JPH0648628Y2

JPH0648628Y2 - テ−プカセット

Info

Publication number: JPH0648628Y2
Application number: JP1984093390U
Authority: JP
Inventors: 一寿町田
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1984-06-22
Filing date: 1984-06-22
Publication date: 1994-12-12
Anticipated expiration: 1999-06-22
Also published as: JPS6113385U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はケース内に磁気テープを収容してなるテープカ
セットに関し、特に詳細には前記ケースに磁気テープを
安定して走行させる手段を備えたテープカセットの前記
手段の改良に関するものである。

（従来技術）従来よりケース内に収容された磁気テープにより記録再
生を行なうテープカセットはオーディオ用、ビデオ用共
に様々な種類のものが開発され、実用に供されている。
これらのテープカセットのうち、特に近年開発が進めら
れている長時間の記録再生が可能なVTR用のテープカセ
ットにおいては、厚さが薄くかつ幅の広い磁気テープが
用いられていることから、磁気テープを安定して走行さ
せるためのテープガイドの役割りが特に重要であり、そ
の構造についても高い精度が要求されている。現在この
種のテープカセットに設けられているガイド部として
は、円筒形の部材が上ハーフと下ハーフとからなるカセ
ットケースの一側端面側に設けられており、このガイド
部は前記上ハーフの上面の内壁面から下方に、前記下ハ
ーフの下面の内壁面から上方に互いに対向するように各
ハーフと一体的に設けられたボス部により内部から軸支
されている。このボス部はそれぞれ中央部分に上下に貫
通したビス締め用孔部を有しており、外部からビスがこ
のビス締め用孔部に挿入され、ビス締めが行なわれて上
ハーフ、下ハーフおよびガイド部が固定されるようにな
っている。また、ガイド部と上下ハーフとは強固に固定
される必要があることから、上下ハーフは合成樹脂製で
あるのに対してガイド部はステンレス等の金属で作られ
ており、ビス締めの際、ガイド部の両端が上下ハーフに
くい込むようになっていた。しかしながら、従来のテー
プカセットにおいては、ガイド部を軸支している一対の
ボス部は間隙を介して対向しており、この間隙が大きい
ことからビス締めによっても互いに先端面は接しないた
めに、前記一対のボス部はビスにより強く引き寄せられ
上ハーフと下ハーフは上下ハーフにくい込んだガイド部
を支点としてそり返るように変形してしまうという問題
があった。しかもこの変形はガイド部を中心として対称
なものではなく、ケースの力学的に弱い部分が大きく変
形を受けてしまうという不規則なものであるため、ガイ
ド部が前後および左右に傾いてしまい、磁気テープを正
しい方向へ安定して走行させることが困難になるという
不都合が生じていた。

（考案の目的）本考案は上記のような問題点に鑑みてなされたものであ
り、ビス締めを行なってもガイド部が傾くことがなく、
磁気テープを確実に走行方向に送ることができるような
構造を備えたテープカセットを提供することを目的とす
るものである。

（考案の構成）本考案のテープカセットは、ビス締め前には、ビス締め
によるカセットケースの歪みを防止する大きさである0.
005〜0.200mmの間隙を介して対向するように配された、
ガイド部を軸支する一対のボス部の先端面が、ビス締め
後において互いに当接するように構成されている。こと
を特徴とするものである。この間隙は、ビス締めの際に
この間隙が押し縮められて両ボス部の先端面が互いに当
接し、この当接した状態においてガイド部はカートリッ
ジケースに強固に固定されており、しかもガイド部およ
びボス部の高さの公差を考慮に入れ、ガイド部の傾きを
実用上支障のない範囲（カセットケースの上下面に対す
る垂直度（傾斜度あるいは倒れ度とも称され、通常、ガ
イド部の一端が当接するハーフ内壁面の、該当接位置に
おける垂線に対するガイド部の他端の離間距離によって
表わされる。単位はmmである。）が0.1以内程度）に抑
えることができるような大きさに設定されたものであ
る。

（実施例）以下、図面を参照して本考案の実施例について説明す
る。

第１図はVTR用テープカセットの概要を示す斜視図、第
２図は従来のガイド部およびガイド部近傍のケースの構
造の概要を示す断面図である。

テープカセットのケース１は上ハーフ２と下ハーフ３と
からなっており、一側端面側に円柱状のガイド部４を備
え、テープを正しい方向に案内し、安定して走行させる
ようになっている。なお第１図に示した斜視図では、カ
セット不使用時に、テープ走行面に露出したテープを保
護するために通常テープ走行面上に設けられているガイ
ドパネルは省略してある。

