JPH0649199Y2 - 即席食品用の調理終了表示機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、即席食品用の調理終了表示機構に関するもの
で、より詳細には即席食品容器への熱湯注入後の経時に
より即席食品の調理終了を表示する機構に関するもので
ある。

（従来の技術及びその問題点） 従来、簡便な湿度と時間の管理及び表示機構としては、
3M社製のモニターマークが知られている。この表示機構
はペーパークロマトグラフを利用したもので汎用性はあ
るが、高価であり、また表示時間も時間単位の比較的長
いレンジのものである。

カップメン等の即席食品では、内容物を収容する容器内
に熱湯を注ぎ、蓋をした後３乃至５分程度経時させるこ
とにより、即席食品の調理を行うが、このような短時間
での経時を正確に検出して表示する簡便で安定な検出表
示機構は未だ知られていない。

従って、本考案の目的は、即席食品容器への熱湯注入後
の経時を検出して即席食品の調理終了を表示し得る簡便
で安価な表示機構を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案によれば、塩化コバルト層と塩化コバルト層の一
方の表面に設けられた透湿制御層との組合せから成る即
席食品用の調理終了表示機構が提供される。

（作用） 本考案の表示機構を示す第１図において、基本１の表面
には塩化コバルト層２が設けられ、この塩化コバルト層
２の上に透湿制御層３が設けられる。

本考案は塩化コバルト（II）の乾燥状態で青、湿潤状態
で桃色の呈色反応を利用するものであるが、熱湯から発
生する水蒸気Ｓが透湿制御層３を浸透して塩化コバルト
層２に達し、塩化コバルトの吸湿による変色（青→桃）
を生じるのを調理終了表示に利用するものである。即
ち、水蒸気が透湿制御層３を浸透して塩化コバルトの吸
湿による変色を生じるには或る時間を必要とする。この
透湿制御層を選択することにより塩化コバルトの変色を
生ずる迄の時間を、熱湯注入から即席食品の調理終了迄
の時間と一致させることが可能となる。

本考案の表示機構は、即席食品等の例えば蓋に取付けて
用いることができる。

（実施例） 本考案において、塩化コバルト層２としては、塩化コバ
ルト紙のように、塩化コバルトを適当な支持担体に含浸
乃至担持させたものや、塩化コバルトそのものや、塩化
コバルトを担持させたものを、インキビヒクルや塗料ビ
ヒクルに分散させた印刷インキや塗料が使用される。

また、透湿制御層としては、熱湯から発生する水蒸気を
１乃至10分間、特に３乃至５分間で透過させ得るような
樹脂又は紙の層が使用される。このように制限された透
湿性を有する材料としては、ポリスチレン、スチレン−
プタジエン共重合体、SBR,NBR等のゴム、軟質塩化ビニ
ル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂、ワックス処理厚紙、ポリ
エチレン加工クラフト紙、ポリエチレン加工厚紙、塩化
ビニリルデン加工厚紙等が挙げられる。前述した樹脂乃
至ゴムは、フィルムの形で用いてもよいし、コーティン
グの形で用いてもよい。これら透湿制御層の厚みは、材
質によっても著しく相違するが、紙の場合には、一般に
0.5乃至0.2mm、特に１乃至1.5mmの厚みで用いるのがよ
く、樹脂の場合には3mm乃至2mm、特に10乃至50μｍの範
囲で用いればよい。

本考案の表示機構の使用態様の一例を示す第２図におい
て、即席食品容器蓋４は、金属箔５、内側ヒートシール
樹脂層６及び紙７の積層体から成っている。この蓋の内
面側、即ちヒートシール樹脂層６の上に、塩化コバルト
含有インキ層2aを印刷により設ける。このインキ層2aを
乾燥した後、前述した樹脂のコート層3aを透湿制御層と
して設ける。

塩化コバルト含有陰気としては、例えば下記組成、 塩化コバルト 1乃至40W％ 樹脂ビヒクル 10乃至60W％ 溶媒 残量 のものが使用され、樹脂コート層としては例えばスチロ
ール系樹脂を厚み20μｍに塗布したものが使用されてい
る。

開封した即席めん容器内に、沸騰している熱湯を注ぎ、
上記蓋を被せたところ、約３分間で印刷表示部が青から
薄桃色に変色した、この時間経過後、即席めんを試食し
たが、完全調理済であることが確認された。

本考案の表示機構の他の使用態様を示す第３図におい
て、即席食品容器蓋４は、第２図のものと同様な積層体
から成るが、この積層体には窓８が設けられている。こ
の窓８を覆うように厚みが1,0mmのワックス処理厚紙か
ら成る透湿制御層3b、塩化コバルト紙2b及び防湿性フィ
ルム９の積層体が貼付けられている。

この蓋を第２図の場合と同様に試験したところ、約３分
間で青→桃への変色を生じ、即席めんの調理済表示を蓋
の上から確認することができた。厚紙の代りに、厚さ20
μｍのポリスチレンフィルムを用いたところ、約４分間
で青→桃色への変色を生じた。

（考案の効果） 本考案によれば、即席食品容器への熱湯注入後の経時
を、蒸気の浸透と、吸湿による塩化コバルトの変色で検
出及び表示することが可能となり、即席食品の調理終了
を簡便で安価な手段で表示させることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の表示機構の断面図であり、 第２図は本考案の表示機構の使用態様の一例を示す説明
図であり、 第３図は本考案の表示機構の使用態様の他の例を示す説
明図であって、Ａは拡大上面図、Ｂは拡大断面図であ
る。 引照数字１は基体、2,2a,2b,は塩化コバルト層、3,3a,3
b,は透湿制御層、４は蓋、８は窓、９は防湿性フィル
ム、Ｓは蒸気である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】塩化コバルト層と塩化コバルト層の一方の
   表面に設けられた透湿制御層との組合せから成る即席食
   品用の調理終了機構。