JPH0647274B2 - 航空機用ラジアルタイヤの製造方法 - Google Patents

航空機用ラジアルタイヤの製造方法

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JPH0647274B2
JPH0647274B2 JP8721210A JP2121087A JPH0647274B2 JP H0647274 B2 JPH0647274 B2 JP H0647274B2 JP 8721210 A JP8721210 A JP 8721210A JP 2121087 A JP2121087 A JP 2121087A JP H0647274 B2 JPH0647274 B2 JP H0647274B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、航空機用ラジアルタイヤの製造方法に関す
る。
(従来の技術) 従来、大型航空機用タイヤは、カーカスプライをそのコ
ードが相互に交差するように何層かに重ねたバイアスプ
ライ構造を有し、第4図の1/2断面図に示すように、
複数個のビード41を備え、アウターカーカスプライ4
2のペリフェリー(ビード間長さ)l1とインナーカー
カスプライ43のペリフェリー(ビード間長さ)l2の
差l1−l2が大きい。そのため、成型の時プライのペ
リフェリーをできるだけ加硫後ののタイヤに合わせて作
っておかないと加硫時にカーカスプライコードが異常に
引っ張られた状態になったり、あるいは逆にたるんだ状
態になったりして、正常な仕上がり構造が得られない。
できるだけ加硫後のタイヤに合わせたペリフェリーを得
るため、第5図に示すように、成型ドラム44はクラウ
ン高さ(CH)を大きく(通常1.5〜5インチ)、アン
ダーカット(UC)を深く(通常30〜90mm)してい
る。インナーカーカスプライは、ドラムの回りに貼り付
けた後、ドラムショルダーより外の部分をクラウン高さ
だけドラムショルダーのプロファイルにそってすりこま
れた後、ビードをセットして巻き上げを行う。アウター
カーカスプライはインナーカーカスプライにそってすり
こまれた後、ビード下付近まで巻き込まれる。この時、
プライ材料はバイアス角度を持っているので、すりこみ
を行っても角度に変化がおこるだけで、しわになったり
することはない。
ところが、上記、従来のバイアスプライ構造の航空機用
タイヤをラジアル構造に変更した場合は、ラジアルタイ
ヤは、周知の如くカーカスプライのコードが放射状(タ
イヤ赤道方向に対しほぼ90゜即ち80゜〜90゜に配
列)に並ぶ構造であるため、上記従来のバイアスタイヤ
成形用のクラウン高さの大きいドラムを用いるとドラム
ショルダー部ですりこみを行う際、角度変化がないので
ドラムの周方向のカーカスプライ長さが縮まらず、長さ
が余ってしわを生ずるという大きな問題がある。この問
題を回避すべく、仮にクラウン高さの小さいドラムを用
いた場合(第6図)は、たとえ1個のビードにして内外
層のプライのペリフェー差を小さくしても、トレッドや
ブレーカーを貼付するためのシェーピングの際また加硫
の際、ビード回りのプライの回転が大きいので、ビード
周辺でたるみや引っ張りが生じて仕上がり状態が悪化し
てカーカスの設計強度を損なう危険がある。特に、ビー
ド回りに内側に巻き込むアウターカーカスプライを有す
るタイヤは非常にしわになりやすい。また、プライ巻き
上げやシェーピングの工程中、ビードがタイヤ回転軸に
対して正しい位置を保ち移動しないよう強固に保持して
おく必要があるが、このためには少なくとも第6図の点
線の位置まで成形ドラム44がビードに接していること
が好ましい。しかし、この位置までドラムの両側部があ
るとアウターカーカスプライ巻き込みの長さが十分にと
れず、その結果、リムとの嵌合不良を起こしたり、ビー
