JPH0647193B2 - 硬化肉盛溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

硬化肉盛溶接用フラックス入りワイヤ

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JPH0647193B2
JPH0647193B2 JP2244433A JP24443390A JPH0647193B2 JP H0647193 B2 JPH0647193 B2 JP H0647193B2 JP 2244433 A JP2244433 A JP 2244433A JP 24443390 A JP24443390 A JP 24443390A JP H0647193 B2 JPH0647193 B2 JP H0647193B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、激しい土砂摩耗を受ける粉砕機、破砕機等の
部品や、製鉄所原料関係の原料搬送部品、貯鉱槽等の部
品、鉱山、石炭関係の鉱山機械等の部品などの肉盛・補
修用に適するフラックス入りワイヤに関する。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 高Cr鉄系溶材は、マルテンサイト系溶材に比べ、特に激
しい土砂摩耗に対し、耐摩耗性が優れるため、粉砕機、
破砕機などの部品の肉盛に用いられているが、長寿命化
や信頼性の向上の要求も根強く、種々のタイプ高Cr鉄系
溶材が開発され、実用に供されている。
しかしながら、耐摩耗性を向上させることにより、一般
に溶着金属の延び、靭性が低下するため、溶着金属が割
れ易く、特に衝撃の激しい場合においては使用中に肉盛
部の欠けが発生して寿命の低下が生じることになる。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであ
って、特に使用中の肉盛金属の剥離の防止を図り、更に
スパッタ量、スラグの剥離性、ビード形状等の作業性を
改善した硬化肉盛溶接用フラックス入りワイヤを提供す
ることを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は、高Cr鉄系溶材を
用いた場合の肉盛金属の剥離の原因について調査した。
まず、溶着金属中の炭化物の形態に着目し、試験調査を
行った。耐摩耗性の評価方法は、第1図及び第2図に示
す2種類の試験法を適用し、ASTM法(試験条件を第
1表に示す)は低衝撃の摩耗を、衝撃摩耗試験(試験条
件を第2表に示す)では高衝撃の摩耗をそれぞれ評価し
た。肉盛部の欠けに対する特性は後者の摩耗試験法によ
り評価を行った。
これらの結果から、炭化物形態と剥離耐性については、
炭化物が粗粒となる程、剥離が生じ易く、特に炭化物が
長く成長する程、その傾向が著しいことが分かった。そ
こで、炭化物が柱状に成長しにくくなる効果のある元素
について調査したところ、V、Moの添加が有効で耐摩耗
性、特に衝撃摩耗性が改善されることを見い出した。
また、炭化物の量は、第3図(a)〜(d)に示すように、或
るレベル以上含有しても大幅な耐摩耗性の向上は望めな
いことが判明した。なお、第3図における、、は
それぞれ第3表に示す化学成分のワイヤを使用した場合
の結果である。
また、一般に高Cr鉄系溶材は、軟鋼等の母材に肉盛して
使用されることが多いが、その第1層目の溶着金属から
亀裂が発生し、使用中に肉盛金属の剥離に至ることが多
く、その亀裂は第1層目のビード止端部形状のなじみ不
足、ビード形状の凸形などが原因で、発生し易いことが
判明した。したがって、これを解決するならば肉盛金属
の耐剥離性が大幅に向上するとの知見を得た。
第4図(a)は市販の高Cr鉄系溶材を用いて軟鋼母材上に
1パス肉盛溶接を行った場合のビードの断面を示してい
る。一般に軟鋼、低合金鋼などへの肉盛溶接の第1層目
は、溶材と成分系が大きく異なるため、同図に示すよう
に、ビード止端部のなじみが悪く、凸ビードになる。こ
のことは、例えば、部品のカド出し等には望ましい場合
もあるが、通常の肉盛においては、同図(b)に示すよう
に、第1層目ボンド部付近の割れ発生を助長し、時に
は、部品が稼働中に肉盛部でで剥離現象を起こし、寿命
が短くなる。
本発明者は、このような点について改良を加えるべく、
まず、止端部のなじみ改善に効果のある成分について検
