JPH0644314U - 洞道内のケーブル持上げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洞道内でケーブルをトラフ内等に収納するた
めに、引入れられたケーブルを適当な高さまで作業性良
く持上げることができる洞道内のケーブル持上げ装置を
提供する。 【構成】 外周面に雄ねじが形成されたねじシャフト１
０が軸心の回りに回転可能に保持され、洞道１２内に垂
直に立設されている。またこのねじシャフト１０の上端
部は、立金物１４から水平に突設された支持部材１５に
より支持固定されており、雄ねじには、側部にケーブル
受け皿１７が取着されたナット１６が、上下方向にのみ
変位可能に螺合されている。さらに、ねじシャフト１０
の下端部にはハンドル１８が取付けられており、ハンド
ル１８を回すことにより、ねじシャフト１０が軸心の回
りに回転するように構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、洞道内に引入れられ延線されたケーブルを、トラフ内等に収納する ために、上方へ持上げる装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来からケーブルの洞道内への引入れ延線には、例えば送出し方式が採られて おり、延線終了後には、引入れられたケーブルを、自走式のせり上げ台車を用い て上方に設置されたトラフ内等に収納することが行われている。すなわち、図３ に示すように、ドラム１に巻かれたケーブル２を、地上に設置されたキャタピラ 式の送出し機３により洞道４内へ送出すとともに、洞道４内の布設ルートの各所 に電動ローラまたは電動キャタピラ５をそれぞれ設置し、これらによりケーブル ２を引入れる。そして延線終了後は、傾斜面上に送り込み用のキャタピラ６が設 置されたせり上げ台車７を布設ルートに沿って走行させ、ケーブル２各部を順に 垂直上方へ持ち上げてトラフ８内に収納していく方法が採られている。なお、図 中符号９は、ケーブル２をトラフ８内に導入していくためのケーブルガイドロー ラを示す。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このようなケーブル延線および持上げ収納方法において、洞道 ４内のケーブル２布設ルートが直線状である場合には、せり上げ台車７を用いる 効果が大きく作業性が良好であるが、図４に示すように布設ルートに平面的な曲 り部や垂直方向の段差がある場合には、その部分のせり上げ台車の走行に支障を きたす。そして、作業性が低下したりあるいは場合によってはせり上げ台車７の 走行が不可能となるため、人力によりケーブル２を持ち上げて収納しなければな らなかった。

【０００４】 本考案はこのような問題を解決するためになされたもので、洞道内でケーブル をトラフ内等に収納するために、せり上げ台車を使用することなく作業性良く持 上げ適当な高さに保持することができる洞道内のケーブル持上げ装置を提供する ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の洞道内のケーブル持上げ装置は、洞道内に引入れられたケーブルを上 方へ持上げ保持する装置において、外周面にねじ部が形成され、かつ軸心の回り に回転可能に垂直に立設されたねじシャフトと、前記ねじシャフトのねじ部に、 その軸心に沿って昇降可能に螺合されたナット部と、前記ナット部の側部に主面 が水平に配置されるように固着された前記ケーブルの受け部と、前記ねじシャフ トをその軸心の回りに回転させる手段とを備えてなることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

上記構成のケーブル持上げ装置においては、ナット部の側面から水平に突設さ れた受け部にケーブルの所定の部位を載せ、ねじシャフトを軸心の回りに回転さ せると、ねじシャフトの雄ねじ部に螺合されたナット部が、ケーブル受け部を伴 いねじシャフトの軸心に沿って上昇し、これにより受け部に載せられたケーブル が上方へ持上げられる。

【０００７】 したがって本考案の装置によれば、洞道内の平面的な曲り部や垂直方向の段差 部など、せり上げ台車を使用することができない布設ルートにおいても、簡単に しかも少ない労力でケーブルを持上げることができ、トラフ内等への収納作業を 能率的に実施することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００９】 図１は、本考案のケーブル持上げ装置の一実施例を示す正面図である。

