JPH0646962A - まな板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のまな板は、使用により表面に傷がつ
き、傷部分に汚水が浸透して汚れたり、表面が損耗して
窪みができるなどして使用できなくなる。そして従来の
まな板は使用によって汚損したときには、まな板全体を
廃棄する外なく、貴重な資源である合成樹脂や木材を大
量の廃棄物として捨てるか、もしくは焼却していた。本
発明は、このような従来のまな板の欠点を克服し、まな
板自体を再生できるようにし、その廃棄し焼却する資源
の量を減少するまな板を得ることを目的としている。 【構成】 芯材部の両面に合成樹脂まな板材を設け、端
部に合成樹脂薄板を熔着または接着してあり、前記まな
板材と芯材部は粘着してあるか非接着であるまな板、芯
材部が芯材の両面に耐水遮臭性薄板を配設してある前述
のまな板、芯材の両面に耐水遮臭性薄板を貼着してなる
芯材部の両面に合成樹脂まな板材を設け、端部に合成樹
脂薄板を熔着または接着してあり、前記まな板材と芯材
部が接着してあるまな板

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、業務用もしくは家庭用
などに幅広く用いることのできる調理用のまな板に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来調理用まな板として、木製や合成樹
脂製の単板構造のまな板が広く用いられている。このよ
うな単板構造のまな板に対し、本発明者らは、芯材と表
面まな板材からなる複層構造のまな板などを提案してい
る。

【発明が解決しようとする課題】

【０００３】前記従来のまな板は、使用により表面に傷
がつき、傷部分に汚水が浸透して汚れたり、表面が損耗
して窪みができるなどして使用できなくなる。そして従
来のまな板は使用によって汚損したときには、まな板全
体を廃棄する外なく、貴重な資源である合成樹脂や木材
を大量の廃棄物として捨てるか、もしくは焼却してい
た。本発明は、このような従来のまな板の欠点を克服
し、まな板自体を再生できるようにし、その廃棄し焼却
する資源の量を減少するまな板を得ることを目的として
いる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段は前記特許請求の範囲に記載されたとおり、芯
材部の両面に合成樹脂まな板材を設け、端部に合成樹脂
薄板を熔着または接着してあり、前記まな板材と芯材部
は粘着してあるか非接着であるまな板、芯材部が芯材の
両面に耐水遮臭性薄板を配設してある前述のまな板、芯
材の両面に耐水遮臭性薄板を貼着してなる芯材部の両面
に合成樹脂まな板材を設け、端部に合成樹脂薄板を熔着
または接着してあり、前記まな板材と芯材部が接着して
あるまな板である。

【０００５】

【作用】上記構造において、芯材部とまな板材とは、容
易に剥離が可能であるか若しくはまな板材を芯材部から
切削することが可能であり、該芯材部に新たにまな板材
を設けることで再生使用することができる。芯材部に耐
水遮臭性薄板を設けたものは、芯材部に使用済まな板材
からの汚水や臭気が移行することを防止でき、より衛生
的に再利用が可能である。

