JPH0645216A - 投影型露光装置 - Google Patents

投影型露光装置

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JPH0645216A
JPH0645216A JP3260765A JP26076591A JPH0645216A JP H0645216 A JPH0645216 A JP H0645216A JP 3260765 A JP3260765 A JP 3260765A JP 26076591 A JP26076591 A JP 26076591A JP H0645216 A JPH0645216 A JP H0645216A
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pattern
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light source
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レチクルのパターン面のフーリエ変換面にお
いて光軸から偏心した複数の2次光源像からの光束の強
度を夫々等しく、或いは所定の比とする。 【構成】 レチクル16のパターン面17に対して所定
の入射角ψで光束を照射するためにパターン面のフーリ
エ変換面11b,12cにおいて光軸から偏心した複数
の2次光源像を形成するためのフライアイレンズ11
A,11Bを設け、この2次光源像からの光束の強度を
夫々可変とする光吸収性フィルター10a〜dを設け
る。また、複数の2次光源像からの光束の強度を個別に
計測する照度計21を設ける。 【効果】 光源を交換した場合にもその配光特性の変化
に関わらず、複数の2次光源像からの光束の強度を等し
くすることが可能となる。また照明光のバランスをパタ
ーンの方向性に応じた最適のものとすることが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積素子等の回
路パターン又は液晶素子のパターンの転写に使用される
投影型露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体等の回路パターン形成には、一般
にフォトリソグラフ技術と呼ばれる工程が必要である。
この工程には通常、レチクル(マスク)パターンを半導
体ウェハ等の試料基板上に転写する方法が採用される。
試料基板上には感光性のフォトレジストが塗布されてお
り、照射光像、即ちレチクルパターンの透明部分のパタ
ーン形状に応じて、フォトレジストに回路パターンが転
写される。投影型露光装置では、レチクル上に描画され
た転写すべき回路パターンが、投影光学系を介して試料
基板(ウェハ)上に投影、結像される。
【0003】また、レチクルを照明するための照明光学
系中には、フライアイレンズ、ファイバーなどのオプチ
カルインテグレーターが使用され、レチクル上に照射さ
れる照明光の強度分布が均一化される。その均一化を最
適に行なうために、フライアイレンズを用いた場合、フ
ライアイレンズのレチクル側焦点面とレチクルのパター
ン面とはほぼフーリエ変換の関係で結ばれており、ま
た、レチクル側焦点面と光源側焦点面ともフーリエ変換
の関係で結ばれている。従って、レチクルのパターン面
とフライアイレンズの光源側焦点面(正確にはフライア
イレンズの個々のレンズの光源側焦点面)とは、結像関
係(共役関係)で結ばれている。このためレチクル上で
は、フライアイレンズの各エレメント(2次光源像)か
らの照明光がそれぞれ加算(重畳)されることで平均化
され、レチクル上の照度均一性を良好とすることが可能
となっている。
【0004】従来の投影型露光装置では、上述のフライ
アイレンズ等のオプチカルインテグレーターの入射面に
入射する照明光束の光量分布を、照明光学系の光軸を中
心とするほぼ円形内(あるいは矩形内)でほぼ一様にな
るようにしていた。図10は、上述の従来の投影型露光
装置のオプチカルインテグレータからウェハまでの構成
を模式的に示す図である。照明光束L130は、照明光
学系中のフライアイレンズ11、空間フィルター12、
及びコンデンサーレンズ15を介してレチクル16のレ
チクルパターン17を照明する。ここで、空間フィルタ
ー12はフライアイレンズ11のレチクル側焦点面11
b、即ちレチクル16に対するフーリエ変換面(以後、
瞳面と略す)、若しくはその近傍に配置され、投影光学
系の光軸AXを中心としたほぼ円形領域の開口を有し、
瞳面内にできる2次光源(面光源)像を円形に制限す
る。このとき照明光学系11,12,15の開口数と投
影光学系18のレチクル側開口数の比、所謂σ値は開口
絞り(例えば空間フィルター12の開口径)により決定
され、その値は0.3〜0.6程度が一般的である。
【0005】照明光束L130はレチクル16にパター
ニングされたパターン17により回折され、パターン1
7からは0次回折光D0 、+1次回折光DP 、−1次回
折光Dm が発生する。夫々の回折光D0 ,Dm ,DP
投影光学系18により集光されウェハ20上に干渉縞を
発生させる。この干渉縞がパターン17の像である。こ
のとき0次回折光D0 と±1次回折光DP ,Dm とのな
す角θ(レチクル側)はsinθ=λ/P(λ:露光波
長、P:パターンピッチ)により決まる。ここで、光束
を表す実線は1点から出た光の主光線を表している。
【0006】パターンピッチが微細化するとsinθが
大きくなり、sinθが投影光学系18のレチクル側開
口数(NAR ) より大きくなると±1次回折光DP 、D
m は投影光学系を透過できなくなる。すると、ウェハ2
0上には0次回折光D0 のみしか到達せず干渉縞は生じ
ない。つまりsinθ>NAR となる場合にはパターン
17の像は得られず、パターン17をウェハ20上に転
写することができなくなってしまう。
【0007】以上のことから、従来の露光装置において
は、sinθ=λ/P≒NAR となり、ピッチPは次式
で与えられていた。 P≒λ/NAR (1) 1:1ラインアンドスペースパターンの場合、最小パタ
ーンサイズはピッチPの半分であるから、最小パターン
サイズは0.5・λ/NAR 程度となるが、実際のフォト
リソグラフィーにおいてはウェハの湾曲や、プロセスに
よるウェハの段差等の影響、又はフォトレジスト自体の
厚さのために、ある程度の焦点深度が必要となる。この
ため、実用的な最小解像パターンサイズは、k・λ/N
Aとして表される。ここでkはプロセス係数と呼ばれ0.
