JPH0645575A - 半導体エネルギー検出器の製造方法 - Google Patents

半導体エネルギー検出器の製造方法

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JPH0645575A
JPH0645575A JP4195597A JP19559792A JPH0645575A JP H0645575 A JPH0645575 A JP H0645575A JP 4195597 A JP4195597 A JP 4195597A JP 19559792 A JP19559792 A JP 19559792A JP H0645575 A JPH0645575 A JP H0645575A
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silicon wafer
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、短波長光等のエネルギー線に対す
る感度が良好な半導体エネルギー検出器の製造方法を提
供することを目的とする。 【構成】 低不純物濃度の第1のシリコンウエファ(2
4)と、高不純物濃度である第2のシリコンウエファ
(27)を、酸化膜(26)を介して熱処理により貼り
合わせて一体化しする第1の工程と、第1のシリコンウ
エファ(24)の貼り合わせ面でない面に、電荷転送素
子を複数配列することによって電荷読み出し部(30)
を形成する第2の工程と、第2のシリコンウエファ(2
7)の貼り合わせ面でない面からエッチングを開始し
て、貼り合わせ面の酸化膜(26)を露出させ、これに
より半導体エネルギー検出素子を形成する第3の工程と
を備える。熱処理により一体化するため不純物は第1の
シリコンウエファ(24)に拡散し、また第1のシリコ
ンウエファ(24)とそれを支える補助基板(35)の
間には樹脂(50)が充填されているので、電荷読み出
し部(30)はエッチャントにより汚染されるおそれが
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線や放射線、粒子
線などの吸収係数が極めて大きいエネルギー線の照射に
対して有効な、裏面照射型の電荷転送型半導体エネルギ
ー検出器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電荷転送素子(CCD)は、アナログ電
荷群を外部からクロックパルスに同期した速度で一方向
に順繰りに送るものであり、一端に出力部を設けておけ
ば、空間情報を時系列信号に変換できる極めて巧妙な機
能デバイスである。しかし、2次元の画像情報を時系列
信号として取り出すには、デバイスの構成上、工夫が必
要である。上述のデバイスに光を照射したままで電荷を
転送したのでは、それぞれの場所で、光励起された電荷
と転送されてきた電荷が混じり合って映像信号が劣化す
る。これをさけるためには、光を照射している期間(電
荷蓄積期間)と電荷を転送する時間(電荷転送期間)と
を時間的に分けるいわゆる時分割動作が考えられる。し
たがって、映像信号が出力される時間は転送時間内に限
られ、間欠的な信号となる。
【0003】一般に実用的な撮像デバイスとして、フレ
ーム転送(FT)、フル・フレーム転送(FFT)、イ
ンターライン転送(IT)構成の三つの方式が代表的で
ある。このうち計測用としては、主にフル・フレーム転
送方式が用いられる。
【0004】以下、フル・フレーム転送方式について説
明する。図8及び図9は、フル・フレーム転送方式によ
る撮像デバイスの構成を示すものであり、図8はその上
面図、図9はその要部の断面図である。図8に示すよう
にこの方式では、基板に形成されたチャンネルストップ
拡散層1によって電荷転送のチャンネルが垂直方向に分
割され、水平画素数に対応する画素列を形成する。一
方、このチャンネルストップ拡散層1に直交して転送電
極群2が配置されている。前述のフレーム転送方式にお
いては、この電極群2は上下2つにグルーピングされ、
上半分を受光用のCCD、下半分を信号電荷を一時蓄積
するためのCCDとして使うが、図8に示すフル・フレ
ーム転送方式CCDでは蓄積部はない。したがって、電
荷を転送する時間中、即ち読み出し時間中は、シャッタ
を閉じるなどしてCCDに光が入射しないようにしなけ
ればいけない。なお、垂直方向の4列の画素列の間には
3本のオーバーフロードレイン5が形成されている。
【0005】受光領域に光が入射すると、図9に示すよ
うに励起された信号電荷が一つの転送電極(蓄積電
極)、即ち立ち上がったクロックパルスφ1 の加えられ
たポリシリコン電極20下に在るポテンシャル井戸3に
集められる。一画素はこのようにCCDの一段分を構成
するクロックパルス(φ1 〜φ4 )の相数(4)に対応
する数の電極20とチャンネルストップ拡散層1で囲ま
れた面積となる。垂直転送クロックパルス電極群2はク
ロックパルスφ1 〜φ4 をシリコン電極20に供給す
る。なお、図9のように、PSG(リンガラス)による
層間絶縁膜19はポリシリコン電極20の上面に堆積さ
れ、この電極20とシリコン基板22の間にはゲート酸
化膜21が介在されている。
【0006】光信号を信号電荷に変換する電荷蓄積時間
が終わると、受光領域上にある垂直転送電極群2に与え
られたクロック電圧φ1 〜φ4 が順次立ち上がり信号電
荷の読み出しが開始される。しかし、フル・フレーム転
送CCDにおいては、前述したようにフレーム転送CC
Dのような受光部とは別の、いわゆる蓄積部というもの
が無い。このため、信号読み出しを開始する前にシャッ
タを閉じるなどして光信号の入力を遮断しなければ、転
送している途中の信号に新たに光信号が混入してくるこ
とになり、信号純度が低下する。但し、単発現象を捕ら