ド部等の耐久性を損なう危険があり、また、それのみな
らず、シェーピング時のプライの回転によるアウターカ
ーカスプライのしわの発生をさらに助長することにな
る。
(発明の目的) そこで、本発明の目的は、ビード回りに巻き込まれるア
ウターカーカススプライを有していても、シェーピング
の際などにビード周辺等でたるみや引っ張りが生じず、
仕上り状態が良好で、従ってカーカスの設計強度が損な
われることがなく、かつ十分なビード回りの巻き込み長
さを有してリムとの嵌合不良やビード部等の耐久性を損
う危険がない航空機用ラジアルタイヤを提供すべく、こ
の航空機用ラジアルタイヤを効率良く製造する製造方法
を提供することである。
(発明の構成) 上記目的を達成するため、本発明の航空機用ラジアルタ
イヤの製法は、タイヤ断面において、一対のビード回り
に両側端部を夫々外側へ巻き上げる、ナイロン等の有機
繊維コード又はスチール等の無機繊維コードがタイヤ赤
道方向に対し80゜〜90゜に配列された一層以上のイ
ンナーカーカスプライと、上記インナーカーカスプライ
の頂部外面に貼着される、ナイロン等の有機繊維コード
又はスチール等の無機繊維コードがタイヤ赤道方向に対
し0゜〜90゜に配列された複数層のブレーカーとトレ
ッドからなるバンドと、上記インナーカーカスプライの
両側端部外面に夫々貼着されるサイドウオールとを有す
る航空機用ラジアルタイヤであって、上記インナーカー
カスプライとサイドウオールの間に、一端が上記ビード
回りを内方へ巻き込むように貼着され、他端が上記イン
ナーカーカスプライとバンド間に貼着される、ナイロン
等の有機繊維コード又はスチール等の無機繊維コードが
タイヤ赤道方向に対し80゜〜90゜に配列された一層
以上の一対のサイドカーカスプライを有することを特徴
とする。
そして、その製造方法は、膨出手段を中央部に有し、上
記中央部の左右のドラムショルダー部に夫々上記膨出手
段に隣接する位置に拡縮径可能なビードロック手段とこ
のビードロック手段の軸方向外側にプライ折り返し手段
とを備えてなる円筒状のタイヤ成形ドラムを用いて、上
記左右のドラムショルダー部とそのビードロック手段の
周面上にナイロン等の有機繊維コード又はスチール等の
無機繊維コードがタイヤ赤道方向に対し80゜〜90゜
に配列されたサイドカーカスプライ一層以上を貼付する
ステップと、次いでこの両サイドカーカスプライを側端
部で覆うように上記中央部の周面上にナイロン等の有機
繊維コード又はスチール等の無機繊維コードがタイヤ赤
道方向に対し80゜〜90゜に配列されたインナーカー
カスプライ一層以上を貼付するステップと、上記左右の
ビードロック手段の上方にビードを位置づけた後このビ
ードをビードロック手段を拡径してロックするステップ
と、膨出手段によりインナーカーカスプライを膨出させ
つつ左右のドラムショルダー部を軸方向に相近づくよう
に移動させて、インナーカーカスプライをトロイダル状
にシェーピングするステップと、その後プライ折り返し
手段によってインナーカーカスプライの両側端部とサイ
ドカーカスプライをビード回りに外側へ巻き上げかつト
ロイダル状のインナーカーカスプライに貼着するステッ
プと、ナイロン等の有機繊維コード又はスチール等の無
機繊維コードがタイヤ赤道方向に対し0゜〜90゜に配
列された複数層のブレーカーとトレッドからなるバンド
を移送手段によって上記トロイダル状のインナーカーカ
スプライ頂部および巻き上げられた両サイドカーカスプ
ライの上方部の外周に貼着するステップを含むことを基
本的特徴とする。
(実施例) 以下、本発明を図示の実施例により詳細に説明する。
第1図は航空機用ラジアルタイヤ(サイドウォール・オ
ーバー・トレッド構造)の断面図であり、1,1は図示
しないリムに固定されるタイヤビード部の芯材をなす一
対のリング状のビード、2,2はこのビード1,1の外
周に補強のため固着されたエイペックス、3は上記一対