6〜0.8程度となる。また、投影光学系のレチクル側開
口数NAR とウェハ側開口数NAW との比は投影光学系
の投影倍率と同じであるので、レチクル上における最小
解像パターンサイズはk・λ/NAR となり、ウェハ上
の最小パターンサイズはk・λ/NAW =k・λ/M・
NAR (但し、Mは投影倍率(縮小率))となる。
【0008】従って、より微細なパターンを転写するた
めには、より短い波長の露光光源を使用するか、あるい
はより開口数の大きな投影光学系を使用するかを選択す
る必要があった。もちろん、波長と開口数の両方を最適
化する努力も考えられる。また、レチクルの回路パター
ンの透過部分のうち、特定の部分からの透過光の位相
を、他の透過部分からの透過光の位相よりπだけずら
す、いわゆる位相シフトレチクルが特公昭62−508
11号公報等で提案されている。この位相シフトレチク
ルを使用すると、従来よりも微細なパターンの転写が可
能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の露
光装置においては、照明光源を現在より短波長化(例え
ば200nm以下)することは、透過光学部材として使
用可能な適当な光学材料が存在しない等の理由により現
時点では困難である。さらに投影光学系の開口数は、現
状でもすでに理論的限界に近く、これ以上の大開口化は
ほぼ望めない状態である。もし現状以上の大開口化が可
能であるとしても、±λ/2NA2 で表わされる焦点深
度は開口数の増加に伴なって急激に減少し、実使用に必
要な焦点深度がますます少なくなるという問題が顕著に
なってくる。
【0010】一方、位相シフトレチクルについては、そ
の製造工程が複雑になる分コストも高く、また検査及び
修正方法も未だ確立されていないなど、多くの問題が残
されている。本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、通常のレチクルを使用しても、高解像度、且つ大焦
点深度が得られる投影型露光装置の実現を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の投影型露光装置
においては、原理的に図9に示すように構成される。図
9において従来と同じ部材には同一の符号をつけてあ
る。図9において、フライアイレンズ11A,11B
は、そのレチクル側焦点面11bがレチクル16上の回
路パターン(レチクルパターン)17に対してほぼフー
リエ変換面となる位置(投影光学系18の瞳面19と共
役な位置)に配置され、且つ、上記のフライアイレンズ
11A,11Bは、複数のフライアイレンズに分散して
配列される。また、フライアイレンズ11A,11Bの
レチクル側焦点面11bにおける照明光量分布を、上記
複数のフライアイレンズ11A,11Bの個々のフライ
アイレンズ位置以外でほぼ零とするために、フライアイ
レンズの光源側に遮光板12を設ける。このためフライ
アイレンズ11A,11Bのレチクル側焦点面11bに
おける照明光量分布は各フライアイレンズ11A、11
Bの位置でのみ存在し、それ以外ではほぼ零となる。
【0012】フライアイレンズ11A,11Bのレチク
ル側焦点面11bはレチクルパターン17に対するフー
リエ変換面にほぼ等しいので、フライアイレンズ11
A,11Bのレチクル側焦点面11bでの光量分布(光
束の位置座標)は、レチクルパターン17に対する照明
光束の入射角度ψに対応することになる。従って、フラ
イアイレンズ11A、11Bの個々の位置(光軸に垂直
な面内での位置)を調整することによって、レチクルパ
ターン17に入射する照明光束の入射角を決定すること
ができる。ここで、フライアイレンズ11A,11Bは
光軸AXと対称に配置するのが望ましい。
【0013】上記構成の露光装置において、フライアイ
レンズ11A,11Bより射出される光束の強度を調節
する吸光性フィルター10a〜dを設け、レチクルパタ
ーンの局所的な周期の方向性に応じた所定の強度比とな
るように制御する制御部を設けた。また、各フライアイ
レンズ11A,11Bからの光束の強度を計測する照度
計21を設け、この照度計21からの光強度信号、即
ち、各フライアイレンズより射出される光束の強度に基
づいて、上記吸光性フィルターを制御する制御部を設け
た。
【0014】さらに本発明においては上記フライアイレ
ンズ11A、11Bをそれぞれ独立に、光軸と垂直な面
内方向に可動とすることも可能であり、個々のフライア
イレンズをそれぞれ移動、位置調整することにより、レ
チクル16に入射するそれぞれの照射光束(複数本)の
入射角度を任意に制御することも可能である。
【0015】
【作用】レチクル(マスク)上に描画された回路パター
ン17は、一般に周期的なパターンを多く含んでいる。
従って1つのフライアイレンズ11Aからの照明光が照
射されたレチクルパターン17からは0次回折光成分D
0 、±1次回折光成分D P ,Dm 、及びより高次の回折
光成分が、パターンの微細度(ピッチ)に応じた回折角
の方向に発生する。このとき、図9に示すように照明光
束(主光線)L120は光軸に対して傾いた角度ψでレ
チクル16に入射するから、発生した各次数の回折光成
分も、垂直に照明された場合に比べて傾き(角度ずれ)
をもってレチクルパターン17から発生する。
【0016】照明光L120はレチクルパターン17に
より回折され、光軸AXに対してψだけ傾いた方向に進
む0次回折光D0 、0次回折光D0 に対してθP だけ傾
いた+1次回折光DP 、及び0次回折光D0 に対してθ
m だけ傾いた−1次回折光D m を発生する。従って、+
1次光DP は光軸AXに対して角度(θP +ψ)の方向
に進行し、−1次回折光Dm は光軸AXに対して角度
(θm −ψ)の方向に進行する。
【0017】このとき回折角θP 、θm はそれぞれ sin(θP +ψ)− sinψ=λ/P (2) sin(θm −ψ)+ sinψ=λ/P (3) で表される。ここでは、+1次回折光DP 、−1次回折
光Dm の両方が投影光学系18の瞳19を透過している
ものとする。
【0018】レチクルパターン17の微細化に伴って回
