JPH0647452A - 曲げ加工用マンドレル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 第１マンドレルピース１１の先端部に第２マ
ンドレルピース１２が連結用片１３によって屈折自在に
連結されている。 【効果】 曲率半径の非常に小さい曲げを行う場合で
も、ワーク１の半中空部１ａ内で、その曲がりに追従し
て第２マンドレルピース１２が無理無く屈折し、ワーク
１に精度の非常に高い曲がり部１ｂを形成することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、中空部あるいは半中
空部を有するような金属製のワーク、例えばアルミニウ
ム製押出型材などの曲げ加工に用いられる曲げ加工用マ
ンドレル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及び課題】中空あるいは半中空のワーク
は、これに曲げ加工を施すと、曲がり部にへこみや不本
意な変形を生じやすい。そこで、このようなへこみや不
本意な変形の発生を防止するため、従来、例えば、可撓
性を有するマンドレル、あるいは、第４図に示されるよ
うに先端部に曲面部（51a ）を有するマンドレル（51）
等を用い、これをワークの中空部、半中空部内に適合状
態に挿入配置し、その状態で、曲げ加工を施すようにす
ることがあった。

【０００３】ところで、上記のような従来のマンドレル
装置は、曲率半径の比較的大きな曲げ加工を行う場合に
は、曲がり部のへこみや不本意な変形の発生を抑えて、
ワークを精度高い曲がり品に加工することができる。

【０００４】しかしながら、曲率半径の小さい曲げ加工
を行う場合、例えば、第３図（イ）に示されるような新
幹線ドアレール品（４）などの曲率半径が１００ｍｍ程
度の曲がり部を曲げ成形しようとする場合、上記したよ
うな可撓性マンドレルでは、曲げ加工中に該マンドレル
がワークの曲がりに追従しきれず、曲げが困難ないし不
可能であった。また、第４図に示されるようなマンドレ
ル（51）を用いてそのような厳しい曲げ加工を行うと、
曲がり部にへこみや不本意な変形を生じることが多かっ
た。このようなへこみや不本意な変形は、特に上記のよ
うな新幹線ドアレール品（４）において、その曲がり部
（4a）における半中空部（4b）内でのガイドロールのス
ムーズな移行を妨げる原因となる。

【０００５】この発明は、上記のような従来の問題点に
鑑み、中空又は半中空のワークを、曲率半径の小さい曲
がり部を有する曲がり品に、その曲がり部にへこみや不
本意な変形を生じさせることなく、曲げ加工することが
できる曲げ加工用マンドレル装置を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的において、この
発明は、複数個のマンドレルピースが備えられ、これら
のマンドレルピースが直列状態に配置されて、互いに屈
折自在に連結されてなることを特徴とする曲げ加工用マ
ンドレル装置を要旨とする。

【０００７】

【作用】上記構成のマンドレル装置では、これを、ワー
クの中空部又は半中空部に挿入配置し、該ワークに曲げ
加工を施すと、マンドレルピースがその連結部で屈折す
ることによってワークの曲がりに追従する。従って、ワ
ークに曲率半径の小さい曲げ加工を施す場合でも、マン
ドレルピースは無理無く屈折して該ワークの曲がりに追
従し、ワークは曲がり部にへこみや不本意な変形のない
精度高い曲がり部を有する曲がり品に曲げ加工される。

【０００８】

【実施例】次に、この発明の実施例を説明する。

【０００９】第１図において、（１）はワーク、（２）
は曲げ加工機、（３）はマンドレル装置である。

【００１０】ワーク（１）は、第３図（ロ）に示される
ように、新幹線ドアレール用のアルミニウム製押出型材
によるもので、角筒状の真直な半中空材である。因み
に、その一辺の長さＡは４０ｍｍ、他辺の長さＢは５９
ｍｍ、肉厚ｔは５．５ｍｍに設計されている。