のエイペックス付ビード1,1をトロイダル状に連結
し、両側端部3a,3aをこのビード1,1の回りに夫
々外側へ巻き上げてサイドウォールの下方から上方にわ
たる区域内の所望部位に終端して貼着される、ナイロ
ン,ポリエステル等の有機繊維コード又はスチール等の
無機繊維コードがタイヤ赤道方向に対しほぼ90゜(即
ち約80゜〜90゜)に配列されたラジアル方向コード
配列体でなる1層以上(例えば5層)のインナーカーカ
スプライの層、4,4は一端4aが上記ビード1回りを
内方へ巻き込み、他端4bがタイヤ頂部縁に達するよう
に上記インナーカーカスプライ3の外面に貼着される、
ナイロン,ポリエステル等の有機繊維コード又はスチー
ル等の無機繊維コードがタイヤ赤道方向に対しほぼ90
゜(即ち約80゜〜90゜)に配列された一対のラジア
ル方向コード配列体でなる1層以上(例えば2層)のサ
イドカーカスプライの層、5は上記インナーカーカスプ
ライ4の頂部外面に両端がサイドカーカスプライの他端
4b,4bを覆うように貼着される、ナイロン,ポリエ
ステル等の有機繊維コード又はスチール等の無機繊維コ
ードがタイヤ赤道方向に対し0゜〜90゜に配列された
複数層(例えば少なくとも2層はそのコードが5゜〜3
0゜で交差し、残りの層のすべてはそのコード角が0
゜)のブレーカー、6はこのブレーカー5の外面に両端
がサイドカーカスプライ4を覆うように貼着されるトレ
ッド、7,7は上記サイドカーカスプライ4の外面に夫
々貼着されるサイドウォールであり、上記ブレーカー5
とトレッド6とでバンド8を形成している。サイドカー
カスプライ4は一端4aがビード1の下方に終端して使
用時ビード1とリム(図示せず)との間に介在し、他端
は4bはバンド8とインナーカーカスプライ3とで挟持
固定されることになる。なお、サイドカーカスプライ4
の一端4aはビード部回りを内方に巻き込み、かつ、巻
き上げてビードトーからタイヤ最大幅位置までの区域内
の所望位置で終端してもよく、或は、ビードヒールから
ビードトーの間の区域内で終端してもよい。なおまた、
サイドウォール7,7の上端部がトレッド6の側端部の
下側に位置するいわゆるトレッド・オーバー・サイドウ
ォール構造とすることもできる。
第2図は、第1図に示した航空機用ラジアルタイヤ(サ
イドウォール・オーバー・トレッド構造)を製造するた
めの製造装置の一部破断正面図である。第2図におい
て、11はヘッドストックであり、このヘッドストック
11の前面側にはクラウン高さが比較的低い例えばフラ
ットタイプ成型ドラム12が片持ちで回転可能に支持さ
れている。この成型ドラム12はヘッドストック11内
に設けられた駆動機構により回転駆動される公知構造の
ものである。この成型ドラム12は、左右両側に互いに
接離するよう軸方向に移動し得るドラムショルダー部1
3,14を有し、これらのドラムショルダー部13,1
4にリング状のビードロック部15,16を備え、これ
らのビードロック部15,16はその内周に設けられた
エアバッグ17,17によって半径方向に拡張および収
縮せしめられて拡径時にインナーカーカスプライ等のタ
イヤ材料を介してビードを保持するようになっている。
33,34はビードロック部15,16およびエアバッ
グ17,17でなるビードロック機構である。ビードロ
ック機構33,34間の成型ドラム12の中央部には膨
出手段、例えば折りたたまれたエアバッグ18が図示し
ないクランプリングで支持され、上記左右のドラムショ
ルダー部13,14にはプライ折り返し手段としての折
りたたまれた左ローリングバッグ19と右ローリングバ
ッグ20が夫々ドラムショルダー部に支持されている。
そして、これらのエアバッグ18、左ローリングバッグ
19および右ローリングバッグ20内に流体が供給され
ると、これらの各エアバッグ18,19,20は半径方
