JPH0646844A - 液状酵素剤の製造法 - Google Patents

液状酵素剤の製造法

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JPH0646844A
JPH0646844A JP20647392A JP20647392A JPH0646844A JP H0646844 A JPH0646844 A JP H0646844A JP 20647392 A JP20647392 A JP 20647392A JP 20647392 A JP20647392 A JP 20647392A JP H0646844 A JPH0646844 A JP H0646844A
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JP
Japan
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enzyme
solution
bacillus
thermolysin
enzyme solution
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Pending
Application number
JP20647392A
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English (en)
Inventor
Takeshi Inoue
武志 井上
Kiyoyuki Kimura
清之 木村
Junko Kitahata
順子 北畑
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Daiwa Kasei KK
Original Assignee
Daiwa Kasei KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、酵素結晶が混在する酵素液のpH
を上げて酵素結晶を含まない酵素溶液を得る第1工程と
終濃度が15〜30%となる塩類の共存下にこの酵素溶
液のpHを下げて酵素を不定形に析出させる第2工程と
を含む液状酵素剤の製造法を提供する。 【効果】 本発明方法によれば、長期に亘り酵素結晶を
析出しない均一濃厚な液状製品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は濃い均一な液状製品を製
造することが困難な酵素の、濃い均一な液状製品の製造
法に関する。詳しくは、濃い水溶液からは結晶となって
沈降しやすいような種類の酵素を、沈降し難い不定形の
固体とすることによる、濃い均一な液状製品の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする問題点】濃
い水溶液から結晶化しやすい酵素としては、バシラス・
サーモプロテオリティカス(Bacillus thermoproteolyt
icus)が生産するサーモリシンと呼ばれるプロテアー
ゼ、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus ste
arothermophillus)が生産するサーモリシンに類似のプ
ロテアーゼ、及びバシラス・リケニフォルミス(Bacill
us licheniformis)又はバシラス・サブティリス(Baci
llus subtilis )が生産する耐熱性アルファーアミラー
ゼなどが挙げられる。
【0003】これらの酵素の結晶を溶解し、及び/又は
これらの酵素の結晶化を抑制・防止するのに通常有効で
あることが知られている手段としては、水酸化ナトリウ
ム・水酸化カルシウム・炭酸ナトリウムなどによるpH
上昇、グリセリン・プロピレングリコールなどの多価ア
ルコール及び/又は塩化ナトリウムなどの塩類の添加
(特公平1−37116)が一般的である。しかしこれ
らの公知の方法では、十分に濃い液状酵素剤を製造する
ことができない場合があり、又グリセリンなどの多価ア
ルコールが酵素剤の使用上好ましくない場合もある。
【0004】
【問題を解決するための手段】濃い液状製品は使いやす
いために使用者に好まれる。濃い液状製品としては固形
物を含まぬものが通常想定されるが、使いやすさの観点
からすれば、固形物が含まれていてもそれが沈降するこ
となく均一に分布し、かつ希釈時にそれが容易に溶解す
れば支障はないと考えられる。本発明はこの着想の下
に、濃い水溶液からは結晶となって沈降しやすいような
種類の酵素を、沈降し難い不定形の固体とすることによ
る、濃い均一な液状酵素剤の製造法を提供するものであ
る。
【0005】本発明による液状酵素剤は十分に濃く、そ
こに含まれる固体化された酵素は沈降することなく均一
に分布し、かつそれは希釈時に極めて容易に溶解する。
本発明による液状酵素剤にはグリセリンなどの多価アル
コールの添加を要しない。
【0006】本発明は、酵素の結晶が混在するか又は混
在するかも知れない酵素液のpHを上げて酵素の結晶を
溶解させることにより酵素の結晶を含まない酵素溶液を
得る第1工程と、塩類共存下にこの酵素溶液のpHを下
げて酵素を不定形に析出させる第2工程からなる。
【0007】本発明において原料となる酵素液として
は、酵素を含有する培養物を出発物とする各種精製段階
の酵素液、及びそれらからアルコール沈殿・塩析・結晶
化などして得る精製酵素を水に溶解又は懸濁したものが
