JPH0649086A - 安定剤として好適なリン含有有機アミドおよびそれを含むポリマー組成物 - Google Patents

安定剤として好適なリン含有有機アミドおよびそれを含むポリマー組成物

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JPH0649086A
JPH0649086A JP4317736A JP31773692A JPH0649086A JP H0649086 A JPH0649086 A JP H0649086A JP 4317736 A JP4317736 A JP 4317736A JP 31773692 A JP31773692 A JP 31773692A JP H0649086 A JPH0649086 A JP H0649086A
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マルコ、フォア
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サウロ、ストロロゴ
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式 [式中、Rは、Hまたはアルキル基であり、Rおよび
は、線形または分岐したアルキル基であり、nは、
1または2であり、nが1であるときには、Aは、式−
(CH−Cyであり、但しCyはモノ−またはポ
リ環状脂肪族基であって、mは0または1であり、nが
2であるときには、Aは、アルキレン基、アルケニレン
基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、等から選択
されたものである]を有するリン含有有機アミド化合
物。 【効果】この化合物は、有機物質、特にポリマーの安定
剤として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、有機物質、特にポリマーの安定
剤として好適なリン含有有機アミド化合物およびそれを
含むポリマー組成物に関する。
【0002】ポリオレフィンのようなポリマー物質は、
空気または一般的には酸化剤、および光に暴露されると
速やかに分解する傾向を示すことは周知である。これら
の物質の物理特性を変質させるこのような分解は、ポリ
マー製造の際に受ける熱処理によって増加する。
【0003】安定剤はこのような分解を防止するために
用いられるが、それらのいずれもがそれだけで酸化剤、
光および熱処理からポリマーを完全に保護するのに十分
な特性を持たないので、酸化防止剤、紫外線安定剤、紫
外線吸収剤のような特定の機能を提供する安定剤の混合
物が用いられている。典型的には、これらの混合物は、
酸素化されたリン含有有機化合物、特にホスフィット、
ホスホネートまたはリン含有アミドを含んでいる。前記
のリン化合物の特定の作用は、下記の通りである。 1) ポリマー加工の際に起こる分子量変化を防止し、 2) 熱処理によるポリマーの着色を少なくし、 3) 二次的酸化防止効果を有し、分解プロセスの基礎
であるラジカル現象の開始を防止する。
【0004】有機ホスフィットおよびホスホネートの幾
つかの種類は、ポリマー安定化の分野で広く用いられて
いる。
【0005】特に、安定剤として用いられるホスフィッ
トを代表する化合物は、イルガフォス(IRGAFOS) 16
8、すなわちトリ(2,4−ジ−t−ブチル−フェニ
ル)ホスフィットである。
【0006】広く用いられているホスホネートとして
は、サンドスタブ(SANDOSTAB) P−EPQ、すなわちテ
トラキス(2,4−ジ−t−ブチル−フェニル)4,
4′−ジフェニルジホスホネートがある。
【0007】リン含有有機アミドも幾つかの種類が知ら
れている。
【0008】例えば、米国特許第4,259,492号
明細書には、式
【化3】 (式中、RはC〜Cアルキル基であり、RはH
またはC〜C18アルキル基であり、Aは脂肪族、脂環
式、芳香族またはアリールアルキルのような同一または
異なる基を有する第一または第二アミンから誘導される
基であるか、またはAは複素環式アミンまたはヒドラジ
ン化合物から誘導される基である)のジオキサホスフェ
ピンに言及している。
【0009】米国特許第4,322,527号明細書に
は、式
【化4】 [式中、Rは、HまたはC〜C18アルキル、C〜C
12シクロアルキル、C〜Cフェニルまたはフェニル
アルキル基から選択され、Rは、HまたはC〜C18
アルキル基であることができ、Xは、Sまたは−CHR
基であり、但しRはHまたは式−CHR−CHR
SR(式中、RおよびRは独立にHであるかま
たはC〜Cアルキル基であり、RはC〜C20
ルキル基である)を有する基であり、Aは、第一または
第二脂肪族、脂環式、芳香族または芳香脂肪族アミンで
あって同じ種類または異なる種類の置換基を含むもので
あるか、または複素環状アミンまたはヒドラジン化合物
である]を有する特定のジ−ベンゾ[1,3,2]ジオ
キサホスホシンが記載されている。
【0010】欧州特許出願第EP−A−0108714
号明細書には、アルカノールアミンから誘導され、一般
【化5】 (式中、RおよびRは同一であるかまたは異なるもの
であり、HまたはC〜C18アルキル、C〜C12シク
ロアルキル、C〜C24フェニルまたはフェニルアルキ
ル基であり、RはHであるかまたはC〜C12アルキ
ルまたはフェニル基であり、AはC〜Cアルキレン
またはC〜Cシクロアルキレン基であり、Xは単結
合であるかまたはC〜C12アルキリデン基である)を