える場合には、信号電荷の転送中に新たな光入力は無い
と考えられるから、シャッタ等は必要ない。
【0007】ここで、図8を用いて信号読み出し動作に
ついて説明する。信号電荷は垂直転送用クロックパルス
電極群2に与えられるパルスφ1 〜φ4 によって1行ず
つ下方に送られ、水平読み出しレジスタ6を通して出力
端に転送される。すなわち図8において、まず一番下の
行にある信号電荷が同時に水平読み出しレジスタ6に送
り込まれ、水平方向に高い周波数のクロックφ5 、φ6
で転送され、時系列信号として出力端から読み出され
る。なお、水平転送クロックφ5 、φ6 は水平転送用ク
ロックパルス電極群7から加えられる。このときすでに
次の信号電荷が一段下方に移動しているので、次の垂直
転送クロックパルスで水平読み出しレジスタ6に入り、
出力端に読み出される。このようにして一画面分の信号
電荷がすべて水平読み出しレジスタ6を通して読み出さ
れると、シャッタを開き新たな信号蓄積動作を開始す
る。以上のように、水平読み出しレジスタ6は垂直レジ
スタに比べて高速で動作するので、2相クロックパルス
φ5 、φ6 として高速転送を可能にしている。
【0008】ここで、図10(a)にCCDにオンチッ
プされた読み出し回路の例を、同図(b)に印加クロッ
クパルスと出力波形の関係を表す例をそれぞれ示す。パ
ルスの基準点は0Vで、+12Vの振幅である。クロッ
クφ5 、φ6 が与えられた電極下の領域17、18は水
平レジスタ6の最終部を表している。なお、基板22に
は+12VDC、アウトプットゲート(OG)13には+
7VDC、リセットドレイン(RD)16には+12VDC
が加えられている。また増幅用のMOSFETのドレイ
ン8には15VDC、ソース9は負荷抵抗を介して接地さ
れている。したがって、このMOSFETはソースフォ
ロワ回路として動作している。以下、同図(b)を用い
て動作を説明する。
【0009】水平レジスタ6によって信号電荷が次々と
読み出し回路に転送されてくると仮定する。今、時刻t
1 において、クロックパルスφ5 はハイレベルになって
いるので、クロックφ5 が加えられた電極7の下の領域
17にポテンシャル井戸が形成されていて、信号電荷は
領域17に転送されている。次に時刻t2 でクロックφ
5 がローレベル、φ6 がハイレベルになるので、クロッ
クφ5 が加えられた電極7下の領域17におけるポテン
シャル井戸は消え、クロックφ6 が加えられた電極7下
の領域18にポテンシャル井戸が形成される。したがっ
て、前述の信号電荷は領域18に転送される。時刻t3
においてはリセットゲート(RG)15にパルスが加え
られるので、フローティングディフュージョン(FD)
14の電位はRD16の電位である12Vにリセットさ
れる。時刻t4 では、FD14にまだ信号電荷は転送さ
れてきていないので、電位はリセット値を維持してい
る。時刻t5 においてはクロックφ6 がローレベルにな
るので、水平レジスタ6の最終部の領域18に存在した
信号電荷はOG13に加えられた低いDCバイアスによ
って形成されている低いポテンシャル障壁を乗り越え、
FD14に至り、その電位を変化させる。図10(b)
の出力電圧の例でもわかるように、電子が流れ込んでく
るので、クロックφ6 がローレベルになると出力は下に
向かって伸びる。FD14は、配線によってソースフォ
ロワ回路(MOSFET)のゲートに繋がれており、そ
のソースからはゲートに入力されたのと同じ大きさの出
力を低インピーダンスで得ることができる。
【0010】このようにフル・フレーム転送方式の特徴
は、蓄積部がなく受光部の面積が大きくとれるので、光
の利用率が高く、したがって計測用など微弱光の用途に
広く用いられる。反面、入射光が転送電極で吸収される
ので、吸収係数が大きい入力、例えば波長が短い青色の
光に対する感度低下が著しい。先に述べたように、図9
は典型的な受光部を示すものであるが、ポリシリコン電
極20が隙間なく表面を覆い、またそれぞれの電極の分
離のため、厚さ数ミクロンにも及ぶPSG膜19がさら
に積層されている。特に、ポリシリコンは、400nm
以下の波長の光や低エネルギーの電子線などを吸収して
しまうので、光電変換に寄与することができない。
【0011】このような光検出器に関しては、基板22
を15μmから20μm程度に薄くして、図11に示す
ように光を裏面から照射するようにしたものがある。基
板22の表面はゲート酸化膜21を挟んでポリシリコン
電極20により隙間無く覆われ、短波長光を吸収してし
まうが、基板22の裏面には薄い酸化膜23の他に障害
物はなく、短波長光に対して高感度が期待できる。この
裏面照射型CCDは200nm程度の短波長光まで感度
があり、さらに電子衝撃型CCD撮像デバイスにも応用
される。このデバイスは電子衝撃により生じる信号電荷
の増倍作用を利用できるので、高感度撮像デバイスとし
て期待される。
【0012】ここで、上述の裏面照射型CCDの製造プ
ロセスの代表例を説明する。まず、ウエファとして、P
型の不純物がドープされたP層及びP+ 層が積層された
P/P+ 型エピウエファを用いる。このエピ層の比抵抗
及び厚さは、それぞれ30Ω−cm、30μmであり、
サブのエピ層の比抵抗及び厚さは、それぞれ0.01Ω
−cm、500μmである。このエピウエファに対し、
予めアルミニウム(Al)配線工程まで含めたすべての
CCD製造プロセスを終了させる。後の工程で、受光部
シリコンの薄形化後にAl配線を施すことも当然考えら
れるが、薄形化した膜の部分に写真食刻法を用いるのは
困難であり、また、Al配線プロセス中に薄形化した部
分が割れるなどのおそれがある。このため、歩留まりを
低くしないように、薄形化する前にできる限り多くのプ
ロセスを終了しておく必要があるからである。
【0013】次に、ウエファ裏面についているシリコン