向外方に膨出して略ドーナツ状となる。別の実施例では
エアバッグ18を用いずに、流体を直接にインナーカー
カスプライに供給するいわゆるブラダレス方式でもよ
い。21は成型ドラム12の右端部を囲んで軸方向に移
動可能に設置され、永久磁石を有する右ビードセッター
であり、この右ビードセッター21には、第1図に示す
エイペックス2付のビード1が磁力により吸着される。
別の実施例ではエイペックス2はシェーピング段階(例
えばビードロック後)で成型ドラム上で貼付してもよ
い。22は上記右ビードセッター21の周囲に一体的に
固定されたプライ折り返し手段としてのリング状の右ロ
ーリングバッグプッシャである。ヘッドストック11の
前方には上記右ビードセッター21と同様の軸方向に移
動可能な左ビードセッター23が設けられ、この左ビー
ドセッター23の周囲には、上記右ローリングバッグプ
ッシャ22と同様の左ローリングバッグプッシャ24が
固定されている。25は駆動手段(点線)32(例えば
ネジ軸)で軸方向に移動せしめられるバンド移送手段と
してのトランスファーリングであり、このトランスファ
ーリング25はその内径が成型ドラム12のシェーピン
グ時の外形より大きい搬送リング26を有し、この搬送
リング26の円周上多数箇所には、半径方向に移動でき
るガイド27が摺動可能に挿入されている。各ガイド2
7は図示しないシリンダのピストンロッドに連結され、
これらのシリンダの作動により各ガイド27は同期して
半径方向に移動する。各ガイド27の半径方向内端には
搬送リング26の内周に沿って延びる円弧状セグメント
28が取りつけられている。トランスファーリング25
は駆動手段32により成型ドラム12とバンド成型用ド
ラム29間を移動可能である。29は拡縮径可能で外周
に第1図に示すブレーカー5とトレッド6を貼付して予
めバンド8を形成するためのバンド成型用ドラムであ
る。
上記構成のタイヤ製造装置(第2図参照)を用いて、ビ
ード周辺等でしわを生じず、仕上り状態が良好で、ビー
ド回りの十分な巻き込み長さを有する上記構成の航空機
用ラジアルタイヤ(サイドウォール・オーバー・トレッ
ド構造)(第1図参照)を製造する方法(第1方法実施
例)について、第3図(シングルステージ方式のタイヤ
成形装置の右半分の部分断面図)を参照しつつ以下に述
べる。
(a)まず、成型ドラム12を回転させながら、その周面
上に図示しないインナーライナーとビードチェーファー
等を貼付し、さらに右左のドラムショルダー部13,1
4の周面上に夫々サイドカーカスプライ4をその一端4
aがビードロック機構33,34を覆い、かつその内方
まで達するように貼付する。次に、上記両サイドカーカ
スプライ4を側端部で覆うようにドラム中央部の周面上
にインナーカーカスプライ3を貼付する。こうして、円
筒状の無端プライが形成される(第3図a)。
(b)このとき、第2図のトランスファーリング25およ
び左右のビードセッター21,23とこれと一体のロー
リングバッグプッシャ22,24は、夫々実線で示す待
機位置にある。また、バンド成型用ドラム29には、図
中の破線で示すように予めバンド8が成型されて保持さ
れている。上記トランスファーリング25は、上記バン
ド成形用ドラム29の位置まで移動し、ガイド27を半
径方向内方に突出させてその先端の多数個のセグメント
28でバンド8を保持する。同時にバンド成型用ドラム
29は縮径する。一方、上記左右のビードセッター2
3,21は、エイペックス2付のビード1を夫々吸引保
持して、第3図(b)に示すように、ビードロック機構3
3,34の上方位置(即ち、ビードセット位置)まで前
進して待機する(第2図b)。
(c)ビードロック機構33,34が、エアバッグ17に
より拡張して、サイドカーカスプライ4,インナーカー
カスプライ3等を介してビード1を位置決めして保持す
る(第3図c)。次いで、左右のビードセッたー21,
