JPH0649054B2 - 動物の超音波治療 - Google Patents

動物の超音波治療

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JPH0649054B2
JPH0649054B2 JP1080192A JP8019289A JPH0649054B2 JP H0649054 B2 JPH0649054 B2 JP H0649054B2 JP 1080192 A JP1080192 A JP 1080192A JP 8019289 A JP8019289 A JP 8019289A JP H0649054 B2 JPH0649054 B2 JP H0649054B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は例えば洗浄、殺菌、除菌作用による衛生法、治
療法および上皮の治癒の促進のために超音波を用いてヒ
トを含む動物を治療するための方法および装置に関す
る。
〔従来の技術〕
超音波治療の一分野において、超音波音が変換器により
作用液体に適用されている。治療されるべき動物の一部
分がこの作用液体に浸けられ、そして変換器がその動物
のその作用液体を介して超音波帯の震動を送るようにな
っている。
この分野のヒトのための超音波治療の一従来例におい
て、超音波音は一平方センチメートル当たり0から5ワ
ットのパワーレベルの幅で患者に適用されており、一般
に、曲らない関節や筋肉疾患のために用いられている。
超可聴音を用いた治療の他の例は1985年2月26日、クリ
ストマンに「投薬量を測定する超音波治療アプリケー
タ」として発行された米国特許第4,501,151、1970年3
月10日、バラムスに「弾力性のあるコヒーレント・エネ
ルギー波を用いた器官構造の治療のための方法と装置」
として発行された米国特許第3,499,436号、および1975
年2月25日、ジョイナー他に「超音波を用いるための超
音波治療装置および方法」として発行された米国特許第
3,867,929および西ドイツ実用新案第G8714883.8号に開
示されている。
この先行技術に記載されている治療法は主に超音波の周
波数および強度が適当に用いられていないことから生じ
る、いくつかの欠陥を有している。例えば、(1)ある周
波数および強度は患者の下層組織を過剰治療するという
危険性を増大させ、また(2)選択された周波数が所望の
ものより高いために、衛生学上の目的のためには用いる
ことができない場合もある。さらに、先行技術文献は抗
ウィルス、除菌、殺菌作用を意図するものではなく、抗
ウィルス、除菌、殺菌作用を効果的に成しとげるように
は適用されていなかった。
液体媒体を介して送られる超音波音により体の諸部分を
洗浄することは知られている。例えば、1961年1月31
日、プランジに「ヒトの体の1部分の手術用超音波洗浄
方法」として発行された米国特許第2,970,073号は外科
医の手を洗浄するために、水、殺菌剤およびサーフェク
タント(surfectant)を分解するに1秒当たり10から200
キロサイクルまでの範囲で超音波を用いることが開示さ
れている。
さらに、超音波を用いた別の洗浄装置はヨーロッパ特許
出願、発行番号第0049759号に記載され、指のつめの磨
き粉を除去するための超音波と液体の使用法が開示され
ている。周波数が約1/4メガヘルツから3メガヘルツに
及ぶメガヘルツの帯域の実施例もあれば、米国特許第3,
867,929号に開示されるような約80キロヘルツの実施例
もある。
〔発明が解決しようとする課題〕
この種の超音波洗浄装置は、米国特許第2,970,073の場
合、殺菌剤のような添加剤のみと、米国特許第3,316,92
2号または公開特別第DE3238476号またはヨーロッパデ
ザイン特許第G8714883.8の場合、つめの磨き粉の除去
剤のみにとしか用いることができない、という欠点を有
している。
傷ついた軟質組織および骨の治療についてダイソン他に
よる論文、IEEE Transaction on Ultrasonic、 Ferroelectronics and Frequency Control、Vol.UFF
C31、n.2、March 1986、PP.194-201の「超音波に
よる技能的なマストセル平滑化の分化誘導」で知られて
いる。しかしながら、この情報は水浴および治療のため
の統合化されたシステムには用いられていなかった。
したがって、本発明の課題は動物をいらだたせたり、傷
つけたりすることなく、衛生上および治療上の利点をも
たらす超音波を用いて動物を治療するための新規な技術
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この課題を解決するために、動物の治療のための超音波
装置を製造する方法は、作用液体を収容するための容器
を形成し、作用液体に対し、所定レベル以下で前記容器
のある場所において15キロヘルツから100キロヘルツの
周波数帯で、かつ平方センチメートル当たり0.1から30
ワットの幅の少なくとも一部分で発生するパワー強度で
作用液体に超音波震動を与えるための少なくとも一つの
震動体を前記容器に設け、容器の中で作用液体を介して
体伝搬可聴音を感知し、その感知した体伝搬可聴音が改
善されるまで、作用液体に加える低調波を変えることに
よって所望としない体伝搬可聴雑音を低減するよう装置
を調整する、ステップを含んでいる。
よりよい効果をもたらすには、上記の体伝搬可聴音を感
知するステップは、音が近傍の空中を伝わる音とは異な
るピッチで聞こえる作用液体に、体の少なくとも一部を
浸たすステップを含んでいる。さらには、上記の装置を
調整するステップは、所望としない体伝搬可聴雑音を低
減するために、容器中の諸震動体の形状と、少なくとも
一つの震動体の大きさと、および1つの震動体の位置
と、のうち少なくとも一つを変えるか、又は諸震動体の
前のバッフル機構と、震動体に対する変換器の位置と、
の少なくとも一つを変えるステップ、もしくは少なくと
も一つの震動体の位置と、震動体の形状と、少なくとも
一つの震動体の大きさと、震動体を動かす諸変換器の位
置と、収容器の形状と、諸震動体のバッフル作用と、お
よび装置が製造されるところの材質と、のうちの少なく
とも一つを変えるステップを含んで、所望としない体伝
搬可聴雑音を低減するようにする。
一実施例においては、前記の容器に少なくとも一つの震
動体を設けるステップは、前記容器の壁内にガラス板を
設け、このガラス板を震動させるように位置する電気的
変換器を設けるステップを含み、これにより震動がその
ガラス板により作用液体に送られるようにする。
壁に囲まれて収容される作用液体の中で動物を治療する
方法は、動物の体が作用液体に浸されていない第1の期
間に、作用液体(18)を介して平方センチメートル当たり
15ワットを超えるパワー強度で超音波震動を送り、これ
により、前記液体に対して殺菌を施すステップと、第1
の期間とは異なる第2の期間に動物の体の一部分を液体
と音響的接触を有するように浸たすステップと、そして
この第2の期間の間、15キロヘルツから100キロヘルツ
の範囲内の一周波数で、かつ動物をいらだたせないパワ
ー強度でその体の一部に作用液体を介して超音波を加え
るステップ、を含んでいる。この方法は、前記超音波の
一部を壁の中に吸収し、これにより前記超音波の空中へ
の伝搬を低減するようにするステップを含んでもよい。
よりよい効果をもたらすには、超音波を作用液体を介し
て加えるステップは、空中を伝搬するとき、ヒトをいら
だたせない周波数帯域の超音波を加えるステップを含ん
でもよいし、動物の体の一部を浸たすステップは、少な
くとも部分的に脱気された水に動物の体の一部を浸たす
ステップを含んでもよい。一実施例においては、動物の
体の一部を浸たすステップは、洗浄および殺菌の少なく
とも一つの作用を助けることのできる添加剤が含まれた
水に、動物の体の一部を浸たすステップを含んでいる。
この方法は、前記作用液体中の超音波を検出しそしてパ
ワー密度の指示を与えるステップ、および第2の期間中
に作用液体中のパワー密度が所定の最大値を越えたと
き、前記作用液体中に送られる超音波のパワーを減少さ
せるステップ、および第1の期間中に、前記作用液体に
異物が差し込まれたことが検出されることに応じて、前
記作用液体を介する前記超音波の伝搬を減少させるステ
ップ、を含んでもよい。
超可聴音を送るステップは、15分未満の時間の間作用液
体を介して体の一部に、15キロヘルツから100キロヘル
ツの範囲の周波数で、平方センチメートル当たり0.1か
ら5ワットの範囲のパワー密度で、かつ過渡的なキャビ
テーションをもたらさないパワーと周波数とにより超音
波を加えるステップを含んでもよい。
所定周波数は、所定の掃引周波数帯域にわたる掃引周波
数により変調してもよい。より一般的には、動物の体の
一部はその部分を作用液体と音響的に接触させて、その
液体中に浸たされ、超音波は15キロヘルツから100キロ
ヘルツの周波数範囲内の所定の周波数で、かつ、動物を
いらだたせないパワー密度で作用液体を介して体の一部
に送られ、そして所定の周波数は所定の掃引周波数帯域
