JPH0644125Y2 - プリント基板の端子接続構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、プリント基板の端子接続構造に係わり、特に
双方がフレキシブルな材料からなるプリント基板におけ
る端子接続構造に関する。

［従来の技術］ 近時、各種の電子機器が小形化、薄形化する傾向の中
で、これらの電子機器に使用されるプリント基板として
厚さが極めて薄く、かつ実装の自由度が高いフレキシブ
ルプリント基板が多用されるようになり、これらのフレ
キシブルプリント基板同志の回路パターンを電気的に接
続する必要が生じた。

従来、かかるプリント基板の接続方法としてはポリイミ
ド樹脂などの耐熱性のフィルムベース上に銅箔からなる
回路パターンを形成したフレキシブルプリント基板同志
を、回路パターンの端子部をはんだ付けすることにより
接続する方法が採られていた。あるいはそれぞれのフレ
キシブルプリント基板の接続部を集めた基板の端部を、
対となるコネクターに接続し、該コネクターを係合する
ことにより電気的に導通接続していた。

更に、フレキシブルプリント基板どうしをその端子部を
対向させて接触せしめ、この端子部と加圧部材とを剛性
のある押え板と支持板とで挟持して、一対のフレキシブ
ルプリント基板のそれぞれの配線パターンの各端子部が
圧接されて電気的接続を行っていた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、第１の従来技術でははんだ付け時に高温
で加熱するために双方のフレキシブルプリント基板とも
ポリイミド樹脂のように高価な耐熱材料を使用しなけれ
ばならず、またフラックス除去を含めたはんだ付け工程
が複雑であり、かつ不完全なはんだ付けやフラックスの
残存などにより品質が安定しないという問題が有った。
さらに、端子の接続部がフレキシブルであるため製造工
程中で外力により断線し易いという問題が有った。

また第２の従来技術においては、前記コネクターの構造
が複数の電気的に独立した接続子と此等を内包する合成
樹脂製の絶縁ケースとからなるため、構造上の複雑さを
余儀無くされてコスト高になるという欠点が有り、さら
にこの種のコネクターには、接続される側のフレキシブ
ルプリント基板の脱落を防止するためのストッパー機構
が必要となるが、この場合、当該のプリント基板がフィ
ルム状であるため、単にコネクターのばね圧によりフレ
キシブルプリント基板を挟持するだけではストッパーと
して不十分であり、そのため例えばフレキシブルプリン
ト基板を接続子の一部で突き破って挟持するといった複
雑なストッパー機構が必要となり、コスト高が増長され
るという欠点が有った。

更に第３の従来技術にあっては、フレキシブルプリント
基板どうしをその端子部を対向させて接触せしめ、この
端子部と加圧部材とを剛性のある押え板と支持板とで挟
持して端子部どうしを圧接するだけなので、フレキシブ
ルプリント基板や加圧部材が挟持部から抜けて脱落した
りする欠点があり、また加圧部材は面全体で端子部を圧
接するので、フレキシブルプリント基板や押え板、支持
板が反った場合、電気的接触が不十分で電気的接続の信
頼性にかけるという欠点もあった。

従って、本考案の目的は、上記従来技術の欠点を除き、
フレキシブルプリント基板同志を電気的かつ機械的に確
実に接続できるとともに、安価で組立て作業性に優れた
プリント基板の端子接続構造を提供するにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案は、それぞれ可撓性
を有するフィルム上に配線パターンを設けた一対のフレ
キシブルプリント基板を、それぞれの配線パターンの端
子部で対向させ、この端子部と加圧部材とを剛性のある
押え板と支持板とで挟持し、前記一対のフレキシブルプ
リント基板のそれぞれの配線パターンの前記各端子部が
独立して圧接されて電気的接続が行われるフレキシブル
プリント基板の端子接続構造において、前記押え板に係
止片を設け、この係止片を前記加圧部材の位置決め部と
前記一対のフレキシブルプリント基板の位置決め部と前
記支持板の位置決め部とにそれぞれ係止すると共に前記
加圧部材は前記各端子部に対応する複数の弾性突部を有
するフレキシブルプリント基板の端子接続構造とした。