23は、もとの待機位置まで後退する。
(d)エアバッグ18に流体が供給されるとともに、左右
のドラムショルダーショルダー部13,14が相近づく
ように移動して、インナーカーカスプライ3は、半径方
向外方へトロイダル状に膨張し、シェーピングされる
(第3図d)。
(e)左右のローリングバッグ19,20が流体供給によ
り膨張し、次いで、左右のローリングバッグプッシャ2
4,22が、このローリングバッグ19,20位置まで
相近づくように移動する。これによって、ビード1,1
より外側のインナーカーカスプライ両側端部3a,3a
およびサイドカーカスプライ4,4等は、ビード回りに
外方へ折り返されて巻き上げられ、トロイダル状にシェ
ーピングされたインナーカーカスプライ3に対して押圧
されて貼着される(第3図e)。その後、左右のローリ
ングバッグ19,20は収縮し、左右のローリングバッ
グプッシャ24,22はもとの待機位置まで移動する。
(f)左右のドラムショルダー部13,14が相離れるよ
うに軸方向外方(矢印方向)に短距離Wだけ移動し、ト
ロイダル状のカーカスプライの外径ODをトランスファ
ーリング25が外嵌できる程度に減少させる。上記(a)
項でバンド8を保持したトランスファーリング25は、
第2図の破線で示すように、成形ドラム12の中央即ち
上記トロイダル状のカーカスプライの頂部位置まで移動
して停止する。トランスファーリング25の軸方向中央
の成形ドラム12の中央が一致しセンタリングされる。
(g)左右のドラムショルダー部13,14が再び相近づ
くように軸方向内方に短距離Wだけ移動し、トロイダル
状のカーカスプライの外径ODを増加させて、インナー
カーカスプライ3の頂部およびサイドカーカスプライ4
の上方部4bに、トランスファーリング25に保持され
たバンド8の内周を接触させる。次いで、トレッドステ
ッチャー30を矢印の如く移動させて、バンド8の端部
をインナーカーカスプライ3およびサイドカーカスプラ
イ4の上方部に圧着せしめる。その後、左右のドラムシ
ョルダー部13,14の左右の収縮したローリングバッ
グ19,20の周面上にサイドウォール7,7を貼付す
る(第3図g)。
(h)左右のローリングバッグ19,20が再び流体供給
により膨張し、次いで左右のローリングバッグプッシャ
24,22が相近づくように移動して、ローリングバッ
グ19,20が押圧され、サイドウォール7,7はサイ
ドカーカスプライ4,4に圧着される。
(i)左右のローリングバッグ19,20が収縮し、左右
のローリングバッグプッシャ24,22がもとの待機位
置へ戻ると、サイドウォールステッチャー31が、矢印
の如く動いてサイドウォール7をサイドカーカスプライ
4とバンド8の端部に圧着する。最後に、エアーバッグ
18の流体が排出され、エアバッグ17の収縮でビード
ロック機構33,34が縮径した後、トロイダル状にシ
ェーピングされた生タイヤを成形ドラム12から取り出
す。
尚、トレッド・オーバー・サイドウォール構造タイヤに
係る第2方法実施例の場合、上記第1方法実施例と異な
る点は、サイドウォールのドラムショルダー部周面上へ
の貼付とサイドカーカスプライへの巻上げ圧着のステッ
プは、トレッド・オーバー・サイドウォール構造の故に
当然のことながら、上記(e)ステージ(インナーカーカ
スプライとサイドカーカスプライの巻き上げと貼付)終
了後、(f)ステージ(インナーカーカスプライの縮径と
バンドの位置づけ)開始前になることである。
上記第1および第2方法実施例では、インナーカーカス
プライの両側端部3a,3aとサイドカーカスプライ4
をビード回りに巻き上げた後、サイドウォール7を第3
図(g)の如く左右のローリングバッグ19,20の周面
上に貼付したが、第3方法実施例では、上記サイドウォ
ール7を第3図(a)の時点でサイドカーカスプライ4の
下にポリエチレンシートを介して貼付しておくこともで