有するジベンゾ−ジオキサホスフェピンおよび/または
ジベンゾジオキサホスホシンが記載されている。
【0011】一般にポリマーの安定化におけるリン化合
物の使用に伴う一つの不利な点は、これらの化合物の多
くが多少の吸湿性を示し、耐加水分解性がよくないこと
である。このため、例えば前記の化合物を添加したポリ
マーを保存する際には、ポリマーによる水の吸収および
リン化合物の加水分解を少なくしまたは起こらないよう
にするため何んらかの予防措置を講ずる必要がある。
【0012】それ故、本発明の目的はリンを含む化合
物、特にリン含有アミドの新規な種類であって、これま
でに知られており且つポリマーの安定化のために普通に
工業的に用いられているリン化合物に比較して勝れた安
定化特性と加水分解および水の吸収に対する勝れた耐性
を合せ持つ化合物を提供することである。
【0013】特に、本発明の化合物は、一般式
【化6】 [式中、Rは、HまたはC〜C18アルキル基であり、
およびRは、同一であるかまたは異なるものであ
り、線形または分岐したC〜C10アルキル基であり、
nは、1または2であり、nが1であるときには、A
は、式−(CH−Cyの基であり、但しCyはモ
ノ−またはポリ環状C〜C20脂肪族基であって、所望
によりアルキルまたはアルコキシ基で置換されたもので
あり、mは0または1であり、nが2であるときには、
Aは、C〜C20アルキレン基、C〜C20アルケニレ
ン基、C〜Cアルキニレン基、C〜Cシクロア
ルキレン基、または基
【化7】 (但し、Bは、O、S、フェニレンまたはビスフェニレ
ン基または>CR基から選択され、ここで、R
およびRはHまたはC〜Cアルキル基から選択さ
れるか、あるいはそれらが結合している炭素と共にC
〜C12環を形成することができる)から選択されたもの
である]を有するリン含有有機アミド化合物である。
【0014】本発明者は意外にも、式(I) において、窒
素に結合した適当なA基を選択することによって、ポリ
マー安定剤として特に好適である上に、前記のように吸
湿性および加水分解性が極めて少ない化合物を得ること
ができることを見出した。
【0015】好ましくは、RはHであるかまたはC
11アルキル基であり、RおよびRは好ましくはt
−ブチル、イソプロピル、メチルであり、最も好ましく
は、これらの二つのうちの少なくとも一方がt−ブチル
である。
【0016】nが1であるとき、Aは好ましくはアビエ
チル、ヒドロアビエチル、テトラヒドロアビエチル、デ
ヒドロアビエチル、d−およびl−ピマリールおよびシ
クロヘキシルから成る群から選択される。アビエチルの
ような基は、安定化分子と安定化させるべきポリマーマ
トリックスとの相溶性を一層高めるので、「ブルーミン
グ」現象、すなわち安定剤自身の損失を生じ製品の美的
特性を低下させる、安定剤のポリマー製品表面への移
動、をかなり防止するといった利点も有する。
【0017】nが2であるとき、Aは好ましくはエチレ
ン、ヘキサメチレンおよび4,4′−アルキリデン−ビ
ス−シクロヘキシル基から選択される。
【0018】式(I) の化合物の例は、2,2′−メチレ
ン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−N−シ
クロヘキシル−リンアミド、2,2′−エチリデン−ビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−N−デヒドロ
アビエチル−リンアミド、2,2′−エチリデン−ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−N−シクロヘキ
シル−リンアミド、N,N′−ビス[2,2′−エチリ
デン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン]
−1,6−ヘキサンジアミド、2,2′−ブチリデン−
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−N−デヒド
ロアビエチル−リンアミド、2,2′−ヘキシリデン−
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−N−デヒド
ロアビエチル−リンアミド、2,2′−ドデシリデン−
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−N−デヒド
ロアビエチル−リンアミド、2,2′−ドデシリデン−
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−N−シクロ
ヘキシル−リンアミド、2,2′−ブチリデン−ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−N−シクロヘキ
シル−リンアミドおよび2,2′−ヘキシリデン−ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−N−シクロヘキ
シル−リンアミドである。
【0019】式(I) の化合物は揮発性も僅かであり、こ
のことによりこれらの化合物を添加したポリマーの加工
中にこれらの化合物が消散するのが防止される。
【0020】更に、基R、RおよびAを適当に選択
することによって、融点が200℃を上回る化合物を得
ることができる。
【0021】式(I) の化合物は、式(II)
【化8】 のビス−フェノールから出発して得ることができる。
【0022】式(II)の化合物は市販されており、あるい
は下記の反応にしたがって、式(IV)のフェノールから出
発して調製することができる。
【化9】
