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JPH0649253A
JPH0649253A JP20653792A JP20653792A JPH0649253A JP H0649253 A JPH0649253 A JP H0649253A JP 20653792 A JP20653792 A JP 20653792A JP 20653792 A JP20653792 A JP 20653792A JP H0649253 A JPH0649253 A JP H0649253A
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antibacterial
film
porous film
resin
weight
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Katsumi Senba
克己 仙波
Toshiyuki Ishii
利幸 石井
Hisatoshi Suzuki
久利 鈴木
Tsutomu Izeki
勉 伊関
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 本発明により、熱可塑性樹脂100重量部、
無機充填剤100〜400重量部および抗菌剤13、
0.05〜5重量部を含む樹脂組成物を溶融製膜した
後、少なくとも一軸方向に1.5〜7倍延伸した抗菌性
多孔質フィルム11およびその製造方法が提供される。 【効果】 本発明によれば、添加した抗菌剤13の多く
の量がフィルム表面に露出した状態を呈するため、従来
の抗菌性フィルムに比べ、格段に優れた抗菌性を有す
る。そのため、通気性を有する抗菌性フィルムとして、
衣料用、サニタリー用、包装用等広範な分野に適用可能
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性を有する多孔質
フィルムおよびその製造方法に関する。詳しくは、少量
の抗菌剤の添加により優れた抗菌性を発揮する多孔質フ
ィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抗菌性フィルムとしては、抗菌剤
を各種の高分子材料と混合し、フィルム化したもの、ま
たは、抗菌剤を各種のフィルム表面に塗布したものが知
られている。
【0003】例えば、特開平4−89851号公報に
は、特定の組成からなるエチレン−ビニルアルコール共
重合体20〜92重量%、ポリアミド系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂等96.5〜3重量%および抗菌性ゼオラ
イト0.5〜5重量%からなる抗菌性組成物を溶融押出
して得られたフィルムが開示されている。
【0004】しかし、該フィルムは、成形過程で溶融状
態にある樹脂が、例えば、押出機のバレル、ダイス等の
表面に押しつけられて摺動することにより、添加された
抗菌剤のうち、かなりの量が樹脂層中に埋没した形にな
っており、抗菌剤がフィルム表面に露出することは極め
て少ないものである。
【0005】その結果、添加した抗菌剤の割には、フィ
ルムの表面に充分な抗菌性を持たせることが困難であ
る。換言すれば、フィルム表面に充分な抗菌性を持たせ
るためには、多量の抗菌剤を添加しなくてはならずコス
トアップとなり、しかも多量添加によるフィルム強度等
の物理的特性が劣る等の問題がある。
【0006】かかる問題を解決する方法として、例え
ば、特開平2−293123号公報には、表面に抗菌性
を備えた樹脂成形品の抗菌性付与対象部分に対し、削除
加工を行なう抗菌性樹脂成形品の作製方法が提案されて
いる。そして該削除加工の具体的方法として、ブラス
ト、切除、研磨またはワイヤーブラシによる表面の条痕
形成等が例示されている。
【0007】該方法によれば、抗菌剤の添加量を少なく
しても表面に充分な抗菌性を備えた樹脂成形品が得られ
るが、成形品の表面を削除加工することは工程が煩雑と
なるばかりでなく、成形品の表面が粗らされ、表面状態
が良好な成形品を得ることが困難である。
【0008】また、フィルム等のような薄い成形品の場
合には、表面を削除加工することは破れ等の原因となり
好ましい方法ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、抗菌剤の添加量を低位に抑え、しかも表
面状態が良好な抗菌性多孔質フィルムおよびその製造方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討し、熱可塑性樹脂、無機充填剤
および抗菌剤をそれぞれ特定量含有する樹脂組成物を製
