JPH0644108U - 非移行性粘着剤シート付きマグネット固定具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スチール製等の被着体の表面を、すべらず、
傷つけず、かつ、磁力能力という被着体に接着する力
を、実質的に低下させない、マグネット固定具を提供す
る。 【構成】 マグネット（１）と、それを囲むヨーク
（３）の、被着体に接する面の側に、非移行性粘着剤シ
ート（２）を取り付けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、マグネットの磁力を利用して、メモ用紙や領収書等を、スチール 等の被着体に固定するための、マグネット固定具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、マグネットを利用して、メモ用紙やカードをスチール製である冷蔵 庫等の被着体の表面を固定したり、ホワイトボードに用紙やカードを固定するマ グネット固定具には、マグネットクリップや、クリップ機能がついていないマグ ネット単体からなるものがある。 これらは、普通、マグネット自体や、磁力を強化するためにマグネットをおお っている、ヨーク（金属等）やカバーがかたいために、マグネット固定具を被着 体の表面に接着するときや、接着した後、マグネット固定具がすべるなどして、 被着体の表面を傷つけてしまうことがあった。 そこで、傷防止のために、被着体の表面に接するマグネットやヨークの面に、 薄い滑面シートを貼ったものが製品化されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

これには次のような欠点があった。 （イ） マグネット固定具は、被着体の表面をすべることがある。従って、傷防 止のためのシートは、すべるときに、シート自体によって、被着体の表面を傷つ けないように、被着体に接するシート面は、滑面もしくは、それに準ずる面とし なければならなかった。 そうすると、この傷防止シートを貼ったマグネット固定具は、傷防止シートを 貼らないマグネット固定具より、同等の磁力能力のマグネットを使用した場合、 よりすべりやすくなり、マグネット固定具、本来の固定能力の低下を招く結果に なった。 （ロ） また、傷防止シートは、シートの厚さの分、磁力が低下するため、なる べく薄いシートにして、磁力低下を少しでも防ぐことが必要であった。 この場合、シートを薄くすればするほど、シートの耐久性が問題化した。 従って、従来の薄い傷防止シートは、傷防止は実現できるが、一方で、磁力能 力の低下を招き、かつ、マグネット自体がすべりやすくなるという欠点を生じた 。 本考案が解決しようとする課題は、被着体の面をすべることなく傷防止を実現 し、かつ、磁力能力という被着体に接着する力を、実質的に低下させない、マグ ネット固定具を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

マグネット（１）と、それを囲むヨーク（３）の、被着体に接する面の側に、 非移行性粘着剤シート（２）を取り付けた、マグネット固定具。 本考案は、以上のような構成からなるマグネット固定具である。

【０００５】

【作用】

本考案のマグネット固定具を、被着体の表面につけると、磁力と粘着力をプラ スした力が、接着力として作用し、マグネット固定具は被着体に固定する。 クリップ機能のないマグネット単体からなる、マグネット固定具を使用すると きは、メモ用紙や掲示物を、非移行性粘着剤シートの粘着力によって、まず、マ グネット固定具自体に固定し、次に、マグネット固定具を、磁力と粘着力がプラ スした接着力によって、被着体に固定する。 次に、クリップ機能つきマグネット固定具を使用するときは、クリップに、メ モ用紙や掲示物そのもの、あるいは、掲示物から伸びたつりさげ紐等をはさんで 、磁力と粘着力がプラスした接着力で、被着体に固定する。 同時に、クリップ機能つきマグネット固定具は、前述のマグネット単体と同様 の使い方もできる。

【０００６】 ［実施例］ 以下、本考案の実施例について説明する。 第１図に示される本考案の実施例では、ヨーク（３）に囲まれたマグネット（ １）の、被着体に接する面の一部に、非移行性粘着剤シート（２）を取り付けて いる。

【０００７】 第２図に示される本考案の他の実施例では、ヨーク（３）に囲まれたマグネッ トの、被着体に接する面と、ヨーク（３）の縁に、非移行性粘着剤シート（２） を取り付けている。 ヨーク（３）は、カバー（４）でおおわれていて、カバー（４）には、クリッ プ（５）が設けられている。 図では、クリップ（５）は、カバー（４）に接続して設けられているが、カバ ーをはずし、ヨークと一体化して成型されたクリップでもかまわないし、ヨーク と接続して設けられているクリップでもかまわない。 また、図のように、マグネットとヨークの縁の全体を、非移行性粘着剤シート （２）がおおっても、磁力は非移行性粘着剤シートを透過して、被着体に働き、 磁力能力が消滅するということはない。