【0023】前記の反応は、例えば「ビーバー、ディー
・ジェイ(Beaver, D.J.)およびストッフェル、ピー・ジ
ェイ(Stoffel, P.J.) 、ジャーナル・オブ・ザ・アメリ
カン・ケミカル・ソサイェティ(Journal of the Americ
an Chemical Society)、74巻、3410頁(1952
年)」に記載されている。
【0024】式(II)のビス−フェノールを、下記の反応 (II) + PCl +2B′→(III) + 2B′・HCl (2) にしたがってPClと反応させて、式(III)
【化10】 の化合物を生成させる。
【0025】前記の反応において、B′は、有機または
無機の塩基性化合物を表わす。好ましいB′化合物は第
三アミン、例えばトリエチルアミン、ピリジン塩基、お
よびアンモニアである。
【0026】反応(2) は、溶媒媒体中で行うのが好まし
い。好ましい溶媒は、芳香族炭化水素、例えばベンゼ
ン、トルエンおよびキシレンである。脂肪族および環状
脂肪族炭化水素、例えばリグロインおよび石油エーテ
ル、有機塩素化化合物、例えばクロロホルムまたは1,
2−ジクロロエタン、およびエーテル類、例えばエチル
エーテルまたはジグリムも、溶媒として用いることがで
きる。
【0027】反応(2) は、0℃と用いる溶媒の沸点との
間の温度で起こる。
【0028】中間体(III) は、B′・HClを濾過した
後、溶媒を留去することによって反応混合物から分離す
ることができ、更に精製する必要なしに用いられる。
【0029】或いは、中間体(III) の溶液またはその懸
濁液を、化合物(I) の調製のための出発物質として用い
ることができる。
【0030】化合物(I) を調製するためには、中間体(I
II) を下記の反応に示されるようにアミンと反応させ
る。 n(III) +(HN)A+nB″→(I) +nB″・HCl (3) (但し、B″はB′と同一または異なるものであり、
B′と同じ意味を有する塩基性化合物である)
【0031】反応(3) も、反応(2) について前記したの
と同じ特性を有する溶媒媒体中で起こるのが好ましい。
しかしながら、この場合には、式(I) の化合物が可溶性
であり、B″・HCl塩が室温で不溶性である溶媒を用
いるのが好ましい。
【0032】試薬は化学量論的量で用いるのが好ましい
が、塩基B″は化学量論的量に対して約10%過剰量で
用いるのが好ましい。
【0033】式(I) の化合物は、B″・HCl塩を濾過
した後に、溶媒を留去することによって反応混合物から
分離される。次にこれを、例えば再結晶化によって精製
することができる。
【0034】ポリマーに加工安定性を付与するには、本
発明の化合物のごく少量で十分である。
【0035】安定化を行うため好適に用いることができ
る前記の化合物の量は、通常は安定化させるべきポリマ
ー100重量部に対して0.01〜3重量部である。
【0036】本発明の目的は、安定化させるべきポリマ
ー物質100重量部当たり式(I) の化合物を0.01〜
3重量部の量で含むポリマー組成物でもある。
【0037】式(I) の化合物は、合成および天然ポリマ
ー、並びに他の有機物質、例えば鉱油、植物または動物
油、およびそれらの混合物の安定剤として有効である。
【0038】式(I) の化合物が安定剤として特に有用で
あるポリマーは、式R"'−CH=CH(式中、R"'は
水素原子であるかまたは1〜6個の炭素原子を有するア
ルキル基またはアリール基である)を有するオレフィン
の逐次重合によって得られるポリマーおよびコポリマー
またはそれらの混合物である。
【0039】特に、前記のポリマーおよびコポリマーに
は、(i) アイソタクチックまたは主としてアイソタク
チックなポリプロピレン、(ii) HDPE、LLDPE
およびLDPEポリエチレン、(iii) プロピレンとエチ
レンおよび/または他のα−オレフィン、例えば1−ブ
テン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび4−メチル−
1−ペンテンとの結晶性コポリマー、(iv) エチレン/
α−オレフィンエラストマー性コポリマーおよび少量の
ジエンを含むエチレン/α−オレフィン/ジエンターポ
リマーであって、α−オレフィンが好ましくはプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテンおよび3−メチル−1−ブテンから
選択されるもの(前記のエラストマー性コポリマーに最
も普通に含まれるジエンの例はブタジエン、エチリデン
−ノルボルネンおよび1,4−ヘキサジエンである)、
(v) 逐次重合によって得られ、(A) プロピレンまたは
(iii) に挙げたコポリマーの一つのホモポリマー画分と
(B)(iv) に挙げたエラストマー性コポリマーによって形
成されるコポリマー画分とからなる不均一相ポリマーが
ある。
【0040】本発明の安定剤は、ポリマー製品形成前の
任意の工程段階で従来の手法によってポリマーに容易に
配合することができる。安定剤は、粉末形態での乾式ブ
レンディング、または溶液、懸濁液の形態或いはマスタ
ーバッチの形態での湿式ブレンディングのような各種の
技法を用いてポリマーと混合することができる。前記の
操作において、ポリマーは、粉末、ペレット、溶液、懸
濁液またはラテックスの形態で用いることができる。
【0041】本発明の化合物は、ポリマー用の他の従来
の添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤および紫外線吸
