JPH0645667A - 固体レーザ装置 - Google Patents

固体レーザ装置

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JPH0645667A
JPH0645667A JP13861692A JP13861692A JPH0645667A JP H0645667 A JPH0645667 A JP H0645667A JP 13861692 A JP13861692 A JP 13861692A JP 13861692 A JP13861692 A JP 13861692A JP H0645667 A JPH0645667 A JP H0645667A
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JP
Japan
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laser medium
solid
medium
state laser
cooling
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Application number
JP13861692A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Sekiguchi
宏 関口
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】固体レーザ媒体に不均一な温度分布を生じさせ
ないように冷却する。 【構成】固体レーザ媒体を冷却する冷媒流通路における
固体レーザ媒体を冷却する領域の流路断面積を上流側に
比較して下流側を小さくしたことにより、冷媒の流速を
上流側より下流側が大きくなるようにして上流側と下流
側における冷媒の温度差に基づく冷却度合いの相違を相
殺し、これにより、固体レーザ媒体に冷却に基づく不均
一な温度分布が生じないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体レーザ媒体を用い
たレーザ発振器や光増幅器等の固体レーザ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の固体レーザ装置としては、例え
ば、特開平2ー201980号公報に記載されたものが
知られている。図10はこの従来の固体レーザ装置たる
YAGスラブレーザ装置の主要部の概略構成を示す部分
断面図である。
【0003】図10において、符号11は長尺板状をな
したYAGスラブレーザ媒体である。図10はこのYA
Gスラブレーザ媒体11の長手方向に直交する面で切断
した部分断面図である。このYAGスラブレーザ媒体1
1の表裏の面に対向する部位にはそれぞれ励起光源たる
ランプ12a,12bが配置されており、これらランプ
12a,12bの周囲にはリフレクタ13a,13bが
それぞれ設けられている。また、ランプ12a,12b
と、YAGスラブレーザ媒体11の表裏の面との間には
ガラス製の透明仕切板14a,14bがそれぞれ介在さ
れている。そして、これらYAGスラブレーザ媒体1
1、ランプ12a,12b、リフレクタ13a,13b
及び透明仕切板14a,14bは、ケース105に収納
されているとともに、YAGスラブレーザ媒体11の表
裏の面と透明仕切板14a,14bとの間にYAGスラ
ブレーザ媒体11を冷却する冷媒たる冷却水を流通させ
る冷媒流通路16が形成されている。この冷媒流通路1
6は、図10の矢印pで示されるように、YAGスラブ
レーザ媒体11の幅方向における一方の端部から他方の
端部に向かって冷却水を流通させるものである。なお、
YAGスラブレーザ媒体11の幅方向における両側部に
は断熱部材を兼ねた整流板17a,17bが取り付けら
れている。また、実際にはランプ12a,12bも水冷
されるが、図10ではその点の構成等は省略してある。
【0004】また、固体レーザ媒体として、上述のスラ
ブレーザ媒体以外のロッド状や管状のYAG等の結晶や
レーザガラスを用いた固体レーザ装置においては、通常
光軸方向に沿って冷却水等の液体、空気、ガス等の冷媒
