JPH0646221Y2 - ブラシレスモ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はブレシレスモータに関する。

〔従来の技術とその問題点〕

従来のブラシレスモータ−特にインハブ型のブラシレス
モータ−に於て、ディスク及びハブに生じた静電気を放
電させるための構造は、次のようになっていた。即ち、
ブラシレスモータの回転軸の端部に軸心方向小孔を凹設
し、これにアース球を挿入すると共に、ブラシレスモー
タのブラケットのフランジ部が取付けられるベース側
に、該アース球に接触する接点材が設けられていた。従
って、ブラシレスモータをベースに取付けて、はじめ
て、上記静電気を放電させる構造が完成した。

このような従来のアース接続用構造では、ベースにブラ
シレスモータを取付ける作業が面倒となる欠点、アース
接続に不良を生じやすい欠点、及び大型部品であるベー
ス側に接点材を付設せねばならず製造上不利である等の
欠点を有していた。

〔問題点を解決するための手段〕

円筒部を有するブラケットと、該円筒部の孔部に軸受を
介して回転自在に枢支された回転軸と、該回転軸の一端
に連設されたハブと、該ハブの内部に固着されたロータ
マグネットと、上記円筒部の外周に固着されたステータ
と、を備えたブラシレスモータに於て、上記回転軸の他
端を上記円筒部の逆ハブ側の端部に対応させると共に、
該円筒部の逆ハブ側の端部に、上記孔部を密封するよう
に導電材料のアース接続部材を、上記回転軸の他端の端
面に近接状に対面させて装着し、かつ、該回転軸の他端
の端面に軸心方向の小孔を凹設して、該小孔内に、弾発
部材を収納すると共に、該弾発部材の弾発力によって上
記アース接続部材に弾発的に接触する接点部材を、上記
小孔に軸心方向摺動可能として挿入した。

〔作用〕

ブラケットの円筒部の逆ハブ側の端部に、アース接続部
材及び弾発部材等が全て内蔵されて、アース機能を予め
有する一体のブラシレスモータが組立可能となる。これ
を単にベースに取付ければ、ディスク、ハブに生じた静
電気は、上記アース機能を介して、ブラケット及びベー
スへ放電される。

また、ブラケットの円筒部の孔部をアース接続部材で密
封しているので、孔部を通る空気の流れが阻止され、軸
受のグリース等がモータ外部に飛散しない。さらに、弾
性部材の弾発力によって、接点部材をアース接続部材に
弾発的に接触させているので、アース接続が確実とな
る。しかも、弾性部材及び接点部材の一部を回転軸の小
孔に収納する構成であるから、アース接続用構造をコン
パクトにすることができる。

〔実施例〕

第１図に於て、いわゆるインハブ型のブラシレスモータ
を示す。即ち、１は円筒部２とフランジ３から成るブラ
ケットであり、一般にアルミ等の金属製である。フラン
ジ３は円筒部２の一方の端部に連設され、ベースＢの窓
部４にボルト等の固着具（同図中一点鎖線Ａで示した）
にて取付けられる。

この円筒部２の孔部５に軸受6,6を介して、回転軸７が
回転自在に枢支されている。椀型のハブ８は、該回転軸
７の一端に連設されて一体に回転する。このハブ８の内
部にはロータマグネット10が固着される。

他方、ブラケット１の円筒部２の外周には、ステータ11
が固着される。このステータ11及び円筒部２を、ロータ
マグネット10付のハブ８が包囲するように、配設され
る。

しかして、第１図と第２図に於て、円筒部２の孔部５の
下方の開口内周端縁部12−つまりハブ８とは逆の側−
に、鋼・アルミ・銅等の金属製薄板材をプレス加工によ
り浅皿状に成型したキャップ14を、密封状に装着する。

このように、導電材料のアース接続材料Ｅとしてのキャ
ップ14と、回転軸７の他端15とを、所定間隔で対応させ
る。即ち、アース接続部材Ｅは、回転軸７の他端15の端
面16と近接状に対面している。この回転軸７の他端15の
端面16には、軸心方向の小孔17が凹設され、その内部
に、コイルスプリングからなる弾発部材20を収納した
後、耐摩耗性と導電性に優れたルーロン（商品名）等か
ら成るきのこ型の接点材料19を軸心方向摺動可能に挿入
する。この接点材料19の先端は、小孔17から突出して、
密封状に施蓋したアース接続部材Ｅの内面に、回転自在
に、かつ、上記弾発部材20にて弾発的に、接触してアー
ス接続状態が確実に保たれる。従って、ハブ８等の静電
気は、回転軸７→弾発部材20及び接点部材19→アース接
続部材Ｅ→フランジ３→ベースＢと順次流れることがで
きる。

〔考案の効果〕

本考案は上述の構成により次のような著大な実用的効果
を奏する。

本考案のブラシレスモータは単体にて既にハブ８から
ブラケット１のフランジ３までアース接続状態に組立て
られているから、ベースＢに取付ければ、該フランジ３
を介して、外部へアース接続が簡単にできる。従って、
別途、ベースＢ側に特別なアース接続用部品を付設する
必要がなくなり、ベースＢへのブラシレスモータの取付
作業の容易化・迅速化・確実化を図ることができた。

アース接続の不良率が減少できる。

大型部品であるベースＢ側の製作と組立が容易とな
る。

ブラケット１の円筒部２の孔部５をアース接続部材Ｅ
で密封しているので、孔部５を通る空気の流れが阻止さ
れ、モータ内部、特に軸受６のグリース等がモータ外部
に飛散することが効果的に防止できる。

弾発部材20の弾発力によって、接点部材19をアース接
続部材Ｅに弾発的に接触させているので、弾性部材20と
接点部材19を確実に接触させることができる。

弾発部材20及び接点部材19の一部を回転軸７の小孔17
に収納する構成であるから、アース接続用構造をコンパ
クトにすることができ、モータの小型化を図り得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面正面図、第２図は
要部拡大断面図である。 １……ブラケット、２……円筒部、５……孔部、６……
軸受、７……回転軸、８……ハブ、10……ロータマグネ
ット、11……ステータ、15……他端、16……端面、17…
…小孔、19……接点部材、20……弾発部材、Ｅ……アー
ス接続部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒部（２）を有するブラケット（１）
   と、該円筒部（２）の孔部（５）に軸受（６）を介して
   回転自在に枢支された回転軸（７）と、該回転軸（７）
   の一端に連設されたハブ（８）と、該ハブ（８）の内部
   に固着されたロータマグネット（10）と、上記円筒部
   （２）の外周に固着されたステータ（11）と、を備えた
   ブラシレスモータに於て、 上記回転軸７の他端15を上記円筒部２の逆ハブ側の端部
   に対応させると共に、該円筒部（２）の逆ハブ側の端部
   に、上記孔部（５）を密封するように導電材料のアース
   接続部材（Ｅ）を、上記回転軸（７）の他端（15）の端
   面（16）に近接状に対面させて装着し、かつ、該回転軸
   （７）の他端（15）の端面（16）に軸心方向の小孔（1
   7）を凹設して、該小孔（17）内に、弾発部材（20）を
   収納すると共に、該弾発部材（20）の弾発力によって上
   記アース接続部材（Ｅ）に弾発的に接触する接点部材
   （19）を、上記小孔（17）に軸心方向摺動可能として挿
   入したことを特徴とするブラシレスモータ。