収剤、Niを基剤とした安定剤、顔料、補強剤、可塑
剤、耐酸剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、腐蝕抑制剤、
金属錯生成剤、ペルオキシドのスキャベンジャー、他の
塩基性安定助剤及び成核剤と共に用いることができる。
【0042】下記の例は例示のためのものであり、本発
明を制限するものではない。
【0043】総ての百分率は重量によって算出したもの
である。
【0044】例A 2,2′−エチリデンビス(2,4−ジ−t−ブチル−
フェニル)リン塩化物の調製 冷凍装置と機械撹拌機を備えた1リットルの三つ口フラ
スコに、窒素雰囲気中で順次、無水トルエン200mlと
PCl13.75g(100ミリモル)とを導入す
る。溶液が0〜5℃の温度になるまで、氷浴中で撹拌し
て冷却する。この溶液に、2,2′−エチリデン−ビス
−(2,4−ジ−t−ブチル)フェノール43.8g
(100ミリモル)およびトリエチルアミン20ml(2
00ミリモル)をトルエン200mlに溶解した溶液を3
0分の時間を要して滴下して加える。
【0045】添加が終了したならば、、生成する混合物
を周囲温度に達するまで放置し、撹拌を停止し、混合物
を50℃まで8時間加熱する。
【0046】次いで、このようにして得られる懸濁液を
周囲温度まで冷却し、不活性雰囲気中で濾過する。フィ
ルター上に集められた固形物を、トルエン50mlで2回
洗浄する。
【0047】濾液および洗浄溶媒を纏めて、この溶液を
減圧下で蒸発させ、得られる固形物を真空下で乾燥す
る。このようにして、所望の生成物47.1g(収率9
3.5%)が得られ、その構造を質量スペクトル分析法
および元素分析によって確かめる。C%72.02(理
論値71.62);H%8.93(理論値8.82);
Cl%6.93(理論値7.05);P%5.51(理
論値6.16)。質量スペクトル分析法によって決定し
た分子量は、(MH)=503[但し、(MH)
物質にプロトンを加えた分子量を表わす]である。
【0048】例1 2,2′−メチレン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチル
−フェニル)−N−シクロヘキシル−リンアミドの調製 冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次、無水トルエン100ml、トリエチルアミ
ン2ml(14ミリモル)、シクロヘキシルアミン1.5
ml(13ミリモル)、および出発物質として2,2′−
エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチル)フェノ
ールの代わりに2,2′−メチレン−ビス−(2,4−
ジ−t−ブチル)フェノールを用いること以外は、例A
に記載の方法に準じて調製した2,2′−メチレン−ビ
ス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)クロロホスフ
ィット5.56g(13ミリモル)を導入する。
【0049】溶液を、マグネティックスターラーで撹拌
しながら80℃の温度に12時間保持する。得られる懸
濁液を周囲温度まで冷却して濾過した後、フィルター上
に集めた固形物をトルエン20mlで2回洗浄する。濾液
と洗浄溶媒を一緒に纏めて、得られた溶液を減圧下で蒸
発させる。次に、溶液の蒸発によって得られる固形物を
石油エーテル100mlで洗浄し、真空下で乾燥する。
【0050】所望の生成物6.2g(収率84%)が得
られ、元素分析の結果は次の通りである。C%76.2
0(理論値76.15);H%9.97(理論値9.8
6);N%2.63(理論値2.53);P%5.31
(理論値5.61)。
【0051】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、またこの分析によりこの化合物の
分子量は(MH)=552と決定した。
【0052】例2 2,2′−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−N−デヒドロアビエチル−リンアミドの
調製 冷凍装置を備えた500mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次無水トルエン200ml、デヒドロアビエチ
ルアミン9.6g(90%で30ミリモル)、トリエチ
ルアミン4.2ml(30ミリモル)および例Aで調製し
た2,2′−エチリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)リン塩化物15.1g(30ミリモル)を
導入する。
【0053】生成する溶液を、マグネティックスターラ
ーで撹拌下に保持し、温度を80℃に12時間保持す
る。得られる懸濁液を周囲温度まで冷却して濾過した
後、フィルター上に集めた固形物をトルエン20mlで2
回洗浄する。濾液と洗浄溶媒を一緒に纏めて、得られた
溶液を減圧下で蒸発させる。次に、溶液の蒸発によって
得られる固形物を石油エーテル100mlで洗浄し、真空
下で乾燥する。所望の生成物15.8g(収率70%)
がこのようにして得られる。
【0054】前記の生成物の元素分析の結果は次の通り
である。C%79.55(理論値79.84);H%
9.81(理論値9.92);N%1.74(理論値
1.86);P%3.45(理論値4.12)。
【0055】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、この分析法を用いて化合物の分子
量を(MH)=752と決定した。