前記ガイド部４は第２図の断面図に示すように前記上ハ
ーフ２の上面2aの内壁面から下方に、前記下ハーフ３の
下面3aの内壁面から上方に、互いに対向するように各ハ
ーフと一体的に設けられたボス部５、５′によって内部
から軸支されている。このボス部５、５′はそれぞれ各
ハーフ内壁面側に段部5a、5a′を有しており、前記ガイ
ド部４の上下端面はそれぞれこの段部5a、5a′に当接す
るようになっている。さらに前記ボス部５、５′にはそ
れぞれビス締め用の孔部６、６′が設けられており、外
部からビス７が挿入されてビス締めが行なわれ、上下ハ
ーフおよびガイド部は強固に固定される。ところでこの
ガイド部４はステンレス等の金属によって作られてお
り、ボス部をふくめ上下ハーフはプラスチック等の合成
樹脂製であるため、ネジ締めによりガイド部４はボス部
５、５′の段部5a、5a′にくいこみガイド部４を固定す
る。一方第２図に示す従来のテープカセットにおいて
は、ボス部５、５′は互いに間隙８を介して対向してお
り、この間隙８はビス締めにより押し縮められても両ボ
ス部の先端が当接するには至らない大きさになっている
ために前記ボス部5,5′はネジ締めにより受けた力の大
きさにより互いに強く引き寄せられる。このボス部5,
5′が引き寄せられる量は前記のガイド部４が段部5a,5
a′にくいこむ量より大きいので、上下ハーフの側端面2
b、3bのガイド部４近傍部分は第２図中破線で示すよう
に図中P₁、P₂、P₃、P₄を支点として歪んでしまい、さらに
この歪みは左右対称にはならず、上下ハーフの力学的に
弱い部分に集中するためにガイド部４も必然的に傾いて
しまい、テープを安定して正しい方向に案内するという
機能が損なわれてしまっていた。これに対し、本考案の
テープカセットにおいては、第２図と同様の部分のビス
締め前の状態を第３図に示すようにボス部５、５′の間
隙８′は従来のものよりも小さくなっているため、ビス
締めを行なうと間隙８′は押し縮められてボス部５、
５′の先端面は互いに当接し、この当接によって上下ハ
ーフが歪むことを防止する。この本考案のビス締め後の
状態を第４図に示す。また前記ガイド部４は段部5a、5
a′に全くくい込むことがないと、カートリッジケース
に強固に固着されることができなくなるため、前記間隙
８′はこのガイド部４が適切な深さだけ段部5a、5a′に
くい込むことを許す大きさとなっている。この間隙８′
の適切な幅は、各部材の材質や大きさによって異なって
くる。例えばガイド部４の素材にロックウェル硬度がＢ
スケールで70〜110のステンレス鋼を用い、上下ハーフ
の素材にロックウェル硬度がＲスケールで85〜125のABS
樹脂を用いた場合には、上述のようにビス締めを行なう
と、ガイド部４の両端はボス部５、５′の段部5a、5a′
にそれぞれ３〜５μｍくい込むので両端を合わせると６
〜10μｍだけガイド部４が見かけ上短くなったことにな
る。従って理論上は0.005mmから0.010mm程度に間隙８′
を設定すれば、最も効果的にガイド部４を強固に固定し
つつ、上下ハーフが大きく歪むことを防止できることに
なるが、量産を可能にするためにガイド部やボス部の高
さに適切な公差を設け、また実用上はガイド部の垂直度
は0.1以内であればテープの走行に支障のないことか
ら、前記間隙８′の上下の幅は0.005〜0.200mmの範囲に
設ければ、様々な条件の下で、上下ハーフが大きく歪む
ことを防止できるということがわかった。間隙８′が0.
005mm以下の場合には、ガイド部４の段部5a、5a′への
くい込み方が不十分であったり、あるいは全くくい込ま
なかったりするために、ガイド部４はしっかり固定され
なくなり、かえってガイド部の垂直度が不安定になった
り定まらなくなったりしてしまうため、不適当である。
上記のように適切な大きさの間隙８′を介して対向する
ボス部５、５′に軸支されたガイド部４をビス締めによ
りケースに固定した際のケースの歪みは第４図中に角度
Ｓにより示されたものとなり、これは第２図に示す従来
のビス締めによる歪みである角度Ｒの約1/5程度に抑え
られたものとなっており、実用上ほとんど支障のないも
のである。

（考案の効果）以上詳細に説明したように、本考案のテープカセットに
よれば、ガイド部を軸支する一対のボス部を、ビス締め
によりガイド部とケースとの固着を確実に行なわしめる
とともにビス締めによるケースの歪みを防止する大きさ
の間隙を介して対向させたことにより、ビス締めを行な
った際にケースの上下ハーフが大きく歪んでしまうとい
う事はなくなり、ガイド部が大きく傾いてしまうという
不都合は解消されるので、長時間記録再生可能なVTR用
テープ等、幅が広く厚さの薄い磁気テープもガイド部に
より常に安定して正しい方向に案内されることが可能に
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図はVTR用テープカセットの構造の概要を示す斜視
図、第２図は従来のテープカセットにおけるガイド部および
ガイド部近傍の部材の構造を説明するための断面図、第３図は本考案のテープカセットの、第２図に示した部
分と同一部分のビス締め前の状態を示す断面図、第４図は第３図に示した部分のビス締め後の状態を示す
断面図である。２……上ハーフ、３……下ハーフ４……ガイド部、５、５′……ボス部 5a、5a′……段部、８、８′……間隙

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】磁気テープを収容する上ハーフと下ハーフ
とからなるカセットケースの一側端面側に、前記上ハー
フ上面の内壁面から下方に、前記下ハーフ下面の内壁面
から上方に、互いに対向するように各ハーフと一体的に
設けられ、ビス締め用の孔部を有した一対の円筒形のボ
ス部により内部から軸支された、前記テープを安定して
走行させる円筒形のガイド部を備えてなるテープカセッ
トにおいて、ビス締め前には、ビス締めによるカセットケースの歪み
を防止する大きさである0.005〜0.200mmの間隙を介して
対向するように配された前記一対のボス部が、ビス締め
後において互いに当接するように構成されてなることを
特徴とするテープカセット。