を流してレーザ媒体の冷却を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の従来
のYAGスラブレーザ装置においては、冷媒流通路16
の下流側における冷却水は、上流側でYAGスラブレー
ザ媒体11を冷却して既に温まった冷却水である。この
ため、必然的に下流側の冷却度合いが上流側に比較して
小さくなり、その結果、YAGスラブレーザ媒体11に
この冷却度合いの相違による幅方向の温度分布が生ずる
という問題があった。このような温度分布は、冷却水の
流速を上げることで緩和はされるが、冷却水を循環させ
るポンプの噴出圧力には限度があり、また配管やランプ
ハウス等の耐圧能力にも限度があるため冷却水の流速を
上げることだけでは解決できない問題である。このよう
にスラブの幅方向に不均一な温度分布が発生すると、励
起入力によってレーザビームの出射方向が変化したり、
横モードが不安定になったり、あるいは、発振効率が低
下することになる。このため、このYAGスラブレーザ
装置を、例えば、金属の切断加工、溶接加工、穴あけ加
工などに用いる大出力のレーザ発振装置に用いた場合に
は、加工位置、加工幅、加工深さなどが変化し、高精度
の加工が難しくなるという不都合が生じていた。また、
例えば、このYAGスラブレーザ装置を、レーザビーム
の出射方向や横モードに高い安定性を必要とする電気部
品のトリミングや波長変換用のレーザ装置として用いる
場合にも十分な安定性が得られないという問題があっ
た。
【0006】このような事情は、固体レーザ媒体とし
て、スラブレーザ媒体以外のロッド状や管状のYAG等
の結晶やレーザガラスを用いた固体レーザ装置において
も同様であった。
【0007】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、固体レーザ媒体を冷却する冷媒を流通させる
冷媒流通路の上流側と下流側とにおける冷媒に温度差が
生じても固体レーザ媒体に温度分布が生じないようにし
た固体レーザ装置を提供することを目的としたものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明かかる固体レーザ装置は、(1) 固体レ
ーザ媒体と、この固体レーザ媒体を励起する励起光源
と、前記固体レーザ媒体を冷却する冷媒を流通させる冷
媒流通路とを有する固体レーザ装置において、前記冷媒
流通路における前記固体レーザ媒体を冷却する領域の流
路断面積を上流側に比較して下流側を小さくしたことを
特徴とする構成とした。
【0009】また、この構成1の態様として、(2)
構成1の固体レーザ装置において、前記固体レーザ媒体
が、略長尺板状をなしたスラブレーザ媒体であり、前記
冷媒流通路が、前記スラブレーザ媒体の幅方向にそって
冷媒を流通させるものであることを特徴とした構成、及
び、(3) 構成1の固体レーザ装置において、前記冷
媒流通路が、前記固体レーザ媒体の長手方向にそって冷
媒を流通させるものであることを特徴とした構成とし
た。
【0010】
【作用】上述の構成1によれば、冷媒流通路における前
記固体レーザ媒体を冷却する領域の流路断面積を上流側
に比較して下流側を小さくしたことにより、冷媒の流速
が上流側に比較して下流側が大きくなる。ここで、流通
する冷媒によって被冷却体を冷却する場合、冷媒と被冷
却媒体との温度差が大きいほど、また、冷媒の流速が大
きい程、冷却度合いが高くなる。上記構成1の場合に
は、上流側において冷媒と被冷却媒体との温度差は下流
側に比較して大きいが流速は小さい。下流側においては
この逆の関係にある。したがって、上流側と下流側の断
面積の比を適切に設定すると、上流側と下流側とでその
冷却度合いを等しくすることができる。これにより、固
体レーザ媒体に不均一な温度分布を生じさせることなく
冷却が可能になる。
【0011】構成2によれば、スラブレーザ媒体を長手
方向は勿論のこと、幅方向においても不均一な温度分布
を生じさせることなく冷却することができ、構成3によ
れば、冷媒流通路を固体レーザ媒体の長手方向にそって
形成した場合において不均一な温度分布を生じさせるこ
となく冷却することが可能となる。
【0012】
【実施例】第1実施例 図2は本発明の第1実施例にかかる固体レーザ装置の要
部外観斜視図、図1は図2のIーI線断面図である。以
