JPH0646559U - マットレス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クッション性，保温性，通気性に優れた，防
ダニ性のマットレスを提供する。 【構成】 忌避型防虫剤を含有した繊維で構成された厚
さ５mm以上の立体構造布帛をクッション材として用い，
その全面を繊維布帛で袋状に蔽った構造を有するマット
レス。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，防ダニ性，クッション性，保温性，通気性を有するマットレスに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より，マットレスは，ベッドやシート等の家具，寝具に供されることが多 い。近年，この寝具，家具等に発生しやすいダニによるアレルギー性ゼンソクや 鼻炎等の疾病が大きな問題となっている。このダニに対して寝具，家具等で行わ れているダニ駆除方法としては，ダニが高温，乾燥に弱いという性質を利用して 直射日光下で乾燥後，表面をたたいて駆除する方法や，電気掃除機で強制的に吸 引して駆除する方法等がとられている。

【０００３】 しかし，上述のごとき直射日光下で乾燥する方法は，ダニを死滅させる温度， 湿度に至らないことが多く，さらに，ダニが寝具等の内部の低温，多湿部分に移 動して生き延びるため，完全に駆除することはできず，一方，電気掃除機で吸引 する方法では，表面のダニの駆除のみで，内部に棲息するダニを駆除することは できず，防ダニ性を有した衛生的なマットレスが，現在，強く要望されている。

【０００４】 また，これら寝具，家具等に使用されるマットレスは，その目的に応じて種々 のクッション材が使用され実用に供されている。ベッドやシート等は，人体と係 わる部分が多いことから，快適性が重要視されており，マットレスにはクッショ ン性以外に，保温性，通気性，衛生性が求められている。現在，この分野で使用 されているクッション材には，スプリング，水，空気，発泡プラスチック，中綿 等があるが，前述のクッション性，保温性，通気性，衛生性を全て満足するもの がなく，スプリングを使用したマットレスは，クッション性，保温性，通気性に 優れているが，衛生性に問題があり，水や空気を使用したマットレスは，クッシ ョン性には優れているが，水や空気が洩れないように機密性を高くする必要があ る為に通気性の全くないものとなっている。また，発泡プラスチックを使用した マットレスは，クッション性，保温性に優れているが，通気性，衛生性に問題が あった。さらに，中綿を使用したマットレスは，中綿に衛生加工を行うことによ り防ダニ性を付与できるが，クッション性は不十分なものであった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は，このような現状に鑑みて行われたもので，防ダニ性が付与されたク ッション性，保温性，通気性に優れたマットレスを得ることを目的とするもので ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は，上記目的を達成するもので，次の構成よりなるものである。

【０００７】 すなわち，本考案は忌避型防虫剤を含有する繊維よりなる厚さ５mm以上の立体 構造布帛をクッション材とし，その全面を繊維布帛で袋状に蔽ってなる構造を特 徴とするマットレスを要旨とするものである。

【０００８】 以下，図面を用いて本考案のマットレスを，その一例により詳細に説明する。

【０００９】 本考案のマットレスは，図１に示すごとく，繊維布帛１を袋状に縫製等によっ て立体成形したものの内部に，クッション材として立体構造布帛２が充填されて なる構造を有するものである。

【００１０】 ここで用いる繊維布帛１は，天然繊維，合成繊維，再生繊維，半合成繊維の単 独あるいは混合によって構成された通常の織物，編物，不織布等を意味するもの である。本考案において，繊維布帛で蔽うことは第１の特徴で，これはマットレ スに通気性を付与させるために不可欠である。ここでフィルム状のものを用いる と，通気性の全くないマットレスになるので不適当である。

【００１１】 本考案の第２の特徴は，マットレスの内部に忌避型防虫剤を含有した繊維３で 構成された厚さ５mm以上の立体構造布帛をクッション材として有していることで ある。

【００１２】 本考案でいう立体構造布帛とは，厚さ方向のディメンションを重視した三次元 織物や三次元編物を意味し，具体的な三次元織物としては，ベルト織や三重織の ごとく，たて方向の繊維とよこ方向の繊維から組織された多重連結組織織物や， 多数の繊維の列間にこれと直交または斜交する方向の多数の繊維を織り込んで各 繊維を立体的に組織させた多軸組織織物を挙げることができる。また，三次元編 物としては，二重針床を有するたて編機にて編成されたたて編組織の編地で，表 裏に編成された地組織が中間の連結繊維によって一体化された立体構造編地等を 挙げることができる。

【００１３】 上述の立体構造布帛は二重，三重に重ねて用いると，クッション性や通気性， 保温性が非常によくなるので，必要に応じて適宜重ねて用いるとよい。

【００１４】 立体構造布帛２を構成している繊維は，合成繊維，天然繊維，再生繊維，半合 成繊維等の単独あるいは混合の繊維であり，クッション性から考慮すると，弾性 が高くかつ太デニールの繊維であることが好ましく，通常は５０〜１５００デニ ール，望ましくは２００〜１０００デニールものを用いると好適である。

【００１５】 立体構造布帛２の厚みは，５mm以上望ましくは１０mm以上必要であり，厚さが ５mm未満では，良好なクッション性が得られない。

【００１６】 次に，本考案で用いる忌避型防虫剤は，ダニ等の害虫が化学物質の刺激に反応 して，負の走行性を示しつつ刺激源から遠ざかる行動を利用して害虫の防除に用 いる薬剤であり，このような防虫剤としては，トルアミド系化合物よりなる忌避 型防虫剤等を挙げることができる。この忌避型防虫剤の繊維に対する含有量は， 防除しようとするダニ等の害虫に対して効果のある含有量であればよく，本考案 においては特に限定しない。含有させる方法についても特に限定はなく，上記有 効成分を含む溶液を用いて，含浸法，噴霧法，コーティング法等の公知の方法に より，立体構造布帛２を構成する繊維３に付与，常法で乾燥して含有させる方法 や，立体構造布帛を形成する前の繊維に前述と同一方法で含有せしめた後，立体 構造布帛を形成する方法等で行えばよい。

【００１７】 繊維に忌避型防虫剤を含有させる際に，繊維と接着性の良好な樹脂を併用する と，摩耗，柔み等に対する忌避型防虫剤の脱落防止性能が向上するので，さらに 好適である。

【００１８】 本考案は，以上の構成よりなるものである。

【００１９】

【作 用】

本考案のマットレスのごとく，忌避型防虫剤を含有する繊維よりなる立体構造 布帛をクッション剤として用い，その全面を繊維布帛で袋状に蔽うと，防虫剤の 作用によってダニのマットレス内部への侵入を未然に防ぐことができ，しかも， 立体構造布帛の厚さ方向の弾力性によって良好なクッション性を得ることができ るとともに，立体構造布帛の有する空隙の作用により，良好な通気性と保温性を 得ることができる。さらに立体構造布帛の全面を袋状に蔽う繊維布帛によって， 衣服の重ね着効果と同一の断熱，保温効果を得ることもできる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案によれば，防ダニ性，クッション性，保温性，通気性に優れたマットレ スを得ることができる。本考案のマットレスは，ベッドやシート等の寝具や家具 に供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のマットレスの一例を示す一部切除によ
る斜視図である。

【符号の説明】

１ 繊維布帛 ２ 立体構造布帛 ３ 忌避型防虫剤を含有する繊維

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 忌避型防虫剤を含有する繊維よりなる厚
   さ５mm以上の立体構造布帛をクッション材とし，その全
   面を繊維布帛で袋状に蔽ってなる構造を特徴とするマッ
   トレス。