JPH0646831U - ねじ立て盤における送料機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】押しロッドの交換、調整作業が便利で、成型素
材を供給されないときには、直ちに作動を停止させ得る
ねじ立て盤における送料機構を提供する。 【構成】ガイド座１２と保持ジグ１３間に複数の引張り
ばね１１を跨設する。押しロッド４一端をガイド座１２
内に伸入させて保持ジグ１３内まで移動出来るように
し、間欠的にガイド座１２内に供給されるナット成型素
材Ｃを保持ジグ１３内に送り込んで、ねじタップ１４に
よりねじ立てをさせる。気圧シリンダ５を、押しロッド
４と平行状に配列し、夫々の外端を連結体３で連結し
て、ピストンロッド５１の伸縮作動に伴ない押しロッド
４を連動進退出来るようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ねじ立て盤における送料機構に関し、特に気圧シリンダの伸縮作動 により、それと併行配設した押しロッドを駆動して、成型素材をねじ立て部に送 り込むねじ立て盤における送料機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般のナット類部品のねじ立て作業は、ねじ立て盤で行われるのであるが、現 在、気圧シリンダによって送料機構を連動してねじ立て作業を進めるねじ立て盤 は、第３図に示す如く、タッピングしようとするナット成型素材をねじ立て盤機 体Ａの比較的高い所に架設された漏斗状の供給機構Ａ１に入れて、ナット成型素 材を該供給機構Ａ１下方に設けられた多数の送り溝Ａ１１より流出させ、各送り 溝Ａ１１下方に対応して設けられた各送料機構の気圧シリンダＡ２の押送りによ り、ナットタップ（図示されず）に送って、ねじ立てをするものである。

【０００３】 そして、図４に示す如く、ねじ立て盤における各送料機構の気圧シリンダＡ２ は、そのピストンロッドＡ２１の伸縮により、六角断面の押しロッドＡ３を駆動 して、図５に示すように、該押しロッドＡ３はガイド座Ａ４内に予め設けられた 六角形断面の案内スロットＡ５内に伸入し、且つ該送り溝Ａ１１からナット成型 素材Ｂを一個ずつ該案内スロットＡ５内に送り、該押しロッドＡ３の往復作動に より、該ナット成型素材Ｂを該ガイド座Ａ４から押し出して、保持ジグＡ６内に 押し込み保持させ、該保持ジグＡ６内に挿設されて回転作動するねじタップＡ７ によりねじ立てされる。

【０００４】 一方、設計上、この回転するねじタップＡ７は、軸向きに移動出来ないように なっており、また保持ジグＡ６はねじ立て盤機体に設けられた複数の滑り軸Ａ６ ２に軸受を介して、更にガイド座Ａ４との間に複数の引張りばねＡ６１が設けら れていることから、上記滑り軸Ａ６２沿いに外向きに滑動移行して、該送料機構 全体がねじ立て作業中、ねじタップＡ７が定点で回転の最中、ナット成型素材Ｂ がねじタップＡ７によって徐々にねじを立てられるに伴ない、ナット成型素材Ｂ を保持した保持ジグＡ６も一体に滑り軸Ａ６２沿いに外向きに移動し、この際、 保持ジグＡ６は徐々にガイド座Ａ４から離れて、各引張りばねＡ６１をその付勢 力に抗して引き延ばし、ねじ立て作業が完成されてから、該引張りばねＡ６１の 弾性復帰力により保持ジグＡ６が元の位置に回復する。

【０００５】 上記各セットの送料機構のねじ立て作業における作動情況から見ると、各気圧 シリンダＡ２の設置は、直接そのピストンロッドＡ２１の端部で同一軸線上に沿 って延伸方向へ押し、ロッドＡ３一端を押動し、更に該押しロッドＡ３他端を、 該ガイド座Ａ４の送り溝Ａ１１下方に当接した位置に伸出させて、ナット成型素 材Ｂを押し出し、即ち、ナット成型素材Ｂから気圧シリンダＡ２末端までの距離 Ｌ１は、押しロッドＡ３長さと気圧シリンダＡ２長さ（ピストンロッドＡ２１の 長さを含む）を含んだ全長であり、実際上、この長さは、全体ねじ立て盤を設計 する際に直接この部分の長さの規範に影響をもたらすのみならず、作業員の操作 の便利性にもかなりの悪影響を与える。

