JPH0646323U - 電磁流量計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 検出電極の構成を安定性があるように改良し
た電磁流量計を提供するにある。 【構成】 セラミックス性の測定管の外側から磁場を印
加しこの磁場の方向に対して直角方向に配置された検出
電極と測定流体の間に形成される静電容量を介して先の
測定流体の流量に対応する信号電圧を測定する電磁流量
計において、先の検出電極を先の測定管の外表面に導電
性セラミックスでコーテイングして形成するようにした
ものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、セラミックス性の測定管の外側から磁場を印加しこの磁場の方向に 対して直角方向に配置された検出電極と測定流体の間に形成される静電容量を介 して測定流体の流量に対応する信号電圧を測定する電磁流量計に係り、特に、こ の検出電極の構成を安定性があるように改良した電磁流量計に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は従来のセラミックスを用いた電磁流量計の測定管近傍の構成を示す縦断 面図である。１０はセラミックス製の円筒形の測定管であり、この中に測定流体 Ｑが流される。

【０００３】 一方、この測定管１０の断面に直角方向から交流の磁場Ｂが印加されており、 この磁場Ｂとは直交する方向であってこの測定管１０の外表面には金属性の円弧 状の検出電極１１Ａ、１１Ｂがエポキシ樹脂などの絶縁性の接着剤１２Ａ、１２ Ｂで固定されている。

【０００４】 これらの検出電極１１Ａ、１１Ｂからは、それぞれ電極リード線１３Ａ、１３ Ｂが引き出されている。そして、コの字形に形成された金属性のガード電極１４ Ａ、１４Ｂが検出電極１１Ａと１１Ｂとを外部から覆って測定管１０の外面に配 置されている。

【０００５】 さらに、これらの検出電極１１Ａと１１Ｂを結ぶ方向とは直角方向、つまり磁 場Ｂと同じ方向の測定管１０の外表面には、円弧状の金属性のガード電極１５Ａ ₁ 、１５Ａ₂、及び１５Ｂ₁、１５Ｂ₂がエポキシ樹脂などの絶縁性の接着剤１６、 １７で固定されている。

【０００６】 これ等のガード電極１５Ａ₁と１５Ａ₂はガード電極１４Ａにより、１５Ｂ₁と １５Ｂ₂はガード電極１４Ｂにより、それぞれと半田付けなどにより電気的に結 合されている。

【０００７】 以上のように構成された電磁流量計は、次のように動作する。磁場Ｂが測定管 １０の外側から印加され、この測定管１０に測定流体Ｑが流れると、この磁場Ｂ と測定流体Ｑが流れる方向とに直角方向に、つまり図３の構成でいくと測定管１ ０の内面で左右方向に信号電圧ｅが発生する。

【０００８】 一方、測定流体Ｑと検出電極１１Ａ、１１Ｂとの間にあるセラミックス製の測 定管１０が介在しているので、これらの間に静電容量Ｃ_A、Ｃ_Bがそれぞれ形成さ れている。

【０００９】 そこで、この信号電圧ｅはこれらの静電容量Ｃ_A、Ｃ_Bを介して電極リード線１ ３Ａ、１３Ｂから取り出される。取り出された信号電圧ｅは、高入力インピーダ ンスの増幅器で受信され増幅されて低インピーダンスの信号電圧として信号処理 回路に伝送されここで信号処理がなされる。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、以上のような電磁流量計は、測定管１０、検出電極１１Ａ、１ １Ｂの材料、接着剤１２Ａ、１２Ｂなどの熱膨張係数がそれぞれ異なっているの で、測定流体Ｑの温度が高いときには、測定管１０と検出電極１１Ａ、１１Ｂと の間に空気層が形成され、このため一定の静電容量Ｃ_A、Ｃ_Bを維持することがで きず、ゼロ点の変動、或いはスパン変動などを引き起こし、高信頼性を確保する ことができないという問題がある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上の課題を解決するための主な構成として、セラミックス性の測 定管の外側から磁場を印加しこの磁場の方向に対して直角方向に配置された検出 電極と測定流体の間に形成される静電容量を介して先の測定流体の流量に対応す る信号電圧を測定する電磁流量計に係り、先の検出電極を先の測定管の外表面に 導電性セラミックスでコーテイングして形成するようにしたものである。

【００１２】

【作 用】

測定流体が流されるセラミックス性の測定管の外表面に材料的に同質な導電性 セラミックスでコーテイングして検出電極を形成するようにしたので、高温の測 定流体を流しても検出電極が測定管からはがれて検出電極と測定流体の間に形成 される静電容量が変化することがなく、長期に亘って安定な測定を継続すること ができる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図を用いて説明する。図１は本考案の１実施例 の構成を示す縦断面図である。 ２０はセラミックス（ＡＬ₂Ｏ₃）製の円筒状の測定管であり、測定流体Ｑが流 される。