膜し、特定の条件で延伸することにより、上記目的を達
成し得ることを見出し、本発明に到った。
【0011】すなわち、本発明により、熱可塑性樹脂1
00重量部、無機充填剤100〜400重量部および抗
菌剤0.05〜5重量部を含む樹脂組成物を溶融製膜し
た後、少なくとも一軸方向に1.5〜7倍延伸した抗菌
性多孔質フィルムおよびその製造方法が提供される。
【0012】本発明の抗菌性多孔質フィルムを製造する
方法として、概要下記方法が例示される。
【0013】すなわち、特定量の熱可塑性樹脂、無機充
填剤および抗菌剤と必要に応じて他の添加剤を配合し、
ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型
等の混合機を用いて混合した後、通常の一軸または二軸
スクリュー型押出機によって混練しペレット化する。
【0014】次いで、該ペレットに必要に応じ他のペレ
ット状熱可塑性樹脂を加えた後、用いた樹脂の融点また
は軟化点以上、好ましくは、融点または軟化点+20℃
以上、分解温度未満の温度範囲において、インフレーシ
ョン成形法、Tダイ成形法、カレンダー成形法等の公知
の方法により溶融製膜する。場合によっては、ペレット
化せずに粉体状組成物を直接成形機に供給して製膜する
こともできる。
【0015】得られた未延伸フィルムを、ロール法、テ
ンター法等の公知の方法で少なくとも一軸方向に所定の
倍率に延伸し、10〜100μm程度の厚みを有する抗
菌性多孔質フィルムとする。
【0016】また、延伸後必要に応じて得られた開孔の
形態を安定させるため熱固定処理を行なってもよい。
【0017】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いる熱可塑性樹脂として、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、線型低密度ポリエチレンおよ
びポリプロピレン等が挙げられる。
【0018】本発明に用いる抗菌剤は、抗菌作用を有す
る金属をイオンの状態で、イオン交換体に交換吸着さ
せ、固定化したものである。抗菌剤の粒径は、樹脂との
混合性、得られる多孔質フィルムの開孔分布、孔サイ
ズ、透湿度等を考慮すると平均粒子径が0.1〜7μm
程度のものが好ましい。
【0019】上記抗菌性を有する金属イオンとして、
銀、銅、亜鉛および錫のイオンよりなる群から選ばれた
金属イオンまたはそれらの混合物が例示される。
【0020】また、上記イオン交換体として、イオン交
換樹脂、合成ゼオライト、天然ゼオライト、ハイドロキ
シアパタイト等が例示される。
【0021】これらのイオン交換体に金属イオンを交換
吸着させる方法には特に制限はなく公知の方法で差支え
ない。例えば、次の方法が例示される。
【0022】組成式0.98Na2O・Al23・1.
9SiO2・xH2Oを有するナトリウム型のゼオライト
の乾燥粉末を温水で洗浄液のpHが9程度になるまで繰
り返し洗浄する。該ゼオライト500gに対し0.12
モル濃度の硝酸銀水溶液1.8リットルを添加し、25
℃において5時間撹拌する。このスラリーを濾過し、固
相を遊離の銀イオンが認められなくなるまで水洗する。
ついで、250℃において減圧下で乾燥した後、粉砕、
分級し、0.1〜7μm程度の平均粒子径を有する抗菌
剤を得る。
【0023】抗菌剤の添加量は、樹脂100重量部に対
し0.05〜5重量部が好ましい。特に好ましい範囲
は、0.05〜1重量部である。
【0024】0.05重量部未満では、充分な抗菌性が
得られないので好ましくない。また、5重量部を超えて
も抗菌性および成形加工上に問題はないがコストが高く
なるので好ましくない。
【0025】抗菌剤は、固形粉末のまま用いてもよい
が、例えば、予めポリエチレン等の熱可塑性樹脂に混合
し、ペレット化する等してマスターバッチを形成して用
いてもよい。
【0026】本発明に用いる無機充填剤として、例えば
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ、タ
ルク等が挙げられる。これらの無機充填剤は、単独で用
いてもよいし、またはそれらを混合物として用いてもよ
い。
【0027】上記無機充填剤の内、樹脂との混合性、樹
脂中への分散性等が良好であり、フィルムを延伸し易い
等の点で炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が好ましく用
いられる。
【0028】無機充填剤の添加量は、樹脂100重量部
に対し100〜400重量部が好ましい。100重量部
未満では、延伸処理しても充分な開孔を有する多孔質フ
