JPH0647795Y2 - 蓋付き容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は蓋の開閉を容易に行なうことができる蓋付き容
器に関するものである。

（従来の技術） 従来から蓋付き容器に関する考案は種々なされており、
容器本体と蓋体との係合は各々に設けられた螺子によっ
て行われるのが一般的であった。しかし、このような容
器は蓋の開閉が容易でなく、又、蓋の形状自体に限定が
加わりデザイン的に単調となる欠点があった。更には、
容器本体と蓋体との各々に螺子を形成する必要があるた
めに、成形用金型が複雑となり成形効率が劣る、生産コ
ストが高くつく等の欠点もあった。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案はこのような従来の欠点を解決して、蓋の開閉を
極めて容易に行なうことができ、かつ蓋のデザインが優
れていて意匠的効果の大きい蓋付き容器を提供すること
を目的として完成されたものである。

（問題を解決するための手段） 本考案は口部の外周に環状突部を有する容器本体と、一
対の蓋形成部材から構成されてドーム状を形成している
蓋体とからなる蓋付き容器において、前記蓋形成部材の
上部接合面に嵌合用凹部及び凸部を形成するとともに、
該接合面を中心にして外側へ延びる舌片、及び容器把持
用のへこみ部を設け、下方部内側には前記環状突部に係
合する係合片を設けることを特徴とするものである。

（実施例） 次に本考案を図示の実施例について詳細に説明する。

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は正面図の
中央縦断面図、第２図は平面図である。図中１はガラス
製の容器本体、２は口部外周に設けられた環状突部であ
る。第３図は蓋体３を構成する合成樹脂製の蓋形成部材
４の斜視図で、一対の蓋形成部材４からドーム状の蓋体
３が構成されている。この蓋体３は、前記蓋形成部材４
の上部接合面５に形成された各々の嵌合用凹部６を凸部
７とを互いに嵌合することによって一対の蓋形成部材４
が密着嵌合され、ドーム状に構成されるものである。

蓋形成部材４には第１図に示されるように、接合面５を
中心にして外側上方へ延びる舌片８が設けられており、
該舌片８は接合面５の垂直線に対して若干の角度を有し
て傾斜している。又、舌片８の形斜面をそのまま下方部
へ延長して、蓋形成部材４の球面の一部に容器把持用の
へこみ部９が設けられている。更には、蓋形成部材４の
下方部内側には、容器本体１の環状突部２に係合すべき
係合片10が設けられている。

このように構成された一対の蓋形成部材４は、第２図に
示されるように接合面５に設けられた凹部６、及び凸部
７によって接合面５を中心として密着嵌合され、ドーム
状の蓋体３を形成するとともに、蓋形成部材４の下方部
内面に設けられた係合片10が容器本体１の環状突部２の
下面部に係合して、蓋体３が容器本体１に閉じた蓋付き
容器を構成している。

（作用） このように構成された蓋付き容器においては、蓋形成部
材４の上部接合面５に形成された各々の嵌合用凹部６と
凸部７との嵌合によって一対の蓋形成部材４を密着嵌合
してドーム状の蓋体３を形成する。

上記の蓋体３を容器本体１の口部に被せ上方から押圧す
ると、合成樹脂製の蓋体３は弾性によって上部接合面５
を中心に下方部が両側へ若干開くこととなり、係合片10
が容器本体１の環状突部２を乗り越え、更にその後は弾
力によって係合片10がもとの位置へ戻り、蓋体３の容器
本体１にしっかりと係合して閉じることとなる。尚、容
器本体１の口部外周に設ける環状突部２には裾拡がりと
なるよう若干のテーパをつけておくと、係合片10が環状
突部２を乗り越えやすくなり蓋体３の閉じが容易とな
る。

一方、蓋体３を容器本体１より離脱する場合には、第４
図に示すように蓋形成部材４の上端に設けられた一対の
舌片８どうしを矢印Ｙ方向へ押圧すれば、テコの応用原
理で接合面５を中心にして蓋体３の下方部が矢印Ｚ方向
の両側へ若干開くこととなり、係合片10が容器本体１の
環状突部２との係合を解除することとなる。従って、こ
の状態で蓋体３を上方へ引き上げれば、蓋体３を容器本
体１から極めて容易に離脱することが可能となる。

尚、この蓋付き容器の取り扱いについては、蓋形成部材
４の球面の一部に設けられた容器把持用のへこみ部９内
へ指を挿入してつかむことにより、極めて容易に取り扱
いができるものである。又、容器本体１を透明なガラス
材、プラスチック材等で形成し、蓋体３を着色した合成
樹脂で形成すれば、デザイン的な効果が増し意匠的にも
優れたものになる。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、非常に簡単
な構造からなる蓋付き容器であって、その取り扱いが極
めて容易であり、蓋の開閉も非常に簡単に行なうことが
できるものである。又、成形金型が単純な形状で成形性
に優れており生産コストも非常に安くなるものである。
更には、蓋体の形状を優れたデザインとすることがで
き、従来にない意匠的効果の大きな蓋付き容器を提供す
ることができるという効果もある。

このように、本考案は種々の効果を発揮するもので実用
的価値の非常に高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は正面図の
中央縦断面図面、第２図は平面図、第３図は蓋形成部材
の斜視図、第４図は蓋体の離脱時を示す正面図の中央縦
断面図である。 1:容器本体、2:環状突部、3:蓋体、 4:蓋形成部材、5:接合面、8:舌片、 9:へこみ部、10:係合片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口部の外周に環状突部２を有する容器本体
   １と、一対の蓋形成部材４から構成されてドーム状を形
   成している蓋体３とからなる蓋付き容器において、前記
   蓋形成部材４の上部接合面５に嵌合用凹部６及び凸部７
   を形成するとともに、該接合面５を中心にして外側へ延
   びる舌片８、及び容器把持用のへこみ部９を設け、下方
   部内側には前記環状突部２に係合する係合片10を設ける
   ことを特徴とする蓋付き容器。