JPH0649054A - トリオール誘導体を用いるスフィンゴシンの製造方法 - Google Patents

トリオール誘導体を用いるスフィンゴシンの製造方法

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JPH0649054A
JPH0649054A JP16510093A JP16510093A JPH0649054A JP H0649054 A JPH0649054 A JP H0649054A JP 16510093 A JP16510093 A JP 16510093A JP 16510093 A JP16510093 A JP 16510093A JP H0649054 A JPH0649054 A JP H0649054A
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敏行 稲津
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】スフィンゴ糖脂質の必須構成単位であるスフィ
ンゴシン及びその誘導体を立体選択的にかつ効率よく安
価に製造する。 【構成】下記式(I)(式中R’はメチル基、エチル
基、フェニル基、ベンジル基を示す。)のホスホン酸エ
ステル誘導体とアルデヒドを塩基存在下に反応させ、下
記式(II)(式中Rは炭素数30以下のアルキル基,アル
ケニル基、アルキニル基、または、フェニル基、メトキ
シフェニル基、メチルフェニル基、フェニルエチル基、
ベンジル基を示す。)の(4E)−1,2−イソプロピ
リデン−3−オキソ−4−アルケン−1,2−ジオール
誘導体とし、次いで、還元し、下記式(III)の(4
E)−1,2−イソプロピリデン−4−アルケン−1,
2,3−トリオール誘導体とする工程を含む製造方法に
よってスフィンゴシン誘導体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の要旨】本発明はトリオール誘導体とその製造法
及びこれを用いるスフィンゴシンの製造方法に関する。
詳しくは一般式化1(式中R’はメチル基、エチル基、
フェニル基、ベンジル基を示す。)で示されるホスホン
酸エステル誘導体とアルデヒドを塩基存在下に反応さ
せ、一般式化2(式中Rは炭素数30以下のアルキル基,
アルケニル基、アルキニル基、または、フェニル基、メ
トキシフェニル基、メチルフェニル基、フェニルエチル
基、ベンジル基を示す。)で示される(4E)−1,2
−イソプロピリデン−3−オキソ−4−アルケン−1,
2−ジオール誘導体とし、次いで、得られたジオール誘
導体を還元し、一般式化3(式中Rは炭素数30以下のア
ルキル基,アルケニル基、アルキニル基、または、フェ
ニル基、メトキシフェニル基、メチルフェニル基、フェ
ニルエチル基、ベンジル基を示す。)で示される(4
E)−1,2−イソプロピリデン−4−アルケン−1,
2,3−トリオール誘導体とする工程を含むことを特徴
とするスフィンゴシン誘導体の製造方法に関する。
【化1】
【化2】
【化3】
【0002】
【従来の技術と産業上の利用分野】スフィンゴシンはス
フィンゴ糖脂質の必須構造である。スフィンゴ糖脂質は
最近生体内で重要な働きを担っていることが明らかにな
ってきている。例えばガングリオシドGQ1bと呼ばれ
るスフィンゴ糖脂質は神経細胞の分化と深く係わってい
ることが報告されている。しかしながらこれらスフィン
ゴ糖脂質は天然からは極めて微量しか得られずこれらを
医薬として利用するためにはその合成法の開発が不可欠
で既に種々のスフィンゴシンの合成が報告されている。
[D.Shapiro,“Chemistry of Sphingo-lipids";Herman
n:Paris,France,1969;H.Newmann,J.Am.Chem.Soc.,95,40
98(1973);R.S.Garigipati and S.M.Weinreb,ibid.,105,
4499(1983);M.A.Findeis and G.M.Whitesides,J.Org.Ch
em.,52,2838(1987);K.Koike,M.Numata,and T.Ogawa, Ca
rbohydr.Res.,158,113(1986);M.Kiso,A.Nakamura,Y.Tom
ita,and A.Hasegawa,ibid.,158, 101(1986).参照]
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの合成法では立
体異性体や幾何異性体の混入が著しく、特にオレフィン
部分の合成では(E)−オレフィン体と(Z)−オレフ
ィン体の混合物が得られるため工業的に優れた方法とは
言い難い。
【0004】一方、スフィンゴ糖脂質を医薬等として実
用化する場合には、これらの類縁体の合成が必須であ
る。しかしながら従来の合成法でスフィンゴシンの異性
体を製造しようとすれば各異性体に対し各々別の原料が
必要である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の観点