折角が増大すると、先ず角度(θP+ψ)の方向に進行
する+1次回折光DP が投影光学系18の瞳19を透過
できなくなる。即ちsin(θP +ψ)>NAR の関係
になってくる。しかし照明光L120が光軸AXに対し
て傾いて入射しているため、回折角が大きくなっても−
1次回折光Dm は投影光学系18に入射可能となる。即
ちsin(θm −ψ)<NAR の関係になる。よって、
ウェハ20上には0次回折光D0 と−1次回折光Dm
2光束による干渉縞が生じる。この干渉縞はレチクルパ
ターン17の像であり、レチクルパターン17が1:1
のラインアンドスペースの時、ウェハ20上に塗布され
たレジストには約90%のコントラストでレチクルパタ
ーン17の像をパターニングすることが可能となる。
【0019】尚、このときの解像限界は、 sin(θm −ψ)=NAR (4) となるときであり、従って NAR +sinψ=λ/P P=λ/(NAR +sinψ) (5) が転写可能な最小パターンのレチクル側でのピッチPで
ある。
【0020】例えばいま、sinψを0.5×NAR 程度
に定めるとすれば、転写可能なレチクル上のパターンの
最小ピッチは、 P=λ/(NAR +0.5NAR ) =2λ/3NAR (6) となる。
【0021】一方、図10に示したように、レチクル1
6の瞳面上での照明光の分布が投影光学系18の光軸A
Xを中心とする円形領域である従来の露光装置の場合、
解像限界は(1)式に示したようにP≒λ/NAR であ
った。以上のことから、従来の露光装置より高い解像度
が実現できることがわかる。次に、レチクルパターンに
対して特定の入射方向と入射角で光束を照射し、0次回
折光成分と1次回折光成分とを用いてウェハ上に結像パ
ターンを形成する方法によって、焦点深度が大きくなる
理由について説明する。
【0022】図9のようにウェハ20が投影光学系18
の焦点位置(最良結像面)に一致している場合には、レ
チクルパターン17中の1点を出てウェハ20上の一点
に達する各回折光は、投影光学系18のどの部分を通る
ものであってもすべて等しい光路長を有する。このため
従来のように0次回折光成分が投影光学系18の瞳面1
9のほぼ中心(光軸近傍)を通過する場合でも、0次回
折光成分とその他の回折光成分とで光路長は相等しく、
相互の波面収差も零である。
【0023】しかし、ウェハ20が投影光学系18の焦
点位置に一致していないデフォーカス状態の場合、図1
0に示すような従来の装置では、投影光学系に対して斜
めに入射する高次の回折光の光路長は、光軸近傍を通る
0次回折光に対して焦点前方(投影光学系18から遠ざ
かる方)では短く、焦点後方(投影光学系18に近づく
方)では長くなりその差は入射角の差に応じたものとな
る。従って、各回折光は相互に波面収差を形成し、焦点
位置の前後にボケを生じることとなる。
【0024】前述のデフォーカスによる波面収差は、ウ
ェハ20の焦点位置からのデフォーカス量をΔF、各回
折光がウェハに入射するときの入射角θw の正弦をr
(r=sinθw )とすると、ΔFr2 /2で与えられ
る量である。このときrは各回折光の、瞳面19での光
軸AXからの距離を表わす。図10に示した従来の投影
型露光装置では0次回折光D0 は光軸AXの近傍を通る
ので、r=0となり、±1次回折光DP ,Dm は、r=
M・λ/Pとなる(Mは投影光学系の倍率)。
【0025】従って、0次回折光D0 と±1次回折光D
P ,Dm とのデフォーカスによる波面収差は、ΔF・M
2(λ/P)2/2となる。一方、本発明における投影型露
光装置では、図9に示すように0次回折光成分D0 は光
軸AXから角度ψだけ傾いた方向に発生するから、瞳面
19における0次回折光成分の光軸AXからの距離はr
=M・sinψである。また、−1次回折光成分Dm
瞳面における光軸からの距離はr=M・sin(θm
ψ)となる。そしてこのとき、sinψ=sin(θm
−ψ)となれば、0次回折光成分D0 と−1次回折光成
分Dm のデフォーカスによる相対的な波面収差は零とな
り、ウェハ20が焦点位置より光軸方向に若干ずれても
パターン17の像ボケは従来程大きく生じないことにな
る。即ち、焦点深度が増大することになる。また、
(3)式のように、sin(θm −ψ)+sinψ=λ
/Pであるから、照明光束L120のレチクル16への
入射角ψが、パターンのピッチPに対してsinψ=λ
/2Pの関係にあれば、焦点深度を増大することが可能
である。
【0026】ところで、図9では、2個のフライアイレ
ンズが光軸AXに対して位置的に対称性を保った状態を
示しているが、この2個のフライアイレンズ11A,1
1Bより射出される光量は必ずしも等しいとは限らな
い。従ってフライアイレンズの位置とその位置からの光
束の光量とを考慮した対称性を保つには、両フライアイ
レンズからの光束の光量も等しくしておく必要がある。
この対称性が保たれないと、ウェハ共役面における照明
光束の方向重心(投影光学系の瞳面における光軸から各
光束への位置ベクトルに各光束の光量を乗じたものの総
和)が光軸から外れることとなる。即ち、投影光学系の
ウェハ側のテレセントリシティーが保たれないこととな
り、デフォーカス時にパターン像の横ずれ(所謂テレセ
ンずれ)が生じることとなる。
【0027】本発明では、各フライアイレンズからの光
束の強度を調整する吸光性フィルターを設けたために、
各フライアイレンズから照射される光束の強度(光量)
を調整することができる。また、各フライアイレンズか
らの光束の強度を計測する照度計を設けたことにより、
各光束の強度比がレチクル上のパターンの局部的な周期
の方向性に応じた所定の値となるように制御することが
可能となる。
【0028】
【実施例】図1は本発明の実施例による投影型露光装置
(ステッパー)の概略的な構成を示す図である。この構
成において、フライアイレンズ11A,11Bの夫々の
光源側焦点面11aの所定の領域に照明光の光量分布を
集中せしめる光学部材(本発明のインプット光学系の一
部)として、多面体プリズム5を設けることとした。
【0029】水銀ランプ1より発生した照明光束は、楕