にわたる掃引周波数により変調される。
よりよい効果をもたらすには、殺菌および洗浄の方法は
洗浄されるべき対象物を液体に浸たし、所望としない物
質の除去および菌の溶解を行うことのできる周波数およ
びパワーにより、前記液体を介して超音波を送るステッ
プを含み、これにより、例えば、血液のような前記所望
としない物質が対象物から取り除かれ、パワー密度がそ
の時間の少なくとも一部分において平方センチメートル
当たり30ワットを越える強さであれば、対象物は殺菌さ
れる。超音波を送るステップは、洗浄するに充分な第1
の周波数とパワーによって、および殺菌するに充分な第
2の周波数とパワーによって超音波を送るステップ、お
よび洗浄すると共に殺菌する、ある周波数およびパワー
により超音波を送るステップを含んでもよい。前記対象
物を前記液体に浸たすステップは消毒液が加えられた水
に前記対象物を浸たすステップを含んでいる。
一実施例においては、動物を治療する方法は所定の掃引
周波数帯域にわたる掃引周波数により所定の周波数を変
調することを含んでいる。動物の超音波治療のための装
置は、超音波による治療のため動物の少なくとも一部分
がその中に浸される作用液体を収容するための容器と、
容器内の作用液体を介して少なくとも2つの異なる期間
のうちの対応する1つの期間において、相互に異なる2
つの選択された範囲で超音波を加えるための信号発生器
と、を含み、前記選択された範囲の1方は平方センチメ
ートル当たり15ワット未満のパワー密度の範囲、および
15キロヘルツから100キロヘルツの間の周波数の範囲内
にあり、他方の範囲は平方センチメートル当たり15ワッ
トを越えるパワー密度の範囲内にあり、他の期間は微生
物を殺すに充分な時間である。
よりよい効果をもたらすには、動物と接触する作用液体
中のパワー密度は平方センチメートル当たり0.1から5
ワットの間であり、容器および超音波を作用液体に加え
るための手段のうちの少なくとも1つは使用されている
周波数の音を吸収する物質を含んでいる。一実施例にお
いては、少なくともいくらかのガスを水から取り除き、
容器を少なくとも不完全にガス抜きした水で満たすよう
にしたガス抜き装置、前記作用液体中に前記超音波のパ
ワー強度を検知するためのプローブ、前記プローブによ
り測定されたパワー密度が所定値を越えるとき、超音波
を加えるための前記信号発生器により放射されたパワー
を低減するための回路、が含まれうる。
よりよい効果をもたらすには、前記作用液体への対象物
の侵入を検知するための検知器と、前記作用液体への対
象物の侵入が検知されたことに応じて、超音波を加える
ための前記手段により送られるパワーを低減させるため
の回路とが含まれている。信号発生器は平方センチメー
トル当たり0.1から5ワットの動物と接触する作用液体
中の音のパワー密度により、容器内の作用液体を介して
15キロヘルツから100キロヘルツの範囲の周波数で、か
つ、過渡的なキャビテーションを生じさせることのない
パワーと周波数により超音波を加える。2つの回路は超
音波の第1の周波数を、第1の周波数を中心とする第2
の周波数帯にわたる第2の掃引周波数により変調するた
めの変調回路を含んでいる。信号発生器は震動体および
インターフェースとを含んでもよく、前記インターフェ
ースは前記容器に設けられ、前記震動体により震動させ
られるよう位置するガラス板を含み、前記震動は前記作
用液体に伝達される。
動物の超音波治療のための一装置において、容器は、超
音波による治療のために動物の少なくとも一部分が浸さ
れる作用液体を収容し、信号発生器は、震動体およびイ
ンターフェースを有して、平方センチメートル当たり15
ワット未満の範囲のパワー密度で、かつ、15キロヘルツ
から100キロヘルツの範囲の周波数により容器内の作用
液体を介して超音波を加えるようになっており、前記イ
ンターフェースは前記容器に設けられ、前記震動体によ
り震動させられるように位置するガラス板を含み、前記
震動は前記作用液体に伝達される。
さらには、動物を治療する一方法においては、動物の身
体の一部を創傷を有する部分が作用液体に、2日に1回
から1日に4回の間の回数で、1回当たりの時間は炎症
を広げないよう、かつ治癒をさまたげないよう選択され
た時間だけ、その液体と音響的接触を保ちつつ浸され、
傷の治療が促進される一方で、入浴者は洗浄され、超音
波は各回毎に15キロヘルツから100キロヘルツの範囲の
周波数で、平方センチメートル当たり0.1から5ワット
の範囲のパワー密度により、1回当たり15分未満の時
間、かつ、過渡的なキャビテーションを起こさないよう
なパワーと周波数により、体の一部に作用液体を介して
加えられる。よりよい効果をもたらすには、音波により
活性化された作用液体に入浴する回数、入浴時間、繰り
返しの割合は創傷を観察し、入浴中の興奮度、入浴後の
炎症に広がり具合、または治癒の度合の低下のいづれか
一つに応じて超音波により活性化された作用液体中の時
間を低減させることにより選択される。
〔作用〕
上記の記載により、本発明の装置および方法は先行技術
に対し次のようないくつかの効果をもたらすことが理解
されるだろう。(1)動物に害を与えることなく、衛生的
な治療上の殺菌効果を有する。(2)作用液体のような希
釈水を使用することにより、震動変換器を経済的に用い
ることができる。(3)洗浄および創傷治療を行うと同時
に、特にひどいやけどのような重病の治療が適宜、行わ
れるように殺菌、抗ウィルスおよび殺菌作用をもたら
す。
〔実施例〕
本発明の上述および他の特徴は添付の図面を参照しなが
ら、以下の説明からより良く理解されるであろう。
第1図に、相互に接続されて、衛生的な治療上の殺菌機
能のために超音波を供給するよう相互に接続された超音
波制御/発生システム12と超音波印加システム14とを有
する超音波システム10が示されている。超音波制御/発
生システム12は超音波印加システム14に接続され、信号
を送出する。この超音波印加システム14は、入浴者に衛
生上、治療上の効果をもたらすための入浴システムとす
ることができる。
いくつかの実施例においては、超音波印加システム14内
の変換器は監視する目的のために超音波制御/発生シス
テム12に帰還信号を供給する。超音波システム10は清浄
を助け、動物、特にヒトのために上皮の治療をもたら
し、抗ウィルス性の、殺菌、除菌上の作用をもたらす。
清浄効率は周波数が80キロヘルツを越えると、落ち始
め、平方センチメートル当たり5ワットを越えるSTP
Tパワー密度で感覚的に検知されうるが、震動周波数は
15から100キロヘルツの範囲内に維持され、STPTパ
ワー密度は平方センチメートル当たり15ワット未満であ
る。入浴者に害を与えないようにしながら、所望の効果
をもたらすような周波数とパワー密度のバリエーション
が考えられるが、より好ましい周波数は実質的に30キロ
ヘルツであり、より好ましいパワー密度は平方センチメ
ートル当たり0.1から5.0ワットである。
本明細書において、超音波のエネルギー密度(単位面積
当たりのエネルギー)および強度(パワー密度即ち、単
位面積当たりのパワー)は空間平均・時間平均値(SA
TA)、空間ピーク・時間平均値(SPTA)、空間平
均・時間ピーク値(SATP)または空間ピーク・時間
ピーク値(SPTP)の用語により表わされる。もちろ
ん、これらの用語はこの分野で知られた意味を有してお
り、エネルギーまたは強度のピーク値は1つのサイクル
で生じる最大値であり、エネルギー密度およびパワー密
度はある場所で生じるために空間的に表わされ、また、
それがある時間に生じたことを示すために時間的に表わ
される。同様に、平均値は所定空間における所定の場所
での平均値かまたは所定の時間での平均値である。一実
施例においては、パワー強度は変換器から4分の1波長
のところで平方センチメートル当たり80mW(ミリワッ
ト)から16mWの範囲内にある(SATA)。
超音波の周波数および強度は下層部に障害を与える加熱
効果を避けるよう選択される。100キロヘルツ未満の周
波数を選択することにより、下層部への加熱障害を避け
ることができる。キャビテーションは有効な影響を与え
る効果であるが、有害な影響をもたらしうる。キャビテ
ーションは線型な範囲に維持され、非線型な過渡的キャ
ビテーションは過渡的な高強度の音のピークの間に障害
が加わる危険性があるため、避けられる。
強度(単位面積当たりのパワー)は時間および空間によ
り変化するので、超音波の伝達は入浴者が存在しうる全
領域で障害なく効果的な作用がもたらされるよう設計さ
れる。線型なキャビテーションまたは泡の微流が形成さ
れることにより、清浄作用がもたらされ、ある環境下に
おいては治療および殺菌効果を助けうる。
単一の音源が用いられているとき、希釈によりもたらさ
れるバリエーションは大きな泡(50ミクロンより大きい
もの)を除くために作用液体または水を抜くことにより
低減される。そうしないと、その大きな泡が作用液体中
を通るとき、音の減衰をもたらす傾向がある。20から40
ミクロンより小さな空泡または泡が清浄作用をもたらす
ために、また傷ついた表面の大食細胞(マクロファー
ジ)を低減するようにみえる刺激作用の一種により治療
