JPH0648711A - 燐酸液の精製法 - Google Patents

燐酸液の精製法

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JPH0648711A
JPH0648711A JP20508892A JP20508892A JPH0648711A JP H0648711 A JPH0648711 A JP H0648711A JP 20508892 A JP20508892 A JP 20508892A JP 20508892 A JP20508892 A JP 20508892A JP H0648711 A JPH0648711 A JP H0648711A
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JP
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phosphoric acid
acid solution
activated carbon
hydrogen sulfide
sulfide gas
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JP20508892A
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English (en)
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Takeki Shinozaki
武樹 篠崎
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 燐酸液中の有機物分を、活性炭を用いて
除去する方法において、温度が30〜80℃の燐酸液中
へ、燐酸液に対して1〜10重量ppmの硫化水素ガス
を予め分散せしめた後、石炭系活性炭を充填した活性炭
塔に通過せしめる。 【効果】 燐酸液中の有機物分を有効に除去でき、
活性炭の長期間使用が可能となる(ライフが長くな
る)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燐酸液の精製法に関する
ものであり、更に詳しくは燐酸液中に含まれる微量の有
機物分を除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】燐酸
液には乾式燐酸液と湿式燐酸液とがあるが、いずれの場
合も使用する際の不純物の問題、食品や医薬用として使
用する際の有害性、電子材料として用いる際に高純度品
が要求されることなどから、近年、有機物分除去の要求
が益々高まっており最近では燐酸液中の有機物含有量
(Cとして)は10重量ppm(以後ppmは全て重量
ppmを表わす)以下、将来は更に低含有量のものを要
求される情勢である。燐酸液中の有機分の除去には活性
炭による除去方法が一般的に用いられている。然しこの
方法では活性炭の吸着能力、及びライフ(破過時間)の
問題、及び粘度の高い高濃度燐酸液中からの吸着分離に
は困難があり、上記有機物含有量の厳しい規格に対応し
得る迄、満足に除去しえない状況であった。
【0003】有機物の除去率の向上及び脱色の改良を図
るため、数多くの研究がなされており、種々の銘柄の活
性炭が開発、研究されているが、燐酸液の様に酸性の条
件下にて、長期間の有機物の除去が実施出来る活性炭は
なく、工業的に、経済的にも充分満足の出来るものはな
かった。
【0004】従来、有機物の除去の為に活性炭を存在さ
せる方法は、添加量を基準にすれば粒状炭ではさほど効
果はないが粉状炭では相当効果はあるものの有機物含有
量を、例えば10ppm以下迄低下させるためには大量
の活性炭が必要であり、吸着せしめた活性炭の処理液か
らの分離や吸着後の活性炭自身の処理等問題であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、有
機物の活性炭による吸着除去につき吸着能の改善策とし
て種々研究を重ねた結果、処理しようとする燐酸液に、
予め硫化水素ガスを添加した後、活性炭にて、吸着除去
する方法を見いだし、本発明の完成に至ったものであ
る。
【0006】即ち、本発明における燐酸液の精製法と
は、燐酸液中の有機物分を、活性炭を用いて除去する方
法において、温度が30〜80゜Cの燐酸液中へ該燐酸
液に対して1〜10重量ppmの硫化水素ガスを予め分
散せしめた後、石炭系活性炭を充填した活性炭塔を通過
せしめることを特徴とする燐酸液の精製法である。更