下、これらの図面を参照にしながら第1実施例を詳述す
る。なお、この実施例は、図10に従来例として示した
固体レーザ装置と同様に、レーザ媒体としてYAGスラ
ブレーザ媒体を用いた場合の例であり、図10の装置と
共通する部分が多い。したがって、以下の説明では共通
する部分には同一の符号を付してその説明の一部を省略
し、本実施例に特徴的な点を中心に説明する。
【0013】この実施例が上述の図10に示される従来
例とを異なる点は、従来例における透明仕切板14a,
14bのかわりに、厚さを下流側に行くにしたがって徐
々に厚くなるようにした透明仕切板140a,14bを
用い、その厚さの差の分だけ冷媒流通路16の流路断面
積が下流側に行くにしたがって小さくなるようにした点
である。その他の点は上記従来例と同じである。すなわ
ち、この透明仕切板140a,140bはランプ12
a,12bと対向する面がYAGスラブレーザ媒体11
の表面と略平行な面となっているが、YAGスラブレー
ザ媒体11の表面と対向する面は、上流側から下流側に
行くにしたがって厚さが増すように傾斜面となってい
る。これにより、冷媒流通路16におけるYAGスラブ
レーザ媒体11を冷却する領域の流路断面積が上流側に
比較して下流側を小さくなるようになっている。冷媒と
しての冷却水は、冷媒流通路16の上流側に形成された
冷媒導入口160aから流入され、YAGスラブレーザ
媒体11の表裏の面と透明仕切板140a,140bと
で形成される流路を通って下流側に形成された冷媒排出
口160bを通じて排出される。この場合、YAGスラ
ブレーザ媒体11の表裏の面と透明仕切板140a,1
40bとで形成される流路の断面積は、下流側に行くに
したがって小さくなっているので、冷却水の流速は上流
側に比較して下流側が大きくなる。したがって、上流側
と下流側の断面積の比を適切に設定すると、上流側と下
流側とでその冷却度合いを等しくすることができ、これ
により、固体レーザ媒体に不均一な温度分布を生じさせ
ることなく冷却が可能になる。
【0014】ここで、この実施例では、YAGスラブレ
ーザ媒体11として、長さ151mm、厚さ6mm、幅
20mmのNd:YAGスラブ(Ndドープ量1.0原
子%)を用いた。このスラブの長さ方向の両端は、角度
約30度の斜面に仕上げ、スラブ内部において12回全
反射をするジグザグの光路をとるようにした。
【0015】ランプ12a,12bとしては、発光長約
126mm、内径10mmφのクリプトンフラッシュラ
ンプ(米国ILC社製、型番10F5)を用いた。
【0016】リフレクタ13a,13bは、反射効率の
高い白色セラミック(三井鉱山(株)製、商品名:マセ
ライト)で構成した。なお、白色セラミックのかわりに
アルミその他の金属の表面に金メッキして反射面を形成
したものを用いてもよい。
【0017】透明仕切板140a,140bはパイレッ
クスガラスで構成した。ここで、YAGスラブレーザ媒
体11の表裏の面と透明仕切板140a,140bとで
形成される流路の断面が略長方形となるが、上流側のY
AGスラブレーザ媒体11の端部における表裏の面と透
明仕切板140a,140bの表面との間隙が0.8m
mになり、下流側のYAGスラブレーザ媒体11の端部
における表裏の面と透明仕切板140a,140bの表
面との間隙を0.3mmになるように設定した。
【0018】ケース15は、YAGスラブレーザ媒体1
1、ランプ12a,12b、リフレクタ13a,13b
等を水漏れすることなく保持封止するためにアルミ合金
製(表面はアルマイト処理)とした。
【0019】整流板17a,17bは、冷却水の流通を
スムーズにすると同時にYAGスラブレーザ媒体11の
側面を断熱するためにテフロン(ポリテトラフルオロエ
チレンについてのデュポン社の商標名)で構成した。
【0020】なお、実際には、YAGスラブレーザ媒体
11の外にも、ランプ12a,12b及びリフレクタ1
3a,13bも水冷するが、その構成は省略した。ま
た、これらを冷却する冷媒としては純水を用い、この純
水を循環式純水冷却装置(冷却能力約20kw、純水流
量毎分約40リットル)で循環して流通させるようにし
ているが、その構成も省略した。さらにはランプ12
a,12bに駆動電力を供給するための高圧電源装置も