窒化膜及びシリコン酸化膜を除去する。
【0014】その後、裏面全面に、クロームと金が積層
されてなるクローム/金層を堆積する。これは、後の工
程でエッチングマスクとして機能する。そして、受光面
に相当する部分、即ち裏面入射面に相当する領域のみ、
このクローム/金層を除去する。
【0015】上述のエピウエファをチップに分割後、ホ
ルダにワックスで取り付ける。その後、HF:HN
3 :CH3 COOH=1:3:8の割合のエッチング
液を用い、チップの周辺部を厚く残したまま裏面からシ
リコン基板をエッチングする。このエッチング液は硝酸
リッチであるため、弗酸による溶解律速でエッチングが
進む。溶解律速のため液の撹拌を十分に行い、常に新し
いエッチャントをエッチング面に当ててやらないと、膜
厚が著しく不均一になる。
【0016】ここで、溶解律速のエッチャントが広く使
用されている理由を説明する。もし弗酸リッチならば、
酸化律速でエッチングが進む。ここでは、使用されるウ
エファがP/P+ 型なので、P+ 層のみを選択的にエッ
チングすれば、膜厚の絶対値及び面内の均一性において
優れたものが製作でき、短波長感度の再現性や均一性の
コントロールが非常に行い易い。この点、酸化律速のエ
ッチング液ではP+ 層の酸化速度が速いので、膜厚の均
一性や再現性が優れたものを作り得る可能性がある。
【0017】しかし現実には、P+ 層の中には多数の結
晶欠陥があるため、更に酸化速度が速くなり易いのでエ
ッチングも速く行われることになり、結局エッチングの
途中にあった全ての結晶欠陥がエッチング面の膜厚を不
均一にさせ、受光面を曇らせる結果になる。したがっ
て、酸化律速のエッチャントは使用できず、膜厚のコン
トロールは行いにくいが、溶解律速のエッチャントを使
用せざるを得ないことになる。また、エッチャントとし
てアルカリ系のものを使用すれば、膜厚の均一性やコン
トロールのし易さにおいて優れるが、CCDのようなM
OSデバイスはエッチャントに含まれるアルカリ金属で
ゲート酸化膜が汚染され、しきい値電圧などを設計値と
違ったものとし、動作不良を起こす。したがって、従
来、プロセスにおいてはアルカリ系のエッチャントを使
用していなかった。
【0018】上述の方法によりエッチングが終了後、膜
厚の測定を行う。この結果、膜厚が所望の値として不十
分である場合は、再度エッチングを行う。
【0019】この後、上述のウエファを120℃の蒸気
中で48時間、裏面酸化を行う。この段階では既にAl
配線まで終了しているので、高温を加えて酸化すること
は不可能である。このため、120℃という低温で長時
間酸化を行っている。
【0020】次に、裏面酸化膜に負イオンを照射する、
いわゆる裏面アキュームレーションを行う。短波長に対
する感度をあげるためには裏面シリコンをアキュームレ
ーション状態にし、効率よく光電子がCCDのポテンシ
ャル井戸に到達できる構造とする必要があるからであ
る。裏面照射型CCDは、CCDの裏面が光の入射面と
なる。通常CCDを形成するシリコンウエファの厚さは
数百ミクロンである。また、200nmから300nm
の光は吸収係数が非常に大きく、そのほとんどが表面か
らわずかに入ったところで吸収されてしまう。したがっ
て、数百ミクロンの厚さがあるCCDをそのまま裏面照
射型として使用しても、裏面で発生した光電子は表面に
あるCCDのポテンシャル井戸に拡散していくことがで
きず、ほとんどは再結合して失われてしまう。また、そ
のうちのいくらかはポテンシャル井戸まで到達できたと
しても、長い道のりを拡散してくる間に信号同士が混じ
り合い、いわゆる解像度を著しく低下させる。したがっ
て、裏面照射型CCDでは、受光面である裏面をエッチ
ング、研磨によって薄くして、発生した電子が最短距離
で表面のポテンシャル井戸に到達できるようにしなくて
はいけない。図11に示すような、シリコンを用いた代
表的な検出素子の厚さは15〜20μmである。ここで
酸化膜23は、厚さ数十オングストロームから数百オン
グストロームである。
【0021】図12は、図11において薄形化したシリ
コン検出素子について、受光面から表面のCCDに至る
までの断面のポテンシャルプロファイルを示したもので
ある。図面に向かって左側が基板の裏面、右側が基板の
表面を表している。なお、基板22はP型である。基板
22の裏面には、保護膜であるシリコン酸化膜23が成
長されている。
【0022】しかし、シリコン酸化膜23には酸化膜電
荷や界面準位が必ず存在し、これらはいずれもP型シリ
コン基板22の表面を空乏化させるように働く。即ちポ
テンシャルプロファイルでみれば、図12の実線で示し
たように裏面のシリコン酸化膜23に近付くにしたがっ
て電子に対するポテンシャルが低くなり、裏面から浅い
ところで生じた光電子はCCDのポテンシャル井戸には
いくことができず、逆に裏面シリコン酸化膜23とシリ
コン基板22の界面に押しやられ、再結合するのを待つ
運命となる。したがって、受光部を薄形化し裏面を酸化
後、負に帯電したイオンを照射することによりシリコン
酸化膜23をチャージし、それによってシリコン基板2
2の表面をアキュームレーション状態にする。これによ
り、図12の点線に示したようなポテンシャルプロファ
イルを得ることができる。このため裏面に浅いところで
生じた光電子も効率よくCCDのポテンシャル井戸に到
達することができる。
【0023】なお、一般的にアキュームレーションを行
う際には、P型シリコン基板に対してボロンをイオン注
入すればよいが、イオン注入層はアモルファス状とな
り、その後の熱処理で再結晶化とイオン注入したボロン
原子の活性化を行わなくてはいけない。通常この熱処理
(アニール)は600℃付近と1000℃付近の熱処理
を連続して行ういわゆる2ステップアニールを行う必要
がある。アニールが不足すれば、少数キャリアの寿命が