から鋭意研究した結果、特定のトリオール誘導体を経由
すれば目的を達し得ることを知り本発明に到達した。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】まず、一般式化2で示される(4E)−
1,2−イソプロピリデン−3−オキソ−4−アルケン
−1,2−ジオール誘導体の製造方法について述べる。
【0008】原料となる一般式化1で示されるホスホン
酸エステル誘導体はイソプロピリデングリセリン酸エス
テルとメチルホスホン酸ジエステルとから常法により合
成することができる。
【0009】イソプロピリデングリセリン酸エステルと
しては周知の誘導体を使用できる。具体的には対応する
メチルエステル、エチルエステル、ベンジルエステル等
を挙げることができる。
【0010】メチルホスホン酸エステルも周知の誘導体
を使用できる。具体的にはジメチルエステル、ジエチル
エステル、ジフェニルエステル、ジベンジルエステル等
を挙げることができる。
【0011】他の原料となるアルデヒドとしては周知の
ものを使用できる。すなわち、脂肪族アルデヒド、芳香
族アルデヒドのいずれをも使用できる。具体的には、脂
肪族アルデヒドとして、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペン
チルアルデヒド、デシルアルデヒド、トリデシルアルデ
ヒド、テトラデシルアルデヒド、ペンタデシルアルデヒ
ド、ヘキサデシルアルデヒド等を挙げることが出来る。
また、芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、
ベンジルアルデヒド、フェニルエチルアルデヒド等を挙
げることが出来る。また、これらアルデヒドに他の官能
基が含まれていても使用できることは言うまでもない。
【0012】用いる溶媒としては特に制限はない。具体
的にはメタノール、イソプロピルアルコール、ジエチル
エーテル、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、
ジクロロメタン、ジオキサン、クロロホルム等を挙げる
ことができる。特にアルコール系溶媒とりわけイソプロ
ピルアルコールが好ましい。
【0013】用いる塩基としては周知の塩基を使用でき
る。例えば水素化ナトリウム、トリエチルアミン、水酸
化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ブチルリ
チウム等を挙げることが出来る。これらの中でも特に炭
酸塩とりわけ炭酸セシウムが有効である。
【0014】反応させる際、一般式化1で示されるホス
ホン酸エステル誘導体とアルデヒド及び塩基のモル比に
は特に制限がない。しかし、通常それぞれ等モルあるい
はアルデヒドを1.1〜1.3等量使用する。またホスホ
ン酸エステル誘導体やアルデヒドを過剰に用いてもある
いは各々大過剰使用できることは言うまでもない。
【0015】反応温度にも特に制限はないが、通常−1
00℃〜60℃の範囲である。特に−80℃〜30℃の
範囲が好ましい。反応時間は数時間から数十時間の範囲
である。
【0016】以上の様に合成した1,2−イソプロピリ
デン−3−オキソ−4−アルケン−1,2−ジオール誘
導体はいずれも(E)−オレフィン体で従来法のように
(Z)−オレフィン体の混入は認められなかった。
【0017】次に一般式化3で示される(4E)−1,
2−イソプロピリデン−4−アルケン−1,2,3−ト
リオール誘導体の製造方法について述べる。
【0018】上述した様に合成した一般式化2で示され
る(4E)−1,2−イソプロピリデン−3−オキソ−
4−アルケン−1,2−ジオール誘導体のカルボニル基
を周知の還元剤で還元すれば(4E)−1,2−イソプ
ロピリデン−4−アルケン−1,2,3−トリオール誘
導体が得られる。還元剤としては周知の還元剤を使用で
きる。具体的には水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリ
第2ブチルホウ素リチウム、水素化トリ第2ブチルホウ
素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、9−
ボラビシクロ[3.3.1]ノナン等を挙げることが出来
る。また、立体選択性を高める等のため臭化亜鉛、臭化
マグネシウム等の添加物を共存させることもできる。
【0019】用いる溶媒としては特に制限がない。具体
的には前述した有機溶媒を使用できる。特にこれらの中
でテトラヒドロフランが有効である。
【0020】反応させる還元剤のモル比は特に制限がな
い。しかし通常はカルボニル基に対し1.0〜10等量
の範囲である。
【0021】反応温度にも特に制限はないが通常−10
0℃〜50℃の範囲である。特に立体選択性を高めるた
めには低温で行った方が好ましい。たとえば(R)−イ
ソプロピリデングリセリン酸メチルから誘導した(2
R,4E)−1,2−イソプロピリデン−3−オキソ−
4−オクタデセン−1,2−ジオール誘導体をテトラヒ
ドロフラン中、−78℃で水素化トリ第2ブチルホウ素
リチウムを用い反応させると3R体が不整収率90%d.
