JPH0645349Y2 - 単動型平行開閉チャック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は部品の供給、排出を行う装置、ロボット等に用
いるチャックに係り、軸方向の寸法が短くて爪が平行に
開閉することを特徴とする。

［従来の技術］ ロボット用等には回動爪方式のチャックが構造簡単なこ
とから多用されているが、把持の確実性等で有利な平行
開閉チャックも用いられている。

この平行開閉チャックはガイドバーあるいは摺動溝で爪
を往復案内する構造がとられており、本出願人も特開昭
60-255387号として先に提案し、小型の構成を得たが、
これは軸方向の寸法が短く、ピストンで爪を閉じ、対向
爪間のバネで爪を開くもので、ピストンで爪を開く構成
ができず部品の内周把持用にできないという欠点があっ
た。

［考案の目的］ 本考案は、平行開閉チャックに於ける上記欠点を解決
し、ピストンで爪が開けて、かつ軸方向の寸法が短く円
滑な動作をさせる事を目的とした考案である。

［考案の構成］ 本考案は、上記目的を達成するために、 スライド爪を開閉するピストンの外側に閉じ部材を設
け、この閉じ部材をバネで押すようにし、 シリンダの一端を開口させてピストンの剛性を出し、 アクションレバーを閉じ部材、拡開部材、スライド爪と
の間に回動自在に設けると共に、シリンダに設けたバネ
で閉じ部材を押すようにして確実かつ安定な爪の平行開
閉動作をさせたもので、 具体的には、 一端が開口したシリンダにピストンを摺動自在に支持
し、該ピストンを上記開口側に伸ばして拡開部材とし、
該拡開部材が貫通し、上記シリンダに摺動自在に案内さ
れて開口側を上記拡開部材の両側にそれぞれ伸ばして閉
じ部材とし、 上記シリンダの開口側に、上記ピストンの移動方向と直
交方向に開閉自在のスライド爪を支持し、 各スライド爪と上記拡開部材、閉じ部材との間に回動自
在のアクションレバーを設け、上記シリンダに上記閉じ
部材を開口方向に押圧するバネを設けて成り、 上記ピストン、閉じ部材の移動により上記スライド爪を
開閉させる単動型平行開閉チャックにより目的を達成し
た。

［実施例］ 以下図面により本考案の一実施例を説明する。

構成 流体通路（11）を設けたシリンダ（１）には下方開口の
中心孔が設けてあり、夫々と連通するシリンダ室（15）
を形成している。

シリンダ室（15）には外側ピストンとなる閉用ピストン
（２）が摺動自在に嵌入している。

そしてシリンダ室（15）は流体通路（11）と連通し、外
側は平面部（11′）となりここで図示しない配管とシー
ルして結合する。

又閉用ピストン（２）より上部のシリンダ室（15）には
内側ピストンとなる拡開ピストン（９）が摺動自在に嵌
入している。閉用ピストン（２）の筒状部（21）の中心
孔には拡開ピストン（９）の軸部（91）が摺動自在に貫
通し二重ピストンを構成している。

従って２つのピストンは独立可動である。

閉用ピストン（２）の下方には両側に延出して下方に折
曲した押圧片（20）（20）が切欠き案内面（14）（14）
間に嵌って回り止めされている。

そしてシリンダ（１）の開口側端面で閉用ピストン
（２）の延出部と対向する位置には下開口の有底孔（1
7）が設けてあって、ここにコイルバネ（10）が嵌り、
閉用ピストン（２）の延出部を下方向に押圧している。

又拡開ピストン（９）の環状溝（92）にはＶパッキング
（95）が図示方向に嵌り、環状溝（93）は流体通路（1
1）と常時対向し、連通孔（94）を介してシリンダ室（1
5）と通じている。

シリンダ（１）の下方は巾広の切欠き（12）となってい
て、ここに後述アクションレバー（３）（３）、スライ
ド爪（４）（４）が入り、側面（13）（13）がスライド
爪（４）（４）の案内をする。

シリンダ（１）の切欠き（12）を挟む両側には孔（16）
（16）が設けてあり、ここにスリーブ（６）（６）を介
して軸（５）（５）が貫通し、両端がＥリング（８）
（８）により抜け止めされている。

この軸（５）（５）にアクションレバー（３）（３）が
回動自在に嵌り、その両側にベアリング（７）（７）を
介してスライド爪（４）（４）の基準片（40）（40）に
設けた案内長孔（41）（41）が摺動自在に嵌り、スライ
ド爪（４）（４）はピストンの移動方向と直交方向に開
閉自在となっている。〔第４図参照〕 アクションレバー（３）は略三角形状をして、一端面
（33）が閉用ピストン（２）と一体で下方に突出した閉
じ部材となる押圧片（20）と当接し、逆側の端面（32）
が拡開ピストン（９）の拡開部材となる軸部（91）の先
端平面と当り、下端切欠き部（31）にスライド爪（４）
のピン（42）が嵌っている。