短くなり、短波長感度を上げることはできない。そこ
で、イオン注入による裏面シリコンのアキュームレーシ
ョンはできす、負イオンを照射するというような消極的
なアキュームレーションしか採用していないのが現実で
ある。
【0024】最後に、上述の操作を経たウエファを、パ
ッケージ内に実装する。CCDを冷却してリーク電流や
rmsノイズを下げることは微弱光を計測する上で重要
な技術である。したがって、この工程においては、薄形
化したシリコン基板の表面、即ちCCDが形成してある
面を熱抵抗が小さい非導電性の樹脂などを介して、パッ
ケージに接着する。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の製造方
法は以下の点で問題がある。例えば、基板のエッチング
には溶解律速のエッチャントを用いるため、エッチング
液の撹拌を十分に行い、常に新しいエッチャントをエッ
チング面に供給しないと膜厚が著しく不均一になる。し
かし、どんなに撹拌を行っても、エッチング部分とエッ
チングしない部分の境界部には、エッチャントの回り込
みなどにより段差が生じ、膜厚が不均一になり易い。ま
た、膜厚を測定する際に、ホルダから一度CCDチップ
をはずさなくてはならない。しかし、既にCCDチップ
の受光部に相当する領域は膜厚がかなり薄くなっている
ので、サブストレイトから取ったり貼り付けたりしてい
る最中に薄膜部を破損してしまうというおそれがある。
【0026】さらに、前述したように、酸化膜に負イオ
ンを照射するという消極的なアキュームレーションで
は、その効果の持続性に問題があり、短波長光の感度を
向上させるためにこのような作業を施したにもかかわら
ず、逆に短波長光の照射で裏面酸化膜に付いた負イオン
が除去され、あるいは中和され易くなる。即ち、アキュ
ームレーションされていた状態が再び空乏状態となり、
短波長光に対する感度が失われる。
【0027】そこで、歩留まりは無視しイオン注入によ
りアキュームレーションを行う場合について考えてみ
る。理想的なアニールを行うためにはAl配線前に薄形
化し、その受光面にボロン原子をイオン注入し、アニー
ルを行わなければいけない。
【0028】アニールは、前述したように600℃付近
と1000℃付近の熱処理を連続して行う、いわゆる2
ステップアニールが望ましい。しかし熱処理時のできる
だけ速い段階で酸化膜を形成し、イオン注入したボロン
原子のアウトディフュージョンを避けなければ、表面の
ボロン濃度が低くなり、意図したポテンシャルプロファ
イルを形成できない。しかし例え酸化膜を形成したとし
ても、ボロン原子は酸化膜中にたいへん取り込まれやす
く、いわゆる不純物原子の再分布現象が生じ、結局酸化
膜をつけてもつけなくても、表面のボロン濃度は少し深
いところのボロン濃度より低くなり、意図したポテンシ
ャルプロファイルは形成できない。
【0029】以上のように、P型ウエファを用いた場
合、受光面にボロンをイオン注入、アニールしてアキュ
ームレーション状態を作ろうとしても、表面では理想と
は逆のポテンシャルプロファイルとなってしまう。信号
電荷である電子にとっては、内部より表面のほうが安定
であり、浅いところで生じた信号電荷は表面に集めら
れ、シリコンと酸化膜の界面で再結合される。したがっ
て、当然短波長感度の向上は期待されるよりも低い値と
なる。
【0030】以上述べたように、従来の製造方法につい
ての問題点をまとめると、まず、基板を薄形化後にAl
配線を行う場合は、裏面のアキュームレーション用の熱
処理の自由度が大きくなり、ボロン原子のイオン注入
後、2ステップアニールを行うことができる。しかし、
酸化膜なしでアニールした場合はボロン原子のアウトデ
ィフュージョンによって、また酸化膜を付けてアニール
を行った場合はボロン原子が大量に酸化膜中に取り込ま
れることによって、それぞれ表面濃度が下がり、意図し
たアキュームレーション状態とすることができない。さ
らにAl配線時の写真食刻法が困難であり、しかもダイ
ボンドの硬化時に薄膜部が破損するおそれがある。
【0031】一方、アルミニウム配線後に薄形化を行う
場合は、薄形化後は組み立てを行うのみなので、薄膜部
を破損する確率は小さくなる。しかし、裏面アキューム
レーションが困難であり、しかもダイボンドの硬化時に
薄膜部が破損するおそれがある。
【0032】また両者とも、CCD部の保護がなされて
いないため、膜厚の均一性・コントロール性に優れたア
ルカリ系エッチャントを用いることができない。
【0033】以上示したように、従来の裏面照射型CC
D製造プロセスは問題が多く、商品化することが非常に
困難である。
【0034】そこで本発明は、上述の問題点を解決した
半導体エネルギー検出器の製造方法を提供することを目
的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体薄板の
裏面からエネルギー線が入射される半導体エネルギー検
出器の製造方法において、低不純物濃度の第1のシリコ
ンウエファと、その第1のシリコンウエファと同じ導電
型で高不純物濃度の第2のシリコンウエファを、シリコ
ン酸化膜を介して熱処理により貼り合わせて一体化する
第1の工程と、第1のシリコンウエファの貼り合わせ面
の反対面に、電荷転送素子を複数配列することによって
電荷読み出し部を形成する第2の工程と、第2のシリコ
ンウエファの貼り合わせ面の反対面からエッチングを開
始して、貼り合わせ面のシリコン酸化膜を露出させるこ
とにより半導体エネルギー検出素子を形成する第3の工
程とを備えることを特徴とする。
【0036】ここで、第2の工程では、電荷読み出し部
を形成した後、一体化された第1及び第2のシリコンウ
エファを、予め形成した補助基板に金属バンプを介して
接続し、第1及び第2のシリコンウエファと補助基板の
間に樹脂を充填して硬化する操作をさらに行うことも充