円鏡2の第2焦点f0 に集光した後、ミラー3、リレー
系等のレンズ系4を介して多面体プリズム5に照射され
る。このときの照明方法は、ケーラー照明法であっても
クリチカル照明であっても良い。多面体プリズム5から
発生した光束は、リレーレンズ9によりフライアイレン
ズ11A,11Bの夫々に集中して入射する。このと
き、フライアイレンズ11A,11Bの光源側焦点面1
1aと、多面体プリズム5とは、リレーレンズ9を介し
て、ほぼフーリエ変換の関係となっている。尚、図1で
は、多面体プリズム5への照明光を平行光束として図示
したが、実際は発散光束となっているため、フライアイ
レンズ11A,11Bへの入射光束はある大きさ(面
積)を持っている。
【0030】一方、フライアイレンズ11A,11Bの
レチクル側焦点面11bは、レチクルパターン17のフ
ーリエ変換面(瞳共役面)とほぼ一致するように、光軸
AXと垂直な面内の方向に配置されている。また、個々
のフライアイレンズ11A,11Bは光軸AXと垂直な
面内の方向に夫々独立に可動であり、且つ、そのための
可動部材(本発明の位置調整部材)に保持されている
が、その詳細は後述する。
【0031】個々のフライアイレンズ11A,11Bは
同一の形状、同一の材質(屈折率)のものであることが
望ましい。また図1に示した個々のフライアイレンズ1
1A,11Bの各レンズエレメントは、両凸レンズと
し、且つ光源側焦点面11aと入射面、レチクル側焦点
面11bと射出面がそれぞれ一致する場合の例であった
が、フライアイのレンズエレメントはこの関係を厳密に
満たさなくても良く、また平凸レンズや、凸平レンズ或
いは平凹レンズであってもよい。
【0032】尚、フライアイレンズの光源側焦点面11
aとレチクル側焦点面11bとは、当然ながらフーリエ
変換の関係である。従って図1の例の場合、フライアイ
レンズのレチクル側焦点面11b、即ちフライアイレン
ズ11A,11Bの射出面は、多面体プリズム5と結像
関係(共役)になっている。図2は、投影型露光装置の
フライアイレンズ11A、11Bから投影光学系18ま
での構成を模式的に表す図であり、フライアイレンズの
レチクル側焦点面11bが、レチクルパターン17のフ
ーリエ変換面12cと一致している。またこのとき、レ
チクル側焦点面11bとレチクルパターン17とをフー
リエ変換の関係とならしめる光学系を一枚のレンズ1
5′として表わしてある。さらに、レンズ15′のフラ
イアイレンズ側主点Hからフライアイレンズ11A,B
のレチクル側焦点面11bまでの距離と、レンズ15′
のレチクル側主点H′からレチクルパターン17までの
距離は共にfであるとする。
【0033】さて、フライアイレンズ11A,11Bの
レチクル側焦点面11bより射出される光束は、コンデ
ンサーレンズ13,15、及びミラー14を介して、レ
チクル16を均一な照度分布で照明する。遮光板12
A,12Bは、それぞれフライアイレンズ11A,11
Bの各位置に対応し、可動となっている。このため、フ
ライアイレンズ11A,11Bからの照明光束を夫々任
意に遮光、透光することが可能である。このためレチク
ルパターン17に照明される照明光を、フライアイレン
ズ11A,11Bのうちいずれか一方からの光束(2次
光源像からの光束)のみとすることができ、従って、例
えばウェハ20表面との共役面にその受光面を持った後
述の照度計21を用いて光束の強度を計測する際、各フ
ライアイレンズからの光束の強度を独立して計測するこ
とができる。この照度計は、ウェハ共役面に配置される
ものに限定されず、例えば、ミラー14の裏面に11b
と共役な面を作り、そこに配置して計測してもよい。そ
の場合、遮光板12Aは必要ない。
【0034】こうして照明されたレチクル16上のレチ
クルパターン17から発生した回折光は、図9で説明し
たのと同様に、テレセントリックな投影光学系18によ
り集光、結像され、ウェハ20上にレチクルパターン1
7の像を転写する。前述の多面体プリズム5を使って照
明光束を分割して、その光束をフライアイレンズ11
A,11Bの光源側焦点面内の特定の位置(フライアイ
レンズ)に集中させる際、その集中位置は、多面体プリ
ズム5の傾斜角や方向性によって変化する。従って、各
フライアイレンズ11A、11Bの位置に照明光を集中
させるべく、多面体プリズム5の傾斜角や方向性を決定
する。
【0035】上記実施例では、多面体プリズム5とフラ
イアイレンズ11A,11Bの光源側焦点面をフーリエ
変換の関係としたが、結像関係としてもよい。但し、フ
ーリエ変換の関係とした方が、多面体プリズム5上のゴ
ミ等によるレチクル16上の照度均一性の悪化を防ぐこ
とができる。また図中では、多面体プリズム5により照
明光束を2光束に分割するものとしたが、多面体プリズ
ムの面数を増すことでより多くの光束に分割することが
できる。さらに多面体プリズムの代わりに回折格子状パ
ターンを用い、複数の方向に回折光を発生する構成とし
ても構わない。
【0036】さて、図1中フライアイレンズ11A,1
1Bの光源側には、光強度可変手段として吸光性フィル
ター(又は金網等)10a,10b,10c,10dを
各フライアイレンズへの光路中に独立して進退可能に設
けた。フライアイレンズ11Aより光源側の2つのフィ
ルター10a,10cは夫々透過率が異なるものとす
る。例えばフィルター10aの透過率を99%、フィル
ター10cの透過率を98%とすると、この2枚の組み
合わせにより、透過率100%(どちらも使用しな
い)、99%(フィルター10aのみ使用)、98%
(フィルター10cのみ使用)、97%(フィルター1
0a,10c共に使用)の4通りの透過率が実現でき
る。尚、フライアイレンズ11Bより光源側のフィルタ
ー10b,10dについても同様である。各フィルター
10a〜10dの各光路中への進退は駆動系51によっ
て制御される。また、駆動系51は、前述の遮光板12
A,12Bの各光路(各フライアイレンズ射出面近傍)
への出し入れも制御するものとする。さらに各フライア
イレンズ11A,11Bが可動であれば、各フライアイ
レンズの移動も行うものとする。
【0037】図1中、ウェハ20を保持するウェハホル
