JPH0648241Y2 - カセット式ガスコンロ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、小容量ガスボンベを着脱自在に装填し、ガス
供給源として使用するカセット式ガスコンロに関する。

（従来の技術） この種カセット式ガスコンロでは、五徳を一体に取り付
けた汁受皿をコンロ器体の梱包時や収納時に裏返し、五
徳がコンロ器体内に格納されてかさ低い状態になるよう
にすることが行われている。

ところで、梱包を解きコンロ器体を取出して使用するの
に、汁受皿を上向きにするのを忘れたり、その必要を知
らなかったりして、裏返し状態のまま調理容器を載せて
使用されることがある。

このような使用状態では、汁受皿の中央に開設されるバ
ーナーのぞき孔がほとんど塞がれて不完全燃焼を起こし
たり、炎が器体内にまわり込んでボンベやガス供給路上
のシール部材を過熱し、ガスの異常噴出や爆発と云った
事態を招くことが起きている。

（考案が解決しようとする課題） このようなことを防止するのに従来では、汁受皿の裏面
に注意書きを施している。しかしこれを見過ごしてしま
うことがときとして生じ、稀であるけれども事故は発生
している。

そこで本考案は前記のような異常使用がなされようとす
るとき、使用者にそれをより確実に知らせ、あるいはそ
れと共にそのままの使用を機械的に阻止することによっ
て、異常使用を確実に防止することができるカセット式
ガスコンロを提供することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記のような目的を達成するために、コンロ器
体のバーナを臨ませた開口部に、五徳を一体に取り付け
た汁受皿を着脱可能に嵌め付ける嵌め付け部を設け、こ
の嵌め付け部に裏返し姿勢にて嵌め付けられる汁受皿の
一部と対向するコンロ器体側の部分に、前記裏返し姿勢
での嵌め付け途中位置にある汁受皿の一部と当接してこ
れを受け止め、汁受皿をコンロ器体から所定量浮かせる
突部を設けたことを特徴とする。

（作用） 本考案の上記構成によれば、汁受皿は五徳が一体に取付
けられており、コンロ器体のバーナを臨ませる開口部の
嵌め付け部に、着脱可能に嵌め付けることができ、この
嵌め付けが表向き姿勢で行われるとき、嵌め付け途中の
汁受皿が前記コンロ器体側の突部に当接することはな
く、嵌め付け部に適正に嵌め付けられて落ちつき、上向
きの五徳によって調理器具等をコンロの上に所定の距離
を保って支持することができる。

また汁受皿の前記嵌め付けが裏向き姿勢で行われると
き、五徳は下向きでコンロ器体の開口部に入り込めるの
で、これが入り込んだ分だけ汁受皿装着状態のかさを低
くすることができる。

そして汁受皿は、前記裏向き姿勢での嵌め付け途中位置
にてこれの一部と対向するコンロ器体側の部分に設けら
れた突部に当接して受け止められてこの当接部ではそれ
以上嵌め付けることはできず、一部がコンロ器体から所
定量浮き上がり、通常通りに使用できない異常な装着状
態にすることができる。

（実施例） 第１図から第９図に示す本考案の実施例について説明す
る。

本実施例のガスコンロは、角形のコンロ器体１にガスバ
ーナー２を設置するバーナー室３と、ガスバーナー２へ
のガス供給源としてのガスボンベを装填するボンベ室４
とが隣接形成されている。バーナー室３のガスバーナー
２を臨ませる開口部100に汁受皿７を着脱自在に嵌め付
ける嵌め付け部としての皿受面５が、額縁状凹段部とし
て形成されている。

汁受皿７は五徳６が一体に設けられ、この五徳６は汁受
皿７に個々にカシメ付け、あるいは溶接等して固定され
た４つの五徳脚6aよりなる。

汁受皿７が前記受皿面５に上向きの姿勢にて嵌め付けら
れるとき、コンロ器体１の開口部100に正規な状態に装
着される。この状態で五徳６の五徳脚6aは汁受皿７のガ
スバーナー２の覗き孔7aの周りに放射状に位置し、調理
容器等をガスバーナー２の上方に支持し調理できるよう
にする。

汁受皿７は皿受面５から取外し、また裏向き姿勢で皿受
面５に着脱可能に嵌め付けることもできる。

本実施例では、前記額縁状の皿受面５の内周位置に切り
起こし片よりなる上向きの突部８を設けている。この突
部８は、表向きの正規な姿勢にて開口部100に装着され
る汁受皿７とは嵌め付けの最終段階に至るまでこれと当
接することはなく、汁受皿７の正規な嵌め付けに支障は
ない。