きる。そして、第3図(e)の如くインナーカーカスプラ
イとサイドカーカスプライ4と共にビード回りに巻き上
げた後、サイドウォール7の上半分をめくり起こして上
記ポリエチレンシートを剥し、サイドカーカスプライ4
にバンド8を第3図(g)の如くトレッドステッチャー3
0で圧着した後、このめくり起こしたサイドウォール7
部分をサイドウォールステッチャー31によりサイドカ
ーカスプライ4とバンド8の端部に圧着するようにして
もよい。
尚、トレッド・オーバー・サイドウォール構造タイヤに
係る第4方法実施例の場合、上記第3方法実施例と異な
る点は、トレッド・オーバー・サイドウォール構造の故
に当然のことながら、(a)ステージでサイドウォールに
サイドカーカスプライを貼付するときポリエチレンシー
トの挿入が不要であり、従って(e)ステージ(インナー
カーカスプライをサイドカーカスプライとともに巻き上
げ貼付)後、直ちに(f)ステージ(インナーカーカスの
縮径とバンドの位置づけ)に移ること、また、サイドウ
ォールのめくり起こしのステップがないことである。
なお又、サイドウォール・オーバー・トレッド構造タイ
ヤにかかる第5方法実施例では、インナーカーカスプラ
イのシェーピング(第1実施例の第3図dのステージ)
開始前に、バンドを把持したトランスファーリングを成
型ドラムの中央位置まで予め移動させておき、シェーピ
ング工程の途中、即ち、インナーカーカスプライの外径
がバンドの全幅に当接する前の段階でインナーカーカス
プライの外端部とサイドカーカスプライをビード回りに
巻き上げて、トロイダル状のインナーカーカスプライに
貼付け、次いでシェーピングを完了してバンド全幅をイ
ンナーカーカスプライ頂部とサイドカーカスプライ上部
に圧着し、続いてサイドウォールをドラムショルダー部
の周面上に貼付した後、ローリングバッグでサイドウォ
ールを引起こしてサイドカーカスとトレッド端部に貼付
するようにしてもよい。
更に、トレッド・オーバー・サイドウォール構造タイヤ
に係る第6方法実施例の場合、上記第5方法実施例と異
なる点は、トレッド・オーバー・サイドウォール構造の
故に当然のことながら、サイドウォールのドラムショル
ダー部周面上への貼付とサイドカーカスプライへの圧着
のステップはインナーカーカスプライとサイドカーカス
プライの巻上げと貼付のステップの次にくることであ
る。
更にまた、サイドウォール・オーバー・トレッド構造タ
イヤに係る第7方法実施例の場合は、サイドウォールを
(a)ステージでサイドカーカスプライの下にポリエチレ
ンシートを介して貼付し、次いで、サイドカーカスプラ
イを側端部で覆うように成形ドラム中央部周面上にイン
ナーカーカスプライを貼付し、ビードロック機構でビー
ドを保持した後、トランスファーリングでバンドを成形
ドラム中央位置まで移送し、シェーピングの途中でイン
ナーカーカスプライの両側端部をサイドカーカスプライ
とサイドウォールと共にビード回りに巻上げ、つづい
て、サイドウォールの上半分をめくり起こして上記ポリ
エチレンシートを除去し、次いでシェーピングを完了さ
せてバンド全幅にインナーカーカスプライ頂部とサイド
カーカスプライ上方部を圧着し、最後に上記めくったサ
イドウォール上半分をトレッド端部に貼付する。
尚、トレッド・オーバー・サイドウォール構造タイヤに
係る第8方法実施例の場合、上記第7方法実施例と異な
る点は、トレッド・オーバー・サイドウォール構造の故
に当然のことながら、(a)ステージで、サイドウォール
にサイドカーカスを貼付するとき、ポリエチレンシート
の挿入が不要であり、従ってインナーカーカスプライを
サイドカーカスとサイドウォールとともにビード回りに
巻上げた後、直ちにシェーピングを完了してバンド全幅
にインナーカーカス頂部とサイドカーカス上部およびサ
イドウォール上部を圧着すること、又、サイドウォール
