JPH0643880Y2 - ディスクプレーヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この考案はディスクプレーヤに関し、さらに詳しくは、
コンパクトディスクなどの円盤状記録媒体（この明細書
において「ディスク」という）から情報を再生するディ
スクプレーヤに関する。

（ロ）従来の技術 従来、ディスクプレーヤとしては、操作性が良い、スペ
ースが有効に利用できるなどの理由により、前面からデ
ィスクのローディングおよびアンローディングを行なう
フロントローディング方式のものが広く用いられてい
る。

この方式のディスクプレーヤは、主として、メインシャ
ーシと、このメインシャーシに前後移動可能に取り付け
られたディスク載置用スライドテーブルと、メインシャ
ーシに取り付けられ、スライドテーブルが所定位置まで
後退移動すると、スライドテーブルに載置されるディス
クを回転可能に再生位置まで持ち上げるサブシャーシと
から構成されている。そして、スライドテーブルの前後
移動手段としては、スライドテーブルの一側または両側
に設けられたラックと、このラックとかみ合うようにメ
インシャーシに設けられ、ピニオンモータにより駆動さ
せられるピニオンとの組み合わせを用いている。

このようなディスクプレーヤにおいては、ディスクの再
生を行なう場合、まず、引き出された状態にあるスライ
ドテーブルの所定位置にディスクを載せ、ローディング
ボタンを押す。すると、ピニオンモータによりピニオン
が回転し、これにかみ合ったラックが後方へ移動するこ
とにより、スライドテーブルが後退移動する。そして、
スライドテーブルの移動が止まると、ピニオンとラック
のかみ合いが解除される。ついで、サブシャーシがモー
タなどの上昇手段によって上昇させられて、スライドテ
ーブル上のディスクを回転可能に再生位置まで持ち上げ
る。そして、サブシャーシに取り付けられたターンテー
ブルによってディスクを回転させ、情報の再生を行な
う。

一方、再生終了後にディスクを取り出すときには、アン
ローディングボタンを押す。すると、ピニオンがローデ
ィング時とは逆回りに回転し、サブシャーシの下降およ
びスライドテーブルの前進移動によって、スライドテー
ブルはディスク出し入れ位置まで前方へ出てくるので、
ディスクを取り出すことができる。

（ハ）考案が解決しようとする課題 上記のようなディスクプレーヤにおいては、スライドテ
ーブルの後退移動動作とサブシャーシの上昇動作との切
り換え時、およびサブシャーシの下降動作とスライドテ
ーブルの前進移動動作の切り換え時に、上記のラックと
ピニオンのかみ合いが解除されるため、振動などの衝撃
が加わると、スライドテーブルが前方へ飛び出してしま
うおそれがあった。

この考案は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、
使用中、特に再生開始直前および再生終了直後に振動な
どの衝撃が加わっても、スライドテーブルが前方へ飛び
出すおそれのないディスクプレーヤを提供しようとする
ものである。

（ニ）課題を解決するための手段およびその作用 この考案は、メインシャーシと、このメインシャーシに
取り付けられ、前方のディスク取扱位置と後方のディス
ク再生位置との間で前進・後退移動可能なディスク載置
用スライドテーブルと、メインシャーシに後部が枢支さ
れて前部が上下回動可能とされ、その前部に、上方回動
時にスライドテーブル上のディスクが装着されるターン
テーブルを有するサブシャーシと、このサブシャーシの
前部に設けられたガイド部材と、このガイド部材が嵌ま
り込んで前後へ略水平に案内される水平部と、この水平
部の前端に連なって前方上部へ傾斜状に伸びかつガイド
部材が嵌まり込んで上下へ傾斜状に案内される傾斜部と
からなるガイド溝を有するラックと、このラックをピニ
オンを介して前進・後退移動させるピニオンモータと、
ラックの後退移動の前期においては、ラックに伴って、
ガイド部材を略水平に案内することにより、スライドテ
ーブルをディスク取扱位置からディスク再生位置まで後
退移動させ、ラックの後退移動の後期においては、スラ
イドテーブルを後退移動させることなくラックを単独で
後退移動させて、ガイド部材を上方へ傾斜状に案内する
ことにより、サブシャーシの前部を上方へ回動させる駆
動力伝達手段とを備えてなるディスクプレーヤである。

