JPH0647597B2 - ピロリン酸エステル化合物およびそれらを含有してなる接着剤 - Google Patents

ピロリン酸エステル化合物およびそれらを含有してなる接着剤

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JPH0647597B2 JP62145225A JP14522587A JPH0647597B2 JP H0647597 B2 JPH0647597 B2 JP H0647597B2 JP 62145225 A JP62145225 A JP 62145225A JP 14522587 A JP14522587 A JP 14522587A JP H0647597 B2 JPH0647597 B2 JP H0647597B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規なピロリン酸エステル化合物およびそれを
含有してなる歯科用接着剤に関し、更に詳しくはそれ自
体接着性の歯科用充填剤、接着性レジンセメント、或い
は歯科矯正用接着剤等として、また通常のコンポジット
・レジン等の充填物や歯科用材料等の歯牙との接着を高
める歯科用接着剤に関する。
[従来の技術] 近年、う蝕にかかった歯の治療に対し、リン酸亜鉛セメ
ント、ケイ酸セメント等の歯科用セメントに替わるもの
としてコンポジット・レジンが開発され、最近では長期
間にわたって安定で吸水性及び破壊性の少なく天然歯と
見分けられないような色調のものも作られるようになっ
た。しかしコンポジット・レジンは歯のエナメル質、象
牙質と本質的には接着しないので、長期間のうちには歯
質と充填したコンポジット・レジンの間に隙間が生じ、
二次う蝕を起し易く、やがてはコンポジット・レジンが
脱落してしまう結果も生じていた。
従来、このようなコンポジット・レジンと窩壁との接着
を向上させるものとして接着性ライナー等の種々の接着
向上剤が開発され、また接着性のう蝕予防填塞剤、歯列
矯正用接着剤など、歯質に対し接着することを目的とし
た歯科用接着組成物が種々提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、これらは口腔内での耐久性や使用時の操
作性に問題があるものが多く、口腔内のように湿潤し、
しかも温度変化の激しい環境下で長期間に亘って歯牙に
強く接着するものは少ない。例えば、歯質に対して接着
することを目的としたう蝕予防填塞剤および歯列矯正用
接着剤としてα−シアノアクリレートを主成分とする接
着剤が開発されているが、口腔内での耐久性および使用
時の操作性において問題があるとされている。
一方、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレートを
レジンの主成分とし、過酸化ベンゾイル−アミン系触媒
を用いて硬化させる充填剤が近年広く用いられている
が、象牙質およびエナメル質への接着性を有していな
い。このため歯のくぼみに充填した場合、暫くして充填
剤が脱落したり、さらには二次う蝕の発生を誘引してい
る。
また、2−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸
無水物を含有する接着剤が耐水性、耐久性に優れ、口腔
内での使用にも充分耐え得るとして提案されている。し
かしながら、この接着剤において用いられる常温重合触
媒としては、通常トリ−n−ブチルボラン酸化物に事実
上限定され、歯牙象牙質に対しては強固な接着性を有す
る利点はあるが、重合反応速度が遅く、最終硬化まで場
合によって十数分を要すること、および空気中では極め
て不安定であるためその取扱いが困難であること等、歯
科臨床の立場からも問題の多いものであった。
また、特定のピロリン酸エステル化合物またはそれらの
重合体を含有する接着剤が、特開昭57−167364
号明細書に開示されているが、象牙質に対する接着力は
まだ十分でない。
このように象牙質とエナメル質の両者に対して接着力を
示し、口腔内のような湿潤状態でしかも温度変化に富む
環境下でも長期間にわたって強い接着力を示す歯科用材
料はまだ見出されていない。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、従来技術における上記した問題点に鑑
み、歯科用接着剤として必要な理工学的性質、例えば硬
さ、圧縮強さ、吸水性等の特性を有し、且つ象牙質およ