【0056】例3 2,2′−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−N−シクロヘキシル−リンアミドの調製 冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次無水トルエン100ml、トリエチルアミン
2ml(14ミリモル)、シクロヘキシルアミン1.5ml
(13ミリモル)および例Aに記載の方法で調製したリ
ン塩化物6.47g(13ミリモル)を導入する。
【0057】例1に記載したのと同じ操作法を用いて、
下記の元素分析値を有する所望の生成物5.5g(収率
75%)を得る。 C%76.90(理論値76.42);H%10.01
(理論値9.98);N%2.29(理論値2.4
7);P%4.28(理論値5.48)。
【0058】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、またこの分析法を用いて化合物の
分子量を(MH)=566と決定した。
【0059】比較例1 2,2′−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−N−ドデシル−リンアミド 冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次無水トルエン100ml、ドデシルアミン
1.09g(11.34ミリモル)、トリエチルアミン
2.1ml(15ミリモル)および例Aに記載の方法で調
製したリン塩化物5.7g(11.3ミリモル)を導入
する。
【0060】例1に記載したのと同様に操作して、所望
の生成物6.54g(収率88%)を得る。この生成物
の元素分析は、下記の通りである。C%76.90(理
論値77.37);H%11.03(理論値10.8
2);N%2.24(理論値2.15);P%4.58
(理論値4.75)。
【0061】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、この分析法を用いて化合物の分子
量を(MH)=652と決定した。
【0062】比較例2 2,2′−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−N−オクタデシル−リンアミドの調製 冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次無水トルエン100ml、オクタデシルアミ
ン5.36g(20.2ミリモル)および例Aに記載の
方法で調製したリン塩化物5g(9.95ミリモル)を
導入する。
【0063】例1に記載したのと同様に操作して、所望
の生成物6.4g(収率87%)を得る。この生成物の
元素分析は、下記の通りである。 C%77.15(理論値78.36);H%11.2
(理論値11.15);N%1.62(理論値1.9
0);P%3.77(理論値4.21)。
【0064】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、この分析法を用いて化合物の分子
量を(MH)=736と決定した。
【0065】例4 N,N′−ビス[2,2′−エチリデン−ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)リン]−1,6−ヘキサン
ジアミドの調製 冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次トルエン60mlおよび例Aに記載の方法で
調製したリン塩化物5g(10ミリモル)を導入する。
溶液を撹拌しながら、1,6−ジアミノヘキサン0.5
77g(5ミリモル)をトルエン20mlに溶解したもの
を加える。
【0066】溶液をマグネティックスターラーで撹拌し
ながら温度を80℃に12時間保持する。得られる懸濁
液を周囲温度まで冷却して濾過し、フィルター上に集め
た固形物をトルエン20mlで2回洗浄する。濾液と洗浄
溶媒を一緒に纏めて、得られた溶液を減圧下で蒸発させ
る。次に、溶液の蒸発によって得られる固形物を石油エ
ーテル100mlで洗浄し、真空下で乾燥する。
【0067】所望の生成物3.9g(収率74%)が得
られる。前記の生成物の元素分析の結果は次の通りであ
る。C%75.16(理論値75.57);H%9.9
1(理論値9.80);N%2.59(理論値2.6
7);P%5.09(理論値5.91)。
【0068】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、この分析法を用いて化合物の分子
量を(MH)=1049と決定した。
【0069】例5 2,2′−ブチリデン−ビス(2,4′−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−N−デヒドロアビエチル−リンアミドの
調製 冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次無水トルエン100ml、デヒドロアビエチ
ルアミン3.2g(90%で10ミリモル)、トリエチ
ルアミン1.5ml(10.1ミリモル)および出発物質
として2,2′−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t
−ブチル)フェノールの代わりに2,2′−ブチリデン
−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)を用いる
ことを除き例Aに記載の方法に準じて調製した2,2′
−ブチリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)リン塩化物5.31g(10ミリモル)を導入す
る。
【0070】例1に記載したのと同様に操作して、所望
の生成物5.69g(収率73%)を得る。前記の生成
物の元素分析は下記の通りである。C%80.52(理
論値80.07);H%10.31(理論値10.0
8);N%1.69(理論値1.79);P%3.45
(理論値3.97)。
【0071】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、この分析法を用いて化合物の分子
量を(MH)=780と決定した。
【0072】例6 2,2′−ヘキシリデン−ビス(2,4′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−N−デヒドロアビエチル−リンアミド
の調製 冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次無水トルエン100ml、デヒドロアビエチ
ルアミン3.2g(90%で10ミリモル)、トリエチ
ルアミン2.25ml(15.1ミリモル)および出発物
質として2,2′−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−
t−ブチル)フェノールの代わりに2,2′−ヘキシリ
デン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)を用
いることを除き例Aに記載の方法に準じて調製した2,
2′−ヘキシリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)リン塩化物8.38g(15ミリモル)を導入
する。
【0073】例1に記載したのと同様に操作して、所望
の生成物9.69g(収率80%)を得る。前記の生成
物の元素分析は下記の通りである。C%79.55(理
論値80.25);H%9.89(理論値10.2
3);N%1.63(理論値1.73);P%3.30
(理論値3.85)。
【0074】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、この分析法を用いて化合物の分子
量を(MH)=808と決定した。
【0075】例7 2,2′−ドデシリデン−ビス(2,4′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−N−デヒドロアビエチル−リンアミド
の調製 冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次、無水トルエン100ml、デヒドロアビエ
チルアミン1.84g(90%で5.8ミリモル)、ト
リエチルアミン0.9ml(6.5ミリモル)、および出
発物質として2,2′−エチリデン−ビス−(2,4−
ジ−t−ブチル)フェノールの代わりに2,2′−ドデ
シリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)
を用いることを除き例Aに記載の方法に準じて調製した
2,2′−ドデシリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)リン塩化物3.76g(5.8ミリモル)
を導入する。
【0076】例1に記載したのと同様に操作して、所望
の生成物4.6g(収率89%)を得る。前記の生成物
の元素分析は下記の通りである。C%80.76(理論
値79.34);H%10.67(理論値11.1
1);N%1.57(理論値1.67);P%3.09
(理論値3.47)。
【0077】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、この分析法を用いて化合物の分子
量を(MH)=808と決定した。
【0078】例82,2′−ドデシリデン−ビス(2,4′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−N−シクロヘキシル−リンアミドの調
冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次、無水トルエン100ml、トリエチルアミ
ン3.7ml(27ミリモル)、シクロヘキシルアミン
2.5ml(22ミリモル)および出発物質として2,
2′−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチル)
フェノールの代わりに2,2′−ドデシリデン−ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)を用いることを
除き例Aに記載の方法に準じて調製した2,2′−ドデ
シリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リ
ン塩化物14.3g(22ミリモル)を導入する。
【0079】例1に記載したのと同様に操作して、所望
の生成物14.3g(収率92%)を得る。前記の生成
物の元素分析は下記の通りである。C%78.00(理
論値79.26);H%10.90(理論値10.8
6);N%1.85(理論値1.98);P%4.28
(理論値4.39)。
【0080】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、この分析法を用いて化合物の分子
量を(MH)=706と決定した。