討を進めた。その結果、Bを0.2〜1.0%ワイヤ中
に含有させることにより、同図(c)に示すように、ビー
ド止端部のなじみ性が改良された。しかしながら、Bの
添加により、プールが流れ易くなりすぎ、アークの方向
が若干変わることが、プール形成状態に大きく反映さ
れ、そのため、同図(d)に示すようにビード幅が不均一
になることが観察された。また、Bは溶適のなじみも向
上させ、ワイヤ先端の溶融した金属がプールへ移行する
現象が間欠的になり易く、ビード長方向において、溶着
金属のムラが生じ、それがビード幅の不均一性を助長す
ることも問題となった。
そこで、アークの方向の安定性、溶滴移行の均一性をポ
イントに更に研究開発を進めた結果、金属弗化物、Mgの
添加が効果的であることが判明した。
この際、金属弗化物、Mgのいずれの添加によってもアー
ク安定性、溶滴移行性は向上するものの、金属弗化物単
独ではスラグがビード全面に焼付き、剥離性が劣り、ま
たMg単独ではスラグが球状に凝集し、剥離性が劣る。し
たがって、両者の複合添加が必要であり、その場合に限
り、スラグの剥離性が確保されることが判明した。
このような知見に基づき、更に種々の成分、アーク安定
剤、脱酸剤などを検討した結果、ここに、耐摩耗性及び
肉盛金属の耐剥離性に優れ、ビード形状が良好となり、
またスパッタ発生量、スラグの剥離性も改善できる硬化
肉盛溶接用フラックス入りワイヤを見い出し、本発明を
なしたものである。
すなわち、本発明に係る硬化肉盛溶接用フラックス入り
ワイヤは、金属製外皮中にフラックスを充填してなるフ
ラックス入りワイヤであって、ワイヤ全重量当たり、以
下の成分 C:3.0〜6.0%、 Cr:15〜30%、 B:0.2〜1.0%、 Mg:0.02〜0.2%、 金属弗化物:0.05〜1.5%、 Mo:0.2〜2.0%、 V:1.0〜4.0%、 を含有することを特徴とするものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(作用) 本発明における化学成分の限定理由は以下のとおりであ
る。なお、各成分の含有量はワイヤ全重量当りの割合
(%)である。
C:3.0〜6.0% Cは高Cr鉄系溶材の基本元素で、炭化物形成に不可欠で
ある。その添加量は炭化物形成元素Cr、V、Moなどどの
含有量との見合いで決定される。本発明においては、Cr
以外にV、Moが必須成分として添加させるため、Cr単独
添加の場合に比べ、その適正範囲は高い方向になるが、
3.0%未満では充分な耐摩耗性が得られない。また
6.0%を超えると溶着金属が脆くなり、肉盛金属の欠
け発生などの問題が生じる。したがって、C量は3.0
〜6.0%の範囲とする。
Cr:15〜30% Crは高Cr鉄系溶材の基本元素で、炭化物形成に不可欠で
ある。Cr適正範囲も他の炭化物形成元素V、Moの供存の
ため影響を受け、単独添加の場合よりも低い範囲とな
る。しかし、15%未満では充分な耐摩耗性が得られ
ず、また30%を超えると炭化物粒径が粗大になり、欠
けなどが発生し易くなる。したがって、Cr量は15〜3
0%の範囲とする。
B:0.2〜1.0% Bはスラグの剥離性、ビード形状の改善に効果がある。
しかし、0.2%未満では改善効果がみられず、また
1.0%を超えると溶着金属が脆くなり、耐摩耗性が劣
化する。したがって、B量は0.2〜1.0%の範囲と
する。
Mg:0.02〜0.2% Mgはスラグの剥離性、アーク安定性の改善に効果があ
る。しかし、0.02%未満では改善効果がみられず、
また0.2%を超えると、逆にスラグが凝集し、剥離性
が劣化する。したがって、Mg量は0.02〜0.2%の
範囲とする。
Mo:0.2〜2.0% Moは主にマトリックス中に分配され、マトリックスの常
温、高温強度を高める効果がある。しかし、0.2%未
満ではその効果が見られず、また2.0%を超えると耐
摩耗性の改善効果が飽和し、不経済となる。したがっ
て、Mo量は0.2〜2.0%の範囲とする。
V:1.0〜4.0% Vは主に初晶炭化物中に分配され、その硬度を高め耐摩
耗性を向上させる。また初晶炭化物の粒径が粗大になる
ことを防ぎ、肉盛金属の靭性を改善し、耐剥離性を向上
させる。しかし、1.0%未満ではその効果が見られ
ず、また4.0%を超える耐摩耗性の改善効果が飽和
し、また作業性も劣化する。したがって、V量は1.0
〜4.0%の範囲とする。