分可能である。
【0037】また、第1のシリコンウエファはエピタキ
シャル成長により形成されたものであることが望まし
く、第2のシリコンウエファをエッチングする際にはア
ルカリ系のエッチャントを用いることが望ましい。さら
に、第2のシリコンウエファは、少なくとも貼り合わせ
面側が高不純物濃度であればよい。
【0038】
【作用】本発明によれば、低不純物濃度のシリコンウエ
ファと高不純物濃度のシリコンウエファを熱処理により
貼り合わせて一体化することにより、高不純物濃度のシ
リコンウエファが不純物の拡散源となって低不純物濃度
のシリコンウエファに不純物を拡散し、低不純物濃度の
シリコンウエファに新たに高濃度の不純物領域を形成す
る。これによりアキュームレーション状態を維持し続け
ることができる。
【0039】一方、形成された半導体エネルギー検出素
子と補助基板とを接続し、その間を樹脂で充填してから
エッチングを行うので、この検出素子中の酸化膜がエッ
チングストッパとして機能し、しかもエッチング中にC
CD部がエッチャントに触れることがなく、CCD部の
汚染を防ぐことができる。さらに、半導体エネルギー検
出素子と補助基板とを接続したまま組み立てを行うこと
により、薄形化した検出素子の破損を防ぐことができ
る。
【0040】
【実施例】以下、本発明に係る半導体エネルギー検出器
の製造方法について図を用いて説明する。
【0041】図1(a)は、N型あるいはP型のサブス
トレイト25上に、そのサブストレイト25と同じ導電
型のエピタキシャル成長層(以下、エピ層という)24
を成長した状態を示している。ここで、エピ層24は、
例えば比抵抗10Ω−cm、厚さ15μmであり、サブ
ストレイト25は、例えば比抵抗10Ω−cm、厚さ5
00μmである。エピ層24の厚さは薄形化後の受光部
の厚さと同じか、やや厚い15μmから20μm程度を
必要とする。以下、エピ層24を第1のウエファ24と
よぶ。
【0042】次に、酸化膜の形成を行う。図1(b)
は、同図(a)の第1のウエファ24及びサブストレイ
ト25の表面に各々シリコン酸化膜26を形成した状態
を示したものである。このシリコン酸化膜26は、厚さ
が数100オングストロームである。
【0043】同図(c)は、別に用意された高不純物濃
度のバルクウエファ、または表面だけに高濃度不純物層
が形成されているウエファであり、前述の第1のウエフ
ァ24と同じ導電型である。ここで、N型の場合は1×
1019cm-3程度、P型の場合5×1018cm-3程度の
不純物濃度が適当である。以下、このバルクウエファを
第2のウエファ27とよぶ。
【0044】次に、上述の第1及び第2のウエファの貼
り合わせを行う。同図(d)は、同図(b)で示したシ
リコン酸化膜26が付けられた第1のウエファ24を、
図中で裏返しにし、そのエピ層側と、同図(c)で示し
た高不純物濃度の第2のウエファ27とを貼り合わせた
状態を示す図である。シリコン酸化膜26が貼り合わせ
面である。ここでは貼り合わせ面の片側にシリコン酸化
膜が付いているが、両方に付いていてもよい。これらシ
リコンウエファの直接接着技術は、接着剤を用いずに2
枚のウエファを一体化する技術である。表面に親水性を
持たせたり電圧をかけながら熱処理するだけで非常に堅
固に貼り付く。なお、この技術については、下記の文献
「応用物理 第60巻第8号(1991) Siウエフ
ァの直接接着技術」に詳細に記載されている。
【0045】ここで明らかなことは、シリコンウエファ
の貼り合わせ時の熱処理で、高不純物濃度の第2のウエ
ファ27から低不純物濃度の第1のウエファ24に、シ
リコン酸化膜26を介して不純物の拡散が起こることで
ある。
【0046】ここで例として、第1のウエファ24に2
50オングストロームの熱酸化膜を形成し、貼り合わせ
用及びCCD形成用の熱処理の例として1100℃で9
0分間行った場合、どのような不純物プロファイルが第
1のウエファ24に引き起こされるか具体例を示す。
【0047】図2は、ボロン濃度2×1015cm-3の第
1のシリコンウエファに250オングストロームの熱酸
化膜を成長し、ボロン濃度が5×1017cm-3の第2の
ウエファとシリコン酸化膜を介して貼り合わせ、110
0℃で90分間の熱処理を行った後の不純物プロファイ
ルを示したものである。高不純物濃度の第2のウエファ
から低不純物濃度の第1のウエファにボロン原子の拡散
が起こり、第1のウエファの貼り合わせ面でのボロン濃
度は1.12×1017cm-3(グラフとの値の確認をお
願いします。)、深さは約1μmなったのが分かる。な
お、図中破線で示すように、ボロンをイオン注入した後
アニールを行った場合はボロンがシリコン酸化膜中に吸
収され、第1のウエファのシリコン酸化膜界面付近での
ボロン濃度が低下するが、本実施例によれば、そのよう
な心配はない。
【0048】図3は、燐濃度2×1015cm-3の第1の
シリコンウエファに250オングストロームの熱酸化膜
を成長し、燐濃度が1×1019cm-3の第2のウエファ
とシリコン酸化膜を介して貼り合わせ、1100℃で9
0分間の熱処理を行った後の不純物プロファイルを示
す。高不純物濃度の第2のウエファから低不純物濃度の
第1のウエファに燐原子の拡散が起こり、第1のウエフ
ァの貼り合わせ面での燐濃度は3×1016cm-3(グラ
フの値との確認をお願いします。)、深さは約1μmと
なったのがわかる。なお、第1のウエファのシリコン酸
化膜界面付近での燐濃度の低下はない。
【0049】図4は、アンチモン濃度2×1015cm-3
の第1のシリコンウエファに250オングストロームの
熱酸化膜を成長し、アンチモン濃度が1×1019cm-3
の第2のウエファとシリコン酸化膜を介して貼り合わ
せ、1100℃で90分間の熱処理を行った後の不純物
プロファイルを示す。高不純物濃度の第2のウエファか