ダー22は、ウェハステージ23によって光軸AXと垂
直な面内に可動である。またウェハステージ23上に
は、照度計21があり、ウェハ上の像面と共役な位置で
の照明光強度を計測することができる。従って前述の遮
光板12A,12Bを操作し、各フライアイレンズ11
A,11Bのうちの1つを残してそれ以外からの照明光
束を全て遮光することで、1つのフライアイレンズから
の光束の強度を計測することができる。この計測を各フ
ライアイレンズについて夫々行うことにより、各フライ
アイレンズからの光束の強度を知ることができる。強度
計測時にはレチクル16は装填されていない方が好まし
いが、レチクルの入った状態で計測をしてもよい。計測
した各光束の強度により、特に強度の強いものを低減す
べく、フィルター10a〜dを操作する。これによって
各フライアイレンズからの光束の強度を等しくすること
ができる。また、各フライアイレンズの配置は、光軸A
Xに対して対称とする。このため、前述の投影光学系の
瞳面における光軸から各光束への位置ベクトルに各光束
の光量を乗じたものの総和(方向重心)が零となり、前
述のテレセンずれを零とすることができる。或いは後述
のように、レチクル16のパターンの方向性(各方向に
延びたパターンの存在比率等)に応じて、各フライアイ
レンズからの光束の強度の比率を任意に設定することも
可能である。
【0038】尚、上記の吸光性フィルター10a〜10
dは、各フライアイレンズ11A,11Bから射出され
た各光束中に挿入しても良いが、各フライアイレンズに
よってレチクル上(即ち、ウェハ共役面)で均一化され
た照明光の均一性を悪化しないためにも各フライアイレ
ンズよりも光源側に設けることが望ましい。或いは各フ
ライアイレンズよりもレチクル側に設ける場合には、光
強度可変手段として可変絞りを各フライアイレンズのレ
チクル側焦点面近傍に設けるとよい。この可変絞りも主
制御系50、及び駆動系51により開閉される。
【0039】ところで、光源である水銀ランプ1には使
用時間の限界(寿命)があり、現在のところ約600時
間毎に新品と交換して使用している。水銀ランプには、
製造段階で生じる個体差があり、光量の配向特性等がラ
ンプ毎に異なる。従って、以前のランプ使用時には各々
のフライアイレンズからの光束の強度が等しかった場合
でも、ランプを交換することによってそれに伴う配向特
性等の変化が生じ、各フライアイレンズからの光束の強
度が等しくならない可能性がある。またこのことは、1
個の水銀ランプを使用中の経時変化によっても発生し得
るものである。従って、上記の吸光性フィルターの調整
は、ランプ交換毎、或いはランプ使用中の例えば100
時間毎に行うと良い。
【0040】ところで、フライアイレンズのレチクル側
焦点面内での2次光源像の位置は、使用するレチクルの
パターンのピッチ(周期性)に応じて変更できることが
望ましい。以下に、フライアイレンズを可動とする実施
例について説明する。図3はフライアイレンズの可動部
を光軸方向から見た図であり、図4は光軸と垂直な方向
から見た図である。複数のフライアイレンズとして図3
では4個のフライアイレンズ11A,11B,11C,
11Dを光軸からほぼ等距離に配置している。また、フ
ライアイレンズ11A,11B,11C,11Dの夫々
は、図3には32個のレンズエレメントで構成されるよ
うに示しているが、これに限定されるものではなく、極
端な場合2個のレンズエレメントで構成されたフライア
イレンズとしてもよい。
【0041】さて図3、図4において、フライアイレン
ズ11A,11B,11C,11Dは夫々治具80A,
80B,80C,80Dにより保持され、これら治具8
0A,80B,80C,80Dはさらに支持棒70A,
70B,70C,70Dを介して可動部材71A,71
B,71C,71Dにより夫々支持されている。この支
持棒70A,70B,70C,70Dは、可動部材71
A,71B,71C,71Dに含まれるモーター及びギ
ア等の駆動素子により、光軸AXを中心とした放射方向
に伸縮可能となっている。また、可動部材71A,71
B,71C,71D自体も、固定ガイド72A,72
B,72C,72Dに沿って移動可能であり、従って個
々のフライアイレンズ11A,11B,11C,11D
は光軸AXと垂直な面内の任意の位置に夫々独立に移動
可能である。
【0042】また、図4に示す如く各フライアイレンズ
の入射側には、吸光性フィルター10a,10b,10
c,10dが設けられており、これらは夫々支持棒10
e,10f,10g,10hによって各光束中に出し入
れ可能となっている。また、各フライアイレンズ11
A,11Bが移動した場合には、減光手段10a,b,
c,dもそれに追従して移動すればよい。また遮光板1
2A,12Bもフライアイレンズ11A,Bの移動に応
じて移動可能であり、フライアイレンズ11A,Bの位
置に係わらず、任意のフライアイレンズからの光束のみ
を透過させ、他の光束全てを遮光することができる。さ
らに、各フライアイレンズ11A,11Bを保持する治
具80A,80Bが夫々遮光羽根81A,81Bを有し
ていれば、図9に示すような遮光板12の開口部はフラ
イアイレンズの径よりかなり大きくて良くなる。また、
各遮光羽根81A,81Bは、光軸方向にわずかずつず
れていると、各フライアイレンズの移動範囲に与える制
限が減少される。
【0043】ところで、上述の如くフライアイレンズ1
1A〜Dが移動する場合、多面体プリズム等のインプッ
ト光学系から射出される光束の通過する位置(光軸AX
を中心として光軸と垂直な面内の位置)もフライアイレ
ンズの移動に応じて変更する必要がある。このためのイ
ンプット光学系の構成について図5に示す。インプット
光学系は2つの多面体プリズム5a,5bで構成され、
このプリズムの間隔を変更することにより、分割された
各光束の光軸からの距離を変更することができる。ま
た、このプリズム5a,5bを光軸AXについて回転す
ることで、光軸を中心とした円周方向の光束の位置も変
更できる。尚、光束の通過位置を変更する構成はこの方
式に限定されず、例えば上述の回折格子状パターンを用