金属弗化物:0.05〜1.5% 金属弗化物はスラグ剥離性の改善、アーク安定性の改善
に効果がある。しかし、0.05%未満ではそのような
改善効果がみられず、また1.5%を超えるとヒューム
量の増大及びスラグ量が増し、逆に剥離性が劣化する。
したがって、金属弗化物量は0.05〜1.5%の範囲
とする。なお、金属弗化物としてはは、CaF2、NaF、BaF
2、K2SiF6などが挙げられる。特に制限されることはな
い。
なお、本発明は、上記成分を必須成分として含有する
が、その他にW、Nbなどの炭化物形成元素を必要に応じ
て添加することができ、これにより、更に耐摩耗性を上
げた場合でも同様の効果が得られることが確認されてい
る。添加する場合にはそれらの1種又は2種以上を1〜
8%が望ましい。
以上の成分の添加態様に関しては、通常外皮金属として
軟鋼又はCr鋼を用いるが、外皮金属で不足する成分又は
添加量をフラックスへの配合にてまかない、ワイヤ全重
量に対する所定の配合量とすることは云うまでもない。
また、硬化肉盛溶接の他の条件も特に制限されず、炭酸
ガスアーク溶接のほか、Arガスを主体とするガスアーク
溶接やセルフシールドアーク溶接なども可能である。
また、フラックス入りワイヤの寸法、断面形状等も制限
されず、対象母材も軟鋼、低合金鋼など適宜材質のもの
が可能である。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例) 第5表に示す各種化学成分のフラックス入りワイヤを製
作した。その際、フープ材には軟鋼及び17Cr鋼を用
い、フラックス率が20〜35%、ワイヤ径が1.2mm
φである。
得られたフラックス入りワイヤを用い、第4表に示す溶
接条件にて肉盛溶接試験を実施し、作業性、硬さ、摩耗
量等を調べた。その結果を第5表に併記する。
なお、摩耗量は2種類の試験法により評価し、ASTM
法は第1図及び第1表に示した試験条件で行い、衝撃摩
耗試験法はは第2図及び第2表に示した試験条件で行っ
た。第3図は2種類の摩耗試験による耐摩耗性の評価結
果を整理したものである。
第5表より、本発明例はいずれも、作業性が良好であ
り、溶着金属の硬さも充分確保されていることがわか
る。第6図は溶着金属の組織の一例を示したもので、Mo
及びVの添加により炭化物粒径が細粒化されていること
が分かる。
一方、比較例は、溶着金属の硬さが充分に得られていな
いか、或いは得られていても作業性のいずれかが劣って
いる。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、耐摩耗性はもち
ろんのこと、特に使用中の肉盛金属の剥離を防止でき、
更にアーク安定性、スパッタ量、スラグの剥離性、ビー
ド形状等の作業性を改善できる硬化肉盛溶接用材料を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は摩耗試験の要領を説明する図で、第
1図はASTM法の場合、第2図は衝撃摩耗試験法の場
合を示し、 第3図(a)〜(d)はそれぞれ耐摩耗性の評価結果を示す
図、 第4図は高Cr鉄系溶材を使用して硬化肉盛溶接(1パ
ス)した場合のビードの形状を示す図で、(a)〜(c)は断
面図であり、(d)は平面図であり、 第5図は実施例で採用した累層法の要領を説明する図、 第6図は実施例で得られた溶着金属の金属組織を示す写
真で、(a)は実施例No.7のもの、(b)は実施例No.12の
ものを示す。 1……母材、2……溶接ビード、3……割れ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製外皮中にフラックスを充填してなる
    フラックス入りワイヤであって、ワイヤ全重量当たり、
    以下の成分 C:3.0〜6.0%、 Cr:15〜30%、 B:0.2〜1.0%、 Mg:0.02〜0.2%、 金属弗化物:0.05〜1.5%、 Mo:0.2〜2.0%、 V:1.0〜4.0% を含有することを特徴とする硬化肉盛溶接用フラックス
    入りワイヤ。
JP2244433A 1990-09-13 1990-09-13 硬化肉盛溶接用フラックス入りワイヤ Expired - Fee Related JPH0647193B2 (ja)

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