JPH0646816B2 - 映像信号の処理回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、映像信号の処理回路に関する。

〔背景技術とその問題点〕

一般に、カラーモニタ受像機は例えば第１図に示すよう
に構成されている。

すなわち、第１図において、輝度信号Ｙと搬送色信号Ｃ
とのコンポジット信号Ｙ／Ｃが、入力端子(1)を通じて
搬送色信号除去用のトランプ回路(2)に供給されて輝度
信号Ｙが取り出され、この信号Ｙがアパーチャ補正回路
(3)に供給されてアパーチャ補正が行われ、この補正さ
れた輝度信号Ｙがマトリックス回路(4)に供給される。

なお、Ｒ_１はアパーチャ補正の補正量の調整用可変低抗
器で、この可変抵抗器Ｒ_１の出力電圧Ｅａが、アパーチ
ャ補正回路(3)にアパーチャ補正の補正量の制御電圧と
して供給され、電圧Ｅａが例えば高くなるほど補正量が
大きくなるように制御される。また、抵抗器Ｒ_２，Ｒ_３
は電圧Ｅａの制限用である。

さらに、端子(1)からのコンポジット信号Ｙ／Ｃがハイ
パスフィルタ(6)に供給されて搬送色信号Ｃが取り出さ
れ、この信号Ｃが色復調回路(7)に供給されて、赤、緑
及び青の色差信号が復調され、この色差信号がマトリッ
クス回路(4)において輝度信号Ｙと色差信号とがマトリ
ックスされて赤、緑及び青の三原色信号とされ、この三
原色信号がカラー受像管(5)に供給される。

この場合、トラップ回路(2)から取り出された輝度信号
Ｙの周波数特性は、例えば第２図に示すとおりであり、
このままではトラップ帯域のレスポンスが低下してしま
うので、アパーチャ補正回路(3)により例えば第３図に
示すような周波数特性に補正するものである。

ところで、ＶＴＲやビデオカメラなどにおいては、始め
から分離された輝度信号Ｙ及び搬送色信号Ｃを出力でき
るようにされているものがある。そして、そのように始
めから分離された信号Ｙ，Ｃを、第１図のモニタ受像機
で再生する場合には、第１図に破線で示すように、信号
Ｙ，Ｃは回路(3)，(7)に直接供給すればよい。

ところが、単にそのようにすると、輝度信号Ｙは、トラ
ツプ回路(2)を通らないので、トラップ帯域のレスポン
スの低下がないにもかかわらず、アパーチャ補正回路
(3)によりアパーチャ補正が行われてしまい、この結
果、再生画面はぎらついた不自然なものとなってしま
う。例えば、第２図及び第３図の特性の場合には、コン
ポジット信号Ｙ／Ｃの輝度信号Ｙの３MHzの周波数成分
は、トラップ回路(2)により10dB低下し、アパーチャ補
正回路(3)で６dBブーストされて４dBの低下とされてい
るが、破線で示すラインを通じて分離されている輝度信
号Ｙが供給されると、その３MHzの周波数成分は、アパ
ーチャ補正回路(3)により６dBブーストされるだけレベ
ルの低下がないので、コンポジット信号Ｙ／Ｃの輝度信
号Ｙに比べて10dBもレベルが大きくなってしまい、見苦
しい画面となってしまう。

また、第４図に示すモニタ受像機においては、コンポジ
ット信号Ｙ／Ｃがくし型フィルタ(8)により輝度信号Ｙ
と搬送色信号Ｃとに分離されると共に、トラップ回路
(2)は軽いトラップ特性された場合である。

しかし、この場合にも、始めから分離されている輝度信
号Ｙ及び搬送色信号Ｃの再生ができるようにすると、第
１図の受像機と全く同様の理由により再生画面が見苦し
くなってしまう。

〔発明の目的〕 この発明は、コンポジット信号の輝度信号にアパーチャ
補正を行うと共に始めから分離されている輝度信号に対
しては見苦しい場面とならないようにでき、且つ、何れ
の信号が入力されても、受像機で同じ最適画像を見られ
るようにするものである。

〔発明の概要〕

このため、この発明においては、始めから分離されてい
る輝度信号Ｙ及び搬送色信号Ｃを再生する場合には、ア
パーチャ補正回路(3)の補正量を小さくするようにした
ものである。