いた場合、パターンのピッチや方向性の異なるパターン
と交換する構成とすればよい。
【0044】さて、図3、及び図4に示したフライアイ
レンズ11A,11B,11C,11Dの各位置(光軸
と垂直な面内での位置)は、転写すべきレチクルパター
ンに応じて決定(変更)するのが良い。つまり、作用の
項で述べたように各フライアイレンズからの照明光束
が、転写すべきパターンの微細度(ピッチ)に対して最
適な解像度、及び焦点深度の向上効果を得られるような
入射角ψでレチクルパターンに入射するようにすればよ
い。
【0045】次に各フライアイレンズの位置決定の具体
例について、図6を用いて説明する。図6(A),
(C)は、共にレチクルパターン17中に形成される一
部分のパターンの例を示す図である。図6(B)は、図
6(A)に示すようなパターンを照明するのに最適な、
レチクルパターンのフーリエ変換面(又は投影光学系の
瞳面)での各フライアイレンズの中心の位置を示し、同
様に図6(D)は、図6(C)に示すようなパターンを
照明するのに最適な、各フライアイレンズの中心の位置
を示す図である。
【0046】図6(A)は、所謂1次元ラインアンドス
ペースパターンであって、Y方向に帯状に延びた透過部
と遮光部とが等しい幅で、且つX方向にピッチPで規則
的に並んでいる。このとき、個々のフライアイレンズの
最適位置は図6(B)に示すようにフーリエ変換面12
c内に仮定したY方向の線分Lα上、及び線分Lβ上の
任意の位置となる。図6(B)はレチクルパターン17
に対するフーリエ変換面12c(フライアイレンズのレ
チクル側焦点面11b)を光軸AX方向から見た図であ
り、且つ、面12c内の座標系X,Yは、同一方向から
レチクルパターン17を見た図6(A)と同一にしてあ
る。さて、図6(B)において光軸AXが通る中心Cか
ら、各線分Lα、Lβまでの距離α、βはα=βであ
り、露光波長をλとしたとき、α=β=f・λ/2Pに
等しい。この距離α,βをf・sinψと表わせれば、
sinψ=λ/2Pであり、これは作用の項で述べた数
値と一致している。従って各フライアイレンズの各中心
(各フライアイレンズの夫々によって作られる2次光源
像の光量分布の各重心)位置が線分Lα、Lβ上にあれ
ば、図6(A)に示す如きラインアンドスペースパター
ンに対して、各フライアイレンズからの光束を照射した
際に発生する±1次回折光のうちのどちらか一方と0次
回折光との2つの回折光は、投影光学系瞳面19におい
て光軸AXからほぼ等距離となる位置を通る。従って前
述の如く、ラインアンドスペースパターン(図6
(A))に対する焦点深度を最大とすることができ、且
つ高解像度を得ることができる。
【0047】次に図6(C)は、レチクルパターンが所
謂2次元島状パターンである場合であり、且つ、パター
ンのX方向のピッチがPx、Y方向のピッチがPyとな
っている。図6(D)はこのようなパターンを照明する
場合の各フライアイレンズの最適位置を表わす図であ
り、図6(C)の座標系X,Yの関係は図6(A),
(B)の関係と同じである。図6(C)の如き2次元パ
ターンに照明光が入射するとパターンの2次元方向の周
期性(X方向はPx、Y方向はPy)に応じた2次元方
向に回折光が発生する。この場合も、回折光中の±1次
回折光のうちのいずれか一方と0次回折光とが投影光学
系瞳面19において光軸AXからほぼ等距離となるよう
にすれば、焦点深度を最大とすることができる。つま
り、図6(C)のパターンのX方向のピッチはPxであ
るから、図6(D)に示すようにα=β=f・λ/2P
xとなる線分Lα、Lβ上に各フライアイレンズの中心
があれば、パターンのX方向成分について焦点深度を最
大とすることができる。同様に、γ=ε=f・λ/2P
yとなる線分Lγ、Lε上に各フライアイレンズの中心
があれば、パターンY方向成分について焦点深度を最大
とすることができる。
【0048】以上、図6(B)、又は(D)に示した各
位置に配置したフライアイレンズからの照明光束がレチ
クルパターン17に入射すると、+1次回折光成分
R 、又は−1次回折光成分Dm のいずれか一方と0次
光回折光成分D0 とが、投影光学系18内の瞳面19で
光軸AXからほぼ等距離となる光路を通る。従って作用
の項で述べたとおり、高解像及び大焦点深度の投影型露
光装置が実現できる。
【0049】以上、レチクルパターン17として図6
(A)、又は(C)に示した2例のみを考えたが、他の
パターンであってもその周期性(微細度)に着目し、そ
のパターンからの+1次回折光成分、又は−1次回折光
成分のいずれか一方と0次回折光成分との2光束が、投
影光学系内の瞳面19では光軸AXからほぼ等距離にな
る光路を通る様な位置に各フライアイレンズの中心を配
置すればよい。
【0050】また図6(A)、(C)のパターン例は、
遮光部と透過部との比(デューティ比)が1:1のパタ
ーンであったため、発生する回折光中では±1次回折光
が強くなる。このため、±1次回折光のうちの一方と0
次回折光との関係のみに着目した。しかし、デューティ
比が1:1から異なるパターンの場合等では他の回折
光、例えば±2次回折光のうちの一方と0次回折光との
位置関係が、投影光学系瞳面19において光軸AXから
ほぼ等距離となるようにしてもよい。
【0051】さらに、レチクルパターン17が図6
(C)の如く2次元の周期性パターンを含む場合、特定
の1つの0次回折光成分に着目したとき、投影光学系の
瞳面19上ではその1つの0次回折光成分を中心として
X方向に分布する1次以上の高次回折光成分と、Y方向
に分布する1次以上の高次回折光成分とが存在し得る。
そこで、特定の1つの0次回折光成分に対して2次元の
パターンの結像を良好に行うものとすると、X方向に分
布する高次回折光成分の1つと、Y方向に分布する高次
回折光成分の1つ、及び特定の0次回折光成分との3つ
の回折光成分が、瞳面19上で光軸AXからほぼ等距離
に分布するように、特定の0次回折光成分(1つのフラ
イアイレンズ)の位置を調節すればよい。例えば、図6
(D)中でフライアイレンズ中心位置を点Pζ、Pη、
Pκ、Pμのいずれかと一致させるとよい。点Pζ、P