【００１０】 図において符号１０は、全長に亘って外周面に雄ねじが形成されたねじシャフ トを示し、これは保持固定部材１１により軸心の回りに回転可能に保持され、か つ洞道１２内の床面１３に垂直に立設されている。また、このねじシャフト１０ の上端部は、一端が立金物１４に固着され水平に配置された支持部材１５の先端 部に連結固定されている。さらに、このようなねじシャフト１０の雄ねじには、 内周面に雌ねじが形成されたナット１６が、ねじシャフト１０の軸心に沿った上 下方向にのみ変位可能に螺合されており、このナット１６の側部には、ケーブル 受け皿１７が水平に取着されている。またさらに、ねじシャフト１０の下端部に はハンドル１８が取付けられており、ハンドル１８の回転がかさ歯車のような周 知の伝動機構（図示を省略。）を介してねじシャフト１０に伝達され、ねじシャ フト１０が軸心の回りに回転するように構成されている。

【００１１】 このように構成される実施例の持上げ装置においては、ケーブル受け皿１７に ケーブルの所定の部位を載せ、ハンドル１８を所定の方向に回転させることによ り、ねじシャフト１０をその軸心の回りに回転させ、ねじシャフト１０の雄ねじ に螺合したナット１６を、軸心に沿って所要の距離だけ上昇させることができる 。そして、このようなナット１６の上昇により、それに取着された受け皿１７を 、ケーブルを載せたままで所要の高さまで持上げ保持することができる。したが って、図２に示すように、このような受け皿１７に載せられたケーブル１９を、 立金物１４等の所定の高さの位置に取付けられた受金物２０上に移載したり、あ るいは洞道１２内の上方に設置されたラック上またはトラフ内に収納する作業を 、少ない労力で容易に行うことができる。

【００１２】 なお、このような持上げ装置において持上げることができるケーブル重量を具 体的に計算すると、例えばハンドルの回転トルクを 2kgとし、ねじシャフトの直 径を28mmとすると、ねじシャフトの推力は 141kgとなる。したがって、単位重量 が30kg/mのケーブルの場合には、4.5m分を十分に持上げ保持することができるこ とになる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のケーブル持上げ装置によれば、洞道内に引入れ 延線されたケーブルを、簡単にかつ少ない労力で持上げることができる。そして 、平面的な曲り部や垂直方向の段差部のような、せり上げ台車を使用することが できない布設ルートにおいても、ケーブルのトラフ内等への収納作業を能率的に 実施することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のケーブル持上げ装置の一実施例を示す
正面図。

【図２】ケーブルを実施例の持上げ装置により持上げた
状態を示す斜視図。

【図３】従来からの、ケーブルの洞道内引入れ延線およ
びトラフ内収納作業を模式的に示す図。

【図４】従来からのせり上げ台車使用の場合の難点を説
明するための上面図。

【符号の説明】 １………ドラム ２………ケーブル ３………キャタピラ式送出し機 ４、１２………洞道 ５………電動キャタピラ ６………送り込み用キャタピラ ７………せり上げ台車 ８………トラフ ９………ケーブルガイドローラ １０………ねじシャフト １１………保持固定部材 １３………床面 １４………立金物 １５………支持部材 １６………ナット １７………ケーブル受け皿 １８………ハンドル １９………ケーブル ２０………受金物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洞道内に引入れられたケーブルを上方へ
   持上げ保持する装置において、 外周面にねじ部が形成され、かつ軸心の回りに回転可能
   に垂直に立設されたねじシャフトと、前記ねじシャフト
   のねじ部に、その軸心に沿って昇降可能に螺合されたナ
   ット部と、前記ナット部の側部に主面が水平に配置され
   るように固着された前記ケーブルの受け部と、前記ねじ
   シャフトをその軸心の回りに回転させる手段とを備えて
   なることを特徴とする洞道内のケーブル持上げ装置。