ら低不純物濃度の第1のウエファにアンチモン原子の拡
散が起こり、第1のウエファの貼り合わせ面でのアンチ
モン濃度は1.3×1017cm-3(グラフの値との確認
をお願いします。)、深さは約0.5μmとなったのが
分かる。なお、やはり第1のウエファのシリコン酸化膜
界面付近でのアンチモン濃度の低下はない。
【0050】以上説明したように、低不純物濃度の第1
のウエファ24の貼り合わせ面側には、表面に向かって
高濃度となった不純物領域28が形成された。
【0051】次に、エッチングを行う。図1(e)は、
サブストレイト25を研磨あるいはエッチングによって
除去した状態を示す。さらに第1のウエファ24の部分
まで少し除去してもよい。但しここで注意を要すること
は、エッチングされないで残した面、即ち第1のウエフ
ァ24の表面から貼り合わせ面にあるシリコン酸化膜2
6までの厚みが最終的に受光面の厚みとなる。したがっ
て、この厚みを15ミクロン等に正確に制御しなければ
いけない。
【0052】ここでは、CCDを形成する部分となる第
1のウエファ24としてエピタキシャル成長ウエファを
用いて説明した。エピタキシャル成長ウエファの特徴
は、バルクウエファに見られるようなスワールがなく、
また酸素濃度が低いので結晶性において優れている。し
たがって、もちろんバルクウエファも適用可能である
が、エピタキシャル成長ウエファをもちいた方がより高
歩留まりを期待できる。なお、この段階で研磨やエッチ
ング時に生じた表面ダメージ層は完全に除去されなくて
はいけない。
【0053】次に、図1(e)の第1のウエファ24の
表面側を加工する。図5(a)は、貼り合わされた第1
のウエファ24の表面にCCD30を形成し、さらに金
属配線29を施した状態を示す。
【0054】次に、図5(b)に示すように、同図
(a)までの工程を終了したウエファの上下の全面にシ
リコン窒化膜31を堆積する。その後、CCD30が形
成されている面の、金属バンプ32を成長させたい領域
のシリコン窒化膜31を除去する。また、CCD30が
形成されている面と反対の面は、薄形化したい領域のシ
リコン窒化膜31を除去する。
【0055】ここでバンプ32の形成方法として、例え
ば半田バンプを超音波法にて形成する例を示す。
【0056】図6は、超音波半田付け装置の概略図であ
る。半田槽45内を満たす半田43は、半田槽45の内
部に設置されている撹拌子44によって噴流されてい
る。この半田槽45の上部には、噴流している半田43
の中にCCDウエファ41が垂直に配置され、半田槽4
5の外部からそのCCDウエファ41の垂直面に対向す
るように、超音波振動子42が置かれている。この装置
では、超音波振動子42に対向するCCDウエファ41
の面に、常に新鮮な半田が送られており、また、半田槽
45にN2 を流入させることによって半田の酸化を防い
でいる。
【0057】次に、上述の装置を用いた超音波半田付け
のメカニズムを説明する。まず、超音波の作用で半田4
3中にキャビティが生じ、このキャビティがCCDウエ
ファ41の表面で圧損すると、ウエファ41に形成され
たAl電極上の自然酸化膜が破壊される。自然酸化膜が
取り除かれると、形成されているAl電極との間で共晶
反応が起こり、バンプが形成される。パッシベーション
膜など、金属でない部分には共晶反応は起こらないた
め、半田の付着はない。したがってシリコン窒化膜31
が形成されている部分には半田の成長はなく、またCC
D30が形成されている側の反対の面は、一部窒化シリ
コンは無いがそこには薄い自然酸化膜がついたシリコン
が存在するからやはり半田の成長はない。図5(b)の
金属バンプ32は、上述の方法によって形成されたもの
である。超音波法では、100ミクロン平方のAlパタ
ーンに対して数十ミクロンの高さのバンプが形成される
が、下地のAlの膜厚が厚いほど形成されるバンプの高
さも高くできるので、調整が可能である。また、バンプ
の形成法としては他に蒸着法やメッキ法もあり、それに
よっても形成されるバンプの高さを変えることができ
る。
【0058】ここまでのプロセスは全てウエファの形で
行われるので、これらの操作に要する労力は多くはな
い。最後に、ダイシングなどによってウエファを個々の
チップに分割する。図5(b)はその状態を示したもの
である。
【0059】図5(c)は,CCDチップをサポートす
るためのサブストレイト(補助基板)を示したものであ
る。サブストレイト35としては、シリコンウエファあ
るいはCCDチップと熱膨脹係数が等しい硝子が好まし
い。本実施例ではシリコンウエファを用いた。まず、シ
リコンウエファ35を酸化して適当な厚さのシリコン酸
化膜33を上下の両面に形成し、上面にAl等の配線3
4を設ける。配線34は、CCDチップに形成した金属
バンプ32と後に実装するパッケージの電極を間接的に
結ぶものである。その後、シリコンのエッチャントに触
れる部分をガードするため、シリコン窒化膜36を上下
の両面に堆積し、上面のシリコン窒化膜36を周辺部を
除いて除去する。しかる後、図5(b)、(c)のもの
を一体にする。図5(d)は、前述の方法により形成し
た金属バンプ32を介して、CCDチップと金属配線3
4を施したシリコンウエファ35をバンプボンディング
した状態を示している。CCD30が形成されている側
が突き合わせ面となっている。
【0060】次に、樹脂50の充填をする。図7(a)
は、CCDチップとシリコンウエファ35を突き合わせ
た面に、後に使用されるシリコンのエッチャントが入り
込まないよう、樹脂50を充填した状態を示す。この樹
脂50は、例えば日本化薬株式会社製 カヤトロン M
L−230Pである。樹脂50の硬化は熱処理によって
行う。前述したように、ほとんどの樹脂は硬化時に圧縮
応力を生じるが、本実施例ではCCD受光部はまだ薄形
