JPH0647719U - 木ネジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 木材へのネジ込みが容易であり、木材相互の
締め付けが強固な木ネジを提供する。 【構成】 ドライバー溝を形成した偏平な頭部２を有
し、先端を尖らせた軸体３の外周面にネジ山４を螺旋状
に形成した木ネジにおいて、軸体３の長さ方向にそって
縦長であり、軸体３の周方向にそって凹凸面を有するロ
ーレット刃５、７を形成する。また、頭部２と軸体３間
の傾斜面に、木ネジ本体１のネジ込み方向にそって傾斜
したカット刃８を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は木ネジに関し、特に、木材へのネジ込みが容易であり、木材相互の締 め付けが強固な木ネジに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、家屋の建築、各種家具の製造、その他の木工等において、木材相互の連 結、締め付け用に使用されている木ネジは、表面にドライバー溝を形成した偏平 な頭部を有し、先端を尖らせた軸体の外周面にネジ山を螺旋状に形成したものが 一般的な形状である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような木ネジは、尖らせた先端からネジ山を利用して木材にネジ込むもの であるが、ネジ山間およびネジ山と頭部間の軸体は平滑面であるため、先端部で はネジ込みが容易であるが、その後、軸体表面と木材相互が密接状態となるので 、ネジ込みに際して両者間の摩擦抵抗が大きくなる。従って、ネジ込むためには 大変な力を要する場合がある。特に、ネジ山と頭部間が長く、軸体が露出するネ ジでは、露出部分の軸体表面と木材との摩擦は更に大きなものとなる。 ネジ込みを容易にするため、木材繊維を切断しつつネジ込むようにした木ネジ もあるが、先端部の構造が複雑なものとなり、高価なものであった。更に、先端 部の特殊な構造のために軸体自体が太くなるので、木材との摩擦抵抗も大きくな るという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来の木ネジの種々の問題点に鑑み、簡単な構成で木材へのネジ込 みを容易に行うことのできる木ネジを提供することを目的とするものである。 また、本考案は、木材への締め付けが良く、木材相互の連結状態が強固な木ネ ジを提供することを目的とするものである。 上記の目的を達成するために本考案は、ドライバー溝を形成した偏平な頭部２ を有し、先端を尖らせた軸体３の外周面にネジ山４を螺旋状に形成した木ネジに おいて、ネジ山４間の軸体３表面に、軸体３の長さ方向にそって縦長であり軸体 ３の周方向にそって凹凸面を有するローレット刃５を形成してある。 また、ネジ山４と頭部２間の軸体３表面に、軸体３の長さ方向にそって縦長で あり、軸体３の外径より少し大きい径を有する凹凸状のローレット刃７を形成し てある。

【０００５】 更に、ネジ山４間の軸体３表面に、軸体３の長さ方向にそって縦長であり軸体 ３の周方向にそって凹凸面を有するローレット刃５を形成するとともにネジ山４ と頭部２間の軸体３表面には、軸体３の長さ方向にそって縦長であり、軸体３の 外径より少し大きい径を有する凹凸状のローレット刃７を形成してある。 また、頭部２と軸体３間に形成した傾斜面９には、木ネジ本体１のネジ込み方 向に傾斜し、線状の突起体からなるカット刃８を複数本等配してある。 更にまた、ネジ山４間の軸体３表面に、軸体３の長さ方向にそって縦長であり 軸体３の周方向にそって凹凸面を有するローレット刃５を形成するとともにネジ 山４と頭部２間の軸体３表面には、軸体３の長さ方向にそって縦長であり、軸体 ３の外径より少し大きい径を有する凹凸状のローレット刃７を形成し、頭部２と 軸体３間に形成した傾斜面９に、木ネジ本体１のネジ込み方向に傾斜し、線状の 突起体からなるカット刃８を複数本等配してある。

【０００６】

【実施例】

以下、図面に従って、本考案の一実施例を詳細に説明する。 「第一実施例」 図１は本考案の一実施例を示し、同図において１は木ネジ本体であり、表面に ドライバー溝（図示せず）を形成した偏平な頭部２を有し、先端を尖らせた軸体 ３の外周面にネジ山４を螺旋状に形成したことは従来の木ネジと同じである。 本実施例においては、各ネジ山４間の軸体３表面に、軸体３の長さ方向にそっ て縦長であり軸体３の周方向にそって凹凸面を有するローレット刃５を形成した ことを特徴としている。

【０００７】 図２は、ローレット刃５の一例を、拡大横断面として示したものであり、軸体 ３の周方向にそって、先を尖らせた多数の山形突起６を形成したものである。こ の山形突起６の数、各突起６間の谷の深さ等はネジ自体の大きさ、特に、軸体３ の太さによって任意に選択することができる。また、図示の如く、全てのネジ山 ４間にローレット刃５を設けてもよく、あるいは各ネジ山４のうち必要な箇所の ネジ山４間にローレット刃５を設けるようにしてもよい。