e.で得られる。また、3S体を選択的に合成することも
可能である。
【0022】上述した2つの工程に使用する誘導体の2
−位の立体も特に制限はなく、(R)−体、(S)−体
のいずれでも良く、またこれらの混合物でも使用でき
る。また、これらは入手容易で上記還元反応と原料を組
み合わせることにより好ましい立体異性体の製造をも可
能にしている。
【0023】以上述べたように合成した(4E)−1,
2−イソプロピリデン−4−アルケン−1,2,3−ト
リオール誘導体は常法により脱イソプロピリデン化、ベ
ンジリデン化すると、(4E)−1,3−ベンジリデン
−4−アルケン−1,2,3−トリオールに誘導でき
る。この(4E)−1,3−ベンジリデン−4−アルケ
ン−1,2,3−トリオールからスフィンゴシンへの誘
導は既に知られている。[R.R.Schmidt and P.Zimmerma
nn,TetrahedronLett.,27,481(1986).参照]
【0024】
【発明の効果】このように本発明方法はグリセリンの誘
導体から一般式化2で示される(4E)−1,2−イソ
プロピリデン−3−オキソ−4−アルケン−1,2−ジ
オール誘導体を経由し、スフィンゴシンの製造中間体と
して知られる一般式化3で示される(4E)−1,2−
イソプロピリデン−4−アルケン−1,2,3−トリオ
ール誘導体を収率良くまた立体異性体や幾何異性体の混
入もほとんどなく製造できるという利点を有しており加
えて立体異性体を作り分けることも可能で、その工業的
価値は大である。 以下、実施例等を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明するが本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例等により何等の制限を受けるものでは
ない。
【0025】
【参考例1】メチルホスホン酸ジメチル506.8mg
(4.08mmol)をテトラヒドロフラン5mlに溶解
させ、−78℃に冷却し、これに1.5Mブチルリチウ
ム/ヘキサン溶液を滴下した。次いで(R)−1,2−
イソプロピリデングリセリン酸メチル511mg(3.2
3mmol)を加えた。反応温度を一夜かけて室温まで
あげ、常法により酢酸エチルで抽出した。溶媒を減圧留
去しシリカゲルカラムクロマトにより精製したところ
(R)−1,2−イソプロピリデングリセロイルメチル
ホスホン酸ジメチルが油状物質として525.9mg(3.
18mmol;98%)得られた。1H NMR(CDC
3)δ1.42(3H,s),1.46(3H,
s),3.33(2H,dd,J=9,22Hz),
3.78(6H,d,J=11Hz),4.10(2
H,d),4.53(1H,t);比旋光度[α]D 30
+77.6°(c1.6,CHCl3
【0026】
【実施例1】参考例1で合成したホスホン酸エステル1
45mg(0.57mmol)、塩化リチウム29.3mg
(0.69mmol)、モレキュラーシーブス3A粉末
をテトラヒドロフラン5.3mlに懸濁させ、これにトリ
エチルアミン0.088ml(0.63mmol)及びベン
ズアルデヒド0.058ml(0.57mmol)を加え一
夜反応させた。常法により酢酸エチルで抽出し、溶媒を
無水硫酸ナトリウム上で一夜乾燥した。溶媒を減圧留去
し調整用シリカゲル薄層クロマトで精製したところ(2
R,4E)−1,2−イソプロピリデン−3−オキソ−
5−フェニル−4−ペンテン−1,2−ジオールが43.
7mg(0.19mmol;33%)得られた。13C NM
R(CDCl3)δ25.4,26.1,66.8,79.
9,111.0,120.9,128.6,128.9,1
30.8,134.6,144.5,198.3
【0027】
【実施例2】参考例1で合成したホスホン酸エステル1
26.1mg(0.48mmol)と炭酸セシウム162.