【０００６】 元来、全体ねじ立て盤の操作は、ねじ立てされるナット成型素材Ｂのサイズの 相異により、異なる直径の押しロッドＡ３に交換することが屡々あって、この際 、作業員は気圧シリンダＡ２の外端に立って交換しなければならず、当然この距 離が長ければ長くなるほど交換作業が不便になる。即ち、これが従来のねじ立て 盤における送料機構の、この部分の長さを押しロッドＡ３長さと気圧シリンダ長 さを含んだ全長を要するがために作業が不便になった原因であり、また、送り溝 Ａ１１において成型素材の供給が不調或いは適当に調整しなければならない場合 、送り溝Ａ１１から気圧シリンダＡ２外端までの長さが長ければ長いほど操作に 不利であることは言うまでもない。

【０００７】 この他にも、ねじ立て盤における供給機構Ａ１がナット成型素材Ｂを各送り溝 Ａ１１に送る時、もしそのうちの何れかのナット成型素材Ｂがすでに送り終了或 いはナット成型素材Ｂの送り出しがスムースでない情況に遭遇すると、そのセッ トの送料機構はナット成型素材Ｂを供給されなくなるが、気圧シリンダＡ２とね じタップＡ７は継続作動して、作業員がそれを発見して電源を切断するまでは停 止しないので、エネルギーの浪費になる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のねじ立て盤における送料機構の問題点に鑑み、本考案は、その押し ロッドと気圧シリンダを含んだ長さを短縮して、押しロッドを交換またはそれに 関連した調整作業を便利に行えるようになり、且つ送り溝よりナット成型素材が 供給されない時には、直ちに気圧シリンダ及びねじ立て作動を停止させることが 出来るねじ立て盤における送料機構を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、そのガイド座と保持ジグとの間に複数の 引張りばねを跨設して、押しロッド一端を該ガイド座内に伸入させて、該保持ジ グ内まで移動出来るようにし、且つ気圧シリンダにより該押しロッド他端を駆動 して、間欠的に該ガイド座内に供給されるナット成型素材を該保持ジグ内に送り 込んで、ねじタップにより該ナット成型素材をねじ立てさせるねじ立て盤におい て、上記気圧シリンダを、上記押しロッドと平行状に配列するようねじ立て盤機 台の適宜な箇所に固設して、該気圧シリンダのピストンロッドを、上記ガイド座 外端向きに伸縮可能にし、且つ該ピストンロッドと該押しロッドの夫々外端を連 結体で連結して、該ピストンロッドの伸縮作動に伴ない該押しロッドを連動進退 出来るように構成される。

【００１０】 そして、上記連結体を、上記ガイド座外端に設けられて外向きに伸出する一対 の平行状補助支軸に軸装し、或いは、上記ガイド座及び保持ジグに、夫々センサ 及び感知棒を設けて、該感知棒一端を該センサ内に伸入させ、且つ該保持ジグが 外向きに移動する際に、該感知棒一端が該センサから離れるようにすれば一層好 ましくなる。

【００１１】

【考案の作用】

本考案は、上記のように、気圧シリンダと押しロッドを平行状に並設して、両 者の形成した長さを従来のねじ立て盤における気圧シリンダに押しロッドを加え た長さに比べて、大幅に短縮しているので、押しロッドの取り換えやそれに関連 する調整操作を行うのが極めて便利になる。

【００１２】 そして、上記連結体を、上記ガイド座外端に設けられて外向きに伸出する一対 の平行状補助支軸に軸装し、或いは、上記ガイド座及び保持ジグに、夫々センサ 及び感知棒を設けて、該感知棒一端を該センサ内に伸入させ、且つ該保持ジグが 外向きに移動する際に、該感知棒一端が該センサから移出出来るようにすると、 気圧シリンダのピストンロッドの伸縮作動を安定に支承し、且つ押しロッドを内 ，外にスムースに作動させるよう連動するのを助け、該連結体を巧く引導して所 定の滑り方向に移動するよう保持して、偏り捩りの状態が生じるのを防止出来る と共に、ねじ立て盤にナット成型素材を供給出来ない状態が生じると、直ちに気 圧シリンダとねじタップの作動を停止することが出来る。

【００１３】 この考案の上記またはその他の目的、特徴および利点は、図面を参照しての以 下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。

【００１４】

【実施例】

本考案は、元来のねじ立て盤における各部機構を変えない原則に基づいている ので、図面は本考案の要点（即ち、送料機構）についてのみ図示し、説明もそれ に従って進める。