〔実施例〕

すなわち、例えば第５図に示すように、互いに連動する
スイッチＳ_１，Ｓ_２が設けられ、回路(2)，(6)からの信
号Ｙ，Ｃが、スイッチＳ_１，Ｓ_２の一方の接点Ａ，Ａに
それぞれ供給されると共に、始めから分離されている輝
度信号Ｙ及び搬送色信号Ｃは、入力端子(9Y)，(9C)を通
じてスイッチＳ_１，Ｓ_２の他方の接点Ｂ，Ｂにそれぞれ
供給され、スイッチＳ_１，Ｓ_２の出力が回路(3)，(7)に
それぞれ供給される。

また、抵抗器Ｒ_３にスイッチＳ_３及び抵抗器Ｒ_４の直列
回路が並列接続される。この場合、スイッチＳ_３は、ス
イッチＳ_１，Ｓ_２に連動すると共に、スイッチＳ_１，Ｓ
_２が接点Ａ，Ａに接続されているとき、オフになるもの
とされる。

このような構成において、スイッチＳ_１，Ｓ_２が接点
Ａ，Ａに接続されている場合には、スイッチＳ_３はオフ
であり、従って、これは第１図と同じ状態であるから端
子(1)からのコンポジット信号Ｙ／Ｃに対して適切なア
パーチャ補正が行われて画面に再生される。

一方、スイッチＳ_１，Ｓ_２が接点Ｂ，Ｂに接続されてい
る場合には、端子(9Y)，(9C)からの輝度信号Ｙ及び搬送
色信号ＣがスイッチＳ_１，Ｓ_２を通じて回路(3)，(7)に
供給され、その画面が再生される。そして、このとき、
スイッチＳ_１，Ｓ_２に連動してスイッチＳ_３がオンとな
るので、電圧Ｅａは抵抗器Ｒ_４により低くなり、従っ
て、アパーチャ補正量は小さくなる。従って、抵抗器Ｒ
_４の値を選定しておくことにより適切なアパーチャ補正
量となり、自然な再生画面を得ることができる。

こうして、この発明によれば、始めから分離されている
輝度信号Ｙ及び搬送色信号Ｃの再生画面に対しても適切
なアパーチャ補正を行うことができる。しかも、そのた
めの構成は簡単あり、コストアップも少ない。

なお、上述において、補正回路(3)は周波数特性だけを
変更してアパーチャ補正を行うものであってもよい。

〔発明の効果〕

本発明の構成によれば、コンポジット信号の輝度信号に
アパーチャ補正を行うが初めから分離されている輝度信
号に対しては、過度の補正をしないようにでき、コンポ
ジット信号Ｙ／Ｃから分離された輝度信号と、始めから
分離されている輝度信号との両方に対して夫々適切な周
波数特性の補正を行うことができ、両方の映像において
自然な再生画面を見ることができ、両方の映像において
自然な再生画面を見ることができる。しかも、そのため
の構成は非常に簡単であり、コストアップも少ない。

【図面の簡単な説明】 第１図〜第４図はこの発明を説明するための図、第５図
はこの発明の一例の系統図である。 (2)はトラップ回路、(3)はアパーチャ補正回路、(4)は
マトリックス回路、(6)はハイパスフィルタ、(7)は色復
調回路である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】輝度信号と搬送色信号とのコンポジット信
   号が供給される第１の入力端子と、始めから分離されて
   いる輝度信号及び搬送色信号がそれぞれ供給される第２
   及び第３の入力端子と、 上記第１の入力端子からのコンポジット信号を輝度信号
   と搬送色信号とに分離する分離回路と、 この分離回路からであって、この分離に伴って周波数特
   性の低下した輝度信号と、上記第２の入力端子からの輝
   度信号とを選択的に取り出す第１のスイッチ手段と、 上記分離回路からの分離された搬送色信号と、上記第３
   の入力端子からの搬送色信号とを選択的に取り出す第２
   のスイッチ手段と、 上記第１のスイッチ手段よりの出力信号の周波数特性の
   低下を補償するアパーチャ補正回路とを有し、 上記第１及び第２のスイッチ手段により選択された信号
   に連動して、上記始めから分離されている輝度信号を選
   択したときに補正量を小さくするように上記アパーチャ
   補正回路に対して制御を行う制御回路を有することを特
   徴とする映像信号の処理回路。