【００１１】曲げ加工装置（２）は、いわゆるマルチベ
ンダーと称される曲げ機によるもので、第１図に示され
るように、ワーク導通孔（5a）を有する固定金型（５）
と、該固定金型（５）の前方所定位置に配置されると共
に、同じくワーク導通孔（6a）を有し、かつ三次元的に
転向・変位可能に支持された可動金型（６）と、固定金
型（５）の後方に配置され、固定金型（５）のワーク導
通孔（5a）に向けてワーク（１）を強制導通せしめる押
し金等によるワークフィーダー（７）とが備えられたも
のである。そして、固定、可動の両金型（５）（６）の
ワーク導通孔（5a）（6a）は、ワーク（１）の外周形状
に対応したものに形成されている。また、固定金型
（５）は、その導通孔（5a）に導通されたワーク（１）
をガイドする後側のワークガイド用金型（８）と、該ガ
イド用金型（８）の前側に配置されて、ワーク（１）の
曲げの際の支点となる曲げ支点用金型（９）とを有する
ものとなされている。この曲げ加工装置では、フィーダ
ー（７）にてワーク（１）を固定金型（５）側から両金
型導通孔（5a）（6a）に導通せしめながら可動金型
（６）を所定の態様にて転向・変位駆動せしめることに
より、ワーク（１）を所定の曲がり形状に曲げ加工す
る。

【００１２】そして、マンドレル装置（３）は、第１マ
ンドレルピース（11）と、第２マンドレルピース（12）
との２つのマンドレルピースを備えると共に、マンドレ
ルピース支持バー（14）を備えている。第１マンドレル
ピース（11）は、その横断面外周形状がワーク（１）の
中空部横断面形状に対応した形状、サイズに形成されて
いる。また、第２マンドレルピース（12）は、長さ方向
中央部が膨らまされた樽状に形成され、その中央部にお
いて、外周形状がワーク（１）の中空部横断面形状に対
応した形状、サイズに形成され、両端部がサイズ的に若
干小さくされている。

【００１３】そして、第２マンドレルピース（12）は連
結用片（13）によって第１マンドレルピース（11）の先
端部に屈折自在に連結されたものとなされている。

【００１４】即ち、第２マンドレルピース（12）の基端
面と、第１マンドレルピース（11）の先端面にはそれぞ
れ、第２図に示されるように、両側方に開口する連結用
の切欠き凹部（15）が形成されている。この切欠き凹部
（15）は、内方中間部にくびれ部（15a ）を有し、該く
びれ部（15a ）を挾んで端部側が端部に向けて外開き状
のテーパー部（15b ）に形成されると共に、くびれ部
（15a ）を挾んで内方側が奥拡がり状の円形の連結用空
間部（15c ）に形成されている。また、連結用空間部
（15c ）の幅方向中央部には、半球状の小さな凹部（1
7）が形成されている。

【００１５】一方、連結用片（13）は、中間部が前記く
びれ部（15a ）を通過可能な平板状に形成されると共
に、その前後両端部が前記円形の連結用空間部（15c ）
内に適合状態に配置される円形の連結部（18）（18）に
形成されたものとなされている。また、この連結部（1
8）（18）の幅方向中央部には、ばね室用の小さな凹部
（19）（19）が形成されている。

【００１６】上記第２マンドレルピース（12）と第１マ
ンドレルピース（11）とは、連結片（13）の両端連結部
（18）（18）を両マンドレルピース（11）（12）の連結
用空間部（15c ）（15c ）内に側方から挿入配置するこ
とにより、くびれ部（15a ）による抜止め作用によって
連結されている。前記連結用片（13）の長さは、この連
結状態において、第２マンドレルピース（12）と第１マ
ンドレルピース（11）との間に所定の間隔距離が保たれ
るような長さに設定され、テーパー部（15b ）（15b ）
の作用により、第２マンドレルピース（12）が第１マン
ドレルピース（11）に対して屈折動作をなし得るものと
なされている。

【００１７】この組立ての際、連結用片（13）側のバネ
室用凹部（19）内にバネ（20）と鋼球（21）とを配置す
る。これにより、第２マンドレルピース（12）の真っ直
ぐな装着状態において鋼球（21）がバネ（20）の付勢力
によって連結用空間部（15c）の半球状凹部（17）内に
突出保持され、第２マンドレルピース（12）が曲げ加工
時にのみ必要に応じて屈折動作を行い、それ以外の時は
真っ直ぐな状態を保持しうるものとなされている。な
お、連結用片（13）の側方への抜けは、両サイドの止め
輪（22）（22）により阻止されるものとなされている。