化する前なので、圧縮応力はCCDチップ全体に分解さ
れ、薄形化後受光面にひびが入ったり割れたりすること
はない。なお、樹脂に必要とされる特徴は、非導電性で
あること、この後のプロセスで使用するエッチャントに
耐えること、アルカリ金属などを含まないこと、硬化時
に適当な収縮応力が働きバンプボンディング部のコンタ
クトを良好に保つこと、ダイボンドやワイヤボンド時の
150℃程度の熱に耐えることである。
【0061】次に、第2のウエファ27のエッチングを
行う。図7(b)は、同図(a)で形成したものをエッ
チャントに浸し、受光面に相当する部分のシリコンをエ
ッチングし、薄形化した状態を示している。このとき、
シリコン窒化膜31が形成されている領域はシリコン窒
化膜31がマスクとして機能し、エッチングされない。
ここで用いるエッチャントの組成は、例えばHF:HN
3 :CH3 COOH=1:3:8などの酸系エッチャ
ント、または8規定KOH:H2 O:イソプロピルアル
コール=950ml:1150ml:700mlのアル
カリ系エッチャントである。本実施例では、アルカリ系
エッチャントを用いた場合について説明する。エッチャ
ントは78℃に加熱し、サブストレイト35にバンプボ
ンディングされたCCD30を自公転するように回転さ
せ、エッチング面に発生する泡を取り除かなければいけ
ない。泡の除去が不十分な場合、エッチング面の荒れや
膜厚の不均一が生じる可能性がある。エッチレートは、
およそ0.6μm/分が得られる。アルカリ系エッチャ
ントでは、異方性エッチングのため膜厚は比較的均一に
なる。しかし、裏面照射型CCDの場合、チップ間のわ
ずかな膜厚の再現性の悪さや、チップ内のばらつきにつ
ながるおそれがある。この問題の解決策をここで示す。
【0062】このアルカリ系エッチャントに対するシリ
コン酸化膜とシリコンの選択比は、およそ1/200で
ある。前述したように、酸化膜26が貼り合わせ面とな
っている。したがって、アルカリ系エッチャントでエッ
チングを進め、途中で膜厚が多少不均一になったとして
も、エッチングが酸化膜26に到達したところで自動的
に止まるので、前述した図1(a)の段階において第1
のウエファ24の膜厚さえしっかり制御すれば、エッチ
ング後の受光面の膜厚はチップ間・チップ内とも非常に
均一なものとなる。即ち貼り合わせ面にあるシリコン酸
化膜26をエッチングのストッパに使用することができ
る。
【0063】図7(b)は、エッチングが終了した状態
を示したものである。ここで、シリコン酸化膜26をす
べて除去してしまうことは、特殊な用途を除いて推奨で
きない。
【0064】エッチングが終了したら、サブストレイト
35の表面に堆積されているシリコン窒化膜36を除去
し、金属配線34を表面に出す。
【0065】先に裏面受光面のアキュームレーションの
重要さについて述べたが、図1(d)の段階において高
不純物濃度の第2のウエファ27からシリコン酸化膜2
6を介して不純物を第1のウエファ24に拡散し、高濃
度の不純物領域28を形成しておいたのが、受光面をア
キュームレーション状態にするのに役立っている。即ち
この構造では新たにアキュームレーション状態を作るプ
ロセスは必要ない。
【0066】光電荷に対するポテンシャルプロファイル
は、図12に示した不純物プロファイルにしたがって受
光面からCCDに向かって徐々に低くなるように形成さ
れているから、表面付近で生じた光電荷も効率よくCC
Dのポテンシャル井戸に到達することができる。即ち短
波長光に対する感度を高く、また安定にできる。
【0067】次に、上述の素子を実装する。図7(c)
は、裏面照射型CCDをセラミック等のパッケージ38
に組み込み、サブストレイト35とパッケージ38間を
ボンディング39によって接続した状態を示す。
【0068】先に、CCD裏面シリコンをエッチングす
るのにKOHなどアルカリ金属を含むエッチャントを使
用した例を示した。通常CCDなどのMOS系のデバイ
スは、非常に高い酸化膜の清浄度を必要とするので、N
+ 、K+ 等のアルカリイオンを極度に嫌う。しかしこ
こに示した例では、エッチングを開始するときにはすで
にCCDは、樹脂50で保護されていてエッチャントに
触れることはない。またその後樹50、サブストレイト
35はCCD30から離されることはなく、結局CCD
30が形成してある面は二度と外部に触れることはな
く、このプロセスにおいてはアルカリ系エッチャントを
使用してもCCD30は清浄さが保たれ、動作を確実な
ものとしている。
【0069】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、エネルギー線が入射する面側に高濃度の不純物領域
が形成されるので、新たな裏面アキュームレーション工
程を行う必要がなく、製造歩留まりを高めることができ
る。しかも、エネルギー線が入射する面上に形成されて
いる酸化膜をエッチングのストッパに用いるので、入射
面の膜厚を均一にすることができる。
【0070】したがって、チップ間及びチップ内でのエ
ネルギー線に対する感度のばらつきを小さくすることが
でき、CCD部を汚染することなくエネルギー線入射領
域のウエファの膜厚の絶対値や均一性を容易に制御する
ことができる。
【0071】以上より、信頼性の高い半導体エネルギー
検出器の製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体エネルギー検出器の製造方
法を示す工程図である。
【図2】ボロンを用いた場合の不純物プロファイルを示
すグラフである。
【図3】燐を用いた場合の不純物プロファイルを示すグ
ラフである。
【図4】ヒ素を用いた場合の不純物プロファイルを示す
グラフである。
【図5】本発明に係る半導体エネルギー検出器の製造方
法を示す工程図である。
【図6】超音波半田付け装置の断面概略図である。