を促進するために、微流と呼ばれるプロセスで行き来す
る。このように、入浴者の近傍で起こる最も低いSPT
P値はそのような微流のために充分に高いものでなけれ
ばならないし、最も高い強度(SPTP)は患者の細胞
を傷つける過渡的なキャビテーションまたは非線型なキ
ャビテーションをもたらす値より小さいものでなければ
ならない。
入浴前に水を殺菌するために、超音波のパワー密度は菌
を殺すに充分なレベルまで高められる。超音波は殺菌を
行いつつ、空中への音の放射が許容できるレベルの最も
低いパワーにより、効率的に菌を殺すよう選択された周
波数で印加される。このパワー密度:SPTPは15キロ
ヘルツより大きい周波数で平方センチメートル当たり15
ワットより以上であるが、状況により選択されうるもの
である。洗浄剤または消毒剤のような添加剤が加えられ
てもよい。この手順は液中の無生物を殺菌するために用
いられてもよい。大きいパワーでの変換器における加熱
効果によりもたらされる効率の低減を避けるために、複
数のプレートを用いることにより、また同様の変換器お
よびプレートを加えることにより高い強度が達成され
る。
第2図に、1つのタイプの超音波印加システム10に取り
付けられた超音波制御/発生システム12の一実施例を示
す超音波システム10の概略図を示す。本実施例におい
て、超音波印加システムは作用液体18としての水を収容
するプラスチック製のバスタブ16と壁パネル49の蛇口26
などからの水の供給源とを含んでいる。一実施例におい
ては制御システム15がヒトが水18の中に入ったとき、大
きいパワー密度の超音波を低減するため、または止める
ために入浴システムに接続される。水の供給源20は予備
的に必要な処理のために、およびタブ16へ水を移すのに
便利なように配置する。
タブ16は水18を収容するに充分な強さを備え、ヒトまた
はペットのような他の動物が水18にその身体の必要な部
分を浸すことのできるように充分大きいものでなければ
ならない。より好ましい実施例においては、タブ16はバ
スタブであるが、足が入るたらいやペットバスのような
ものであってもよい。
ガスが抜かれた水を供給するために、液体の供給源は水
を受けるための水道管か同様のものと22と、ガス抜き器
24と、蛇口26などのバルブを含み、これらは水が家庭用
の水などの水源から水道管22を通って、ガス抜き器24で
ガスが抜かれた後、タブ16に流れ込むように位置する。
綱、膜または同様のものを介して作用する真空装置と共
に動作するものを含むガス抜き器が多く市販されてお
り、いずれのシステムも使用することができる。
超音波制御/発生システムには周期的な電気信号を発生
するための超音波信号発生器28と、清浄、上皮治療、殺
菌のために水18の中を通る震動に電気信号を変換するた
めの変換器部30とを含んでいる。超音波信号発生器28は
主電源より電力を受け、115または230ボルトおよび60ヘ
ルツ入力電力または50ヘルツ入力電力のいずれも使用可
能である。それは変換器部または水から空中への音の放
射のため患者または近くの人をいらだたせたり、害を与
えたりしない周波数とパワーの範囲内で震動を供給する
ために、変換器部30とケーブルにより電気的に接続され
る。
より好ましい実施例においては、30キロヘルツの周波数
が用いられる。この周波数でのガスが抜かれた水に対す
るSPTPパワー密度は平方センチメートル当たりおよ
そ0.1から5ワットであるが、不完全にガスが抜かれて
いる水に対しては絶対値が平方センチメートル当たり0.
1ワット低く、いくらかガスが混入した水に対しては強
度は平方センチメートル当たり0.2ワット低い。その場
合の特定の周波数は30Khz(キロヘルツ)である必要は
なく、20キロヘルツ±15キロヘルツの範囲がより好まし
い。
超音波システム10内で患者の居ごこちを制御するため
に、蛇口26からの水の温度はダイヤル33によりセットさ
れ、温度計35により示されるとおりに冷水と温水とを異
なる割合で混ぜることにより制御される。同様に、変換
器部30により放たれるパワー密度もダイヤル37により調
整可能であり、バス内の震動パワーは変換器39により測
定されたとおりLED表示41上に示される。
超音波変換器部30に選択された周波数と強度の信号を入
力するために、超音波信号発生器28は超音波変換器部30
にケーブル32より電気的に接続され、超音波信号発生器
28および制御パネル43の両者はケーブル45を介する帰還
信号を受けるために変換器39に接続される。また、制御
パネル43はこの他に接地障害割込み装置51、ヒューズ5
3、主電源スイッチ55などの本発明とは関係のない、通
常の電気装置を含んでいる。
第2図の実施例においては、変換器39は入浴者が存在す
るであろう場所の近くに位置しているが、より好ましい
実施例においては変換器は後述する、ケーブル45に接続
される内部プレート上の装置30内に位置するであろう。
その回路は入浴者がいるはずの場所に位置する変換器を
用いて、内部プレート上の変換器からの帰還信号に対応
する値を得るよう工場において検査される。
いくつかの実施例においては、制御システム15は制御シ
ステム15は検出器19に電気的に接続される複数のセンサ
17を有しており、この検出器19はさらに制御の目的のた
めに超音波信号発生器28に接続される。センサ17は人が
水の中に入ったことによる水位の上昇を検出するため
に、タブ16に設けられた容量センサである。水位の上昇
を検出する容量検出器に代えて、水面の近くの人を検出
する超音波検出器または熱検出器または同様の他のタイ
プの検出器が用いられてもよい。これらの検出器は超音
波信号発生器28が殺菌の目的のために大きいパワーを使
っているときに、超音波信号発生器28に信号を供給す
る。これは障害を避けるために大きいパワーが送り出さ
れているときに、人間がタブの中に入るのを防ぐように
したものである。
この目的のために、回路19は容量の変化として水位の上
昇を検出し、受けた信号を区別し、それをANDゲート
の一入力に入力する。ANDゲートの他方の入力が大き
いパワーの存在によりON状態であれば、超音波信号発
生器28はOFFとされるので、パワーはすぐに除去され
る。パワーを停止させる代わりに、パワーを低減するた
めに、超音波信号発生器28からの電気信号の回路に抵抗
を挿入するようにしてもよい。これらの変化は患者に害
が加わる前にすばやく起こる。
特別な測定が行われなければ、入浴者は空中を通らず、
また水中で発生するのでもない、水から体を介して受け
る、いくらかの音を感じる。この音はある状況下におい
ては、いらだたしいものであり、減衰させるか、周波数
を変えるか、または除去されるべきものである。
この音の感知を変えるか、減衰させるか、または除去す
るために、1つまたは複数の震動板が構造的に改造さ
れ、電気的に制御されてもよい。それらは入浴者が受け
る所望としない音となる低調波が水を介して伝わるのを
減衰するように改変されるかもしれない。
板を構造的に改変するために、それらの形、数、大き
さ、または存在する場所が変えられる。この変更は震動
モードを、より適当なモードに変えるようなされる。
音の感知を避けるように震動板を電気的に制御するため
に、作用液体中の震動はプローブにより検知される。検
知された震動は主要周波数、それはより好ましい実施例
では30KHzであるが、フィルタリングなどにより除くよ
うに処理される。検知された震動からろ波された、検知
された低周波低調波は帰還回路の増幅度を調整し、変換
器励起信号から検知された低調波を引くことにより、作
用液体に送られている励起低調波を取り消すように用い
られる。
添加剤なしで、または添加剤を入れて、殺菌のためのパ
ワー・レベルを許容するために、(1)特別な設備が異な
った方法により、入浴者のために用いられる同じ変換器
にエネルギーを与えるように設けられるか、または(2)
異なる、またはより多くの変換器および震動板が用いら
れなければならない。例えば、変換器は冷却できるよう
に電流パルスの間の時間で高い強度の超音波の噴出をも
たらすように、高電流の脈動によりパルスが与えられて
もよい。代替案として、定在波を避けるような多様な震
動も用いられうる。
第3図に、超音波信号発生器28(第2図)にケーブル32
により電気的に接続される超音波変換装置30の概略図を
示す。超音波変換装置30は相互に接続されるインターフ
ェースおよび変換器体を含み、変換器体は選択された周
波数の範囲で機械的震動を発生し、それらをインターフ
ェースに分け与え、インターフェースはさらにそれらを
水18の体に分け与える。
震動を発生するために、震動体は同期して震動し、イン
ターフェースに震動を分け与えるように相互に直列に、
そしてケーブル32に電気的に接続された、3つの変換器
部品46A、46B、46Cを含む。より好ましい実施例におけ
る変換器は磁気ひずみ変換器であるが、圧電形変換器な
どの他のタイプの変換器も用いられうる。さらに、電気
的に起動される変換器は超音波信号発生器28(第2図)
の近傍に位置し、空気結合のような長い音響結合が震動
をインターフェース、そして最終的には水の体18に伝え
るように用いられ、変換器は望ましくはインターフェー