【００１８】なお、第１マンドレルピース（11）の基端
部は、マンドレルピース支持バー（12）の先端部に螺合
により締結されるものとなされている。

【００１９】ワーク（１）の曲げ加工は、上記のマンド
レル装置（３）と、曲げ加工装置（２）とを用いて、次
のように行う。即ち、マンドレル装置（３）をその先端
側からワーク（１）の半中空部（1a）内に挿入し、第２
マンドレルピース（12）をワーク（１）の半中空部内先
端部に配置せしめると共に、ワーク（１）の先端部を固
定、可動の両金型（５）（６）ワーク導通孔（5a）（6
a）に固定金型（５）側から通し、そして、マンドレル
ピース支持バー（14）の基端部をマンドレル支持装置
（25）に固定する。この状態で、第２マンドレルピース
（12）は固定金型（５）と可動金型（６）との間の領域
に配置されるようにされている。

【００２０】上記のようなセット状態において、フィー
ダー（７）を前進駆動し、併せて、可動金型（６）を所
定の態様において転向・変位駆動せしめ、ワーク（１）
に曲率半径１００ｍｍの曲がり部（1b）を形成する。こ
の曲げによって、第２マンドレルピース（12）は無理無
く屈折し、第２マンドレルピース（12）と第１マンドレ
ルピース（11）がワーク（１）の曲がりに追従してワー
ク（１）の曲がり形状に即した曲がり形状を呈し、ワー
ク（１）を半中空部内から安定支持する。これにより、
ワーク（１）は、その曲がり部にへこみや不本意な変形
のない精度高い曲がり品（４）に曲げ加工される。

【００２１】しかも、第２マンドレルピース（12）と第
１マンドレルピース（11）とは、第２マンドレルピース
（12）の基端部を連結用片（13）の一端部に屈折自在に
連結すると共に、該連結片（13）の他端部を第１マンド
レルピース（11）の先端部に屈折自在に連結することに
よって、屈折自在に連結されたものとなされており、か
つ、第２マンドレルピース（12）は樽状に形成されたも
のとなされているから、マンドレル装置（３）は、第２
マンドレルピース（12）が屈折した状態においてワーク
（１）の曲がり形状に非常近い曲がり形状を呈して、ワ
ーク（１）を半中空部（1a）内から非常に安定した状態
で支持することができ、かかるマンドレル装置（３）の
使用により、ワーク（１）を、精度の非常の高い曲がり
部（4a）を備えた曲がり品（４）に曲げ加工することが
できる。

【００２２】なお、上記実施例では、マルチベンダーに
よる曲げ加工に用いられるマンドレル装置（３）を示し
たが、本発明のマンドレル装置は、その他、引き曲げ装
置等の各種曲げ加工装置に広く用いられ得るものである
ことはいうまでもない。また、本発明におけるマンドレ
ル装置は、曲げの方式、態様によって、３個以上のマン
ドレルピースが直列状態に配置され互いに屈折可能に連
結された多節タイプに構成される場合もある。

【００２３】

【発明の効果】上述の次第で、この発明の曲げ加工用マ
ンドレル装置は、複数個のマンドレルピースが備えら
れ、これらのマンドレルピースが直列状態に配置され
て、互いに屈折自在に連結されたものであるから、ワー
クに曲率半径の小さい曲げ加工を施す場合でも、そのよ
うな曲げに無理無く追従し得て、中空又は半中空のワー
クを、曲率半径の小さい曲がり部を有する曲がり品に、
その曲がり部にへこみや不本意な変形を生じさせること
なく、曲げ加工することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】曲げ加工状態を示す断面図である。

【図２】図（イ）はマンドレル装置の先端部を示す断面
図、図（ロ）は図（イ）のＩＩ−ＩＩ線断面図である。

【図３】図（イ）は曲がり品の斜視図、図（ロ）はワー
クの横断面図である。

【図４】従来のマンドレル装置の先端部を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１…ワーク １ａ…半中空部 ３…マンドレル装置 １１…第１マンドレルピース １２…第２マンドレルピース １３…連結用片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数個のマンドレルピースが備えられ、
   これらのマンドレルピースが直列状態に配置されて、互
   いに屈折自在に連結されてなることを特徴とする曲げ加
   工用マンドレル装置。