η、Pκ、Pμはいずれも線分LαまたはLβ(X方向
の周期性について最適な位置、即ちX方向の±1次回折
光の一方と0次回折光とが投影光学系瞳面19上で光軸
からほぼ等距離となる位置)と線分LγまたはLε(Y
方向の周期性について最適な位置)との交点であるため
X方向、Y方向のいずれのパターン方向についても最適
な光源位置である。
【0052】以上の実施例においては、2次元パターン
としてレチクル上の同一箇所に2次元の方向性を有する
パターンを仮定したが、同一レチクルパターン中の異な
る位置に異なる方向性を有する複数のパターンが存在す
る場合にも上記の方法を適用することが出来る。レチク
ル上のパターンが複数の方向性又は微細度を有している
場合、フライアイレンズの最適位置は、上述の様にパタ
ーンの各方向性及び微細度に応じたものとなる。或いは
各最適位置の平均位置にフライアイレンズを配置しても
よい。また、この平均位置は、パターンの微細度や重要
度に応じた重みを加味した加重平均としてもよい。尚、
上記のようにフライアイレンズを移動した際は、照度計
21で各フライアイレンズからの光束の強度を計測し、
夫々所定の強度になっているかを確認するのが望まし
い。
【0053】以上の実施例では、複数のフライアイレン
ズの各々からレチクル面(ウェハ共役面)に照明される
光量は夫々等しいものとしたが、本発明による光強度可
変手段により、より積極的に各フライアイレンズからの
光束の強度を異ならせるようにすれば、新たな効果が生
じてくる。このことについて、以下に説明する。例えば
図7(A)に示すような、X,Y方向に対して45°傾
斜した方向にその周期を有するパターン17aの場合、
2次光源像の位置(フライアイレンズ位置)は、図7
(B)に示す領域110a,110bが好ましい。但
し、座標系の位置関係は図6に示すものと同様である。
【0054】一方、図7(C)に示すようなX,Y方向
に沿った2次元方向にその周期を有するパターン17c
の場合は、図7(D)に示す領域110c,d,e,f
が望ましい。ここで、図8(E)に示すようなパターン
17eについて考える。このパターンは図7(A)に示
すパターンと図7(C)に示すパターンとの組み合わせ
と考えることができる。このうちのX,Y方向に沿った
パターンについては図7(D)に示す4領域からの光束
が最適であるが、X,Y方向に対して傾斜したパターン
については図7(D)中の領域110c,110eの2
領域からの光束のみが有効であって(図7(B)中の1
10a,110bと等価)、領域110d,110fか
らの光束はむしろ悪影響を及ぼすことになる。従って図
8(E)に示すようなパターンに対しては、図8(F)
に示すような領域110g,110hからの光束の強度
を強くし、領域110i,110jからの光束の強度を
弱くすれば、領域110i,110jの傾斜パターンに
与える悪影響を低減することができる。尚、領域110
gと110h、及び110iと110jとは夫々光軸A
Xに対して対称であるため、領域110gと110h、
及び110iと110jとの2組の領域からの光束の強
度が等しければ、光量重心の方向は光軸からずれること
がなく、従ってテレセンずれも生じない。尚、この各領
域の強度比は、レチクル内に存在する各方向のパターン
の存在比率等を考慮して決定すればよい。また強度比の
調整は、吸光性フィルター10a〜10dを用いて行え
ばよく、このときのフィルターの透過率は、50%以下
であった方が好都合である。但し、このフィルターの透
過率や数は、使用するパターンの種類に応じて適宜選択
すればよい。
【0055】以上のようにレチクルパターンの周期の方
向性を考慮する場合、上記の各情報、或いは各2次光源
像からの光束の強度比は、図1中のキーボード52から
入力可能とする。入力する情報がパターンの方向性であ
る場合、それに応じた各フライアイレンズの位置、及び
光束の強度比は、主制御系50で決定すればよい。とこ
ろで、各フライアイレンズ夫々からレチクルへ照射され
る光束の開口数は、σ値として0.1から0.3程度である
とよい。σ値が小さすぎると、照度の低下や照度むらを
生じやすく、大きすぎると本発明による高解像度、大焦
点深度の効果が低下する以上の実施例においては、光源
として水銀ランプ1を用いたが、他の輝線ランプやレー
ザー(KrF等)光源、或るいは連続スペクトルの光源
であっても良い。また照明光学系中の光学部材の大部分
をレンズとしたが、ミラー(凹面鏡、凸面鏡)であって
も構わない。さらに投影光学系としては屈折系であって
も、反射系、或るいは反射屈折系であってもよい。ま
た、以上の実施例においては両側テレセントリックな投
影光学系を使用したが片側テレセントリック系でも、非
テレセントリック系でも同様である。その他、光源から
発生する照明光のうち、特定の波長の光のみを利用する
ために、照明光学系中に干渉フィルター等の単色化手段
を設けてもよい。
【0056】照明光の均一化については、フライアイレ
ンズ11A,11B,11C,11Dの光源側焦点面1
1a近傍に、拡散板や光ファイバー束等の光散乱部材を
用いることで、照明光の均一化を行なっても良い。或る
いは本発明の実施例で使用されたフライアイレンズ11
A,11Bとは別に、さらにフライアイレンズ(以後、
別フライアイレンズと称する)等のオプチカルインテグ
レーターを用いて、照明光の均一化を行なっても良い。
このとき別フライアイレンズは、上記フライアイレンズ
11A,11Bの光源側焦点面11a近傍での照明光量
分布を可変とする光学部材(即ち、インプット光学
系)、例えば図1に示した多面体プリズム5等よりも光
源側であることが望ましい。
【0057】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、通常のマス
クを使用しながら、従来よりも高解像度、大焦点深度の
投影型露光装置を実現することが可能である。しかも本
発明によれば、すでに半導体生産現場で稼働中の投影型
露光装置の照明系部分、及び主制御系の一部分を替える
だけでよく、稼働中の装置の投影光学系をそのまま利用
して,それまで以上の高解像力化が可能となる。
