JPH0646523U - 鞄等のベルト用連結具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 分離できる附属品を無くし、使用中に前記附
属品の紛失を防止するとともに、可及的に薄目に形成し
た。 【構成】 フレーム状連結具本体１の中央空間部２に、
固定ベルト連結用杆３及び可動ベルト連結用杆４をそれ
ぞれ横断方向かつ平行に形成するとともに、連結具本体
における可動ベルト連結用杆に対向する内縁に、鋸歯状
係止部５を形成し、また前記連結具本体側面は、途中に
一方向ストッパー７を形成した弾性片６に形成するとと
もに、可動ベルト固定片を連結具本体の側面長手方向に
スライド自在に係合配設した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、分離できる附属品を無くし、したがって使用中に前記附属品の紛 失を防止するとともに、可及的に薄目に形成した鞄等のベルト用連結具に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に各種の鞄、バッグ等に用いられるベルトを連結するために用いられるた めの連結具としては、例えば図６に示すものが存在する。すなわち中空状に形成 した錠掛具本体ａの一端部には、鍵具本体ｂに形成した２本の鍵脚ｃを挿入する ための鍵挿入口ｄを形成するとともに、前記錠掛具本体ａの他端及び前記鍵具本 体ｂにベルトｅを連結してある。また錠掛具本体ａの側面には、前記鍵具本体ｂ の鍵脚ｃの先端に形成した鍵部ｆを係止するために係止孔ｇを穿設するとともに 、この係止孔ｇに臨むように鍵解除用弾性片ｈが形成されている。

【０００３】 そしてこれによって連結する場合は、前記鍵具本体ｂの鍵脚ｃを錠掛具本体ａ の鍵挿入口ｄから前記鍵脚ｃの弾性に抗して中空内に挿入し、挿入し切った時点 で鍵脚ｃの弾性力によってその先端の鍵部ｆを前記係止孔ｇから飛出せしめ、も ってこの鍵部ｆを係止孔ｇに形成せしめてロックされるのである。

【０００４】 またこれを解除せしめる場合は、鍵解除用弾性片ｈを鍵脚ｃの弾性に抗して指 で挟みつけるようにして鍵部ｆを錠掛具本体ａの中空内に戻し、そのまま鍵具本 体ｂを錠掛具本体ａから抜き出すのである。

【０００５】 したがって錠掛具本体ａに対する鍵具本体ｂの着脱はきわめて簡単であるが、 特に解除する場合には、前記鍵解除用弾性片ｈを押圧することによって実現でき るため、使用中に前記鍵解除用弾性片ｈに手や衣服、その他が不慮に触れること によって、錠掛具本体ａから鍵具本体ｂが抜け出てしまうことがあった。

【０００６】 また錠掛具本体ａに対する鍵具本体ｂの連結は、鍵脚ｃにおける鍵部ｆによっ てのみなされているために、前記鍵脚ｃが弾性的に形成されているものの、経時 的にこの弾性が麻痺し、弾性力が喪失することがあり、これが原因で離脱するこ ともあった。

【０００７】 そのため本出願人は先に図７に示すように、前記従来用いられていた鞄等のベ ルト用錠掛具において、錠掛具本体ａの上面における前記鍵解除用弾性片ｈに平 行する仮想中央線上に突起ｉを突設し、かつこの突起ｉの両側に前記弾性片ｈと 並行する長孔ｊを穿設するとともに、前記長孔ｊに挿入し得る固定脚ｋを有する 錠掛片ｌを形成し、この錠掛片ｌにおける前記固定脚ｋの内側に、その天板ｍ下 面から錠掛具本体ａの肉厚とほぼ等しい間隔を保持して係止爪ｎを突設するとと もに、前記錠掛片ｌの天板ｍ下面に、前記突起ｉが挿通し得る段付き溝を形成し た連結具を開発した（実願平５−２３１２３号）。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