スから離されるかもしれない。
震動を作用液体に伝えるために、インターフェースは震
動板40と、震動板40をプラスチック製の容器またはバス
・タブ16に取り付けるための複数の止め具とを含んでい
る。止め具の2つは42Aと42Bに示されている。より好
ましい実施例においては、震動板40の一方の面は超音波
変換装置30のための筐体に取り付けられ、他方の面は後
述する態様により水のかたまり18と接触するように位置
する。
止め具手段42Aおよび43Bは震動板40の主要部分をタブ
16の一つの面とし、他面を変換器として、震動板40に溶
接され、対応するガスケット48Aおよび48Bをタブ16の
端に対して締め付けるナットを各々、貫通するようにし
た植込みナットを各々有し、その結果、震動板40がタブ
16の壁に対して変換器により動き、液体がそこからもれ
ないようにガスケット48Aおよび48Bを締めたり、緩め
たりする。
さらに、エネルギー損および可能性のあるいらだたしい
若しくは有害な影響を低減するために、タブ16(第2
図)は空中への音の伝達および水中内の定在波を低減す
るように設計される。この設計の一部として、タブ16の
壁の部材は特に変換器の周波数に対して吸収性のある、
音を吸収するプラスチックである。
第4図において、主電源スイッチ53を介して接地障害割
り込み装置55およびヒューズ51に接続される超音波信号
発生器28の一部分の概略図が示されている。接地障害割
り込み装置55は手動スイッチ60と回路を閉成するために
5ミリアンペア程度の地気への電流により起動される内
部スイッチとを含む、適宜なタイプのものであればいか
なるものでもよい。適宜な接地障害割り込み装置はモデ
ルNO.9F2091MIとしてアロウ−ハートから購入す
ることができる。主電源装置53は手動により制御され
得、また、一実施例においては、超音波印加システム
(第2図)でのパワー密度が以下に記載されるような方
法で、所定の限界値を越えたとき、通常のノーマル・ホ
ジションに戻るようにソレノイド57により制御されても
よい。
超音波信号発生器28は分離変圧器62、単巻変圧器64、周
波数変換器66、出力調整インダクタ68および出力分離キ
ャパシタ70を含む。分離変圧器62は一次側に115ボルト
の交流電流を受け、周波数変換器66に、周波数変換器66
に入力されるポテンシャルに合わせて調整されうる減圧
電圧を巻線変圧器64の制御の下に伝達する。
巻線変圧器64の制御の下に、あるレベルで30キロヘルツ
サイクルを生成するために、周波数変換器66は多くが市
販されている、適宜なタイプのものであればどれでもよ
い。より好ましい実施例においては、周波数変換器は±
0.5キロヘルツ、計1キロヘルツの掃引幅で、100から20
0ヘルツで変調される30Khzの搬送周波数を有する掃引周
波数信号発生器である。
1キロヘルツにわたって掃引することにより、定在波は
低減され、共振問題を除去することにより、空中への音
の伝搬も低減される。変調は1キロヘルツの掃引幅で10
0から120ヘルツで行われるようにしたが、その比率およ
び幅は空中を通る雑音および定在波を最も小さくするよ
う選択されうる。適当な周波数変換器はスウェン・ソニ
ック社(Swen Sonic,Inc.)から売られている。絶
縁変圧器62は120または240ボルトで動作しうるタップを
備えている。
入浴者が水からうける雑音を極小とするために、超音波
信号発生器によりもたらせる低調波震動は感知される音
が耐えられうる音となるまで、または音が全く感知され
なくなるまで調整される。これは、入浴者の体を介して
伝達されたとき、より容易に感知される周波数を除くよ
うに、変換器または1つ若しくは複数のプレートを改変
することによりなされうる。さらに、音は水中等を介す
る同様の低調波周波数の音を入浴者に送ることにより相
殺されうる。これはタブの中の音を検知し、30KHzの主
要周波数をろ波し、その低調波を相殺するために低調波
を震動波変換器に帰還することにより丁度うまく行われ
うる。さらに、ある構成において、ずっと大きい掃引を
用いることにより、水から入浴者の体を介して入浴者が
受ける雑音を低減しうる。
第5図には、変換器39(第2図)から信号を受け、LE
D表示部41上に超音波のパワー密度を読み出すための回
路のブロック図が示されている。この回路は増幅器80、
アナログ−ディジタル変換器82および表示駆動部84を含
んでいる。これらのユニット自体は本発明の一部ではな
く、ある市販のユニットはリニア・テクノロジー・オペ
レーショナル・アンプリファイアLT1014DNの名称
により販売されている。
演算増幅器はそれが平滑化し、変化する交流電流信号に
変換する超音波周波数のパワー密度を表わす信号を受け
るためにケーブル45に接続される。
その出力は表示駆動部84に入力されるために、交流信号
をディジタルコードに変換するアナログ−ディジタル変
換器82に電気的に接続され、更に、表示駆動部84は変換
器39(第2図)により受けられる水のかたまり18(第2
図)内の超音波のパワーの平方センチメートル当たりの
パワー密度をワット数で示すためにLED表示41を駆動
する。増幅器80は水中18(第2図)内で変換器39を打つ
全パワーを表わす超音波震動からの交流出力となる時定
数を有している。
第6図には、超音波震動のパワーを制御するために、増
幅器80(第5図)の出力と周波数変換器66(第4図)の
入力との間に接続される帰還回路90が示されている。こ
の回路はスレッシュホールド検出器92、3極2投のリレ
ー作動式スイッチ94、警告ランプ96およびフラッシャ98
を含んでいる。
パワー密度が大きくなるすぎるのを防ぐために、スレッ
シュホールド検出器92は導線100を介して増幅器80の出
力からの信号を受けるように接続され、3極2投リレー
作動式スイッチ94のソレノイド102に電気的に接続され
る第1の出力を有している。この接続関係により、スレ
ッシュホールド検出器92は3極2投リレー作動式スイッ
チ94を、周波数変換器66(第6図)が第6図に示される
巻線変圧器64からの全出力を受けるノーマル・ホジショ
ンから、検出器39(第2図)がプラス・マイナス1キロ
ヘルツの掃引比率、80から90パーセントの増幅度で、10
0Hz、30±15キロヘルツ、平方センチメートル当たり5.0
ワットを越えるSPTPパワー密度に到達すると、周波
数変換器が単巻変圧器64のタップ106からの出力を受け
る励起ポジションに切り換えるようソレノイド102を起
動する。
3極2投リレー作動式スイッチは清浄作用のために周波
数変換器66に低減されたパワーをもたらすように、巻線
変圧器64上のタップと接触するよう手動によりセットさ
れ得、そうでなければ、周波数変換器66が全パワーを受
けるよう巻線変圧器を越えて導線108に直接、接続され
る殺菌位置にセットされる。パワーがスレッシュ・ホー
ルド検出器92における所定の限界値を越えていれば、電
磁コイル102は巻線変圧器のタップ106に戻るよう3極2
投リレー・スイッチ94を再び切り換えるために励起さ
れ、パワーを低減する。パワーが低減されなければ、ス
レッシュ・ホールド検出器92は3極2投リレー作動式ス
イッチ94の手動リセットが行えるように3極2投スイッ
チ94およびフラッシャ98に信号を供給する。
第7図には、震動板機構110と磁気ひずみ震動体機構112
とを有する超音波変換器装置30(第2図)の正面断面図
が示されている。震動板機構110は(1)すべてのステンレ
スの鋼材が用いられうるが、より好ましい実施例ではガ
ラス鋼震動板40、(2)エラストマー質のシール48、(3)締
め環、(4)複数のニッケル薄板120、および(5)複数の耐
震締め具、それらの1つが122に示されている、を含ん
でいる。
板40自体はより好ましい実施例においては、およそ1/8
インチの厚さで、ほぼ直径8インチにより囲まれる面積
を有する円または方形となろう。そのガラス面は内部と
接触し、ガラス面はステンレスの鋼板の留められる。ス
テンレスの鋼板はニッケルの薄板を含んでいる。震動板
のサイズは衛生、殺菌若しくは除菌などの所望の目的の
ために水を介して充分なパワーが伝達される必要性に応
じて決定される。ガラスは水と結合性がよく、不活性
で、強く、電気的に絶縁性を有し、洗うのに容易である
が、他の材質のものでも使用されうる。
震動板40は直接、水18(第2図)と接触するのであれ
ば、タブの壁の穴より大きくあるべきである。好ましく
は、それは電気ひずみ震動体をタブ16の外にして、タブ
16の対応する穴の端に貼り付けられる。水18(第2図)
がもれないようにタブ16の内部を封じるために、円形の
板の場合、弾力性のあるシール48は外径およそ39/16イ
ンチ、内径がおよそ31/4インチで、およそ31/32インチ
の長さの環状のガスケットである。それは液体のもれを
防ぐように堅く押しつけられて、タブ16の円形のくぼみ
と震動板40の外周との間に置かれている。
震動板40とタブ16との間に、弾力性のあるシール48をし
っかりと保持するために、環状の締め環118が磁気ひず
み震動体機構112の筐体を取り囲む。環状の締め環118は
ステンレス鋼からできており、環状に所定間隔で離され