【００１４】 この測定管２０の外周面には一対のセラミッスの検出電極２１Ａ、２１Ｂがコ ーテイングにより形成されている。このセラミッスは、例えばＴｉＣ、ＴｉＮ、 ＳｉＣなどの導電性を持つものが選定されて密着固定されている。さらに、検出 電極２１Ａ、２１Ｂからはそれぞれ電極リード２２Ａ、２２Ｂが引き出されてい る。

【００１５】 したがって、測定管２０とこれ等のコーテイングされた検出電極２１Ａ、２１ Ｂはぼ同材質のセラミックスで構成されることとなるので、その温度係数もほぼ 等しく、このため高温の測定流体Ｑを流しても何等問題が生じない。

【００１６】 図２はこの測定管２０にガードを施したときの構成を示す縦断面図である。検 出電極２１Ａ、２１Ｂと測定流体Ｑとの間に形成される静電容量Ｃ_A´、Ｃ_B´は 極めて小さい値であるので、電極リード２２Ａ、２２Ｂで取り出される信号電圧 ｅ´はハイインピーダンスで取り出される。

【００１７】 このため、周囲からノイズの影響を受け易くなる。そこで、この影響を低減す るために、コの字形に形成された金属性のガード電極２３Ａ、２３Ｂが検出電極 ２１Ａと２１Ｂとを外部から覆って測定管２０の外面に配置される。

【００１８】 さらに、これらの検出電極２１Ａと２１Ｂを結ぶ方向とは直角方向、つまり磁 場Ｂと同じ方向の測定管２０の外表面には、円弧状に導電性のセラミックスのガ ード電極２４Ａ₁、２４Ａ₂、及び２４Ｂ₁、２４Ｂ₂がコーテイングにより固定さ れている。

【００１９】 これ等のガード電極２４Ａ₁と２４Ａ₂はガード電極２３Ａにより、２４Ｂ₁と ２４Ｂ₂はガード電極２３Ｂにより、それぞれ電気的に接続されている。ガード 電極２３Ａ、ガード電極２４Ａ₁、及び２４Ａ₂が一体となったガード電極には検 出電極２１Ａの電位と同一の電位が外部回路（図示せず）から低インピーダンス で供給され、実質的これらの間に静電容量が生じないようにされている。

【００２０】 また、ガード電極２３Ｂ、ガード電極２４Ｂ₁、及び２４Ｂ₂が一体となったガ ード電極には検出電極２１Ｂの電位と同一の電位が外部回路（図示せず）から低 インピーダンスで供給され、実質的これらの間にも静電容量が生じないようにさ れている。

【００２１】

【考案の効果】

以上、実施例と共に具体的に説明したように本考案によれば、測定流体が流さ れるセラミックス性の測定管の外表面に材料的に同質な導電性セラミックスでコ ーテイングして検出電極を形成するようにしたので、高温の測定流体を流しても 検出電極が測定管からはがれて検出電極と測定流体の間に形成される静電容量が 変化することがなく、長期に亘って安定な測定を継続することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の構成を示す縦断面図であ
る。

【図２】本考案の他の実施例の構成を示す縦断面図であ
る。

【図３】従来の電磁流量計の構成を示す縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１０、２０ 測定管 １１Ａ、１１Ｂ、２１Ａ、２１Ｂ 検出電極 １２Ａ、１２Ｂ 接着剤 １４Ａ、１５Ａ₁、１５Ａ₂、１４Ｂ、１５Ｂ₁、１５Ｂ₂
ガード電極 ２３Ａ、２４Ａ₁、２４Ａ₂、２３Ｂ、２４Ｂ₁、２４Ｂ₂
ガード電極

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】セラミックス性の測定管の外側から磁場を
   印加しこの磁場の方向に対して直角方向に配置された検
   出電極と測定流体の間に形成される静電容量を介して前
   記測定流体の流量に対応する信号電圧を測定する電磁流
   量計において、前記検出電極を前記測定管の外表面に導
   電性セラミックスでコーテイングして形成したことを特
   徴とする電磁流量計。
2. 【請求項２】前記測定管の外表面であって前記検出電極
   以外の部分を導電性セラミックスでコートして形成され
   た第１ガード電極とこの第１ガード電極と電気的に結合
   されて前記検出電極を覆う金属性の第２ガード電極とを
   有することを特徴とする請求項１記載の電磁流量計。