前記図７に示すものは、錠掛具本体ａに鍵具本体ｂの鍵脚ｃを挿入し、鍵脚ｃ の先端に形成した鍵部ｆを錠掛具本体ａの側面に形成した係止孔ｇに係止した後 、錠掛具本体ａに形成した長孔ｊに固定脚ｋを挿入し、錠掛片ｌを前記長孔ｊに 沿って鍵挿入口ｄ側に移動せしめるとともに、この錠掛片ｌを錠掛具本体ａの上 面に形成した突起ｉに係止し、かつ錠掛片ｌの固定脚ｋによって鍵脚ｃは係止孔 ｇに確実に係合せしめることによって連結し、またこれを解除する場合は、前記 錠掛片ｌを長孔ｊに沿って反対方向に移動せしめ鍵解除用弾性片ｈを押圧するこ とによって鍵脚ｃ先端に形成した鍵部ｆを係止孔ｇから中空内に戻し、この状態 で鍵具本体ｂを錠掛具本体ａから抜き出すため、錠掛具本体ａと鍵具本体ｂの連 結が、きわめて良好に実現することができるものの、これには前記のように錠掛 片ｌを用いるものであるため、錠掛片ｌの天板ｍ分が厚くなるのであった。

【０００９】 また前記錠掛片ｌは、その固定脚ｋ及び係止爪ｎの作用により錠掛具本体ａに 対して基本的には連結されているとはいえ、使用中に不慮又は偶発的に分離する ことも否めないばかりか、経時的に前記固定脚ｋが折損することがあり、これが 前記錠掛片ｌの紛失の原因ともなっていたのである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

そこでこの考案に係る鞄等のベルト用連結具は前記の課題を解決するために、 略方形状に形成したフレーム状連結具本体の中央空間部に、固定ベルト連結用杆 及び可動ベルト連結用杆をそれぞれ横断方向かつ平行に形成するとともに、前記 連結具本体における可動ベルト連結用杆に対向する内縁に、鋸歯状係止部を形成 し、また前記連結具本体側面は、途中に一方向ストッパーを形成した弾性片に形 成するとともに、可動ベルト固定片を連結具本体の側面長手方向にスライド自在 に係合配設したものである。

【００１１】

【作用】

すなわち、可動ベルト連結用間に掛渡した可動ベルトを調整した後、可動ベル ト固定片を弾性片の弾発力に抗して可動ベルト側にスライドせしめ、かつ一方向 ストッパーを乗り越えることによって原状に復帰した一方向ストッパーによって 可動ベルト固定片の移動を阻止するとともに、この可動ベルト固定片によって可 動ベルトを鋸歯状係止部に圧着せしめるようにして、可動ベルトの固定を図るの である。

【００１２】

【実施例】

次にこの考案に係る鞄等のベルト用連結具の一実施例を図１乃至図５に基づい て述べると、１は方形状に形成した連結具本体であり、この連結具本体１は、中 央に空間部２を有するフレーム状に形成してある。

【００１３】 ３は前記連結具本体１の前記空間部２を横断するように一体的に形成した固定 ベルト連結用杆であり、４はこの固定ベルト連結用杆３と平行し、かつ連結具本 体１の前記空間部２の内縁に形成した鋸歯状係止部５寄りに一体的に形成した可 動ベルト連結用杆である。

【００１４】 ６は、前記連結具本体１の両側面に形成した弾性片であり、この弾性片６は、 前記両側面を一段薄目に形成するとともにスリット９によって連結具本体１と分 離されつつ、両端部において連結具本体１に連結され、かつ途中にテーパー面を 設けた一方向ストッパー７を形成してある。

【００１５】 ８は断面を扁平なＣ字状に形成した可動ベルト固定片であり、この可動ベルト 固定片８は、前記連結具本体１の側面に形成した弾性片６上縁に形成されている スリット９に係合しつつ、弾性片６に沿ってスライド自在に配設されているので ある。

【００１６】 尚、図中１０は固定ベルト連結用杆３に連結した固定ベルトであり、１本の固 定ベルト１０を固定ベルト連結用杆３に掛け渡した後、２枚に重ね逢着してある 。１１は固定ベルト連結用杆３に連結した可動ベルトであり、１本の可動ベルト １１を可動ベルト連結用杆４に掛け渡した後、２枚に重ねるが逢着することなく 自由にしてある。