【0081】例9 2,2′−ブチリデン−ビス(2,4′−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−N−シクロヘキシル−リンアミドの調製 冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次、無水トルエン100ml、トリエチルアミ
ン3.0ml(21ミリモル)、シクロヘキシルアミン
2.3ml(22ミリモル)および出発物質として2,
2′−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチル)
フェノールの代わりに2,2′−ブチリデン−ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)を用いることを
除き、例Aに記載の方法に準じて調製した2,2′−ブ
チリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リ
ン塩化物10.5g(20ミリモル)を導入する。
【0082】例1に記載したのと同様に操作して、所望
の生成物10.2g(収率86%)を得る。前記の生成
物の元素分析は下記の通りである。C%76.12(理
論値76.84);H%9.95(理論値10.1
8);N%2.16(理論値2.36);P%4.59
(理論値5.22)。
【0083】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、この分析法を用いて化合物の分子
量を(MH)=594と決定した。
【0084】例10 2,2′−ヘキシリデン−ビス(2,4′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−N−シクロヘキシル−リンアミドの調
冷凍装置を備えた250mlの二つ口フラスコに、窒素雰
囲気中で順次、無水トルエン100ml、トリエチルアミ
ン2ml(14ミリモル)、シクロヘキシルアミン1.2
5ml(11ミリモル)および出発物質として2,2′−
エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチル)フェノ
ールの代わりに2,2′−ヘキシリデン−ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェノール)を用いることを除き、例
Aに記載の方法に準じて調製した2,2′−ヘキシリデ
ン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン塩化
物4.6g(8.2ミリモル)を導入する。
【0085】例1に記載したのと同様に操作して、所望
の生成物7.3g(収率84%)を得る。前記の生成物
の元素分析は下記の通りである。C%77.20(理論
値77.17);H%10.57(理論値10.0
3);N%2.03(理論値2.25);P%4.81
(理論値4.98)。
【0086】得られた化合物の構造は質量スペクトル分
析法によって確かめ、この分析法を用いて化合物の分子
量を(MH)=622と決定した。
【0087】例11 この例では、ポリプロピレンの熱的安定化における、フ
ェノール系酸化防止剤と組み合わせて用いた本発明のリ
ンアミド化合物の有効性を説明する。
【0088】ハイモント(HIMONT)社から販売されている
粉末状のアイソタクチックポリプロピレンであるFLS
20 100重量部を、チバ−ガイギー(Ciba-Geigy)社
から販売されている市販製品のイルガノックス(Irgano
x) 1010(ペンタエリストチル=テトラ[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパノエート])0.05重量部および表1及び2に
示される化合物のそれぞれ0.1重量部と配合する。こ
のようにして得られる配合物にアセトン70重量部を加
え、混合物を1時間撹拌する。溶媒を減圧下にて留去し
た後、ポリマーをステアリン酸カルシウム0.1重量部
と混合する。
【0089】混合物を、1軸スクリュー押出機で100
rpmおよび260℃の最高温度で5回押出する。ポリ
マーのメルトフローインデックスを(ASTM D12
38による、温度230℃および加重2.16kg)、第
一回目、第三回目および第五回目の押出しの後に測定す
る(それぞれ、MFI、MFI、MFI)。得ら
れる結果を表1に示す。
【0090】加工安定剤の目的は、例えば高温での反復
押出しの結果として起こるポリマーの分解を減少させま
たはなくすことである。ポリマーで起こる分解の尺度
は、メルトフローインデックスである。ポリプロピレン
の場合には、ポリマーの分解が大きくなれば、一連の押
出しの後のポリマーのMFIは高くなる。
【0091】表1および2のデータの分析より、本発明
のリン含有アミドは加工安定剤として優れており、その
性能はポリプロピレンについて通常用いられるリン含有
安定剤の性能に匹敵するかまたは場合によってはその性
能より良好であることが判る。
【表1】
【表2】
【0092】例12 この例では、ポリエチレンの熱的安定化における、フェ
ノール系酸化防止剤と組み合わせて用いた本発明のリン
アミン化合物の有効性を説明する。
【0093】MFIが11g/10分のHDPEである
エラクレン(IEraclene) HDG5515P、100重量
部を、例9において調製した化合物0.1重量部と配合
する。このようにして得られる混合物にアセトン70重
量部を加え、全混合物を1時間撹拌する。溶媒を減圧下
で留去した後、ポリマーをステアリン酸カルシウム0.