ィルムが得られないので好ましくない。また、400重
量部を超えた場合、フィルムの剛性が増し充分な延伸が
行えず充分な開孔を有する多孔質フィルムが得られな
い。充分な開孔率とするまで延伸するとフィルムが破れ
ることがあり好ましくない。
【0029】無機充填剤の平均粒度は、0.1〜7μm
程度が好ましい。0.1μm未満であると粒子が凝集し
易く、樹脂への分散性およびフィルムの延伸性が低下す
る傾向を示し、良好な開孔が得られない。また、7μm
を超えると分散性はよいが、延伸性が低下する傾向を示
し、薄いフィルムを製造し難くなる。
【0030】本発明に用いる樹脂組成物には、上記抗菌
剤および無機充填剤の他、本発明の効果を妨げない範囲
で、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤
等の他の添加剤を添加してもよい。
【0031】本発明において、熱可塑性樹脂、抗菌剤、
無機充填剤および必要に応じて添加される他の添加剤を
混合して樹脂組成物とする方法には、特に制限がなく、
公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミ
キサー、リボンブレンダー、タンブラー型ミキサー等の
混合機を用いて、室温またはその近傍の温度において混
合する方法が例示される。
【0032】樹脂組成物をそのまま粉体状で成形機に供
給してもよいし、また、予め一軸または二軸押出機等を
用いて混練、溶融押出し、ペレット状に加工して用いて
もよい。
【0033】得られた樹脂組成物をフィルムに成形加工
する方法、および該フィルムを延伸する方法にも特に制
限がなく公知の方法が適用できる。例えば、該樹脂組成
物をインフレーション式成形機、Tダイ式押出機、カレ
ンダー式成形機等を用いて、樹脂の融点または軟化点以
上、好ましくは融点または軟化点+20℃以上、分解温
度未満の温度範囲において混練、溶融してフィルム状に
成形する。
【0034】次いで、ロール法、テンター法等により、
少なくとも一軸方向に1.5〜7倍に延伸することによ
り、樹脂と無機充填剤との界面を剥離させ、多孔質フィ
ルムとする。
【0035】延伸倍率が1.5倍未満では充分な開孔が
得られず、良好な多孔質フィルムとならないため、かな
りの量の抗菌剤がフィルム樹脂層中に埋没したままとな
り良好な抗菌性を示さないので好ましくない。また、7
倍を超えると延伸時にフィルムが破れることが多くな
り、生産性、作業性が低下するので好ましくない。
【0036】延伸温度は、例えばポリオレフィン樹脂の
場合には、ガラス転移温度以上、融点−5℃以下の温度
範囲が好ましい。
【0037】延伸は多段階に分けて行なってもよい。ま
た、二軸以上の方向に延伸してもよい。二軸延伸する場
合は、同時に二軸延伸することが好ましい。さらに、延
伸の後、開孔の形態を安定させるために熱固定処理をす
る事が好ましい。熱固定処理温度は、例えば、融点を有
する樹脂であれば、融点−5℃以下の温度が好ましい。
【0038】本発明の抗菌性多孔質フィルムの厚みには
特に制限はないが、一般的には10〜100μm程度の
範囲が好ましい。10μm未満では延伸時に破れ易くな
り、生産性が低下する。100μmを超えてもフィルム
特性等の問題はないが、生産コストが上昇し、生産性が
低下する。
【0039】本発明の抗菌性多孔質フィルムの特徴は、
特定量の無機充填剤および抗菌剤を含有する樹脂フィル
ムを延伸処理し、多孔質フィルムとすることにある。そ
のため、フィルム表面に優れた抗菌性を有するものであ
る。
【0040】以下、図面に基づいてその特徴を説明す
る。
【0041】〔図1〕は従来の抗菌性フィルムの断面の
模式図の一例を示し、〔図2〕は本発明の抗菌性多孔質
フィルムの断面の模式図の一例を示す。
【0042】〔図1〕に示すように、従来の抗菌性フィ
ルム1は、樹脂層中に埋没している抗菌剤3の量が多
く、抗菌性フィルムの表面2に露出している抗菌剤4の
量は極めて少ない。その結果、添加した抗菌剤の量の割
には、抗菌性フィルムの表面2に優れた抗菌性を持たせ
ることが困難である。
【0043】一方、〔図2〕に示すように、本発明の抗
菌性多孔質フィルム11は、延伸処理することにより樹
脂と無機充填剤との界面が剥離して開孔10となるの
で、抗菌性多孔質フィルムの表面12が実質的に増加す
る。そのため、未延伸状態では樹脂層中に埋没していた
抗菌剤13が開孔10の表面に露出することとなり、抗
菌剤14のように開孔10の表面に露出する。
【0044】従って、樹脂層中に埋没している抗菌剤1
3の量が減少し、抗菌性多孔質フィルムの表面12に露
出する抗菌剤14および15の量が増加する。
【0045】その結果、本発明の抗菌性多孔質フィルム