て配置された複数の穴を含み、その穴はその穴を介して
環状の締め環118を取り囲む締め具122の複数の軸のうち
の対応する一つを受け入れるようになっている。より好
ましい実施例では、締め具122は軸を上向きに貫通さ
せ、貫ら抜かれた部分は、円環状のガスケット48の内側
で、円環の中心から37/8インチの半径のところおよそ中
心とする場所で環状の締め環118の対応する穴を通らせ
て、その頭部を震動板40に円状に固定されたボルトであ
る。
ボルトの軸の上端部には、環状の締め環118および震動
板40を環状のガスケット48とタブ16の壁との間に共に締
め付けるために、後述する方法により複数の対応するナ
ットを受け入れる周知の外ねじやまがある。この方法で
保持されているとき、水18(第2図)と接触する震動板
40の表面は路肩内にはまり込み、タブ16の内部表面と同
様な面を形成する。
震動板40を震動させるために、磁気ひずみ震動体機構11
2は筐体130、複数ののソレノイド巻き、(それから2つ
は132および134に示されている)および筐体を介して延
びるソレノイドへの電気接続子(第7図には図示せず)
を含む。筐体130は環状の締め環118に溶接され、環状の
締め環118が締め具122を介して震動板40に締め付けられ
るとき、超音波変換器機構30は水18(第2図)および、
板を震動させるように位置し、ケーブル32を介して超音
波信号発生器28(第2図)に電気的に接続される電気ひ
ずみエレメントに接触して、震動板40によりタブ16に固
定される。
震動板40を震動させるために、132、134のようなコイル
の近傍の震動板40の表面は接着剤、ろう付け、または他
の手段により、3つのソレノイド巻き(それらのうち2
つは132および134に示されている)の近傍の表面中に広
がる複数のニッケル薄板120をそれに固定し、その結
果、ソレノイド巻きが動作周波数(この周波数はより好
ましい実施例では30キロヘルツである)で励起されてい
るとき、震動板40は超音波信号発生器28(第2図)に印
加されるパワーにより制御可能なパワー密度によりほぼ
均等に水のかたまり18を介して震動を送る。
より好ましい実施例においては、震動板はニッケル薄板
がろう付けされ、強化ガラスがエキスポキシ(expoxy)に
より固定されたステンレスの鋼板を含んでいる。導電性
金属は一切、水と接触せず、ステンレス鋼板はガラス板
を震動させる。ガラス板は水と接触し、容器の壁をふさ
ぎ、水に震動を伝達する。
第8図には、筐体130のふたおよび132および134(第7
図)で示されたソレノイドコイルを取り外した状態で、
円形型の超音波変換装置30の平面図が示されている。こ
の図に示されているように、震動板40(第7図)を環状
の締め環118に保持して筐体130をタブ16(第2図)上に
支えるために、各々が一つの対応する軸142A〜142Cに貫
ら抜かれた一つの対応するナット140A〜140Cを含む、3
つの締め付け具122A〜122Cが存在する。ケーブル32は筐
体130に入り、震動板40(第7図)に146にて接地接続を
行うように、および震動板40上のニッケル薄板120を起
動するために、上に取り付けられた3つのソレノイド13
2、134および136を電気的接続をもたらすように端子ブ
ロック144に接続される。この実施例では、3つの直列
接続されたソレノイドは水のかたまり18に震動を分け与
えるために、ニッケル薄板を同時に内側に引き、外側に
解放する。
第9図には、締め付け具(そのうち2つは122Aおよび12
2Cに示されている)を説明する、超音波変換装置30の側
面の手前のタブ16のところで切った断面図が示されてい
る。この図に示されているように、プラスチック製のカ
バーシースおよび弾力性のある張りきっていない接続子
により、ねじられ、シールドされた導線であるケーブル
32は筐体130から延び、超音波信号発生器28(第2図)
に接続される。検出器39A(第7図)を板40(第3図お
よび第7図)に付けた実施例においては、ケーブル32は
導線45を同様に含んでもよい。
第10図には、スレッシュホールド検出器140、電源スイ
ッチ142およびANDゲート144を含み、超音波の発生を
制御する目的のためにケーブル32と接続され、制御シス
テム15内において好適な回路の一ブロック図が示されて
いる。
電源スイッチ142は超音波信号発生器28(第2図)から
の信号を受けるために、その入力をケーブル32と電気接
続させ、発振を変換器に加えて超音波を水の体18(第2
図)を介して送るために、その出力を変換器132、134お
よび136(第7図および第8図)に電気接続させる。電
源スイッチ142は電気信号をそれを介して通らせるため
に通常は閉成されるが、制御入力148への信号の入力に
より開成され得、またリセット入力端子154への信号の
入力によりリセットされうるようなシリコン制御の整流
回路、サイラトロン回路またはリレー回路である。この
ような回路はこの分野においてはよく知られている。
電源スイッチ142を開成させるために、スレッシュホー
ルド検出器140の入力はケーブル32に電気的に接続さ
れ、その出力は2入力ANDゲート144の入力の一つに
電気的に接続される。ANDゲート144の他方の入力は
導線23に電気的に接続され、その出力は電源スイッチ14
2の制御入力148に電気的に接続される。
この構成により、ケーブル32上の信号が水のかたまり18
(第2図)内で平方センチメートル当たり5ワットを超
える超音波をもたらすに充分なものであるとき、スレッ
シュホールド検出器140はANDゲート144の2つの入力
の一方に信号を入力する。水のかたまり18の水位が上が
り、検出器17(第2図)がタブへ人が入ったことを感知
すると、検出器19(第2図)は導線23を介してANDゲ
ート144の他の入力に信号を入力し、電源スイッチ142が
ANDゲート144からの信号を受け、閉成するようにす
る。これにより、ケーブル32A上の変換器への信号は止
まり、発振を停止させる。
制御システム15は容量性の検出器のいかなるタイプのも
のでもよい。このような容量性検出器はこの分野におい
てはよく知られている。さらに、水に対象物が入ったこ
とまたは近づいたことを検出するために、他のいかなる
タイプの検出器が用いられてもよい。
リセット・スイッチ151は電圧源152およびリセット入力
端子154に直列接続され、超音波変換装置30はこの入浴
システムが再び動作可能となったとき、リセット・スイ
ッチ151を閉成することによりリセットされうる。この
構造では、殺菌の目的のため大きいパワーが印加されて
いるときに、人が思いかけず風呂に入ってしまうことを
防ぐ付加的な防護策が設けられている。
エンドユーザーに供給される前に、変換器39A(第7
図)は実際のタブで検査される。これは入浴者が入るは
ずのところに位置する変換器および検査された標準メー
タによりパワーを測定することにより行われる。ケーブ
ル45が変換器39Aに接続される一方で、増幅器80(第5
図)は目盛りの読取表示41(第2図および第5図)が標
準メータの読取と一致して読み取れるまで、調整され
る。
動作時では、操作者はタブ16に水を満たし、温度および
治療の種類に合わせ適宜に制御を調整し、患者がタブに
入った後、震動を与えるよう装置を起動する。震動の周
波数およびパワー密度はユニットの目的に従ってセット
されうる。例えば、清浄は殺菌治療より低いパワーで行
われうる。パワーは例えば、患者がタブに入る前に第1
のパワー密度により殺菌を行い、患者がタブに入った
後、低いパワー密度で効果的な清浄を行うように、入浴
過程の中で変えられうる。
快適なレベルを調整するために、水の温度は、水がタブ
16をほぼ満たすか、または治療のために所望とするレベ
ルにまでタブを満たすまで、水が蛇口26(第2図)から
流されるときに、温度制御部37(第2図)により制御さ
れる。そして、パワー密度は単巻変圧器64(第4図)を
調整するダイヤル33(第2図)を調整することによりセ
ットされる。
治療を始めるために、主電源スイッチ53(第4図)が閉
成されると、接地障害割り込み装置55および分離変圧器
62に電源が供給され、その結果、周波数変換器66はその
所定の周波数での掃引を開始する。その所定周波数は通
常、30キロヘルツ、掃引周波数が1キロヘルツとなろ
う。より好ましい実施例においては、周波数変換器は50
0ワットのパワーまで供給することができるが、よりず
っと低いパワーが供給される。そのパワーはダイヤル37
(第2図)により調整されると、液体を監視することに
より、液体中に所望のパワー密度が存在するようになる
ように選択される。
そのパワーは次のようにして監視される。変換器39(第
2図)上の震動のパワーを測定し、このパワーを表わす
信号を増幅器80(第5図)に送る増幅器80はその信号を
増幅し、アナログ−ディジタル変換器82(第5図)に送
る。アナログ−ディジタル変換器82(第5図)はその信
号をディジタル信号に変換して、LED表示部41(第5
図)に送る。
パワーを制御するために、ダイヤル37(第2図)は一般
に、パワーがメータ上で、平方センチメートル当たり0.