しかし前記汁受皿７が裏返し状態で嵌め付けられると
き、汁受皿７は五徳６を開口部100に嵌め合わせなが
ら、皿受面５に嵌め付けられていき、上向きの正規な姿
勢にて嵌め付けられて五徳６が上向きに突出する場合よ
りもかさ低くなる。したがってコンロ器体１を収納した
りするのに有利である。

しかし前記突部８はこの裏返し状態での嵌め付け途中位
置にある汁受皿７の周縁部7aと当接してこれを嵌め付け
途中位置に受け止め、汁受皿７の一部をコンロ器体１か
ら所定量浮いた状態にする。

このため裏返し状態で装着される汁受皿７はやや傾いて
安定せずガタツキを起こすことから、五徳６上に調理容
器を載せることができず、使用者は汁受皿７が裏返し状
態であるのを確実に気付き、その状態のままバーナー２
に着火して使用するのを回避することができる。

ボンベ室４の前端位置には、第１図及び第３図に破線で
示すように、ボンベ接続口11aとガスバーナー２への混
合管９に対するノズル10を持ったガス供給路11が、その
途中に設けられるガス圧調整器12と一体形成されて設置
されている。

このガス圧調整器12はさらに、ガス供給路11を開閉する
器具コック13を一体に形成されているし、ガスボンベを
前記接続口11aに押圧接続し、またそれを解除するボン
ベセット機構14の操作レバー15が枢支されている。

操作レバー15の操作部15aや器具コック13の操作ツマミ1
6は、コンロ器体１の前面に位置している。ボンベ室３
には下ヒンジ式の開閉蓋17が設けられている。

第４図および第５図に示す本考案の第２の実施例では、
使用者に五徳６付きの汁受皿７が裏返し状態であること
を気付かせるため、コンロ器体１の底面1aに切り起こし
片よりなる突部18を設けている。

この突部18は第１実施例での第５図に示すように、コン
ロ器体１に裏返し状態で嵌付けられる途中位置の汁受皿
７の、五徳６の五徳脚6aの１つの頂部と当接してこれを
受止め、汁受皿７の一部をコンロ器体１から所定量浮か
せる。

この突部18は、第１の実施例において皿受面５に設けた
突部８と汁受皿７とが当接し合うのと同様の効果がある
上、突部18がコンロ器体１内に位置するので洗浄等の種
々の取扱いの際に損傷されないという利点も有してい
る。

（考案の効果） 本考案によれば、汁受皿は五徳が一体に取付けられ、コ
ンロ器体のバーナを臨ませる開口部の嵌め付け部に、着
脱可能に嵌め付けられるが、この嵌め付けが表向き姿勢
で行われるとき、嵌め付け途中の汁受皿が前記コンロ器
体側の突部に当接することはなく、嵌め付け部に適正に
嵌め付けられて落ちつき、上向きの五徳によって調理器
具等をコンロの上に所定の距離を保って支持し、適正に
使用することができる。

汁受皿の前記嵌め付けが裏向き姿勢で行われるとき、五
徳は下向きでコンロ器体の開口部に入り込み、この入り
込んだ分だけ汁受皿装着状態のかさを低くすることが
で、収納等に有利である。

そして汁受皿は、前記裏向き姿勢での嵌め付け途中位置
にてこれの一部と対向するコンロ器体側の部分に設けら
れた突部に当接して受け止められてこの当接部分ではそ
れ以上嵌め付けることはできず、一部がコンロ器体から
所定量浮き上がり、通常通りに使用できない異常な装着
状態にするので、汁受皿の裏返し装着を使用者に気付か
せ、またそのままの異常使用を阻止し安全使用されるこ
とになる。

そしてコンロ器体の側の一部に突部を設けるだけの簡単
な構造であるので、コスト上昇の原因とはならない。

【図面の簡単な説明】

第１図から第５図は本考案の実施例を示し、第１図は第
１の実施例の一部を縦断して見た側面図、第２図はその
要部を拡大して示す斜視図、第３図は第１の実施例の平
面図、第４図は第２の実施例の要部の斜視図、第５図は
その一部を断面して見た側面図である。 １……コンロ器体 ２……ガスバーナー ５……皿受面 ６……五徳 ７……汁受皿 ８、18……突部 100……開口部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンロ器体のバーナを臨ませた開口部に、
   五徳を一体に取り付けた汁受皿を着脱可能に嵌め付け、
   コンロ器体の前記開口部に嵌め付けられる汁受皿の一部
   と対向する部分に、汁受皿が裏返し姿勢にて前記開口部
   に嵌め付けられるときに、この嵌め付け途中位置の汁受
   皿の一部と当接してこれを受け止め、汁受皿をコンロ器
   体から所定量浮かせる突部を設けたことを特徴とするカ
   セット式ガスコンロ。