【０００６】

【実施例】図１〜図２は、本発明の実施例のまな板を示
すもので、図１は完成したまな板１を示す斜視図、図２
は図１のまな板の断面図である。この実施例のまな板は
合成樹脂まな板材２（通常厚さ２〜１０ｍｍ程度で調理
作業の種類によって任意に選択される）がまな板１の両
面に設けられている。まな板材２に用いる合成樹脂とし
てはポリエチレン樹脂、エラストマー樹脂、合成ゴム、
等の各種合成樹脂及びそれらに抗菌剤を含有したもの等
が任意に用いられる。また該まな板材２に挟持される如
く耐水性芯材部３（通常厚さ５〜４０ｍｍ位で求められ
る剛性と取扱い性によって任意に選択される。）が設け
られている。該耐水性芯材部３は、例えば防水処理を施
した木材、合成樹脂及びその発泡体、繊維強プラスチッ
ク、金属、等及びそれらの中空体などで、耐水性があ
り、かつ軽量でまな板材に穴が空いても吸水しないもの
が好ましい。合成樹脂まな板材２と芯材部３とはは、適
宜な粘着財の塗布もしくは粘着テープの粘着等の方法に
より、粘着固定させるか、又は粘着固定させない構成と
し、まな板材２と芯材部３が後に容易に剥離できるよう
に構成してある。さらにまな板１の外周端面をまな板材
と同系統の合成樹脂薄板４により熔着又は接着一体化し
て、水の侵入を防止する。該合成樹脂薄板４の厚さは通
常０.５〜５ｍｍ位で十分である。このようにして構成
されたまな板１は、使用によりまな板材２が汚損した場
合には、外周に設けた合成樹脂薄板４を切除することに
より、汚損したまな板材２をはがし新品のまな板材と容
易に交換する事ができ、再度前記の方法により外周に合
成樹脂薄板４を熔着することにより、新品のまな板とし
て再生することができる。

【０００７】図２は、図１〜図３の実施例と同様の構成
の例であるが、前記例の構成の加えて芯材部３の周囲に
合成樹脂のプロテクタ５を設けてあるものである。プロ
テクタ５は、芯材部３に対する防水性を高めると同時
に、比較的包丁など刃物によって傷が付き易いまな板表
面端部を保護し、包丁などの刃物によって実際に傷がつ
いた時に芯材部３に水が浸透するのを防止しかつ不用意
にまな板材２が剥離するのを防止してまな板の耐久性を
向上させる効果がある。

【０００８】図４は、図１〜図２の例に加えて、芯材３
の両面に耐水・遮臭性薄板６を配設して、耐水性芯材部
として構成した例である。該薄板６は芯材に接着してあ
るのが好ましいが、粘着してあるか、非接着であっても
良い。この場合芯材３としては、薄板６により耐水性が
得られるので、通常の木材をそのまま使用することもで
きる。該耐水・遮臭性薄板としては、 各種の合成樹脂
を用いることができるが特に該薄板に抗菌剤を含有させ
ておくことで、仮に芯材部に到達した刃物による穴等か
ら侵入することのある雑菌等の増殖を抑制し、まな板を
再生する時の芯材部の再利用に対して衛生的である。
又、該薄板はまな板材からの臭いや汚水等が芯材部に侵
入し蓄積することを防止し、芯材部の再利用に際して芯
材部を衛生的に保つ効果がある。また該薄板６をガス透
過率の比較的少ない合成樹脂とすることも芯材の再利用
に有効である。このようなガス透過率の小さい合成樹脂
として、ナイロン、ＡＢＳ、ポリ塩化ビニリデン、エバ
ール、ＰＥＴ、エポキシ、不飽和ポリエステル等の各種
合成樹脂が選択できる。また合成樹脂以外では、アルミ
等の軽量金属の薄板又は箔、その他繊維強化プラスチッ
ク、セロファン等も用いることができる。ここで薄板６
を、まな板材２と同材質とする時には、臭いの遮断の目
的の為、まな板材２と薄板６の層間に前記に揚げたガス
透過の少ない別の薄板を配置してもよい。 又、薄板６
は異種の材質よりなる複数層で構成されていてもよく、
例えば臭いの遮断層と抗菌剤を含有した層の２層とする
ことなどもできる。

【０００９】図５は、図４の例と同様の例であるが、図
３の例と同様芯材３の周囲にプロテクタ５を設けた例
で、前記同様の効果がある。

【００１０】図６は前記同様の例であるが、この例では
まな板材２と耐水・遮臭性薄板６、芯材３とを相互に接
着して構成している点が前記例と異なるものである。こ
の構成においても、芯材３、耐水・遮臭性薄板６は前記
同様の材料を用いることができるが、この構成の場合に
まな板を再生する際には、まな板材２を切削して削除す
ることになり、この場合薄板６を合成樹脂とすることが
好ましく、この場合切削時に切削用の刃物を傷めること
がない。また薄板をまな板材と異なる色彩とすること
で、切削限界を視認することができる。このように芯材
３と薄板６及び薄板とまな板材２とをそれぞれ接着する
ことによりまな板表面が部分的に浮き上がってパカパカ
したりすることを防止し、またび熱風乾燥によるふくれ
等の変形を防止できる利点がある。