1から5.0ワットの範囲内で読み取られるまで調整され
る。ダイヤル37は周波数変換器66に印加される電圧を制
御するために、単巻変圧器64(第4図)上のタップを動
かす。超音波信号発生器28により発生されるパワーはケ
ーブル32を介して超音波変換器機構30(第2図および第
6乃至8図)に加えられる。この結果、震動は震動板を
介して風呂に伝わり、そこで震動は患者に加えられ、変
換器39(第2図)により検知される。一般に、そのパワ
ーは過渡的なキャビテーションをおこさず、なお衛生、
殺菌、除菌治療を行いうるパワーと周波数により、15分
以下の時間、加えられる。
入浴者により使用される間に、殺菌、除菌効果が入浴者
には安全な低い強度の超音波により得られる。この効果
は病原体を殺し、超音波により励起される微流により病
原体とより接触しやすくなる添加剤によって相互的に改
善されうる。
傷の炎症期間の間は平方センチメートル当たり1から5
ワットの間で強度で、15から100キロヘルツの範囲の低
い周波数のエネルギーを加えれば、治療は促進する。超
音波は毎日、1回か2回などの適宜な時間間隔で、5分
から20分間の期間という具合に周期的に加えられ、免疫
システムがより効果的に働いていることまたは病原体の
自律的破壊を示す多形体の減少をもたらすこととなる。
同様に、傷の急速な増殖治療の間に、毎日ほぼ同一の超
音波周波数、強度、期間、繰り返し回数でこの超音波を
周期的に当てれば、繊維の広がりが発達するのを促進す
ることとなる。
これらの効果のため、傷のある動物または人を、傷に障
害を加えることなく清浄を促進し、ある条件下では、治
療を促進することさえしながら入浴させることが可能で
ある。これは2日に1回から1日に4回の回数で、1回
の時間は炎症を広げたり、治療を遅らせたりするのを避
けるように選択されて、入浴者が傷を浸たすことにより
なされ、入浴者は傷の治療が促進される一方で、清浄さ
れる。音により活性化された作用液体に入浴する回数、
入浴時間、および繰り返しの頻度は傷を観察し、入浴中
の興奮度、入浴後の炎症の広がり具合、治巾率の低下の
いずれか1つに応じて、超音波により活性化された作用
液体中にいる時間を低減することにより選択される。
接地障害があった場合、接地障害割り込み装置55(第4
図)の接地接続子を介する電流は回路を開成せしめ、動
作を停止させる。さらに、水18中のパワー密度がスレッ
シュホールド検出器92(第6図)でセットされた値を超
えると、リレー・ソレノイド102はリレースイッチ61を
介してソレノイド・コイル57(第4図)を含む回路を開
成し、通常は開成されている主電源装置53を開成せしめ
る。この安全回路が誤動作すると、3極2投リレースイ
ッチ94は警告ランプ96およびフラッシャ98を警報を出す
ように起動する。
一実施例においては、超音波震動を平方センチメートル
当たり30ワットを超えるパワー密度で加えられる。この
実施例では、殺菌の細胞壁を弱め、または殺菌を酸化さ
せうる添加剤が望まれる。大きいパワーの超音波はそれ
自体で水および水中の無生物体を殺菌しうるが、清浄、
さらには消毒のために添加剤を組み合わせると、相互的
に水を殺菌し、所望であれば、器具などの無生物の対象
物を清浄、殺菌することができる。
本実施例の検出器は大きいパワーが加えられている間
に、ヒトまたは他の対象物の存在を検出する。例えば、
容量性の検出器はいつでも容器中の水位の上昇を検出す
ることができる。この検出により、偶発的に水の中に入
るかもしれない人に障害が加わる前に、パワー密度を低
減するように、すぐに超音波信号発生器への電源供給を
停止するか、その回路に減衰器が挿入される。
水が殺菌された後、入浴若しくは動物の他の治療に用い
られるようないくつかの実施例においては、パワーは興
奮させたり、障害を与えないようなレベルにまで低減さ
れうる。そして、患者または他の動物は風呂の中に入
り、水から害毒を心配することなく、水による清浄作用
また、他の作用効果を受けることとなる。
本発明の一面は次の例により説明される。
例 次の例は、添加剤なしで、真菌類:バクテリア、ウィル
スに対する30KHzの超音波の効果を説明するものであ
る。音は本発明に従い、タンク中に設けられたバッグの
中の培養菌に当てられた。パワー・レベルは表1に示さ
れる検査された電圧計に従い、決められた。濃度は式1
に従い計算された。
例1 真菌類 1.タイプ:白せん菌メンタグロファイテス(mentagrop
hytes) 2.方法: 白せん菌メンタグロファイテスはサボロードのかんてん
培養基(Sabovraud′s agar)(25m/plate)のエ
モンの変形(Emmon′s modification)上に26℃で培養
された。直径1cmのかんてん培養基結成体は真菌培養菌
から取り出され、PH=7.0の殺菌した燐酸塩の緩衝溶
液、10mと共に殺菌したワール・パック(Whirl−P
ak)(登録商標)に移された。治療の後真菌類結成体は
上述のかんてん培養基上に再び載せられた。1m(ミ
リリットル)の緩衝溶液がワール・パック(登録商標)
の中で過した期間になくした真菌類の胞子を殺すため
に、真菌類結成体と共に載せられた。この手続きの後、
最初の実験が行われたが、後のひき続く実験では真菌類
結成体を載せるのではなく、結成体は緩衝溶液が含む汚
染物質を除くために殺菌されたフィルターペーパ上に単
ににじまされるだけという手順に変わった。そして、そ
のプレートは26℃で培養され、示される成長の量に応じ
て、毎日等級付けされた。
プレート上に現われた成長の量は最も少ない成長量から
最も大きい成長量へと順に等級付けられた。報告される
べき3つのデータ源が存在した。照射されたサンプルは
39℃のタブ中で超音波照射の部分内にあったものであ
る。にせのサンプルは同じ水中(39℃)に入れられた
が、超音波の照射からそれらを保護する防護体のむこう
に入れられた。対照サンプルは水中に入れられることな
く、室温の室内に置かれた。
3.効果: 実験は超音波が真菌類の成長に影響を及ぼすことを示し
ている。2つは決定的でない結果となった。15標本の1
つの実験では、全ての超音波照射は60分間の間、170V
交流および220V交流のメータ設定の両者により行われ
た。照射された6つの全ての低い成長の等級に位置し、
6つのにせサンプルのうち1つを除く全てはより高い等
級となった3つの対照サンプルと同様な等級となった。
別の実験では、6つの照射されたサンプルのうち4つは
2つの低い成長度の等級のとろこに現われ、6つの照射
されたサンプルのうち5つは3つの低い成長度の等級の
ところに現われたが、60分間、220V交流で照射された
1つのサンプルは実質的に成長のある等級のところに現
われた。さらに、別の実験では、12の照射されたサンプ
ルのうち、7つは3つの低い成長度の等級のところに現
われ、9つは4つの低い成長度の等級のところに現われ
た。しかしながら、3つはかなり成長した等級のところ
に現われた。
例2 バクテリア 1.タイプ: 大腸菌(ESCHERICIA COLI) 黄色ブドウ球菌(STAPHYLOCOCCUS AUREUS) 枯草菌(BACILLUS SUBTLIS) 螢光シュードモナス菌(PSEUDOMONAS FLUORESCENS) 緑青シュードモナス菌(PSEUDOMONAS AERUGINOSA) 2.方法: バクテリア細胞の生存能力(生き残る能力)を決めるた
めに用いられた方法はプレート展開技術(spread plate
technique)である。この技術の原理は既知の集中度の所
定量(0.1m)のバクテリアが殺菌された栄養素をか
んてん培養基プレート上にピペットで落される。このプ
レートは最低24時間、37℃で培養される。活性(生きて
いる)細胞は全て、かんてん培養基上で成長し、コロニ
ーを形成し、これらのコロニーから、塩分を含む活性細
胞の集中度(cells/m)が得られる。
バクテリアは実験で使われるまで、流体培養基の中で保
存される。方法は以下のとおりである。
初期の集中度は殺菌された通常の塩水により希釈され
る。培養菌は30から300コロニー/プレートとなるとこ
ろまで希釈される。この希釈は各コロニーの数を正確に
数えるために必要とされる。
各培養菌のための適当な希釈要素が決められた後、一つ
の培養菌につき7つのサンプルが準備される。これらの
7つのサンプルは異なる照射条件(にせもの、1、2、
4、8、16および32分)のために必要とされる。各サン
プルは計10m/tubeの量である。そして、各サンプル
は殺菌されたワール・パック(登録商標)のバックに移
され、密封され、超音波電界に置かれ、照射される。各
サンプルは超音波が照射されたプレートと比較するため
に、(超音波照射を受けない)その自身のにせのプレー
ト3つをもっている。