しくはその制御装置等も省略してある。
【0021】上述の構成の固体レーザ装置は、YAGス
ラブレーザ媒体11の長手方向の端面(レーザ光の入・
出射面)からレーザ光を入射させてこれを増幅する光増
幅器として用いることもできるが、レーザ光の入・出射
面に対向する部位におけるレーザ光の光路上にレーザ共
振器を構成する反射鏡を配置することにより、YAGス
ラブレーザ発振装置を構成することができる。そこで、
この実施例の固体レーザ装置にレーザ共振器を付加して
YAGスラブレーザ発振装置を構成し、マルチモード発
振させたところ、そのレーザ出力は、電気入力約15k
W(150J、100pps)において、約620Wが
得られた。このときのレーザ発振効率(レーザ出力/電
気入力)は4.1%であった。ここで、図10に示され
る従来の固体レーザ装置を用いたものでは、スラブの厚
さ方向に就いてはジグザグ光路によって光路長が平均化
されるために電気入力によらずに比較的安定であるが、
スラブの幅方向については電気入力が大きくなるに従い
横方向が不安定になったり、レーザの出射方向が変化し
たり、レーザ発振効率が低下したりする傾向があった
が、上記実施例のものでは、電気入力によってレーザ出
力を変化させた場合にも常に安定な発振が得られた。こ
のときのレーザ光の出射方向の変動は、スラブの厚さ方
向、幅方向ともに0.05mrad以下と、これまでの
高出力固体レーザの1/5〜1/10程度の値が得られ
た。
【0022】なお、上記本実施例では、Ndドープ量
1.0原子%のYAG結晶製スラブを用いたが、YAG
結晶以外にも、GGG、GSGG、YSGG、YSA
G、YLF、アレキサンドライト、サファイヤ等のレー
ザ結晶や燐酸塩系レーザガラス(例えばHOYA(株)
製LHG−5、8)、硅酸塩系レーザガラス(例えばH
OYA(株)製LSG−91H)等の各種レーザガラス
を用いることも勿論可能である。さらにレーザ活性イオ
ンもNdだけに制限されるものではなく、他にEr、C
r、Ho、Tm、Tiを用いてもよい。また、レーザ活
性イオンのドープ量や種類の異なるものを用いることも
必要に応じて可能である。
【0023】第2実施例 図3は本発明の第2実施例にかかる固体レーザ装置の要
部断面図である。以下、図3を参照にしながら第2実施
例を説明する。なお、この実施例は、第1実施例と共通
する部分が多いので、以下の説明では共通する部分に同
一の符号を付してその説明を省略し、本実施例に特徴的
な点のみを説明する。
【0024】この実施例は、YAGスラブレーザ媒体1
1の一方の面と透明仕切板140aとの間に形成される
流路216aと、YAGスラブレーザ媒体11の他方の
面と透明仕切板140bとの間に形成される流路216
bとを別個の流路とし、この流路に冷却水を互いに逆方
向から流通させるようにしたものである。このため、Y
AGスラブレーザ媒体11の幅方向における両側面に、
第1実施例における整流板17a,17bのかわりに仕
切部材217a,217bを取り付け、YAGスラブレ
ーザ媒体11の表裏の面に接する流路を分離している。
また、ランプ12a対向する部位に設けられた透明仕切
板240aは第1実施例と同じ構成としているが、ラン
プ12b対向する部位に設けられた透明仕切板240b
は第1実施例の場合とその厚さの変化関係を逆の関係に
なるような構成としている。そして、流路216aには
冷却水を図3の矢印pで示される方向に流通させ、流路
216bにはこれと逆方向のp´方向に冷却水流通させ
るようにしたものである。これにより、流路216a及
び流路216b共に、下流側に行くにしたがって流路の
断面積が小さくなるようにしたものである。
【0025】この実施例によっても第1実施例と同様に
固体レーザ媒体に不均一な温度分布を生じさせない冷却
が可能である。
【0026】第3実施例 図4は本発明の第3実施例にかかる固体レーザ装置の要
部断面図、図5は図4におけるVーV線断面図である。
以下、これらの図を参照にしながら第3実施例を説明す
る。なお、図4は図2おけるIVーIV線断面図に相当
する断面図である。また、この実施例も第1実施例と共
通する部分が多いので、以下の説明では共通する部分に
同一の符号を付してその説明を省略し、本実施例に特徴
的な点のみを説明する。