びエナメル質に対しすぐれた接着力を有する歯科用接着
剤を得るべく鋭意研究した結果、特定の構造を有するピ
ロリン酸エステル化合物を重合、硬化させたものが、水
中においても歯牙との間で強い接着力を示し、この化合
物の重合体またはこの化合物と他の重合性単量体との共
重合体は、それ自体歯の充填剤として使用しても歯壁と
強く接着し、従って接着不良による隙間の形成、充填剤
の脱落がなく、またコンポジツト・レジン等の充填物に
対する塗布剤乃至接着剤として用いる場合にも、辺縁封
鎖性を著しく改良することができ、二次う蝕を効果的に
抑制し得る等、歯質の接着の目的に好適であることを見
出して本発明に到達したものである。
即ち、本発明は上記した歯科用接着剤その他の用途に有
用な一般式(1) 〔但し、R1,R2は水素原子またはメチル基を、R3
4は炭素数2または3のアルキレン基を、R5,R6
炭素数1または2のアルキル基を表わす〕 で表わされるピロリン酸エステル化合物、を提供するも
のであり、同時にこれらのピロリン酸エステル化合物ま
たは重合体を含有してなる歯科用接着剤を提供するもの
である。
以下、本発明につき詳しく説明する。
上記一般式(1)で示される化合物は新規化合物であり、
例えば下記(2)式の場合を示せば、通常次のように合成
される。
上記した方法によって得られる本発明のピロリン酸エス
テル化合物は、本発明の歯科用接着剤として有用である
ほか、工業用接着剤、熱硬化性塗料、紙加工用、潤滑油
添加剤、繊維処理剤(帯電防止用など)、難燃性付与
剤、金属結合溶剤、金属抽出剤等にも利用可能である。
一般式(1)で表わされるピロリン酸エステル化合物また
は重合体を含有してなる歯科用接着剤は、(1)式の化合
物を重合性単量体として単独でまたは他の重合性単量体
と共に含有するものでも、また(1)式の化合物の単独重
合体または他の重合性単量体との共重合体を含有するも
のでも、またこれらの重合体と重合性単量体との混合物
を含有するものでも良く、通常その使用に当り硬化させ
ることにより歯牙に接着させるものである。
而して本発明の歯牙用接着剤は、(1)式で表わされる如
く、アルコキシフェニル基を有する点において特徴的で
あり、化合物が有する他の官能基の作用と共にエナメル
質との接着力を維持しながら象牙質との接着力において
優れた性質を示すものである。このように象牙質に対し
て優れた接着力を示す理由は、コラーゲン等の有機質に
対する親和性が(1)式で表わされる化合物が有する親水
性基と疎水性基との関係において、好適にバランスされ
ていることによるものと推定される。
本発明の歯科用接着剤に有用な(1)式で表わされる化合
物としては、次のものが例示される。
さらにアルコキシ基の異なる置換基数または異なる置換
基位置の化合物の混合物として使用することができる。
本発明の歯科用接着剤を構成するその他の成分として
は、接着剤の種類、使用目的などにより相違するが、そ
の種類や目的等に応じて通常配合される公知の成分が使
用し得る。
例えば、接着性充填剤として使用する場合には、重合性
単量体として(1)式の化合物のみを用い、使用に当って
硬化剤の存在下に重合、硬化させることにより接着性充
填剤としての用途に供することもできるが、通常は(1)
式の化合物を他の重合性単量体と混合しておき、使用時
に硬化剤の存在下で重合、硬化させる方法が採用され、
この場合他の重合性単量体としてメチルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、エチレングリコ
ール−ジ−メタクリレート、ジ又はトリ又はテトラエチ
レングリコール−ジ−メタクリレート、グリシジルメタ
クリレート、2,2′−ビス(メタクリロキシフェニ
ル)プロパン、2,2′−ビス〔4−(3−メタクリロ
キシ)−2−ヒドロキシプロポキシルフェニル〕プロパ
ン、スチレン、1,3−ブタンジオ−ルジメタクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリメタ
クリル酸トリメチロールプロパン、ビスオキシエチレン
化ビスフェノールAジアクリレート等が配合される。ま
た必要に応じ粘度、硬化速度、重合収縮等の調節のた
め、(1)式の化合物を含む重合性単量体のポリマーやオ
リゴマーが配合され、更にシリカ、ガラスビーズ・アル
ミナ、石英粉末等の無機質フィラー(好ましくは粒径1
00μm以下のもの)、或いは樹脂と結合を向上させる