2mgをイソプロピルアルコール1.5mlに懸濁させ、こ
れにブチルアルデヒド36.9mg(0.51mmol)を
加え一夜反応させた。以下実施例1と同様に行ったとこ
ろ(2R,4E)−1,2−イソプロピリデン−3−オ
キソ−4−ノネン−1,2−ジオールが47.4mg(50
%)得られた。1H NMR(CDCl3)δ0.94(3
H,t),1.42(3H,s),1.46(3H,
s),6.52(1H,bd,J=17Hz),7.05
(1H,dt,J=17,9Hz);13C NMR(C
DCl3)δ13.7,21.3,25.4,26.1,3
4.7,66.7,79.6,110.9,125.3,1
50.0,198.1
【0028】
【実施例3】参考例1で合成したホスホン酸エステル1
16.1mg(0.46mmol)と炭酸セシウム163.
3mgをイソプロピルアルコール1.5mlに懸濁させ、こ
れにブチルアルデヒド36.9mg(0.51mmol)を
加え一夜反応させた。以下実施例1と同様に行ったとこ
ろ(2R,4E)−1,2−イソプロピリデン−3−オ
キソ−4−ノネン−1,2−ジオールが66.7mg(73
%)得られた。
【0029】
【実施例 4】参考例1で合成したホスホン酸エステル
127.5mg(0.51mmol)と炭酸セシウム16
1.2mgをイソプロピルアルコール5mlに懸濁させ、こ
れに80%テトラデシルアルデヒド206.1mg(0.5
4mmol)を加え一夜反応させた。以下実施例1と同
様に行ったところ(2R,4E)−1,2−イソプロピ
リデン−3−オキソ−4−オクタデセン−1,2−ジオ
ールが128.9mg(75%)得られた。13C NMR
(CDCl3)δ14.1,22.7,25.4,26.
1,28.1,29.3〜29.7(m),32.0,6
6.7,79.6,110.9,125.0,150.1,
198.0;比旋光度[α]D 30+77.6°(c1.6,
CH Cl3)+7.7°(c1.3,EtOH)
【0030】
【実施例5】実施例4で合成したジオール誘導体2.1
0g(6.2mmol)をテトラヒドロフラン70mlに
溶解させ、−78℃で1.1M水素化トリ第2ブチルホ
ウ素リチウム/テトラヒドロフラン溶液6.8ml(7.4
4mmol)を滴下した。反応温度を一夜かけて室温ま
であげ、常法によりジエチルエーテルで抽出した。有機
層を無水硫酸ナトリウム上乾燥させ、減圧留去しシリカ
ゲルカラムクロマトで精製したところ(2R,4E)−
1,2−イソプロピリデン−4−オクタデセン−1,2,
3−トリオールが1.85g(88%)得られた。13
NMRより求めた3−位の立体化学はR体が95%、
S体が5%であった。(不整収率は90%d.e.)3−R
体;13C NMR(CDCl3)δ14.1,22.7,2
5.4,26.9,29.1〜29.7(m),32.0,
32.4,66.1,74.4,75.7,79.3,12
7.9,135.33−S体;127.4,134.4
【0031】
【実施例6】実施例4で合成したジオール誘導体20
3.1mg(0.6mmol)と臭化マグネシウムエーテラ
ート160.0mg(0.6mmol)をテトラヒドロフラ
ン3mlに溶解させ、−78℃で1.1M水素化トリ第2
ブチルホウ素リチウム/テトラヒドロフラン溶液0.6
6ml(0.72mmol)を滴下した。反応温度を一夜
かけて室温まであげ、常法によりジエチルエーテルで抽
出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上乾燥させ、減圧
留去しシリカゲルカラムクロマトで精製したところ(2
R,4E)−1,2−イソプロピリデン−4−オクタデ
セン−1,2,3−トリオールが152.5mg(75%)
得られた。13C NMRより求めた3−位の立体化学は
R体が95%、S体が5%であった。(不整収率は90
%d.e.)
【0032】
【実施例7】実施例4で合成したジオール誘導体20
3.1mg(0.6mmol)をテトラヒドロフラン6mlに
溶解させ、−78℃で1.0M水素化ジイソブチルアル
ミニウム/テトラヒドロフラン溶液0.72ml(0.72
mmol)を滴下した。反応温度を一夜かけて室温まで
あげ、常法によりジエチルエーテルで抽出した。有機層
を無水硫酸ナトリウム上乾燥させ、減圧留去しシリカゲ
ルカラムクロマトで精製したところ(2R,4E)−
1,2−イソプロピリデン−4−オクタデセン−1,2,
3−トリオールが152.5mg(75%)得られた。13
C NMRより求めた3−位の立体化学はR体が90
%、S体が10%であった。(不整収率は80%d.e.)