【図7】本発明に係る半導体エネルギー検出器の製造方
法を示す工程図である。
【図8】フル・フレーム転送方式の構成を示す上面図で
ある。
【図9】フル・フレーム転送方式の要部を示す断面図で
ある。
【図10】読み出し回路図とクロックパルス出力波形を
示す図である。
【図11】従来の裏面照射型検出器を示す図である。
【図12】従来の裏面照射型検出器のポテンシャルプロ
ファイルを示す図である。
【符号の説明】
24…第1のウエファ、25…サブストレイト、26…
シリコン酸化膜、27…第2のウエファ、28…高濃度
不純物領域、29…金属配線、30…CCD、31…シ
リコン窒化膜、32…金属バンプ、33…シリコン酸化
膜、34…金属配線、35…シリコンウエファ、36…
シリコン窒化膜、38…パッケージ、39…ボンディン
グ、41…CCDウエファ、42…超音波振動子、43
…半田、44…撹拌子、45…半田槽、50…樹脂。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】図2は、ボロン濃度2×1015cm-3の第
1のシリコンウエファに250オングストロームの熱酸
化膜を成長し、ボロン濃度が5×1017cm-3の第2の
ウエファとシリコン酸化膜を介して貼り合わせ、110
0℃で90分間の熱処理を行った後の不純物プロファイ
ルを示したものである。高不純物濃度の第2のウエファ
から低不純物濃度の第1のウエファにボロン原子の拡散
が起こり、第1のウエファの貼り合わせ面でのボロン濃
度は1.12×1018cm-3、深さは約1μmなったの
が分かる。なお、図中破線で示すように、ボロンをイオ
ン注入した後アニールを行った場合はボロンがシリコン
酸化膜中に吸収され、第1のウエファのシリコン酸化膜
界面付近でのボロン濃度が低下するが、本実施例によれ
ば、そのような心配はない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】図3は、燐濃度2×1015cm-3の第1の
シリコンウエファに250オングストロームの熱酸化膜
を成長し、燐濃度が1×1019cm-3の第2のウエファ
とシリコン酸化膜を介して貼り合わせ、1100℃で9
0分間の熱処理を行った後の不純物プロファイルを示
す。高不純物濃度の第2のウエファから低不純物濃度の
第1のウエファに燐原子の拡散が起こり、第1のウエフ
ァの貼り合わせ面での燐濃度は3×1016cm-3、深さ
は約1μmとなったのがわかる。なお、第1のウエファ
のシリコン酸化膜界面付近での燐濃度の低下はない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】図4は、アンチモン濃度2×1015cm-3
の第1のシリコンウエファに250オングストロームの
熱酸化膜を成長し、アンチモン濃度が1×1019cm-3
の第2のウエファとシリコン酸化膜を介して貼り合わ
せ、1100℃で90分間の熱処理を行った後の不純物
プロファイルを示す。高不純物濃度の第2のウエファか
ら低不純物濃度の第1のウエファにアンチモン原子の拡
散が起こり、第1のウエファの貼り合わせ面でのアンチ
モン濃度は1.3×1017cm-3、深さは約0.5μm
となったのが分かる。なお、やはり第1のウエファのシ
リコン酸化膜界面付近でのアンチモン濃度の低下はな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 31/09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体薄板の裏面からエネルギー線が入
    射される半導体エネルギー検出器の製造方法において、 低不純物濃度の第1のシリコンウエファと、その第1の
    シリコンウエファと同じ導電型で高不純物濃度の第2の
    シリコンウエファを、シリコン酸化膜を介して熱処理に
    より貼り合わせて一体化する第1の工程と、 前記第1のシリコンウエファの貼り合わせ面の反対面
    に、電荷転送素子を複数配列することによって電荷読み
    出し部を形成する第2の工程と、 前記第2のシリコンウエファの貼り合わせ面の反対面か
    らエッチングを開始して、前記貼り合わせ面のシリコン
    酸化膜を露出させることにより半導体エネルギー検出素
    子を形成する第3の工程とを備えることを特徴とする半
    導体エネルギー検出器の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の工程は、前記電荷読み出し部
    を形成した後、一体化された前記第1及び第2のシリコ
    ンウエファを、予め形成した補助基板に金属バンプを介
    して接続し、前記第1及び第2のシリコンウエファと前
    記補助基板の間に樹脂を充填して硬化する、請求項1記
    載の半導体エネルギー検出器の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2のシリコンウエファは、少なく
    とも前記貼り合わせ面側を高不純物濃度とする、請求項
    1または2記載の半導体エネルギー検出器の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2のシリコンウエファをエッチン
    グする際、アルカリ系のエッチャントが用いられる請求
    項1または2記載の半導体エネルギー検出器の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第1のシリコンウエファはエピタキ
    シャル成長により形成された請求項1または2記載の半
    導体エネルギー検出器の製造方法。
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