【0058】また、露光装置のランプ交換、或いはレー
ザ交換等に伴って、光源の配向特性、或いは位置が変化
した場合にもこれを補償することができ、安定した露光
装置を実現することができる。さらに、複数の2次光源
像からの光束のうち任意のものの強度を変更することに
より、種々の方向性のパターンを有するレチクルに対し
て最適な結像性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による投影型露光装置の概略的
な構成を示す図
【図2】本発明の実施例による投影型露光装置における
フライアイレンズから投影光学系までの構成を模式的に
表す図
【図3】本発明の実施例による投影露光装置におけるフ
ライアイレンズの配置とその可動部材との構成を光軸方
向からみた図
【図4】本発明の実施例による投影露光装置におけるフ
ライアイレンズの配置とその可動部材との構成を光軸と
垂直な方向からみた図
【図5】インプット光学系の他の構成を示す図
【図6】(A),(C)は、マスク上に形成されたレチ
クルパターンの一例を示す図 (B),(D)は、図6(A),(C)に示すようなパ
ターンを照明するのに最適な、レチクルパターンのフー
リエ変換面でのフライアイレンズの位置を示す図
【図7】(A),(C)は、本発明の実施例による投影
型露光装置に使用するレチクルパターンの例を示す図 (B),(D)は、図7(A),(B)に示すパターン
を照明するのに最適な光束のレチクルのフーリエ変換面
における領域を示す図
【図8】(E)は、本発明の実施例による投影型露光装
置に使用するレチクルパターンの他の例を示す図 (F)は、図8(E)に示すパターンを照明するのに最
適な、レチクルパターンのフーリエ変換面におけるフラ
イアイレンズの位置を示す図
【図9】本発明の原理を説明する図
【図10】従来の投影型露光装置の構成を示す図
【符号の説明】
5 多面体プリズム 9 レンズ系 10 吸光性フィルター 11A,11B,11C,11D フライアイレンズ 12,12A,12B 遮光板(空間フィルター) 12c レチクルパターンのフーリエ変換面 21 照度計 50 主制御系 70A,70B,70C,70D 支持棒 71A,71B,71C,71D 可動部材 72A,72B,72C,72D 固定ガイド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの照明光をほぼ均一な強度分布
    に成形するとともに、該均一な照明光を周期的なパター
    ン部分を有するマスクに照射する照明光学系と、前記マ
    スクのパターンの像を感光基板に結像投影する投影光学
    系とを備えた投影型露光装置において、 前記照明光学系の光路中の、前記マスクのパターンのフ
    ーリエ変換相当面、若しくはその共役面の位置近傍の面
    内で、前記照明光学系、若しくは前記投影光学系の光軸
    に対して偏心した離散的な位置の夫々に複数の2次光源
    像を形成する光学部材と;前記複数の2次光源像の各々
    から射出された光束の強度を個別に調整可能な光強度可
    変手段と;前記マスクのパターン部分の局所的な周期の
    方向性に応じて前記光強度可変手段を制御する制御手段
    とを備えたことを特徴とする投影型露光装置。
  2. 【請求項2】 光源からの照明光をほぼ均一な強度分布
    に成形するとともに、該均一な照明光を周期的なパター
    ン部分を有するマスクに照射する照明光学系と、前記マ
    スクのパターンの像を感光基板に結像投影する投影光学
    系とを備えた投影型露光装置において、 前記照明光学系の光路中の、前記マスクのパターンのフ
    ーリエ変換相当面、若しくはその共役面の位置近傍の面
    内で、前記照明光学系、若しくは前記投影光学系の光軸
    に対して偏心した離散的な位置の夫々に複数の2次光源
    像を形成する光学部材と;前記複数の2次光源像の各々
    から射出された光束の強度を個別に調整可能な光強度可
    変手段と;前記複数の2次光源像の各々から射出された
    光束の強度を個別に測定する光強度測定手段と;該光強
    度測定手段からの情報に基づいて、前記光強度可変手段
    を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする投影型
    露光装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記複数の2次光源像
    のうち前記照明光学系、若しくは前記投影光学系の光軸
    に対してほぼ対称に位置する2つの2次光源像からの光
    束同志の強度比が、前記マスクのパターン部分の局所的
    な方向性に応じた所定の値となるように前記光強度可変
    手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の投影
    型露光装置。
  4. 【請求項4】 前記光学部材は、前記マスクのパターン
    部分の周期性に応じて決まる量だけ、前記複数の2次光
    源像の夫々の中心を、前記照明光学系、若しくは前記投
    影光学系の光軸に対して偏心した離散的な位置に設定す
    る位置調整部材を有することを特徴とする請求項2に記
    載の投影型露光装置。
  5. 【請求項5】 前記照明光学系は、前記位置調整部材に
    よって設定された後の前記光学部材に前記光源からの照
    明光を入射させるインプット光学系とを備えたことを特
    徴とする請求項1、2、及び4に記載の投影型露光装
    置。
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JP2011176312A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Nikon Corp 瞳透過率分布の測定方法および測定装置、露光方法および露光装置、並びにデバイス製造方法
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