に、用いる活性炭が粒状炭である、また、処理しようと
する燐酸液の濃度がP2O5濃度として35〜56重量%
(以下%は全て重量%を表す)である前記燐酸液の精製
法である。
【0007】本発明を更に詳細に説明する。燐酸中の有
機物分の除去を行う際、酸性条件下にて、硫化水素ガス
を発生する化合物は、硫化ソーダ、硫化カリ、硫化アン
モン、水硫化ソーダ、水硫化アンモン等数多くの化合物
があるが、処理しようとする燐酸液への影響を考慮した
場合、カチオンの影響のない硫化水素ガスが好適であ
る。
【0008】該硫化水素ガスの添加量としては、処理し
ようとする燐酸液に対し1〜10ppm、好ましくは3
〜8ppmである。硫化水素ガスの添加量が1ppm以
下であれば、処理後の燐酸液中の有機物濃度が10pp
m以下をクリアーする期間が短く経済的でない。また1
0ppm以上であれば脱有機物の効果は問題のないもの
の、活性炭に硫化水素ガスが吸着されるため、活性炭の
寿命の低下を招くと共に、硫化水素ガスによる用いる金
属材料の腐食の問題もあり、好ましくない。
【0009】この様に、燐酸中の有機物分の除去につい
ては、驚くべきことに、硫化水素ガスを存在せしめるこ
とで、本発明の効果を達することが出来るものである。
【0010】微量の硫化水素の添加により、何故この様
に長期間活性炭の吸着能が保てるのか、即ち活性炭のラ
イフが長くなるのか全面的には解明していないが、理由
の一つとして、次のことが考えられる。即ち、硫化水素
と有機物が反応し、化合物を形成しその結果吸着効率が
向上し、活性炭の破過時間(ライフ)が長くなったとい
うことである。
【0011】本発明の方法を実施するに当たっては燐酸
液は乾式、湿式、抽出の何れの燐酸液でも良い。処理し
ようとする燐酸液中の有機物の含有量としては、数十p
pm程度が好適である。それ以上の場合においても、本
発明の効果は充分実証可能であるが、経済的には、例え
ば酸化還元等を実施することによる方法にて、予め数十
ppm迄有機物分を除去せしめた後、本発明の方法を用
いることが、工業的に有用で効率的及び経済的である。
【0012】本発明での燐酸液の濃度としては、P2O5
度として35〜56%、好ましくは、40〜50%であ
る。P2O5濃度35%以下では、処理しようとする燐酸液
の容量が多くなり、工業的に好適でなく、また本発明者
等の研究によれば、脱有機物の効果も充分発揮出来な
い。逆に、P2O5濃度56%以上であれば、燐酸液の粘度
の上昇があるため、活性炭への吸着能の低下がみられ、
好適でない。
【0013】また、反応温度(燐酸液温度)としては、
30〜80゜C、好ましくは40〜60゜Cである。反
応温度30゜C以下では燐酸液の粘度が上昇するため
か、活性炭への吸着能の低下がみられることから、吸着
効率の低下を招く。80゜C以上のばあいは、硫化水素
ガスによる装置への腐食の問題があり、用いる材質をよ
り高級なものにする必要があるとともに、温度を維持す
るためエネルギ−が必要となり、経済的でない。
【0014】活性炭としては、粒状、粉状活性炭いずれ
でも本発明の効果の面においては問題はないものの、再
生が容易に可能なこと、塔に充填し処理しようとする液
を通過せしめることで、その効果が得られることから、
粒状活性炭が好適である。
【0015】活性炭の種類としては、その原料ソースか
ら、石炭系、椰子殻系、ピッチ系、木炭系があるが、脱
有機物の効果から判断すれば石炭系が好適である。
【0016】本発明の方法は回分方法及び連続法のいず
れの方式でも実施することができるが、連続法の方が通
常は操業が容易である。
【0017】以下、本発明の好適な一実施例を、添付せ
る図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明
の実施の好適な一態様を示すフローシートである。処理
しようとする燐酸液1は、ミキサー2にて所定量の硫化
水素ガス3を添加し、該燐酸液中に均一に硫化水素ガス
3を分散せしめる。
【0018】ミキサー2は、硫化水素ガスを燐酸液中に
極短時間に、均一に分散せしめる形式のものが好まし
く、例えばラインミキサー等が好適である。硫化水素ガ
スと燐酸液の接触時間、即ち反応時間は特に限定するも
のではなく充分均一に、気液が接触する条件であれば、
極めて短時間でよく、例えば秒単位でも特に問題はな
い。
【0019】次に、硫化水素ガスを添加し処理せしめた
燐酸液4は、石炭系でかつ粒状活性炭を充填した活性炭
塔5に導き、有機物を吸着除去せしめた精製燐酸液6を
得る。
【0020】活性炭塔5における、粒状炭の粒経として
は、塔の圧力損失及び吸着効率を鑑みて、0.4〜2.