【００１５】 先ず、図１に示す如く、本考案のねじ立て盤における送料機構は、従来のもの と同様に、ガイド座１及び保持ジグ１３を備えて、両者の間に複数の引張りばね １１を張設し、該ガイド座１２外端に、一対の外向きに平行状に凸伸する補助支 軸２を設けて、該補助支軸２に、その内部に両軸受３１を装備した横向き連結体 ３を軸装し、且つ該連結体３両端を、夫々押しロッド４及び気圧シリンダ５のピ ストンロッド５１に枢着させて、押しロッド４と気圧シリンダ５を平行状態に並 設する。そのうち、気圧シリンダ５は、ねじ立て盤機台の適当な位置に設けられ て、そのピストンロッド５１を外向き（即ち、該ガイド座１２外端向き）にし、 そして、伸縮する時に該連結体３を連動して該両補助支軸２沿いに滑り移動出来 るようにして、押しロッド４を駆動し、押しロッド４がガイド座１２内向きに移 行作動する時に、丁度ガイド座１２内に送り込まれたナット成型素材Ｃに当接し て、ナット成型素材Ｃを保持ジグ１３に送って回転するねじタップ１４によりね じを立てられる（そのねじ立て操作は、上記従来の技術の項で述べた操作と同じ ）のであり、このようにしてナット成型素材Ｃをねじ立て盤に送り込んでねじ立 て操作を進めるのである。

【００１６】 本実施例において、設置される両補助支軸２の作用は、気圧シリンダ５のピス トンロッド５１の伸縮作動時に支承する力を提供するもので、従って、それが押 しロッド４を内，外にスムースに作動させるよう連動するのを手助けると共に、 補助支軸２を対に設置しているため、連結体３を巧く引導して所定の滑り方向に 移動するよう保持して、偏り捩りの状態が生じるのを防止する。

【００１７】 また、本実施例において、気圧シリンダ５と押しロッド４を平行状に配設して いる態様は、両者の占める長さを従来のものに比べて大幅に短縮させているもの であり、本考案者の実施した結果を測定してみると、一般の対辺サイズが４６ｍ ｍのナット成型素材をねじ立てるねじ立て盤（異なるサイズ範囲のナット成型素 材は、異なる規格サイズのねじ立て盤によってねじ立て加工される）から言うと 、図４に示す従来のねじ立て盤における送料機構のように、ナット成型素材Ｂか ら気圧シリンダＡ２外端までの長さＬ１は約１、０００ｍｍ（１ｍ）もあって、 本実施例の図１に示す送料機構を見ると、気圧シリンダ５と押しロッド４は平行 状にかなりガイド座１２内側に食い込んで並設されているので、その最も外端に 伸出した部品は、両補助支軸２外端であり、ナット成型素材Ｃから最も凸出した 補助支軸２外端までの距離Ｌ２は約６００ｍｍ（０．６ｍ）であり、本考案の設 計は確かに送料機構の占める長さを大幅に短縮して、押しロッド４の取り換えや それに関連して調整すべき操作を行うのが便利になる。

【００１８】 一方、本考案において、ねじ立て盤にナット成型素材Ｃを供給出来ない状態が 生じると、直ちに気圧シリンダ５とねじタップ１４の作動を停止することが出来 る。これは図２に示すように、主として、ガイド座１２と保持ジグ１３の滑り軸 １３１（その間に軸受１３２を設けている）沿いに、夫々センサ６１と感知棒６ ２を設けて、感知棒６２一端を該センサ６１内に伸入させ、そして、保持ジグ１ ３が外端向きに移動する際に、感知棒６２がセンサ６１から離れるようにする。 このため送料機構が正常にねじ立て作業を行っている時は、押しロッド４が間欠 的にナット成型素材Ｃをひとつひとつ保持ジグ１３に送ってねじを造り、全体保 持ジグ１３がねじたて作業を行っている状態のもとで、ナット成型素材Ｃがねじ タップ１４によりねじを螺刻されて外に移行するに伴ない、それに固設された感 知棒６２が連動されて該センサ６１から離れ、且つねじ立て操作を完了すれば、 引張りばね１１の弾性復帰により、該感知棒６２外端が再びセンサ６１内に伸入 し、この操作を反覆作動する。そして一旦保持ジグ１３がナット成型素材Ｂを供 給されないでねじ立て作業を進めることが出来なくなると、保持ジグ１３は外向 きに移動しなくなり、それに装設した感知棒６２外端が、該センサ６１内にずっ と留まり、該感知棒６２が所定時間過ぎても該センサ６１から離れないと、該セ ンサ６１は直ちに感知信号を発して、その他関連ある制御回路と一緒に作用し、 気圧シリンダ５及びねじタップ１４の電源を切断して、気圧シリンダ５及びねじ タップ１４の作動を停止し、警告信号を発して、作業員の注意を促し適当な処置 を取らせるようにする。