ためこれらフィラーをγ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン
カップリング剤で処理したもの、それに硬化剤、重合禁
止剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の所望の成
分も使用できる。
なお、硬化剤としてアミンと過酸化物、p−トルエンス
ルフィン酸と過酸化物等を組合わせて用いる場合には、
重合性単量体として(1)式の化合物をほぼ2等分し、そ
の一方にアミンやp−トルエンスルフィン酸等の硬化
剤、他方に過酸化物等の硬化剤を加え、また他の重合性
単量体に(1)式の化合物を混合することにより使用する
場合は、同様に他の重合性単量体をほぼ2等分し、その
一方に一方の硬化剤、他方に他の硬化剤を加え、(1)式
の化合物は2等分したいずれか一方もしくは双方に混合
することにより製造することが好ましい。通常、これら
は使用時に混合して用いる。
(1)式の化合物の配合量は、特に限定されないが、他の
重合性単量体を用いる場合であれば他の重合性単量体に
対して1〜30%(重量%、以下同じ)、特に2〜15
%とすることが好ましい。1%より少ないと接着効果が
乏しく、また30%より多く添加すると硬化体の硬さが
減少することがある。なお、重合性単量体の配合量は組
成物全体の10〜45%、無機質フィラーの配合量は組
成物全体の55〜85%とすることが好ましい。
また、本発明の歯科用接着剤を歯牙と従来のコンポジッ
ト・レジン等の充填物などとを接着させるための接着剤
として用いる場合には、エチルエーテル、クロロホルム
等の有機溶媒中に(1)式の化合物の全体の1〜30%含
有させることにより製造することができ、また前記他の
重合性単量体中に(1)式または(2)式の化合物を全体の1
〜30%含有させることにより製造してもよい。更に、
前記充填剤と同様の処方に製造し、使用することもでき
る。なお、(1)式の化合物の含有量は少なすぎても多す
ぎても接着効果が得にくくなる。
本発明の歯科用接着剤は、例えば充填剤として使用する
場合には充填すべき窩洞内に接着剤(充填剤)を充填、
硬化させ、また歯科用充填物と歯牙との間の接着に用い
る場合は、例えば窩洞形成後、この接着剤を窩壁に塗布
し、次いで所定の充填物を充填、硬化する等の方法で使
用することができる。
また、本発明の歯科用接着剤と歯牙象牙質との接着にお
いては、象牙質表面を適宜研削した後、エチレンジアミ
ンテトラ酢酸溶液(以下EDTAと略称する)、好まし
くは水酸化ナトリウム等で中和した溶液により前処理す
ることにより歯髄に対して為害性がなく、かつ著しく接
着強度を高める事ができる。この際用いられる好ましい
EDTA濃度としては通常0.1〜0.5モル程度であり、例
えば1分間前処理した後30秒間水洗することにより処
理される。かかる方法は他の歯科用接着剤による接着に
おいても有効である。
[発明の効果] 本発明のホスホリル化合物を含有する接着剤は、(1)式
の化合物の重合体の歯質に対する接着性が良く、水中或
いは唾液中においても高い接着力を保持する。従って、
口腔内での耐久性が良好で、例えば充填剤として用いた
場合、口腔内のように湿潤し、しかも温度の変化の激し
い環境下においても長期間に亘って歯牙に強固に接着
し、またコンポジット・レジンや歯列矯正用接着剤等の
下塗り塗布剤として使用する場合も歯牙に強固に接着す
ると共に、コンポジット・レジンや矯正用接着剤等とも
強く接着し、従って歯牙との間に隙間が生じることが確
実に防止され、辺縁封鎖性が改良されて、二次う蝕の防
止が達成される。また、支台歯に修復物を合着するリン
酸亜鉛セメントの代りに、だ液にとけない接着性を有す
るレジンセメントとしても利用可能である。
[実施例] 以下、実施例および比較例により更に説明する。
(実施例1) 1)4−メトキシフェニルホスホリルジクロリドの合成: 4−メトキシフェノール(12.4g)とオキシ塩化リ
ン(46.0g)の混合物を34時間還流した。過剰の
オキシ塩化リンを常圧で留去した後、残査を減圧蒸留し
て、120〜121℃/3mmHgの留分(21.8g)
を得た。
2)2−メタクリロイルオキシエチル 4−メトキシフェ
ニルホスホリルクロリドの合成: 4−メトキシフェニルホスホリルジクロリド(9.6
g)のエチルエーテル(40m)溶液に2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート(5.7g)とキノリン(5.