【０００８】 第３図に示される本考案の使用例の断面図を含む側面図では、クリップ機能の ついていないマグネット固定具（６）が、メモ用紙（７）を、被着体（８）に固 定している。 メモ用紙（７）を、粘着力でマグネット固定具（６）に固定し、次に、磁力と 粘着力で、マグネット固定具（６）を被着体（８）に固定している。

【０００９】 第４図に示される本考案の他の実施例の使用例の、断面図を含む側面図では、 クリップ機能のついているマグネット固定具（６）が、メモ用紙（７）をクリッ プ（５）にはさんで、粘着力と磁力によって、マグネット固定具（６）を被着体 （８）に固定している。

【００１０】 第５図に示される従来品の実施例では、ヨーク（３）に囲まれたマグネットと 、ヨーク（３）の縁の全面に、薄い滑面シート（９）が貼ってある。

【００１１】 また、他の実施例としては、従来品である薄い滑面シートの上に、非移行性粘 着剤シート（２）を取り付けてもよい。 あるいは、テープに非移行性粘着剤シート（２）を取り付け、そのテープをマ グネットやヨークの被着体に接する面に、取り付けてもよい。

【００１２】 本考案は、以上のような構造になっている。 なお、非移行性粘着剤シート（２）は、第１図のように、マグネットの一部分 をおおうか、第２図のようにマグネットとヨークの縁の全面をおおう他に、マグ ネットのみをおおってもよい。また、マグネットとヨークの縁の一部をおおって もよいし、ヨークの縁の面積が、ある程度あれば、ヨークの全体のみ、あるいは 、ヨークの縁を部分的におおってもよい。 また、本考案の非移行性粘着剤シート（２）の構成要素を成している、新素材 の非移行性粘着剤は、非移行性のために、この粘着剤が被着体に移ることはない 。 従って、被着体に何回でも、つけたりはがしたり自由にできる。 また、粘着剤が被着体に移らないために、被着体が粘着剤によって汚れるこは ないし、粘着剤の粘着力が適度のため、被着体の表面がはがれることもない。 また、粘着力がおちてきたら、粘着剤についた埃等を、水で洗い流し、乾かせ ば、すぐに元の粘着力に戻るために、何回でも使用できる。 さらに、非移行性粘着剤シート（２）は、適度の厚さと柔軟性がある。このた め、マグネット及び、ヨーク、カバーのかたさが、直接に被着体の表面に伝わら ないようになっている。従って、被着体の傷防止ができる。 この非移行性粘着剤シート（２）の構造は、支持体の面に非移行性粘着剤を取 り付けて、シート状にしてもよいし、非移行性粘着剤自体を、シート状に形成し てもよい。

【００１３】

【考案の効果】

（イ） 非移行性粘着剤のついた非移行性粘着剤シートにより、被着体の表面を すべることなく、かつ、傷防止を実現し、磁力能力という被着体に接着する力を 、粘着力を利用することによって、実質的に低下させないマグネット固定具が得 られる。 （ロ） アルミ等、常磁性体の被着体にも、粘着力があるために使用できる。こ のため、従来のマグネット固定具の一部の製品に、セットとしてついている、常 磁性体の被着体に対しても使用可能とする、強磁性体の補助坂が不必要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の斜視図である。

【図２】本考案の他の実施例の斜視図である。

【図３】本考案の使用例を示す一部断面を含む側面図で
ある。

【図４】本考案の他の実施例の使用例を示す一部断面を
含む側面図である。

【図５】一従来品の斜視図である。

【符号の説明】

１ マグネット ２ 非移行性粘着剤シート ３ ヨーク ４ カバー ５ クリップ ６ マグネット固定具 ７ メモ用紙 ８ 被着体 ９ 薄い滑面シート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 マグネット（１）と、それを囲むヨーク
   （３）の、被着体に接する面の側に、非移行性粘着剤シ
   ート（２）を取り付けた、マグネット固定具。