【０００８】 ローレット刃５は、軸体３の長さ方向にそって長く、かつ、軸体３の周方向表 面に凹凸面を形成し、木材との接触面を少なくするものである。このため、前記 のローレット刃５の形状に限らず、軸体３の外周面に、周方向にそって多数の縦 溝を形成したものであってもよい。 木ネジ本体１を従来の木ネジと同じく木材にネジ込めば、ネジ山４によって木 材内に侵入し、ローレット刃５は木材との摩擦を少なくしてネジ込み回転が容易 であり、締付けトルクを軽くする。

【０００９】 「第二実施例」 図３は本考案の第二の実施例を示し、前記の実施例と同じ部分は同じ符合を使 用している。 本実施例においては、木ネジ本体１のネジ山４の上端部と頭部２間の軸体３表 面に、軸体３の長さ方向にそって縦長であり、かつ、軸体３の外径よりも少し大 きい凹凸外径を有するローレット刃７を形成したことを特徴としている。このロ ーレット刃７の形状は、前記実施例のローレット刃５と同じ形状、構造であって もよいが、木材への孔あけ作業を容易にするため、図２に示す鋭角な山形突起６ を有する構造のものが望ましい。

【００１０】 木材相互を連結する場合、ネジ山４と頭部２間に単体で形成したローレット刃 ７が、手前側の木材に大きめの孔を開けるので、締付けトルクが小さく、木材相 互の締め付け作業を軽くすることができる。 尚、図示していないが、本実施例の木ネジ本体１において、前記実施例のロー レット刃５を全てのネジ山４間あるいは必要なネジ山４間に形成し、ローレット 刃５とネジ込んだ際その後方に位置するローレット刃７を共用するようにしても よい。

【００１１】 「第三実施例」 図４、図５は、前記第一および第二実施例の木ネジ本体の場合におけるネジ頭 部の他の実施例を示すものであり、前記各実施例と同じ部分は同じ符合を使用し ている。 本実施例においては木ネジ本体１の頭部２と軸体３間にカット刃８を形成した ことを特徴としている。このカット刃８は、頭部２と軸体３間に形成した傾斜面 ９に、複数本の線状の突起体を、木ネジ本体１のネジ込み方向に傾斜して形成し たものであり、傾斜面９の周面にそって等配してある。突起体は、断面三角形、 断面四角形等種々の断面形状のものを使用することができ、ネジ込み方向に傾斜 させたことにより木材繊維を切断する機能を有している。

【００１２】 本実施例は上記の構成としたことにより、木ネジ本体１を全て木材にネジ込ん だ後、カット刃８が自ら座ぼりをし、木材内に入り込むので、木材に対する締め 付けを強固にすることができる。 尚、図４および図５に示すように、頭部２下面のカット刃８とともに頭部２の 外周下面にもカット刃１０を形成するようにしてもよい。このカット刃１０は、 頭部２の外周下面に単体のものを等配してもよく、あるいは頭部２の外周下面全 体を環状にした連続したカット刃１０であってもよい。 前記のカット刃８が座ぼりをした後、更にカット刃１０が回転しつつ木材表面 を切断して内部に入り、頭部２の外表面と木材表面とは面一状態となるので、木 材表面に割れを生ずることがなく、表面を綺麗に仕上げることができる。

【００１３】 「第四実施例」 図６は本考案の更に他の実施例を示し、前記各実施例と同じ部分は同じ符合を 使用している。 本実施例においては、木ネジ本体１のネジ山４間にローレット刃５を形成する とともにネジ山４と頭部２間の軸体３に他のローレット刃７を形成し、頭部２下 面の傾斜面９にカット刃８を形成したことを特徴としている。ローレット刃５お よびローレット刃７としては、前記各実施例のものと同じ形状、構造のものを使 用することができる。また、カット刃８も前記したカット刃８と同じである。

【００１４】 本実施例は上記の構成としたことにより、例えば、木材相互を連結する場合、 図７に示すように、まず手前側の木材１１内に木ネジ本体１をネジ込めば、ネジ 山４間のローレット刃５が木材１１との摩擦を少なくして回転し、木材繊維を少 し広げつつ侵入し、連結すべき他方の木材１２内に達する。後方にあるローレッ ト刃７は手前側の木材１１に少し大きめの孔を開けながら入るので木材１１の締 付けトルクが小さく、締め付けを軽く行うことができる。最後に頭部２下面のカ ット刃８が木材１１を切断しつつ内部に入り込むので木材１１と木ネジ本体１と の連結が強固なものとなり、従って、木材１１、１２相互の連結も強固に安定し たものとなる。 尚、本実施例の場合も前記第三実施例の場合と同じく、頭部２の外周下面にカ ット刃１０を形成するようにしてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