11は、従来のものに比べ表面12に格段に優れた抗菌
性を有するものとなる。換言すれば、抗菌剤の添加量を
減少しても従来のものと同等の抗菌性を発揮できること
となる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。尚、本発明におけるメルトインデックス(以
下、MIという)は、ASTM D−1238−57T
(E)に規定される方法に準じて測定した値である。ま
た、透気度は、JIS P−8117に規定される方法
に準じて測定した値である。透気度が低いほど通気性が
よいことを示す。
【0047】抗菌性の試験は次のように行った。 試験株菌 エシャリキア カリ( Escherichia coli ) IFO 3301
(大腸菌) スタファラカカス アウレウス( Staphylococcus aure
us ) IFO 12732 (黄色ブドウ球菌) シュードモナス イルージャノサ( Pseudomonas aerug
inosa )IID P-1 (緑膿菌)
【0048】菌数測定用培地 SCDLP寒天培地(日本製薬(株)製)
【0049】菌液の調製 普通寒天斜面培地で35℃において、24時間培養した
試験株菌の菌体を滅菌リン酸緩衝液に浮遊させ、1ml
当たりの菌数が約106となるように調製した。
【0050】試料の調製 試料フィルムを約50mm×50mmの大きさに切断
し、検体とした。
【0051】試験操作 試料に菌液0.2mlを接種して市販のラップフィルム
(ポリエチレン製)を密着させた後、35℃において保
存し、保存開始0時間(理論添加菌数)および24時間
後にSCDLP培地(日本製薬(株)製)で生残菌を洗
い出した。この洗い出し液について菌数測定用培地によ
る混釈平板培養法(35℃、48時間)により生菌数を
測定して、試料1枚当たりの生菌数に換算した。
【0052】尚、試料に接種したものと同量の菌液をシ
ャーレに分注して保存し、生菌数を測定して対照とし
た。
【0053】実施例1〜4、比較例1〜4 MIが2.0の線型低密度ポリエチレン(LLDPE)
100重量部に対して、平均粒径1.0μmの硫酸バリ
ウム(バライト工業(株)製、商品名;HD)150重
量部、ステアリン酸カルシウム2.5重量部および抗菌
剤〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名;アメナイ
トAB−101E(抗菌剤を10重量%含有するマスタ
ーバッチ)〕を抗菌剤換算で〔表1〕に示す重量部をタ
ンブラーミキサーを用いて混合した後、二軸スクリュー
型押出機で均一に混練し、溶融押出し、ペレットを作成
した。
【0054】得られたペレットをTダイ押出機を用いて
210℃で溶融成形し、未延伸フィルムを得た。該未延
伸フィルムを予熱ロールにより70℃に加熱し、ロール
法により〔表1〕に示す延伸倍率で一軸延伸し、さらに
110℃において熱固定して厚み20μmの多孔質フィ
ルムを得た。
【0055】得られた多孔質フィルムの抗菌性および透
気度を上記方法により評価し、得られた結果を〔表1〕
に示す。
【0056】実施例5 熱可塑性樹脂として、MIが5.5の高密度ポリエチレ
ン(HDPE)を用いた以外は、実施例2と同様にして
厚み20μmの多孔質フィルムを得た。得られた多孔質
フィルムの抗菌性および透気度を上記方法により評価
し、得られた結果を〔表1〕に示す。
【0057】実施例6 熱可塑性樹脂として、MIが4.0のポリプロピレン
を、また、抗菌剤として、アメナイトAB−101P2
(抗菌剤を20重量%含有するマスターバッチ、大日本
インキ化学工業(株)製)を抗菌剤換算で〔表1〕に示
す重量部を用いた以外は、実施例2と同様にして厚み2
0μmの多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィル
ムの抗菌性および透気度を上記方法により評価し、得ら
れた結果を〔表1〕に示す。
【0058】実施例7 無機充填剤として、平均粒度1.0μmの炭酸カルシウ
ム(同和カルファイン(株)製、商品名:SST−4
0)を用い、さらに、ヒマシ油7.5重量部を用いた以
外は、実施例2と同様にして厚み20μmの多孔質フィ
ルムを得た。得られた多孔質フィルムの抗菌性および透
気度を上記方法により評価し、得られた結果を〔表1〕
に示す。
【0059】実施例8 抗菌剤として、ノバロン(東亜合成化学工業(株)製、
商品名)を〔表1〕に示す重量部用い、〔表1〕に示す
延伸倍率とした以外は、実施例1と同様にして、厚み2
0μmの多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィル
ムの抗菌性および透気度を上記方法により評価し、得ら
れた結果を〔表1〕に示す。
【0060】実施例9 抗菌剤として、アパタイザーAW(サンギ(株)製、商
品名)を〔表1〕に示す重量部用い、〔表1〕に示す延
伸倍率とした以外は、実施例1と同様にして、厚み20
μmの多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルム
の抗菌性および透気度を上記方法により評価し、得られ
た結果を〔表1〕に示す。
【0061】比較例5 抗菌剤を添加しないこと、および〔表1〕に示す延伸倍
率とした以外は、実施例1と同様にして、厚み20μm
の多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルムの抗
菌性および透気度を上記方法により評価し、得られた結
果を〔表1〕に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の抗菌性多孔質フィルムは、延伸
処理され開孔部を有する多孔質フィルムとなっているた
め、未延伸状態では樹脂中に埋没した状態の抗菌剤が開
孔部の表面に露出し、フィルム表面に露出したのと同じ
状態を呈する。
【0064】従って、非多孔質フィルムに比べ、格段に
優れた抗菌性を有する。換言すれば、かなり少量の添加
でも、優れた抗菌性を付与し得ることとなり、コストの
低減を図ることができる。
【0065】また、本発明の抗菌性多孔質フィルムは、
多孔質である故に優れた通気性を有している。そのた
め、通気性を有する抗菌性フィルムとして、衣料用、サ
ニタリー用、包装用等広範な分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は従来の抗菌性フィルムの断面の模式図の一例
を示す。
【図2】は本発明の抗菌性多孔質フィルムの断面の模式
図の一例を示す。
【符号の説明】
1 従来の抗菌性フィルム 2 抗菌性フィルムの表面 3 抗菌剤 4 抗菌剤 10 開孔 11 本発明の抗菌性多孔質フィルム 12 抗菌性多孔質フィルムの表面 13 抗菌剤 14 抗菌剤 15 抗菌剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/10 KEA 7242−4J 3/24 KED 7242−4J C08L 23/00 // C08L 23:00 (72)発明者 伊関 勉 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部、無機充填剤
    100〜400重量部および抗菌剤0.05〜5重量部
    を含む樹脂組成物を溶融製膜した後、少なくとも一軸方
    向に1.5〜7倍延伸したことを特徴とする抗菌性多孔
    質フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1記載の抗菌性多孔質フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 無機充填剤が硫酸バリウムまたは炭酸カ
    ルシウムであることを特徴とする請求項1記載の抗菌性
    多孔質フィルム。
  4. 【請求項4】 抗菌剤が、銀、銅、亜鉛および錫よりな
    る群から選ばれた金属のイオンまたはそれらの混合物を
    イオン交換体に結合させたものであることを特徴とする
    請求項1記載の抗菌性多孔質フィルム。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機
    充填剤100〜400重量部および抗菌剤0.05〜5
    重量部を添加、混合して樹脂組成物となし、該樹脂組成
    物を溶融製膜した後、少なくとも一軸方向に1.5〜7
    倍延伸することを特徴とする抗菌性多孔質フィルムの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂であ
    ることを特徴とする請求項5記載の抗菌性多孔質フィル
    ムの製造方法。
  7. 【請求項7】 無機充填剤が硫酸バリウムまたは炭酸カ
    ルシウムであることを特徴とする請求項5記載の抗菌性
    多孔質フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 抗菌剤が、銀、銅、亜鉛および錫よりな
    る群から選ばれた金属のイオンまたはそれらの混合物を
    イオン交換体に結合させたものであることを特徴とする
    請求項5記載の抗菌性多孔質フィルムの製造方法。
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