照射の後、3つの0.1mプレートが各サンプルについ
て用意され、24時間37℃で培養される。培養の後、成長
したコロニーが数えられ、対照用プレートの結果と比較
される。
計39の実験が3つのメータ設定により4つのバクテリア
培養菌に対して行われた。すなわち、 黄色ブドウ球菌: 220VACで3つの実験 170VACで6つの実験 110VACで2つの実験 緑青シュードモナス菌: 220VACで3つの実験 170VACで5つの実験 110VACで3つの実験 大腸菌: 170VACで8つの実験 110VACで3つの実験 枯草菌: 170VACで3つの実験 110VACで3つの実験 メータ設定は表1に示される超音波照射強度に結びつけ
られた。
各バクテリアに対する各メータ設定について、にせの照
射(照射なし)と共に6つの照射時間(1、2、4、
8、16および32分)があった。各実験に対し、各照射条
件に対し、3つはにせで、3つは照射された、6つの別
個のプレートが存在する。そして、これらのプレートの
総数は細胞の濃度を決定し、制御サンプルに対する殺さ
れた量のパーセントのグラフを作成するために、平均化
され、式1により計算される。
3.結果: 結果は表2乃至5に示される。照射時間が増加すると、
殺菌量も多くなるという明らか傾向がある。また、バク
テリアのタイプによっても、殺菌率に違いがある。
殺菌するのが最も困難なものは大腸菌のようであり、最
も容易なものは枯草菌である。
3つのメータ設定全てについてデータのある黄色ブドウ
球菌および緑青シュードモナス菌の2つのバクテリアを
評価すると次のことがわかる。ほぼ全ての黄色ブドウ球
菌を殺菌するためには、緑青シュードモナス菌を殺菌す
る、に必要とする超音波強度よりずっと大きな超音波強
度が必要とされる。黄色ブドウ球菌の殺菌率は緑青シュ
ードモナス菌に比べると、約1/2倍から1/3倍である。採
取できたデータから範囲外のデータを推測することには
多くの問題があるが、緑青シュードモナス菌に対し、22
0VAXのメータ設定の倍の強度であれば、ほぼ、この
バクテリアをほとんど殺菌しうることが明らかである。
したがって、エネルギーについて考えると、黄色ブドウ
球菌をほぼ殺菌するためには2倍から3倍の更なる強度
が必要とされよう。
例3 1.タイプ: ネコのヘルペスウィルス・タイプ1 (FVH−1) ネコのカリシウィルス 2.方法: ウィルスの生存能力(生き残り度)に対する超音波電界
の影響を決めるために2つの解析的な方法、すなわち伝
染病と構造的完全性による方法が採用された。
ウィルス源を10倍に希釈したものが保存培養基の中で作
られる。そして、希釈されたものが2つの殺菌されたワ
ール・パック(登録商標)のバック(10m/bag)の
中に移される。1つは照射され、または処置されるサン
プルで、1つは対照用または照射されないサンプルであ
る。サンプルは超音波照射の前および後では、40℃に保
たれる。対照実験用のものは照射されるサンプルが治療
の間、保たれると同様の温度(39℃)に保たれる。
治療(超音波照射)前および後のサンプル中の感染性の
ウィルスの量(規定濃度)はTCID50(50%の組織培
養菌の感染性投与)の最終点決定のためのウィルス菌滴
定方法により測定される。照射の後、原サンプルの希釈
(戻し滴定)と同様に照射されたサンプルおよび対照サ
ンプルの対数的希釈が保存培養基の中で行われる。そし
て、各希釈物は適当な量で96−well細胞培養菌プレート
のうちの4つのウェル(wells)に足される。
培養される培養菌は5日間、5パーセントのCO2の周
囲環境のところで37℃で培養される。培養される井戸
(well)の中の細胞が特別な、ウィルス細胞効果(CP
E)を示すならば、それは陽性(感染した)と考えられ
る。終了点はリードとミュンシェ(Reed and Muench)
の計算方法(Am.J。Hygiene 27(3):493-497、1938)に基
づき、培養された組織培養菌の50%の中にCPEを作り
出した最も高い希釈物から決定される。
非照射ウィルスに対する超音波照射ウィルスの構造上の
完全性は陰性試薬を用いた電子顕微鏡検査法によりウィ
ルスを顕在化することにより鑑定される。この方法によ
るウィルスの検出スレッシュホールドは104TCID50
/mより大きいサンプル内の最後のウィルス規定濃度
である。各サンプルの5mからのウィルスは超遠心分
離法により小球形にされる。そして、小球形中のウィル
スの分子は蒸留水中に懸濁される。蒸留水のアリコート
は1パーセントのリタングステン酸により染色され、ホ
ーバー(Forvar)の炭素により覆われた格子上に置かれ
る。
ウィルスをいくつかの族に分けるのに用いられる規範は
ゲノムの性質(DNAまたはRNA、二重らせんまたは
一重らせん、分裂しているまたは分裂していない)、生
化学的特徴(例えば、ウィルスの特定のエンチーム)お
よびウィルスの形態(原形分離表)である。ウィルスの
構造(形態)の物理的な分裂はウィルスの感染性を妨げ
る。本研究の第1章の主な課題はウィルスの感染性を測
定してウィルスの生存能力に対する超音波電界の影響を
確かめることである。
この課題のため、使われるウィルスはそれらの形態およ
びエンベロープされているか否か(enveloped or nonen
veloped)に基づいて選ばれ、いずれもが関心のある人
間のウィルスを含むか、またそれに似た構造を持ったウ
ィルスの族を代表するように選ばれる。選ばれた実際の
ウィルスは人間のヘルペス単一ウィルス・タイプ1およ
び2と同じ副族に属するネコのヘルペスウィルスと人間
の腸のウィルス(例えば、ポリオウィルスを含むピコル
ナウィルス族に似た形態を有するネコのカリシウィルス
であった。ウィルスを不活性化する超音波パラメータが
定まれば、人間のウィルスにもうまく用いられうる。
3.結果: 結果は表6に示されている。
ウィルス 結果: 計18のウィルス実験が行われた。そのうちの12はネコの
ヘルペスウィルス・タイプ1(FHV)で、6つはネコ
のカリシウィルス(FCV)である。ウィルスは所定濃
度にされ、殺菌されたワール・パック(登録商標)のバ
ッグに入れられ、4℃でタブに入れられた。
実験1乃至5(表6乃至10)はFHVに対して2つの照
射時間(30分と60分)で行われ、両者とも170VACの
メータ設定で行われた。実験6乃至に(表11乃至17)F
HVに対して1つの照射条件(170VACのメータ設定
で60分間)で行われた。実験13乃至16(表18乃至21)は
FCVに対して1つの照射条件(170VACのメータ設
定で60分間)で行われ、実験17乃至18(表22乃至23)も
またFCVに対して1つの照射条件(220VACのメー
タ設定で60分間)で行われた。全ての実験は適当な対照
用のもの(バッグ・ティトレーションと呼ばれる)およ
びにせもの(音の照射されることなく風呂の中に置かれ
たウィルス)を含んでいた。
最初の2つの実験では、ウィルスは構造上の完全性と感
染性の両者について分析された。構造上の完全性による
分析は有益な情報をもたらさず、このため、次の実験か
らはその分析は行われず、感染性による分析のみ行われ
るに至った。
ウィルスの構造上の完全性 陰性試薬を用いた電子顕微鏡検査法は実験1および2
(エンペロープされたウィルス)のために、処置された
サンプル、にせのサンプルおよびバッグ・ティトレーシ
ョンのサンプルのウィルスを目に見えるようにするため
に用いられる。顕著な違いは認められなかった。この結
果ある程度まではこの技術による検出の限界のために必
要なウィルスの規定濃度、すなわち、規定濃度104乃至1
05TCID50/mで起こる集合現象のためかもしれな
い(ウィルスの感染性、集合現象問題の議論のための実
験1乃至6参照)。
ウィルスの感染性 展開されたウィルス(FHV−1) 1.実験1乃至6 105TCIV50/mの規定濃度が感染性のウィルスは
ほとんど明らかな臨界感染ユニット数であるようにみえ
る。このようなウィルス集合体は1つの感染ユニットと
して測定される。この集合現象は超音波の不活性効果か
らより多くのウィルス粒子を保護する。したがって、集
合体内の全てのウィルス粒子は集合体の感染性を破壊す
るために不活性化されなければならないので、ウィルス
の規定濃度は治療によって多少なりとも減少はしなかっ
た。したがって、次の実験では105TCID50/m以
下の規定濃度が用いられた。
2.実験7乃至12(FHV) 超音波照射条件(39℃で60分間、170VACメータ設
定)を用いると、104TCID50/mの規定濃度を含
むサンプルの感染性と顕著に減少させることとなった。
102TCID50/mの規定濃度を含むサンプル中のウ
ィルス粒子はより周囲条件(温度、光など)に依存しが
ちであった。そして、容易に不活性化された。
3.実験13乃至16(FCV) 超音波照射条件は実験7乃至12と同じであった。結果は