2g)の混合物を−10℃下、10分間滴下し、常温で
20分間攪拌した後5分間還流した。放冷後、析出物を
濾別し、濾液からエチルエーテルを留去し、残査をカラ
ムクロマト(ワコーゲルC−200、ヘキサン/クロロ
ホルム)で精製し、油状物(8.0g)を得た。
3)リン酸水素2−メタクリロイルオキシエチル−4−メ
トキシフェニルの合成: 2−メタクリロイルオキシエチル 4−メトキシフェニ
ルホスホリルクロリド(26.78g)のエチルエーテ
ル(80m)溶液にトリエチルアミン(7.79g)
と水(2.08g)の混合物を0℃下に滴下し、常温で
20分間攪拌した。析出物を濾別し、濾液(エーテル層
+油状物)に氷水冷下、酢酸バリウム(11.31g)
の水(22m)溶液を加え、攪拌した。分液ロートで
分離した水層に氷水冷下濃塩酸(8.0m)を加え攪
拌した。生成した油状物をクロロホルム(50m+5
0m)で抽出し、このクロロホルム溶液を硫酸ナトリ
ウムで1日乾燥した後、クロロホルムを常温で減圧留去
した。この残査をカラムクロマト(ワコーゲルC−20
0、ヘキサン/クロロホルム)で精製し、油状物(1
0.71g)を得た。
4)(2)式の合成: リン酸水素2−メタクリロイルオキシエチル−4−メト
キシフェニル(3.16g)のエチルエーテル(100
m)溶液に、2−メタクリロイルオキシエチル−4−
メトキシフェニルホスホリルクロリド(3.35g)と
トリエチルアミン(1.01g)のエチルエーテル(1
0m)溶液を0℃下に滴下し、常温で20分間攪拌し
た後、5分間還流した。放冷後、析出物を濾別し、濾液
からエチルエーテルを留去し、残査をカラムクロマト
(ワコーゲルC−200、ヘキサン/酢酸エチル)で精
製し、油状物(4.25g)を得た。
EA:C50.63%H4.98%(C26H32O13P2としての理論値C5
0.82%H5.25%) NMR(CDCl3):δ(ppm) 6.95(m,8H,arom.proton) 6.10(bs,2H,vinyl proton) 5.55(bs,2H,vinyl proton) 4.30(m,8H,-OCH2CH2O-) 3.75(s,6H,-OCH3) 1.90(d,6H,vinyl CH3) (実施例2) 実験用歯牙は、屠殺直後、顎骨に植立した状態で入手し
た牛歯を抜去し、付着している歯牙周囲組織を取り除
き、歯冠部と歯根部をダイヤモンドカッター(マルトー
カッターMC−100)を用いて切断し、歯冠部歯髄を
除去したものを冷凍保存し、必要時に解凍して用いた。
BPO−アミン系即硬性レジンは、メタクリル酸メチル
(MMA)とメタクリル酸エチルの1:1粒状共重合体
に、過酸化ベイゾイル(BPO)を1wt%添加したもの
を粉剤として用い、液剤にはMMA中にN,N−ジメチ
ル−p−トルイジンを0.5wt%溶解したものを用いた。
(1)式の化合物としては、前記した一般的方法により合
成した(2)式の化合物を用いた。
接着剤としては、MMA中5wt%となるように(2)式の化
合物を0.5wt%となるようにBPOを溶解したものをA液
とし、エタノール中2wt%となるようにp−トルエンス
ルフィン酸ナトリウムを溶解したものをB液として二液
性の接着剤を調製した。
牛歯エナメル質は耐水エメリー紙#600まで注水下に
エコメットIII(EcometIII)〔ブエーラー(Buehler)
社〕を用いて研削し、65%リン酸で30秒間エッチン