そして端面（32）（33）は、第１図に示す通りピストン
（２）（９）の最進出時に押圧片（20）、軸部（91）の
先端平面と夫々平行な面となって面当りするように内下
り斜面に成りかつ先端を面取りしてある。

スライド爪（４）は上方中心にアクションレバー（３）
と同巾の切欠き部（44）が形成してあり、ここにピン
（42）が支持してあって、片側上方には偏った基準片
（40）に摺動方向の案内長孔（41）が軸（５）（５）の
間隔で２ケ所に形成してある。

このスライド爪（４）は左右共通であり、対向させると
（180度回して）基準片（40）が夫々切欠き部（44）を
介した逆側の上に臨んで組み合わさり、開閉爪を構成し
てこの間の切欠き部（44）にアクションレバー（３）が
回動自在に入り、アクションレバー（３）の切欠き部
（31）にピン（42）が嵌り、アクションレバー（３）の
回動にスライド爪（４）が連動するようになっている。

作用 流体通路（11）に加圧空気が送られるとピストン（９）
が進出し（第１図（ロ）の状態〕、アクションレバー
（３）を介してスライド爪（４）（４）が逆方向に移動
して爪（４）（４）が開き、部品等を内側から把むこと
ができる。そして、部品等を離す時には流体通路（11）
を大気圧にすることにより上記とは逆にピストン（２）
がバネ（10）の力で進出し、ピストン（９）がアクショ
ンレバー（３）を介して逆方向に後退する。〔第１図
（イ）の状態〕 即ち、ピストン（２）の進出により両押圧片（20）（2
0）が両アクションレバー（３）（３）の端面（33）（3
3）を押して回動させ夫々のピン（42）（42）を押す。

従ってスライド爪（４）（４）は軸（５）（５）に嵌っ
たベアリング（７）（７）に案内され、かつ摺動面（4
3）（43）が側面（13）（13）に案内されて、案内長孔
（41）の方向に閉じ、部品等の把持時には流体通路（1
1）より加圧空気を送ると、上述の通り爪（４）（４）
を開き加圧空気の力で部品等を内側から把持できる。

勿論、逆にバネ（10）の閉じる力で部品等を外側から把
持する使い方も可能である。

尚図示してないが、スライド爪（４）（４）には部品等
を把む指部が固定されて使用される。

又Ｖパッキングを用いたのは摺動抵抗を小さくする為
で、Ｏリングを用いてもよい。

そして夫々の動作はピストンの移動時に線当り、力のか
かるピストンの最進出時に面当りとなり、摩耗が少な
く、アクションレバーの端面（32）が軸部（91）の先端
平面に当たるので最大の回転モーメントが取り出せる。

［考案の効果］ シリンダ、拡開ピストン、その外周の閉じ部材、アクシ
ョンレバー、スライド爪、シリンダに設けた閉じ部材押
圧バネの構成としたので、軸方向寸法が短く、開き方向
で把持ができ、小型・軽量で部品点数が少なく、回動す
るアクションレバーで作用方向を直交方向に変換して爪
を開閉させるので動作が円滑で効率も良い。

更に、実施例の構成では、スライド爪、軸等全て左右共
通部品で出来、チャックに多用されているエアー等の流
体制御がそのまま使える。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）はチャックが閉じた状態の本考案一実施例
断面図、第１図（ロ）はチャックが開いた状態の同断面
図、第２図はその平面図、第３図は同底面図、第４図は
軸部分の断面図、第５図はシリンダの部品図（正面図、
側面図）、第６図はスライド爪の部品図（正面図、側面
図）、第７図はスライド爪の外形図、第８図はピストン
の部品図（正面図、側面図）を示し、 １……シリンダ、２……閉用ピストン、20……押圧片、
４……スライド爪、５……支点および案内用の軸、７…
…ベアリング、９……拡開ピストンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一端が開口したシリンダにピストンを摺動
   自在に支持し、 該ピストンを上記開口側に伸ばして拡開部材とし、 該拡開部材が貫通し、上記シリンダに摺動自在に案内さ
   れて開口側を上記拡開部材の両側にそれぞれ伸ばして閉
   じ部材とし、 上記シリンダの開口側に、上記ピストンの移動方向と直
   交方向に開閉自在のスライド爪を支持し、 各スライド爪と上記拡開部材、閉じ部材との間に回動自
   在のアクションレバーを設け、 上記閉じ部材の伸ばした部分と対向する位置の上記シリ
   ンダの開口側端面に有底孔を設け、該有底孔に上記閉じ
   部材を開口方向に押圧するバネを設けて成り、 上記ピストン、閉じ部材の移動により上記スライド爪を
   開閉させる単動型平行開閉チャック。