このような条件ではウィルスの感染性は顕著に低減しな
かったことを示している。
4.実験17および18(FCV) より大きいパワーの超音波照射条件(220VACメータ
設定で60分間)では、ウィルスは顕著に減らなかった。
結論 使われた実験条件では低い規定濃度によりエンベロープ
ド・(enveloped)ウィルス(FHF)サンプルは顕著
に減少した。しかしながら、ノンエンベロープド・(no
n-enveloped)ウィルス(FCV)は超音波による不活
性化効果に対して抵抗力があった。これはエンベロープ
ド・ウィルスはノンエンベロープド・ウィルスより周囲
環境から影響を受けやすいことを示している。エンベロ
ープド・ウィルスは脂質/蛋白質二重膜(エンベロー
プ)からなっている。一般に、エンベロープが壊われる
と、この種のウィルスは死ぬ。ノンエンベロープド・タ
イプのウィルス(FCV)を殺菌するにはヌクレオカプ
シドを崩壊または破壊する必要がある。ヌクレオカプシ
ドを破壊するには、エンベロープを破壊するに必要とさ
れるよりも大きいエネルギーが必要とされる。ここでの
結果はこの説と合致する。
実験によると、要するに微生物を破壊するための30KHz
の超音波の力は照射の時間と超音波の強度と関係があっ
たことがわかる。これは添加剤を入れて、または添加剤
なしで殺菌する力を示している。殺菌強度はバッグの中
のサンプルが完全に破壊されるまでパワーを増加させる
ことにより達成し得る。
〔発明の効果〕
上記の記載より、本発明の装置または方法は先行技術に
対して(1)動物に害を与えることなく、衛生的で、治療
的な殺菌効果を有しており、(2)定在波を避け、作用液
体のような低い減衰率の水を使用することにより、震動
変換器を有効利用し、(3)ひどいやけどの患者を治療す
る場合のような特に難しい疾病の治療に適しうるような
方法で、抗ウィルス、殺菌、除菌効果をもたらすと同時
に、洗浄および治療の両者の作用があるなどのいくつか
の効果を有している。
本発明のより好ましい実施例がいくつかの特定な例と共
に記載されてきたが、多くの応用例および変形例が上述
の技術から明らかな範囲で可能である。したがって、添
記の特許請求の範囲内で本発明は特定的に記載されたも
の以外に実施可能であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の超音波治療システムのブロ
ック図、第2図は第1図の超音波治療システムの一形態
である入浴システムの概略図、第3図は本発明に従う、
作用液体のための容器に対して位置する変換器要素の簡
略化された概略図、第4図は第3図の実施例において使
用される超音波信号発生器の概略図、第5図は第1図お
よび第2図の実施例の一部をなすパワー密度表示部のブ
ロック図、第6図は本発明を実施するための帰還回路の
実施例の概略回路図、第7図は第1図および第2図の一
部をなす変換器装置の断面図、第8図は第6図の変換器
の内部の正面図、第9図は第6図の変換器要素の部分的
に取り外され、断面図化された側面図、第10図は第2図
の入浴システムの一部となりうる制御システムのブロッ
ク図である。 10…超音波システム、12…超音波制御/発生システム 14…超音波印加システム、15…制御システム、 16…容器、17…検知器、 18…水、19…検出器、 20…供給源、22…水道管、 24…ガス抜き器、26…蛇口、 28…超音波信号発生器、30…変換器部、 33…ダイヤル、32…ケーブル、 37…ダイヤル、39…変換器、 40…震動板、41…LED表示部、 42A、43B…止め具手段、43…制御パネル、 45…ケーブル、46A、46B、46C…変換器部品、 48A、48B…ガスケット、51…ヒューズ、 53…主電源スイッチ、55…接地障害割り込み装置、 60…手動スイッチ、62…分離変圧器、 64…単巻変圧器、66…周波数変換器、 68…出力調整インダクタ、80…増幅器、 90…帰還回路、92…スレッシュホールド検出器、 94…リレー作動式スイッチ、96…警告ランプ、 98…フラッシャ、102…ソレノイド、 106…タップ、110…震動板機構、 112…磁気ひずみ震動体機構、118…締め環、 120…ニッケル薄板、122…耐震締め具、 130…筐体、132、134…ソレノイド巻き、 140…スレッシュホールド検出器、 142A〜C…軸、144…端子ブロック、

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水または水と添加剤の溶液からなる作用液
    体(18)を収容するためのバスタブ(10)と、該バスタブ内
    の前記作用液体を介して超音波を加えるための発生器(1
    2)とを含む超音波入浴装置において、前記発生器が、平
    方センチメートル当たり15ワット未満のパワー密度の
    範囲、かつ15キロヘルツから100キロヘルツの間の
    周波数範囲内の超音波を加えること、を特徴とする超音
    波入浴装置。
  2. 【請求項2】前記発生器は、入浴者が不在の時間であっ
    て微生物を殺すに充分な時間、平方センチメートル当た
    り15ワットを越えるパワー密度範囲をも有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の超音波入浴装置。
  3. 【請求項3】前記作用液体中の前記パワー密度は、平方
    センチメートル当たり0.1ワットから5ワットの間で
    あること、を特徴とする請求項1または2に記載の超音
    波入浴装置。
  4. 【請求項4】前記バスタブ及び前記発生器の少なくとも
    1つは、使用する周波数の音を吸収する物質を含むこ
    と、を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の超
    音波入浴装置。
  5. 【請求項5】前記作用液体中の前記超音波のパワー強度
    を検知するためのプローブ(39)と、該プローブ(39)によ
    り測定したパワー密度が所定値を越えたとき、前記発生
    器が放出するパワーを低減させるための回路と、を含む
    こと、を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の
    超音波入浴装置。
  6. 【請求項6】前記作用液体への対象物の侵入を検知する
    ための検知器(17)と、前記作用液体への対象物の侵入を
    検知したときに前記発生器が送るパワーを低減させるた
    めの回路と、を含むこと、を特徴とする請求項1から5
    のいずれかに記載の超音波入浴装置。
  7. 【請求項7】前記発生器(12)は、平方センチメートル当
    たり0.1ワットから5ワットの間の前記作用液体中の
    音のパワー密度で、前記バスタブ内の前記作用液体を介
    して15キロヘルツから100キロヘルツの間の周波数
    範囲内で、かつ過渡的なキャビテーションを生じさせる
    ことのないパワーと周波数で、超音波を加えること、を
    特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の超音波入
    浴装置。
  8. 【請求項8】超音波の第1の周波数を、該第1の周波数
    を中心とする第2の周波数帯域にわたる第2の掃引周波
    数により変調するための変調回路を含むこと、を特徴と
    する請求項1から7のいずれかに記載の超音波入浴装
    置。
  9. 【請求項9】前記発生器(12)は、震動体(34)およびイン
    ターフェース(40)を含み、前記インターフェースは、前
    記バスタブ(16)に設けかつ前記震動体により震動させら
    れるように配置した板を含んでいて、前記震動を前記作
    用液体に伝達すること、を特徴とする請求項1から8の
    いずれかに記載の超音波入浴装置。
  10. 【請求項10】作用液体を収容するためのバスタブ(16)
    と、平方センチメートル当たり15ワット未満のパワー
    密度範囲で、かつ15キロヘルツから100キロヘルツ
    の間の周波数範囲で前記バスタブ(16)内の作用液体(18)
    を介して超音波を加える発生器(12)と、を含む装置にお
    いて、前記発生器は、震動体(30)およびインターフェー
    ス(40)を含んでおり、また前記インターフェースは、前
    記バスタブに設けかつ前記震動体により震動させられる
    ように配置した震動板を含んでいて、前記震動を前記作
    用液体に伝達すること、を特徴とする装置。
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