上半分のめくり起こしのステップがないことである。
(発明の効果) 以上の説明で明らかなように、本発明の航空機用ラジア
ルタイヤは、ビード回りを外方へ巻き上げる内側のイン
ナーカーカスプライと外側の頂部のバンドおよび両側部
のサイドウォールとの間に配置され、一端が上記ビード
回りを内方へ巻き込むように貼着され、他端が上記イン
ナーカーカスプライとバンドの間に挟持固着されるサイ
ドカーカスプライの層を有するので、ラジアル構造であ
っても成型時等においてビード周辺等でたるみや引っ張
りを生じる事がないので、カーカスの設計強度を損うこ
とがなく、所期の耐久性を発揮できる。また、2分割構
成のサイドカーカスにより、タイヤ重量を増加させるこ
となくタイヤの破壊強度を高めることができる。
また、本発明の航空機用ラジアルタイヤの製造方法は、
膨出手段を有する中央部の左右のドラムショルダー部
に、ビードロック手段とプライ折り返し手段を備え、フ
ラットドラム等のクラウン高さが比較的低いタイヤ成型
ドラムを用いて、上記左右のドラムショルダー部とその
ビードロック手段の周面上に上記一対の1層以上のサイ
ドカーカスプライを、次いでこの両サイドカーカスプラ
イを側端部で覆うように上記中央部の周面上に1層以上
のインナーカーカスプライを夫々貼付し、上記左右のビ
ードロック手段上方部にエイペックス付のビードを位置
づけ、上記ビードロック手段を拡径してロックした後、
膨出手段によりインナーカーカスプライを膨出させつつ
左右のドラムショルダー部を軸方向に相近づけて、イン
ナーカーカスプライの層をトロイダル状にシェーピング
し、その後上記プライ折り返し手段によってインナーカ
ーカスプライの層の両側端部とサイドカーカスプライの
層を共にビード回りに外方へ巻き上げ、これらのカーカ
スプライの頂部にブレーカーとトレッドからなるバンド
を貼着するものであり、サイドカーカスプライが2分割
構成であるから、サイドカーカスプライを予めビードロ
ック手段の内方まで達するようにドラムショルダーの周
面上に貼付することによって、巻き込み工程を別途要さ
ずビード回りの十分な巻き込み長さを容易に得ることが
できるので、リムとの嵌合不良やビード部等の耐久性を
損う危険がなく、また2分割されたサイドカーカスプラ
イの層は、トロイダル状にシェーピング後のインナーカ
ーカスプライの層に貼着する構成であるから、ビード周
辺にたるみや引っ張りが生じず、仕上がり状態の良好な
航空機用ラジアルタイヤが製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の航空機用タイヤの断面図、第2図は第
1図の航空機用ラジアルタイヤを製造するための製造装
置の一部破断正面図、第3図(a)〜(i)は第2図の製造装
置によるタイヤ製造方法を示す1/2断面図、第4図は
従来の航空機用タイヤの構造を示す1/2断面図、第5
図は従来のクラウン高さの高い成型ドラムでの成型の説
明図、第6図はクラウン高さの低い成型ドラムでの成型
の説明図である。 1…ビード、2…エイペックス、 3…インナーカーカスプライ層、 4…サイドカーカスプライ層、 5…ブレーカー、6…トレッド、 7…サイドウォール、8…バンド、 12…成型ドラム、 13…左ドラムショルダー部、 14…右ドラムショルダー部、 15,16…ビードロック部、 17…エアバッグ、 18…エアバッグ、 19…左ローリングバッグ、 20…右ローリングバッグ、 21…右ビードセッター、 22…右ローリングバッグプッシャ、 23…左ビードセッター、 24…左ローリングバッグプッシャ、 25…トランスファーリング、 29…バンド成型用ドラム、 30…トレッドステッチャー、 31…サイドウォールステッチャー、 33,34…ビードロック機構。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対のビード回りに両側端部をそれぞれ外