0mm程度(平均粒経0.9−1.1mm程度)のもの
が好適であり、燐酸液の通液速度としては、処理しよう
とする燐酸液の有機物分を除く不純物分の含有量を考慮
する必要があるが、0.5〜2.0m/h程度にて通液
すると良い。尚、用いる活性炭の物性としては、一般に
市販されている液相用活性炭で充分であり、BET法に
よる比表面積900〜1300m2/g、ヨウ素吸着量
900〜1100mg/g、細孔容積0.9〜1.0c
c/g程度の物性のものであれば、特に限定はない。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって、本発明の
効果を具体的に説明する。
【0022】実施例1 表1に示す組成の燐酸液を用いて、硫化水素の添加量を
3ppmとし、活性炭の吸着試験を実施した。
【0023】
【表1】
【0024】温度40〜42゜Cにて、燐酸液量100
kg/h(約70 l/h)を、図1に示すフローに従
って、硫化水素ガスを添加して、連続試験を実施し、処
理せしめた燐酸液を経時的に分析を行い、活性炭のライ
フ(破過)試験を実施した。活性炭塔(断面積0.07
2)は石炭系の粒状活性炭(東洋カルゴン社製、商品
名F−400)0.30m3を充填したものを使用し
た。破過時間の評価としては精製燐酸液中の有機物分を
毎日分析し、その分析値が10ppm以上になった時間
を、破過時間とした。尚連続試験は50日実施した。表
2に実験結果を示す。50日後の燐酸液中の有機物分は
10ppm以下であった。
【0025】実施例2〜3、比較例1〜4 硫化水素の添加量をそれぞれ表2に示す様に変更した以
外は実施例1と同様の実験を行った。結果を表2に示
す。
【0026】
【表2】
【0027】実施例4 表2に示す組成の燐酸液を用いて、図1のフローに従っ
て、連続的に試験を実施した。尚試験時間は、200日
間行った。
【0028】
【表3】
【0029】ラインミキサーを用いて、温度50〜53
℃の燐酸液5.0t/hに硫化水素ガスを15g/h添
加し、次いで石炭系の粒状活性炭(東洋カルゴン社製、
商品名F−400)15m3を充填した、活性炭塔(塔
径2.0m)を通過せしめた後、精製燐酸液中の有機物
を毎日に分析したところ、濃度は全て10ppm以下で
あった。
【0030】比較例5 硫化水素ガスを添加しない以外は実施例4と全く同様の
操作を行った結果、精製燐酸液中の有機物濃度は4日目
は8ppm、5日目は15ppmであった。
【0031】比較例6 硫化砒素ガス添加量を3g/hとした以外は、実施例4
と同様な方法で、同様の試験を行った。精製燐酸液中の
有機物濃度は16日目は9ppm、17日目は19pp
mであった。
【0032】比較例7 燐酸液の温度を20〜25℃とし、それ以外は実施例4
と全く同様の操作を行った。精製燐酸液中の有機物濃度
は10日後16ppmであった。 比較例8 粒状活性炭を椰子殻炭(三協産業社製ダイヤソーブW)
に入れ替えた以外は全く実施例4と同様の実験を行った
ところ、精製燐酸液中の有機物濃度は9日後21ppm
であった。
【0033】
【発明の効果】本発明は、少量の硫化水素を添加するの
みで、活性炭の吸着能を長時間保つことが可能となる、
工業上極めて有用なものである。
【0034】本発明の燐酸液の精製方法は、前述の如く (1)予め燐酸液へ硫化水素ガスを添加し、液中に分散
せしめる気液接触工程、及び(2)活性炭を充填せしめ
た活性炭塔からなる吸着工程 で充分であり、極めて簡単な方法及び設備にて有機物を
除去出来ることも本発明の特徴である。またこの活性炭
塔5は、その他、例えば製品の脱色あるいは/または、
その他重金属や金属分の除去等も、同時に実施すること
が出来、既存の設備をもちいて、活性炭銘柄の変更ある
いは、混合使用等にて処理できることも、本発明の特徴
の一つである。また別途新たに本発明における装置を設
置する場合においても、簡単な装置を設けるだけで良
く、建設コストも極めて安価に対応出来るものである。
【0035】特に有機物含有量が数十ppm以下の燐酸
液からの更なる脱有機物においては、本発明の方法は従
来公知の方法に対して、極めて格段に優れた効果、即ち
長期に渡って活性炭の吸着能の維持が可能であることを
示す点が注目されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために適した装置の一例を示
すフローシート図
【符号の説明】
1 燐酸液 2 ミキサー 3 硫化水素ガス 4 硫化水素ガスにて処理した燐酸液 5 活性炭塔 6 精製燐酸液
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】実施例4 表3に示す組成の燐酸液を用いて、図1のフローに従っ
て、連続的に試験を実施した。尚試験時間は、200日
間行った。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燐酸液中の有機物分を、活性炭を用いて
    除去する方法において、温度が30〜80゜Cの燐酸液
    中へ該燐酸液に対して1〜10重量ppmの硫化水素ガ
    スを予め分散せしめた後、石炭系活性炭を充填した活性
    炭塔を通過せしめることを特徴とする燐酸液の精製法。
  2. 【請求項2】 該活性炭が、粒状炭である請求項1記載
    の燐酸液の精製法。
  3. 【請求項3】 該燐酸液の濃度がP2O5濃度として35〜
    56重量%である請求項1記載の燐酸液の精製法。
JP20508892A 1992-07-31 1992-07-31 燐酸液の精製法 Pending JPH0648711A (ja)

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