【0033】
【実施例8】実施例4で合成したジオール誘導体20
3.1mg(0.6mmol)をテトラヒドロフラン8mlに
溶解させ、−78℃で0.5M、9−ボラビシクロ[3.
3.1]ノナン/テトラヒドロフラン溶液1.44ml
(0.72mmol)を滴下した。反応温度を一夜かけ
て室温まであげ、常法によりジエチルエーテルで抽出し
た。有機層を無水硫酸ナトリウム上乾燥させ、減圧留去
しシリカゲルカラムクロマトで精製したところ(2R,
4E)−1,2−イソプロピリデン−4−オクタデセン
−1,2,3−トリオールが28.4mg(13%)得られ
た。
【0034】
【実施例9】実施例4で合成したジオール誘導体20
3.1mg(0.6mmol)をテトラヒドロフラン3mlに
溶解させ、0℃で水素化ホウ素ナトリウム22.7mg
(0.6mmol)を加えた。30分後メタノール5ml
を加え反応を停止し、常法によりジエチルエーテルで抽
出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上乾燥させ、減圧
留去したところ(2R,4E)−1,2−イソプロピリ
デン−4−オクタデセン−1,2,3−トリオールの粗生
成物が197.4mg(97%)得られた。次いで常法に
より水素化ナトリウムと臭化ベンジルでベンジル化し調
整用シリカゲル薄層クロマトで精製したところ(2R,
4E)−1,2−イソプロピリデン−4−オクタデセン
−1,2,3−トリオールの3−ベンジル体のR体が7
6.7mg(30%)、またS体が67.0mg(27%)得
られた。R体;13C NMR(CDCl3)δ14.1,
22.7,25.5,26.0,32.4,66.1,69.
9,78.0,81.0,109.7,126.0,12
7.4〜137.4(m),138.7
【0035】
【実施例10】実施例5〜7で合成した(2R,3R,
4E)−1,2−イソプロピリデン−4−オクタデセン
−1,2,3−トリオール306.5mg(0.9mmol)
をメタノール、テトラヒドロフラン各3.5mlの混合溶
媒に溶解し、これに1N塩酸0.6mlを加えた。室温で
一夜反応させ溶媒を減圧留去した。次いでジメチルホル
ムアミド3mlに再溶解させベンズアルデヒドジメチルア
セタール150.7mg(0.99mmol)、p−トルエ
ンスルホン酸0.5mg(0.0024mmol)を加え
た。減圧下60℃で2.5時間反応させ、常法により酢
酸エチルで抽出し調整用シリカゲル薄層クロマトで精製
したところ(2R,3R,4E)−1,3−ベンジリデ
ン−4−オクタデセン−1,2,3−トリオールが16
3.6mg(47%)得られた。13C NMR(CDC
3)δ14.1,22.7,29.0〜29.7(m),
32.0,32.3,32.5,61.6,66.5,72.
5,78.8,80.7,82.8,101.5,103.
6,126.1,128.3,128.4,129.0,1
29.3,135.1,136.6,138.1

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式化1(式中R’はメチル基、エチル
    基、フェニル基、ベンジル基を示す。)で示されるホス
    ホン酸エステル誘導体とアルデヒドを塩基存在下に反応
    させ、一般式化2(式中Rは炭素数30以下のアルキル
    基,アルケニル基、アルキニル基、または、フェニル
    基、メトキシフェニル基、メチルフェニル基、フェニル
    エチル基、ベンジル基を示す。)で示される(4E)−
    1,2−イソプロピリデン−3−オキソ−4−アルケン
    −1,2−ジオール誘導体とし、次いで、得られたジオ
    ール誘導体を還元し、一般式化3(式中Rは炭素数30以
    下のアルキル基,アルケニル基、アルキニル基、また
    は、フェニル基、メトキシフェニル基、メチルフェニル
    基、フェニルエチル基、ベンジル基を示す。)で示され
    る(4E)−1,2−イソプロピリデン−4−アルケン
    −1,2,3−トリオール誘導体とする工程を含むこと
    を特徴とするスフィンゴシン誘導体の製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】
JP5165100A 1993-06-10 1993-06-10 トリオール誘導体の製造方法 Expired - Lifetime JP2562782B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100349187B1 (ko) * 1999-12-24 2002-08-14 학교법인 포항공과대학교 스핑고신 및 스핑가닌의 유도체의 제조방법

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