    側へ巻き上げる一層以上のインナーカーカスプライと、
    その頂部外面トレッドの間にブレーカーとバンドを有
    し、前記インナーカーカスプライの両側端外面にそれぞ
    れ貼着されるサイドウオールとを有する航空機用ラジア
    ルタイヤの製造方法において、膨出手段を中央部に有
    し、該中央部の左右のドラムショルダー部にそれぞれ前
    記面膨出手段に隣接する位置に拡縮径可能なビードロッ
    ク手段とこのビードロック手段の軸方向外側にプライ折
    り返し手段とを備えてなる円筒状のタイヤ成型ドラムを
    用いて、 前記左右のドラムショルダー部とそのビードロック手段
    の周面上にナイロン等の有機繊維コード又はスチール等
    の無機繊維コードがタイヤ赤道方向に対し80゜〜90
    ゜に配列されたサイドカーカスプライ一層以上を貼付す
    るステップと、次いでこの両サイドカーカスプライを側
    端部で覆うように前記中央部の周面上にナイロン等の有
    機繊維コード又はスチール等の無機繊維コードがタイヤ
    赤道方向に対し80゜〜90゜に配列されたインナーカ
    ーカスプライ一層以上を貼付するステップと、前記左右
    のビードロック手段の上方にビードを位置づけた後この
    ビードをビードロック手段を拡径してロックするステッ
    プと、膨出手段によりインナーカーカスプライを膨出さ
    せつつ左右のドラムショルダー部を軸方向に相近づくよ
    うに移動させて、インナーカーカスプライをトロイダル
    状にシェーピングするステップと、その後プライ折り返
    し手段によってインナーカーカスプライの両側端部とサ
    イドカーカスプライをビード回り外側へ巻き上げかつ、
    トロイダル状のインナーカーカスプライに貼着するステ
    ップと、ナイロン等の有機繊維コード又はスチール等の
    無機繊維コードがタイヤ赤道方向に対し0゜〜90゜に
    配列された複数層のブレーカーとトレッドからなるバン
    ドを移送手段によって前記トロイダル状のインナーカー
    カスプライ頂部上方に位置させ、次いでこのインナーカ
    ーカスプライ頂部および巻き上げられた両サイドカーカ
    スプライの上方部の外周に貼着するステップとを含むこ
    とを特徴とする航空機用ラジアルタイヤの製造方法。
  2. 【請求項2】インナーカーカスプライの両側端部とサイ
    ドカーカスプライをビード回りに巻き上げてトロイダル
    状のインナーカーカスプライに貼着した後、左右のドラ
    ムショルダー部を微小距離だけ軸方向に相遠ざかるよう
    に移動させて、トロイダル状のインナーカーカスプライ
    の外径を縮小させ、また、ブレーカーとトレッドからな
    るバンドを移送手段によってトロイダル状のインナーカ
    ーカスプライ頂部上方に位置させた後に、左右のドラム
    ショルダー部を微小距離だけ軸方向に相近づくように移
    動させて前記バンドをトロイダル状のインナーカーカス
    プライ頂部および巻き上げられた両サイドカーカスプラ
    イの上方部の外周に貼着する請求項1に記載の航空機ラ
    ジアルタイヤの製造方法。
  3. 【請求項3】バンドをインナーカーカスプライおよび両
    サイドカーカスプライの上方部の外周に貼着した後に、
    左右のドラムショルダー部の周面上にサイドウオールを
    貼着し、次いでこのサイドウオールをを再びプライ折り
    返し手段により前記サイドカーカスプライに貼着する請
    求項1または請求項2に記載の航空機ラジアルタイヤの
    製造方法。
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