【0027】上述の第1及び第2実施例が、固体レーザ
媒体の幅方向に沿って冷媒を流通させる例であったのに
対して、この実施例は、固体レーザ媒体の長さ方向に沿
って冷媒を流通させるようにした例である。そして、そ
の冷媒流通路の固体レーザ媒体を冷却する流域における
断面積を上流側に比較して下流側が小さくなるようにし
たものである。そのため、第1実施例における透明仕切
板140a及び140bのかわりに一定の厚さを有する
透明仕切板340a,340bを用い、これらをYAG
スラブレーザ媒体11の表裏の面の長手方向に対してそ
れぞれ斜めになるように設置したものである。これによ
り、YAGスラブレーザ媒体11の一方の面と透明仕切
板140aとの間に形成される流路316aと、YAG
スラブレーザ媒体11の他方の面と透明仕切板140b
との間に形成される流路316bとを別個の流路とする
と共に、それぞれの流路に図の矢印p方向に冷却水を流
通させたとき、上流側から下流側に行くにしたがって流
路の断面積が小さくなるようにしたものである。
【0028】この実施例によれば、固体レーザ媒体の長
さ方向に沿って冷媒を流通させるようにした場合に、固
体レーザ媒体に長さ方向に不均一な温度分布を生じさせ
ない冷却が可能である。
【0029】なお、この実施例にあっては、図5に示さ
れるように、透明仕切板340a,340bを一定厚さ
を有する平板体とし、流路断面が略長方形となるように
して、冷媒の流速が流路断面全体に亘ってほぼ一様にな
るようにしたが、例えば、図6に示されるように、透明
仕切板340a,340bのかわりに、幅方向において
外方に凸の曲面形状に形成した透明仕切板341a,3
41bを用いることにより、YAGスラブレーザ媒体1
1の幅方向における中央部を通過する冷媒の流速を両端
部における流速より早くすることも可能である。このよ
うにすれば、例えば、高出力を主眼にしてレーザ媒体を
励起用ランプで強力に励起したときに励起光の照射強度
分布に基づいて生じがちな温度分布を相殺させること等
が可能となる。
【0030】また、上述の実施例では、2つの冷媒流路
316a,316bに流通させる冷媒の流通方向を同方
向にしたが、これは、図7に示したように、互いに逆方
向に流通させるようにしてもよい。その場合には、透明
仕切板340aのかわりに傾斜方向を逆にした透明仕切
板341aを用いるようにすればよい。
【0031】第4実施例 図8は本発明の第4実施例にかかる固体レーザ装置の要
部断面図である。この実施例は、固体レーザ媒体として
管状YAGレーザ媒体41を用い、この管状YAGレー
ザ媒体41の管の内側に励起用ランプ42を配置すると
ともに、この管状YAGレーザ媒体41の内周面と励起
用ランプ42との間に管状の透明仕切管44を介在させ
たものである。これにより、この透明仕切管44の外周
面と管状YAGレーザ媒体41の内周面との間に形成さ
れる間隙に透明仕切管44の一方の端部(図中左端部)
から冷媒を導入した場合、この冷媒が透明仕切管44の
他方の端部で折り返されるようにして透明仕切管44の
内周面とランプ42の外周面とで形成される間隙に流入
し、しかる後、前記冷媒導入端部と同じ側の端部から排
出される折り返し方式の冷媒流通路46が形成されるよ
うにしたものである。
【0032】この場合、透明仕切管44の肉厚を一方の
端部(図中右端部)に向かうにしたがって厚くなるよう
にし、その厚さの増大分だけ透明仕切管44と管状YA
Gレーザ媒体41とで形成される通路の断面積が小さく
なるようにしている。これによって、冷媒の流速が下流
側に行くにしたがって大きくなり、管状YAGレーザ媒
体41をその長手方向において均一に冷却することが可
能となる。
【0033】なお、図8において、符号43は、管状Y
AGレーザ媒体41の外周部に設けられたリフレクタで
あり、符号45はケース、符号45aは冷媒導入口、符
号45bは冷媒排出口である。
【0034】第5実施例 図9は本発明の第5実施例にかかる固体レーザ装置の要
部断面図である。この実施例は、固体レーザ媒体として
ロッド状YAGレーザ媒体51を用い、このロッド状Y
AGレーザ媒体51を管状の透明仕切管54内に収納配
置し、透明仕切管54の一方の端部(図中右端部)から
透明仕切管54内に冷媒を導入し、他方の端部から排出