グした後、30秒間水洗して調製した。
牛歯象牙質はエナメル質同様、耐水エメリー紙#600
まで注水下に研削した後、0.3Mの中和EDTA溶液
(水酸化ナトリウムでpH7.4に中和した溶液)にて1分
間前処理を行った後、30秒間水洗して調製し、更に直
径5mmの穴のあいたセロハンテープを貼り、被着面積を
規定した。
接着力の評価は、前記A液とB液を等量混合した接着剤
を一層被着面に塗付した後、前記BPO−アミン系即硬
性レジンを用い、筆積み法により直径6mmのアクリル棒
を牛歯研削面に垂直になるように置き、30分間室温に
放置後、37℃水中に1日浸漬した後、オートグラフD
DS−500(島津製作所製)によりクロスヘッドスピ
ード2.0mm/mmで引張り試験を行い接着強さを測定した。
なお、引張り試験は試験機により歯牙およびアクリル棒
を把持し、エナメル質または象牙質とBPO−アミン系
即硬性レジン硬化物との接着強度を測定する方法で行っ
たが、この方法による場合はレジン硬化物とアクリル棒
とは強力に接着するのでこの面で破壊することはない。
接着力は8個の試験結果の平均値として求めた結果、エ
ナメル質に対して121Kg/cm2、象牙質に対して127
Kg/cm2の接着強さを示した。
(比較例1) (2)式の化合物の代りに下記(3)式、下記(4)式の化合物
および何も使用しなかった場合について実施例2の場合
と同様に象牙質への接着強さを測定した。
試験結果: (実施例3および比較例2) 前処理剤による影響を調べた。
実施例1で行った0.3M中和EDTA溶液での1分間の
前処理の代りに、下表の前処理剤による前処理を行い、
実施例2と同様に象牙質への接着強さを測定した。
比較のために前記(3)式の化合物および(4)式の化合物に
ついても同様に試験し結果を下記表1に併記した。
(実施例4および比較例3) MMA中2wt%となるように(2)式の化合物を溶解し
た液を調製した。この溶液4滴に対し、トリ−n−ブチ
ルボラン酸化物1滴の割合で加えたものとポリメチルメ
タクリレート粉末とを用いた筆積み法により、10%ク
エン酸−3%塩化第二鉄水溶液で30秒間前処理した象
牙質上にアクリル棒を接着し、実施例2と同様に接着強
さを測定した。
比較のため(3)式で示される化合物、(4)式で示される化
合物および何も使用しなかった場合についても同様に試
験した。
結果を下記の表−2に示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 〔但し、R1,R2は水素原子またはメチル基を、R3
    4は炭素数2または3のアルキレン基を、R5,R6
    炭素数1または2のアルキル基を表わす〕 で表わされるピロリン酸エステル化合物。
  2. 【請求項2】下記(2)式で示される化合物である特許請
    求の範囲第1項記載の化合物。
  3. 【請求項3】一般式(1) 〔但し、R1,R2は水素原子またはメチル基を、R3
    4は炭素数2または3のアルキレン基を、R5,R6
    炭素数1または2のアルキル基を表わす〕 で表わされるピロリン酸エステル化合物または重合体を
    含有してなる歯科用接着剤。
  4. 【請求項4】化合物が下記(2)式で示される化合物であ
    る特許請求の範囲第3項記載の歯科用接着剤。
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