上記する本考案によれば、軸体３表面に螺旋状に形成したネジ山４間にローレ ット刃５を形成したことにより、木材へのネジ込みを軽く、容易に行うことがで きる。 更に、ネジ山４と頭部２間の軸体３には、軸体３より少し大きい径のローレッ ト刃７を形成したので、本体１のネジ山４が連結すべき他方の木材１２内に侵入 した後、ローレット刃７は手前側の木材１１内に軸体３より少し大きめの孔をあ けながら回転しつつ侵入するので、木材の無駄な締付けトルクがかからず、軽く 締め付け作業ができるものである。 頭部２下面の傾斜面９には、ネジ込み方向に傾斜したカット刃８を突設したこ とにより、このカット刃８が座ぼりをしながら木材を押さえ込むので、木材相互 の連結を強固なものとすることができる。 また、頭部２の外周下面に他のカット刃１０を設けるようにすれば、このカッ ト刃１０が木材の割れを生ずることなく木材内に入り込むので、頭部２と木材と の表面が面一状態となり、木材表面を綺麗に仕上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案木ネジの一実施例を示す正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線にそった断面図である。

【図３】本考案木ネジの他の実施例を示す正面図であ
る。

【図４】本考案木ネジの更に他の実施例を示すネジ頭部
を拡大して示す正面図である。

【図５】図４のネジ頭部を下面からみた裏面図である。

【図６】本考案木ネジの更に他の実施例を示す正面図で
ある。

【図７】図６に示す木ネジにより木材相互を連結した状
態の説明図である。

【符号の説明】

１ 木ネジ本体 ２ ネジ頭部 ３ 軸体 ４ ネジ山 ５ ローレット刃 ６ 山形突起 ７ ローレット刃 ８ カット刃 ９ 傾斜面 １０ カット刃 １１ 木材 １２ 木材

【手続補正書】

【提出日】平成４年１１月１６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】追加

【補正内容】

【図 １】

【図 ２】

【図 ３】

【図 ４】

【図 ５】

【図 ６】

【図 ７】

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドライバー溝を形成した偏平な頭部２を
   有し、先端を尖らせた軸体３の外周面にネジ山４を螺旋
   状に形成した木ネジにおいて、ネジ山４間の軸体３表面
   に、軸体３の長さ方向にそって縦長であり、軸体３の周
   方向にそって凹凸面を有するローレット刃５を形成して
   成ることを特徴とする木ネジ。
2. 【請求項２】 ドライバー溝を形成した偏平な頭部２を
   有し、先端を尖らせた軸体３の外周面にネジ山４を螺旋
   状に形成した木ネジにおいて、ネジ山４と頭部２間の軸
   体３表面に、軸体３の長さ方向にそって縦長であり、軸
   体３の外径より少し大きい径を有する凹凸状のローレッ
   ト刃７を形成して成ることを特徴とする木ネジ。
3. 【請求項３】 ドライバー溝を形成した偏平な頭部２を
   有し、先端を尖らせた軸体３の外周面にネジ山４を螺旋
   状に形成した木ネジにおいて、ネジ山４間の軸体３表面
   に、軸体３の長さ方向にそって縦長であり軸体３の周方
   向にそって凹凸面を有するローレット刃５を形成すると
   ともにネジ山４と頭部２間の軸体３表面には、軸体３の
   長さ方向にそって縦長であり、軸体３の外径より少し大
   きい径を有する凹凸状のローレット刃７を形成して成る
   ことを特徴とする木ネジ。
4. 【請求項４】 頭部２と軸体３間に形成した傾斜面９
   に、木ネジ本体１のネジ込み方向に傾斜し、線状の突起
   体からなるカット刃８を複数本等配して成ることを特徴
   とする請求項１、２および３に記載する木ネジ。
5. 【請求項５】 ドライバー溝を形成した偏平な頭部２を
   有し、先端を尖らせた軸体３の外周面にネジ山４を螺旋
   状に形成した木ネジにおいて、ネジ山４間の軸体３表面
   に、軸体３の長さ方向にそって縦長であり軸体３の周方
   向にそって凹凸面を有するローレット刃５を形成すると
   ともにネジ山４と頭部２間の軸体３表面には、軸体３の
   長さ方向にそって縦長であり、軸体３の外径より少し大
   きい径を有する凹凸状のローレット刃７を形成し、頭部
   ２と軸体３間に形成した傾斜面９に、木ネジ本体１のネ
   ジ込み方向に傾斜し、線状の突起体からなるカット刃８
   を複数本等配して成ることを特徴とする木ネジ。