いずれも使用できるが、精製酵素の水懸濁物を原料とす
るのが濃い液状製品を製造することができるので好まし
い。
【0008】第1工程において、pHは通常10.5以
上、約11〜12に通常水酸化ナトリウム液又は水酸化
カルシウム液で冷却下(0〜15℃)に調整される。結
晶化しやすい物質の溶液の場合でも、結晶の核となるべ
き微細結晶などがそこに存在しない溶液からは、結晶の
成長・析出が起こり難いのは一般的事実であるが、核の
除去だけで結晶の成長・析出を長時間抑制することは通
常困難である。本発明の場合も、適量の塩類を含ませて
いない第1工程後の酵素溶液のpHを元のpHに下げれ
ば、間もなく結晶が析出する。
【0009】第2工程は塩析である。この目的で添加す
る塩類としては、酵素の塩析に通常使われるアルカリ金
属・アルカリ土類金属・アンモニウムの、塩化物・酢酸
塩・硫酸塩などがいずれも単独又は組合せで使用でき
る。塩類の添加量は終濃度で約15〜30%が適当であ
る。塩類の添加は第1工程の後に行っても第1工程の前
に行ってもよい。第2工程におけるpHの調整(通常約
5〜8、好ましくは約6〜7)は酢酸などの弱酸による
のが、局部的なpHの下がりすぎによる酵素の失活を防
止できので安全である。
【0010】
【実施例】
実施例1 本発明をアルコール沈殿により精製されたサーモリシン
に適用した例を示す。培養物のろ液からサーモリシンを
アルコールで沈殿させ、この沈殿をろ別後に真空乾燥し
て製した、工業用サーモリシン製剤であるサモアーゼP
S200(大和化成製)を水に懸濁して原料酵素液(酵
素濃度6.2%)とした。この原料酵素液を5℃に冷却
し、撹拌下に5N水酸化ナトリウムを滴下して液のpH
を11.3〜11.6に調整して不溶物を溶解した後、
若干残った残滓をろ去して完全に濁りのない酵素液を得
た。この濁りのない酵素液に表1に示すように塩類を加
えて溶かし、攪拌下に氷酢酸で液のpHを6.0に調整
して試料とし、これを試験管に入れて保存し状態の変化
を観察した。
【0011】
【表1】
【0012】均一性:○ 均一,△ 若干沈降,× 沈
降 溶解性:試料 1mlを30mlの水に攪拌下に滴下し
た。
【0013】○ 直ちに透明な溶液となった。
【0014】× 液はいつまでも不透明であった。
【0015】実施例2 本発明を塩析により精製されたサーモリシンに適用した
例を示す。培養物のろ液からサーモリシンを硫酸ナトリ
ウムで沈殿させ、この沈殿をろ別後に乾燥して製した、
工業用サーモリシン製剤であるサモアーゼC500(大
和化成製)を水に懸濁して原料酵素液(酵素濃度8.1
%)とした。サモアーゼC500は実施例1で使ったサ
モアーゼPS200より精製度が高く、この原料酵素液
は多量の難溶性のサーモリシン結晶を含んでいる。この
原料酵素液を実施例1と同様に処理して試料とし、これ
を試験管に入れて保存し状態の変化を観察した。
【0016】
【表2】
【0017】溶解性:△ 数分後に透明な溶液となっ
た。
【0018】実施例3 本発明を耐熱性アルファーアミラーゼ(以下アミラーゼ
と略す)に適用した例を示す。培養物のろ液からアミラ
ーゼをアルコールで沈殿・ろ別・真空乾燥して製した、
工業用アミラーゼ製剤であるクライスターゼYC15
(大和化成製)を原料とした。原料を20倍量の水に溶
解し、残滓をろ去し、この液(40℃)1l当たり無水
硫酸ナトリウム260gを加えてアミラーゼを沈殿さ
せ、沈殿をろ別し、この沈殿を水に懸濁して原料酵素液
(酵素濃度8.2%)とした。この原料酵素液は多量の
難溶性のアミラーゼ結晶を含んでいる。この原料酵素液
を実施例1と同様に処理して試料とし、これを試験管に
入れて保存し状態の変化を観察した。
【0019】
【表3】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素の結晶が混在するか又は混在するか
    も知れない酵素液のpHを上げて酵素の結晶を溶解させ
    ることにより酵素の結晶を含まない酵素溶液を得る第1
    工程と、終濃度が15〜30%となる塩類の共存下にこ
    の酵素溶液のpHを下げて酵素を不定形に析出させる第
    2工程とを含む液状酵素剤の製造法。
  2. 【請求項2】 塩類がアルカリ金属・アルカリ土類金属
    ・アンモニウムの、塩化物・酢酸塩・硫酸塩である請求
    項1に記載の液状酵素剤の製造法。
  3. 【請求項3】 酵素がバシラス・サーモプロテオリティ
    カス(Bacillus thermoproteolyticus)が生産するサー
    モリシンと呼ばれるプロテアーゼ、バシラス・ステアロ
    サーモフィラス(Bacillus stearothermophillus)が生
    産するサーモリシンに類似のプロテアーゼ、及びバシラ
    ス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)又は
    バシラス・サブティリス(Bacillus subtilis )が生産
    する耐熱性アルファーアミラーゼである請求項1に記載
    の液状酵素剤の製造法。
JP20647392A 1992-08-03 1992-08-03 液状酵素剤の製造法 Pending JPH0646844A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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