［作用］ すなわち、本考案によれば、一対のフレキシブルプリン
ト基板の対向している端子部と複数の弾性突部を有する
加圧部材とを剛性のある押え板と支持板とで挟持する。
このとき加圧部材の複数の弾性突部が、対向している端
子部から外れるおそれがあるが、押え板に係止片を設
け、この係止片を加圧部材の位置決め部と一対のフレキ
シブルプリント基板の位置決め部と支持板の位置決め部
とにそれぞれ係止することにより、加圧部材の複数の弾
性突部が端子部に正確に位置合わせされて、各端子部を
フレキシブル基板に垂直な方向に付勢することができる
ため、双方のフレキシブルプリント基板のそれぞれ対を
なす配線パターンの端子部は弾性突部によって圧接さ
れ、電気的かつ機械的に確実な端子接続構造を実現でき
る。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面により説明する。

第１図は本考案の一実施例に係わるプリント基板の端子
接続構造を示す平面図、第２図は第１図のA-A線拡大断
面図、第３図は第１図のB-B線拡大断面図、第４図はそ
の端子接続構造の組立状態を示す分解斜視図である。

これらの図において、１は一方のフレキシブルプリント
基板を示し、該フレキシブルプリント基板１はポリイミ
ド樹脂等のフィルムベース２の表面に銅箔などからなる
第１配線パターン３が設けられている。この一方のフレ
キシブルプリント基板１には、図示せぬがICや抵抗、コ
ンデンサーなどの種類の電子部品がはんだ付けされ、ま
た第１配線パターン３のリード端子3aは、第４図に示す
ようにフレキシブルプリント基板１の端部に集約されて
おり、さらにフレキシブルプリント基板１にはこれらリ
ード端子3aを跨ぐように一対の位置決め孔1aが位置決め
部として穿設されている。４は他方のフレキシブルプリ
ント基板を示し、該フレキシブルプリント基板４はポリ
エチレンテレフタレートなどの可撓性のフィルムベース
５と、そのフィルムベース５上に形成された銅箔や銀塗
料などからなる第２配線パターン６とによって構成され
ている。このフレキシブルプリント基板４の一端は、図
示せぬ制御回路や他のプリント基板などに接続されてお
り、またフレキシブルプリント基板４の他端には第２配
線パターン６の各リード端子6aが延設され、さらに該リ
ード端子6a近傍の端部には所定の間隔を存して一対の位
置決め孔4aが位置決め部として形成されている。前記し
た一方のフレキシブルプリント基板１のリード端子3a
と、前記した他方のフレキシブルプリント基板４のリー
ド端子6aとはそれぞれ対応する端子が対面する位置に設
けてある。

７は洋白などの弾力性に富む金属薄板からなる加圧部材
としての加圧板で、この加圧板７にはその長手方向に沿
って等ピッチ間隔で複数の孔7aが位置決め部として抜き
打ち形成され、さらに各孔7aの間には突部7bが形成され
ている。８は鉄板などからなる押え板で、この押え板８
は曲げ強度を向上させるために断面形状が凹状に折り曲
げ加工され、その両端には係止片8aが垂設されている。

９は鉄板などからなる支持板で、その両端部には孔9aが
位置決め部として形成されている。

上記フレキシブルプリント基板１のリード端子3aとフレ
キシブルプリント基板４のリード端子6aとを接続する場
合は、まず押え板８の係止片8aに、加圧板７の最外位の
孔7a、フレキシブルプリント基板４の位置決め孔4a、フ
レキシブルプリント基板１の位置決め孔1aおよび支持板
９の孔9aを順に挿入する。この動作により、押え板８、
加圧板７、フレキシブルプリント基板４および１の４者
は互いに位置決めされ、フレキシブルプリント基板１の
リード端子3aとフレキシブルプリント基板４のリード端
子6aとが対面するとともに加圧板７の各突部7bがフィル
ムベースを介して各リード端子と対向する。

次に、押え板８の係止片8aを支持板９の背面において内
側に折り曲げることで押え板８、加圧板７、フレキシブ
ルプリント基板４および１の４者を固定するとともに加
圧板７をフレキシブルプリント基板４側に付勢する。そ
して、フレキシブルプリント基板１のリード端子3aとフ
レキシブルプリント基板４のリード端子6aとは、対応す
る端子が加圧板７の各突部7bの弾発力により独立して圧
接されることにより導通状態になる。