05重量部と混合する。
【0094】混合物を、窒素雰囲気下にて230℃でペ
レット化する。ポリマーのMFIは11.4である。混
合物を1軸スクリュー押出機中で100rpmおよび2
50℃の最高温度で5回押出する。ポリマーのMFI
を、第一回目、第三回目および第五回目の押出しの後に
測定する(温度230℃および加重2.16kgで、AS
TM D1238に準じてg/10分で測定;それぞ
れ、MFI=11.5、MFI=11.6およびM
FI=11.6)。
【0095】ポリエチレンの場合には、高温での複数回
の押出しの後にポリマーMFIが一定の値であること
は、分解に対してポリマーが安定であること、それ故、
安定剤が有効であることを示している。
【0096】例13 本発明の安定剤の粉末試料と他の既知のリン含有安定剤
を、84%の湿度で28℃に暴露した。試料が吸収した
水を、4、14、28、60および90日後の重量増加
を測定することによって決定した。試料の初期の酸価と
比較した試料の酸価の変動率も、同じ時間間隔で測定し
た。酸価はKOHのmg数/試料1gで測定し、試料のジ
メチルホルムアミド溶液のNaOCHを用いる滴定に
よって測定する。
【0097】前記の測定の結果を、表3および4に示
す。
【0098】表3および4に示されるデータの分析よ
り、本発明のリン含有アミドは吸湿性ではなく、試験条
件下で加水分解に対して安定であるが、P−EPQおよ
び比較例1のリン含有アミド(窒素に結合しているA基
においてのみ本発明の化合物と異なる)は吸湿性であ
り、試験条件下で加水分解性であることが判る。
【表3】
【表4】
【0099】例14 例10に用いたのと同じポリプロピレン100重量部
を、イルガノックス(Irganox) 1010 0.05重量
部、GMS(グリセロールモノステアレート)0.05
重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部および
表5に記載の各々の安定剤0.05重量部と混合する。
【0100】このようにして得られる混合物を230℃
で押出し、成分の均質な分散を得た後、2軸スクリュー
押出機中で、100rpmおよびシリンダーの最終温度
280℃で3回押出した。それぞれの押出しの後にMF
I(温度230℃および加重2.16kg)を測定した
後、試料を成形して、ASTM D1925−70試験
法に準じてYI(黄化インデックス)を測定する。前記
の試料の直径は50mmであり、厚みは1mmである。
【0101】データを表5に示す。表5に記載のデータ
の評価から、本発明のリン含有アミドの使用は、2種類
の比較用リン化合物の使用に比較して、加工安定性およ
び黄化インデックスの観点から有利であることが判る。
【表5】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、Rは、HまたはC〜C18アルキル基であり、 RおよびRは、同一であるかまたは異なるものであ
    り、線形または分岐したC〜C10アルキル基であり、 nは、1または2であり、 nが1であるときには、Aは、式−(CH−Cy
    の基であり、但しCyはモノ−またはポリ環状C〜C
    20脂肪族基であって、所望によりアルキルまたはアルコ
    キシ基で置換されたものであり、mは0または1であ
    り、 nが2であるときには、Aは、C〜C20アルキレン
    基、C〜C20アルケニレン基、C〜Cアルキニレ
    ン基、C〜Cシクロアルキレン基、または基 【化2】 (但し、Bは、O、S、フェニレンまたはビスフェニレ
    ン基または>CR基から選択され、ここで、R
    およびRはHまたはC〜Cアルキル基から選択さ
    れるか、あるいはそれらが結合している炭素と共にC
    〜C12環を形成することができる)から選択されたもの
    である]を有するリン含有有機アミド化合物。
  2. 【請求項2】RがHである、請求項1に記載のリン含有
    有機アミド。
  3. 【請求項3】RがC〜C11アルキル基である、請求項
    1に記載のリン含有有機アミド。
  4. 【請求項4】RおよびRが同一であるかまたは異な
    るものであり、t−ブチル、イソプロピル、メチルから
    選択され、それらの少なくとも1個はt−ブチルであ
    る、請求項1に記載のリン含有有機アミド。
  5. 【請求項5】Aがアビエチル、ヒドロアビエチル、テト
    ラヒドロアビエチル、デヒドロアビエチル、d−および
    l−ピマリールおよびシクロヘキシルから選択される、
    請求項1に記載のリン含有有機アミド。
  6. 【請求項6】Aがエチレン、ヘキサメチレンおよび4,
    4′−アルキリデン−ビス−シクロヘキシル基から選択
    される、請求項1に記載のリン含有有機アミド。
  7. 【請求項7】請求項1に記載のリン含有有機アミドを含
    んで成るポリマー組成物。
  8. 【請求項8】安定化させるべきポリマー物質100重量
    部当たりリン含有有機アミド0.01〜3重量部を含ん
    で成る、請求項7に記載のポリマー組成物。
  9. 【請求項9】安定化させるべきポリマー物質が、式R"'
    −CH=CH(式中、R"'は、水素原子または1〜6
    個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であ
    る)のオレフィンの逐次重合によって得られるポリマー
    およびコポリマーまたはそれらの混合物から選択され
    る、請求項7に記載のポリマー組成物。
JP4317736A 1991-10-31 1992-11-02 安定剤として好適なリン含有有機アミドおよびそれを含むポリマー組成物 Pending JPH0649086A (ja)

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