【００１９】

【考案の効果】

上記のように構成された本考案は、気圧シリンダと押しロッドを平行状に並設 して、両者の形成した長さを従来のねじ立て盤における気圧シリンダに押しロッ ドを加えた長さに比べて大幅に短縮しているので、押しロッドの取り換えやそれ に関連する調整操作を行うのが便利になる。

【００２０】 そして、上記連結体を、上記ガイド座外端に設けられて外向きに伸出する一対 の平行状補助支軸に軸装し、或いは、上記ガイド座及び保持ジグに、夫々センサ 及び感知棒を設けて、感知棒一端を該センサ内に伸入させ、且つ保持ジグが外向 きに移動する際に、感知棒一端が該センサから離れるようにすると、気圧シリン ダのピストンロッドの伸縮作動を安定に支承し、加えて押しロッドを内，外にス ムースに作動させるよう連動するのを手助け、且つ連結体を巧く引導して所定の 滑り方向に移動するよう保持して、偏り捩りの状態が生じるのを防止すると共に 、ねじ立て盤にナット成型素材を供給出来ない状態が生じると、直ちに気圧シリ ンダとねじタップの作動を停止することが出来るので、エネルギーの浪費を防止 することが出来る。

【００２１】

【図面の簡単な説明】

【００２２】

【図１】図１は本考案のねじ立て盤における送料機構の
俯視図である。

【００２３】

【図２】図２は本考案のねじ立て盤における送料機構の
センサ装置取り付け表示図である。

【００２４】

【図３】図３は従来のねじ立て盤の外観斜視図である。

【００２５】

【図４】図４は従来のねじ立て盤における送料機構の俯
視図である。

【００２６】

【図５】図５は従来のねじ立て盤における送料機構の気
圧シリンダが押しロッドを駆動して成型素材を送り込む
立体表示図である。

【００２７】

【符号の説明】

２：補助支軸 ３：連結体 ４：押しロッド ５：気圧シリンダ １１：引張りばね １２：ガイド座 １３：保持ジグ １４：ねじタップ ５１：ピストンロッド ６１：センサ ６２：感知棒 Ｃ：ナット成型素材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】そのガイド座（１２）と保持ジグ（１３）
   間に複数の引張りばね（１１）を跨設して、押しロッド
   （４）一端を進退自在に該ガイド座（１２）内に伸入さ
   せて該保持ジグ（１３）内まで移動出来るようにし、且
   つ気圧シリンダ（５）により押しロッド（４）他端を駆
   動して、間欠的に該ガイド座（１２）内に供給されるナ
   ット成型素材（Ｃ）を該保持ジグ（１３）内に送り込ん
   で、ねじタップ（１４）によりねじ立てをするねじ立て
   盤において、上記気圧シリンダ（５）を、上記押しロッ
   ド（４）と平行状に配列するようねじ立て盤機台の適宜
   な箇所に取り付けて、該気圧シリンダ（５）のピストン
   ロッド（５１）を、上記ガイド座（１２）外端向きに伸
   縮可能にし、且つ該ピストンロッド（５１）と該押しロ
   ッド（４）の夫々外端を連結体（３）で連結して、該ピ
   ストンロッド（５１）の伸縮作動に伴ない該押しロッド
   （４）を連動進退出来るようにしてなるねじ立て盤にお
   ける送料機構。
2. 【請求項２】上記連結体（３）を、上記ガイド座（１
   ２）外端に設けられて外向きに伸出する一対の平行状補
   助支軸（２）に軸装してなる、請求項１に記載のねじ立
   て盤における送料機構。
3. 【請求項３】上記ガイド座（１２）及び保持ジグ（１
   ３）に、夫々センサ（６１）及び感知棒（６２）を設け
   て、該感知棒（６２）一端を該センサ（６１）内に伸入
   させ、且つ該保持ジグ（１３）が外向きに移動する際
   に、該感知棒（６２）一端が該センサ（６１）から離れ
   るようにしてなる、請求項１に記載のねじ立て盤におけ
   る送料機構。