この一実施例では、加圧板７に等ピッチで形成した孔7a
の一部を、押え板８に対する位置決め用として利用して
いるため、例えば孔7a、突部7bを連続加工したフープ状
長尺物を任意位置で切断して使用することにより、所望
数のリード端子3a、6aに適用可能な加圧板７を安価に提
供できる。また、フレキシブルプリント基板１のリード
端子3aとフレキシブルプリント基板４のリード端子6a
の、それぞれ対応する端子を加圧板７の各突部7bの弾発
力によってそれぞれ独立的に圧接することができるた
め、確実に導通することができる。さらに、押え板８と
支持板９とで一対のフレキシブルプリント基板１、４を
挟持する構造なので、リード端子の接続部を安定して支
持することができる。また、押え板８の係止片8aを支持
板９の背面において内側に折り曲げるという簡単な動作
で、一対のフレキシブルプリント基板１、４の電気的か
つ機械的な接続を同時に行うことができるため、特別な
組立用治具やはんだ付け作業が不要となり、組立作業性
が向上する。

なお、本考案におけるフレキシブルプリント基板の材
質、回路パターンの材質は上記実施例における材質に限
定されないので、耐熱性、はんだ付け性の必要が無い安
価な材料を使用することができる。

なお、上記実施例では、フレキシブルプリント基板１、
４および支持板９の位置決め部位を孔としたが、これに
代えて例えば切欠であっても良く、要は位置決めできる
形状であれば良い。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、一対のフレキシ
ブルプリント基板を、それぞれの配線パターンの端子部
で対向させ、この端子部と各端子部に対応する複数の弾
性突部を有する加圧部材とを剛性のある押え板と支持板
とで挟持し、押え板に係止片を設け、この係止片を加圧
部材の位置決め部と一対のフレキシブルプリント基板の
位置決め部と支持板の位置決め部とにそれぞれ係止する
ので、一対のフレキシブルプリント基板の配線パターン
の各端子部と加圧部材の複数の弾性突部の位置合わせ
が、正確にでき、対応する各端子部が独立して圧接され
るため、両者の電気的接続を確実なものにすることがで
きる。

また、押え板の係止片を、加圧部材の位置決め部と一対
のフレキシブルプリント基板の位置決め部と支持板の位
置決め部とに、それぞれ係止するという簡単な動作で、
一対のフレキシブルプリント基板の各端子部の機械的、
電気的接続を確実なものにすることができるので、組み
立て作業性を高めることができる上、電気的接続の高い
信頼性が得られ、また加圧部材やフレキシブルプリント
基板の脱落（抜け）を防止できる。

【図面の簡単な説明】

図は全て本考案の一実施例に係わり、第１図は本考案の
一実施例に係わるプリント基板の端子接続構造を示す平
面図、第２図は第１図のA-A線拡大断面図、第３図は第
１図のB-B線拡大断面図、第４図はその端子接続構造の
組立状態を示す分解斜視図である。 １……一方のフレキシブルプリント基板、２……フィル
ムベース、３……第１配線パターン、3a……リード端
子、1a……位置決め孔、４……他方のフレキシブルプリ
ント基板、５……フィルムベース５、６……第２配線パ
ターン、6a……リード端子、4a……位置決め孔、７……
加圧板、7a……孔、7b……突部、８……押え板、8a……
係止片、９……支持板、9a……孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれ可撓性を有するフィルムベース上
   に配線パターンを設けた一対のフレキシブルプリント基
   板を、それぞれの配線パターンの端子部で対向させ、前
   記端子部と加圧部材とを剛性のある押え板と支持板とで
   挟持し、前記一対のフレキシブルプリント基板のそれぞ
   れの配線パターンの前記各端子部が圧接されて電気的接
   続が行われるフレキシブルプリント基板の端子接続構造
   において、前記押え板に係止片を設け、この係止片を前
   記加圧部材の位置決め部と前記一対のフレキシブルプリ
   ント基板の位置決め部と前記支持板の位置決め部とにそ
   れぞれ係止すると共に前記加圧部材は前記各端子部に対
   応する複数の弾性突部を有することを特徴とするフレキ
   シブルプリント基板の端子接続構造。