【００１１】図７は、図６の例と同様の例であるが、芯
材３の周囲にプロテクタ５を設けて前記同様傷のつき易
いまな板端部の保護を強化したものである。

【００１２】図８は、まな板の再生時において前記切削
除等の方法の外、容易にまな板材２を芯材部から剥離す
ることを可能とする例の部分断面図である。この例では
まな板材２と耐水・遮臭性薄板６との層間に、層間強度
の低い層７を形成して該層間で剥離しやすくしてある。
この層７は、シート材と接着剤によって形成されてお
り、シート材としては例えば不織布、紙等の層間強度の
低いシート材を用いれは、該シート材の層で容易に剥離
し、シート材として織布等を使用したときには、織布層
では剥離しないが、シート材の界面で容易に剥離する。
また、シート材の凝集力よりも接着剤の凝集力が低いと
きには接着剤が凝集破壊することで容易に剥離すること
になる。このようにシート材としては、紙、不織布等の
繊維質シート、高発泡樹脂シート、凝集力の市区意合成
樹脂シートまたはゴムシート、コルク、木材等の天然素
材、バルカナイズドファイバー等の層間強度の低い材料
が望ましいが接着剤を適宜組み合わせることで、各種繊
維の織布シート、合成樹脂シート等層間強度の強いもの
でもよい。接着剤としては、エポキシ系、ウレタン系、
アクリル系、レゾルシン系、合成ゴム系、ホットメルト
系その他耐水性、耐熱性、安全性のある周知の接着剤が
前記シート材との組み合わせによって任意に用いられ
る。層７を介在して接着することにより、まな板再生時
に、この層間よりまな板材２を容易に引きはがすことが
可能となり、まな板材を切削する等の必要がなくなる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、上記実施例において詳
細に説明したとおり、まな板材を芯材部から容易に剥離
し、若しくは削り取ることにより、芯材部を再利用する
ことができ、従来廃棄しあるいは焼却していた資源を再
利用することを可能とし、また使用済みのまな板材につ
いても別の用途の合成樹脂として回収して再利用するこ
とも可能とするまな板が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例のまな板の斜視図

【図２】 本発明の実施例のまな板の断面図

【図３】 本発明の実施例のまな板の断面図

【図４】 本発明の実施例のまな板の断面図

【図５】 本発明の実施例のまな板の断面図

【図６】 本発明の実施例のまな板の断面図

【図７】 本発明の実施例のまな板の断面図

【図８】 本発明の実施例のまな板の部分断面図

【符号の説明】

１ まな板 ２ まな板材 ３ 芯材 ４ 合成樹脂薄板 ５ プロテクタ ６ 耐水・遮臭性薄板 ７ 層間強度の低い層

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】芯材部の両面に合成樹脂まな板材を設け、
   端部に合成樹脂薄板を熔着または接着してあり、前記ま
   な板材と芯材部は粘着してあるか非接着であるまな板。
2. 【請求項２】芯材部が芯材の両面に耐水遮臭性薄板を配
   設してある請求項第１項のまな板
3. 【請求項３】芯材の両面に耐水遮臭性薄板を貼着してな
   る芯材部の両面に合成樹脂まな板材を設け、端部に合成
   樹脂薄板を熔着または接着してあり、前記まな板材と芯
   材部が接着してあるまな板。
4. 【請求項４】芯材の両面に貼着してある耐水遮臭性薄板
   と合成樹脂まな板材の色彩が異なる請求項３項のまな
   板。
5. 【請求項５】耐水遮臭性薄板とまな板材とは層間強度の
   低い層を介して接着されている請求項２項または請求項
   ３項または請求項４項のまな板。