するようにしてロッド状YAGレーザ媒体51を冷却す
るようにしたものである。この場合、透明仕切管54の
肉厚を一方の端部(図中左端部)に向かうにしたがって
厚くなるようにし、その厚さの増大分だけ透明仕切管5
4とロッド状YAGレーザ媒体51とで形成される冷媒
流通路56の断面積が小さくなるようにしている。これ
によって、冷媒の流速が下流側に行くにしたがって大き
くなり、ロッド状YAGレーザ媒体51をその長手方向
において均一に冷却することが可能となる。
【0035】なお、ロッド状YAGレーザ媒体51及び
透明仕切管54はケース55の内部に収納されていると
ともに、このロッド状YAGレーザ媒体51は、ケース
55の内部であって透明仕切管54の外側に配置された
励起用ランプ52によって励起されるようになってい
る。また、励起用ランプ52の周辺におけるケース55
の内周面にはリフレクタ53が形成されているととも
に、透明仕切管54の一方の端部は、ケース55に設け
られた冷媒導入口55aに、他方の端部は冷媒排出口5
5bにそれぞれ結合されている。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、固体レ
ーザ媒体を冷却する冷媒流通路における固体レーザ媒体
を冷却する領域の流路断面積を上流側に比較して下流側
を小さくしたことにより、冷媒の流速を上流側より下流
側が大きくなるようにして上流側と下流側における冷媒
の温度差に基づく冷却度合いの相違を相殺し、これによ
り、固体レーザ媒体に冷却に基づく不均一な温度分布が
生じないようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のIーI線断面図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる固体レーザ装置の
要部外観斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例にかかる固体レーザ装置の
要部断面図である。
【図4】本発明の第3実施例にかかる固体レーザ装置の
要部断面図である。
【図5】図4におけるVーV線断面図である。
【図6】第3実施例の変形例の要部断面図である。
【図7】第3実施例の変形例の要部断面図である。
【図8】本発明の第4実施例にかかる固体レーザ装置の
要部断面図である。
【図9】本発明の第5実施例にかかる固体レーザ装置の
要部断面図である。
【図10】従来の固体レーザ装置たるYAGスラブレー
ザ装置の主要部の概略構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
11…YAGスラブレーザ媒体、41…管状YAGレー
ザ媒体、51…ロッド状YAGレーザ媒体、12a,1
2b,24,52…ランプ、16,316a,316
b,46,56…冷媒流通路、140a,140b,2
40a,240b,340a,340b,341a,3
41b…透明仕切板。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体レーザ媒体と、この固体レーザ媒体
    を励起する励起光源と、前記固体レーザ媒体を冷却する
    冷媒を流通させる冷媒流通路とを有する固体レーザ装置
    において、 前記冷媒流通路における前記固体レーザ媒体を冷却する
    領域の流路断面積を上流側に比較して下流側を小さくし
    たことを特徴とする固体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の固体レーザ装置におい
    て、 前記固体レーザ媒体が、略長尺板状をなしたスラブレー
    ザ媒体であり、 前記冷媒流通路が、前記スラブレーザ媒体の幅方向にそ
    って冷媒を流通させるものであることを特徴とした固体
    レーザ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の固体レーザ装置におい
    て、 前記冷媒流通路が、前記固体レーザ媒体の長手方向にそ
    って冷媒を流通させるものであることを特徴とした固体
    レーザ装置。
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