【００１７】 しかして弾性片６を、その弾発力に抗して押圧し、この弾性片６を一方向スト ッパー７が連結具本体１の空間部２内に退避する程度に押圧した状態で、可動ベ ルト固定片８を図１に示す矢印ｘ方向にスライドさせる。

【００１８】 その後、可動ベルト１１を可動ベルト連結用杆４に掛け渡し、長さ調整をした 後、可動ベルト固定片８を前記とは逆、すなわち図１における矢印ｙ方向にスラ イドせしめ、やがてこの可動ベルト固定片８が一方向ストッパー７を乗り越え通 過すると、一方向ストッパー７を介して押圧されていた弾性片６がその弾発力に よって原状に復帰し、前記一方向ストッパー７によって可動ベルト固定片８の移 動が阻止されるとともに、この可動ベルト固定片８によって可動ベルト１１は鋸 歯状係止部５に圧着され、ズレを生じないのである。

【００１９】 また前記の圧着を解く場合は、さきに述べたように、弾性片６をその弾発力に 抗して連結具本体１の空間部２内に退避させ、可動ベルト固定片８を矢印ｘ方向 方向へスライドさせればよいのである。

【００２０】 以上述べた実施例にあっては、図１に示す連結具本体１のみでベルトの連結を 行うことができるのであるが、例えば前記図６又は図７に示すような錠掛具本体 及び鍵具本体による雌雄の連結具において、可動ベルトを連結すべき錠掛具本体 に対しても用いることができる（図５参照）。

【００２１】

【考案の効果】

前記のようにこの考案に係る鞄等のベルト用連結具によれば、略方形状に形成 したフレーム状連結具本体の中央空間部に、固定ベルト連結用杆及び可動ベルト 連結用杆をそれぞれ横断方向かつ平行に形成するとともに、前記連結具本体にお ける可動ベルト連結用杆に対向する内縁に、鋸歯状係止部を形成し、また前記連 結具本体側面には、途中に一方向ストッパーを形成した弾性片に形成するととも に、可動ベルト固定片を連結具本体の側面長手方向にスライド自在に係合配設し てあるので、可動ベルト連結用間に掛渡した可動ベルトを調整した後、可動ベル ト固定片を弾性片の弾発力に抗して可動ベルト側にスライドせしめ、かつ一方向 ストッパーを乗り越えることによって原状に復帰した一方向ストッパーによって 可動ベルト固定片の移動を阻止するとともに、この可動ベルト固定片によって可 動ベルトを鋸歯状係止部に圧着せしめるようにして、可動ベルトの固定を図るこ とができ、分離できる附属品を無くし、したがって使用中に前記附属品の紛失を 防止するとともに、可及的に薄目に形成することができるという効果を有するの である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る鞄等のベルト用連結具の一実施
例を示す斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線方向から視た可動ベルトの非圧
着状態を示す断面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線方向から視た可動ベルトの圧着
状態を示す断面図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】他例を示す斜視図である。

【図６】従来例を示す斜視図である。

【図７】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 連結具本体 ２ 空間部 ３ 固定ベルト連結用杆 ４ 可動ベルト連結用杆 ５ 鋸歯状係止部 ６ 弾性片 ７ 一方向ストッパー ８ 可動ベルト固定片 ９ スリット １０ 固定ベルト １１ 可動ベルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略方形状に形成したフレーム状連結具本
   体の中央空間部に、固定ベルト連結用杆及び可動ベルト
   連結用杆をそれぞれ横断方向かつ平行に形成するととも
   に、前記連結具本体における可動ベルト連結用杆に対向
   する内縁に、鋸歯状係止部を形成し、また前記連結具本
   体側面は、途中に一方向ストッパーを形成した弾性片に
   形成するとともに、可動ベルト固定片を連結具本体の側
   面長手方向にスライド自在に係合配設したことを特徴と
   する鞄等のベルト用連結具。