かくして、このディスクプレーヤのガイド部材がガイド
溝にはまり込んで、同溝内をスライドテーブルの後退移
動の前期には水平案内され後退移動の後期には徐々に上
昇案内されることにより、サブシャーシの前部が上方へ
回動して、スライドテーブルに載置されたディスクがタ
ーンテーブルに装着される。

ここにおいてサブシャーシは、スライドテーブルおよび
ラックの前進・後退移動動力を利用して上下回動される
ため、サブシャーシを従来のように上下移動させるモー
タなどの別途動力を必要としない。さらに、スライドテ
ーブルへの前後移動動力の伝達を途中で解除する必要が
ないので、スライドテーブルの前方への飛び出しを防止
できる。

（ホ）実施例 以下、図に示す実施例に基づいて、この考案を詳述す
る。なお、この考案はこれによって限定されるものでは
ない。

第１図〜第４図において、ディスクプレーヤＰは、主と
して、メインシャーシ１と、このメインシャーシ１に前
方のディスク取扱位置と後方のディスク再生位置との間
で前進・後退移動可能に取り付けられたディスク載置用
スライドテーブル２と、メインシャーシ１に取り付けら
れ、スライドテーブル２がディスク再生位置まで後退移
動した後にスライドテーブル２上のディスク３を持ち上
げるサブシャーシ４とから構成されている。

メインシャーシ１の前部右側には、ピニオンモータ５に
より駆動させられて水平回転するピニオン６が取り付け
られている。スライドテーブル２の下面の右側縁部に
は、横断面形状が形であってその垂直壁の内面側にピ
ニオン６とかみ合うギア部（図示略）が形成された板状
ラック７が、後述するように、所定範囲で前後移動可能
に取り付けられている。そして、スライドテーブル２が
ピニオン６およびラック７により前進移動および後退移
動させられる。

サブシャーシ４は、上面側に、水平回転されかつテーブ
ル面に鋼板が貼られたターンテーブル12が設けられてい
るとともに、後部において防振ゴム製の２本の取付軸８
で枢支されており、前部が上下回動できるようにされて
いる。また、サブシャーシ４の前部には、Ｌ字板９がそ
の水平部をサブシャーシ４の上面に対面させ、立ち上が
り部をサブシャーシの右側方向へ向けて、２本の取付軸
８で取り付けられている。このＬ字板９の立ち上がり部
には、これに垂直であって右方向へ突出した細い丸棒状
のガイド部材10が取り付けられている。

スライドテーブル２に取り付けられたラック７の垂直壁
の内面側にはガイド溝11が設けられている。このガイド
溝11は、スライドテーブル２のトレイ部2aに載置される
ディスク３をサブシャーシ４を介して、ディスク取扱位
置（ディスク３の載置または取り出しを行う位置）から
再生位置であるメインシャーシ１のマグネット体部1a下
面まで移行させるものである。すなわち、ガイド溝11
は、ラック７の後退移動の前期に、スライドテーブル２
がターンテーブル12に邪魔されることなくその直上を動
くようにガイド部材10を水平案内する水平部11aと、こ
の水平部11aの前端に連なって前方上部へ傾斜状に伸
び、ラック７の後退移動の後期に、ターンテーブル12を
上昇させてディスク３をスライドテーブル２のトレイ部
2aから持ち上げるように徐々に上昇案内する傾斜部11b
とからなっている。

スライドテーブル２の後部右側には、ラック７に係脱可
能に弾性係合する駆動力伝達手段としてのロックレバー
13が設けられている。このロックレバー13により、スラ
イドテーブル２とラック７とは以下のような関係におか
れる。すなわち、スライドテーブル２をプラスチック取
扱位置からディスク再生位置へ移動させるべくピニオン
モータ５を正転駆動すると、ラック７はピニオンモータ
５からの駆動力を得て後退移動する。その際、ラック７
は、ロックレバー13と係合してスライドテーブル２を伴
って移動するので、スライドテーブル２をディスク取扱
位置からディスク再生位置まで後退移動させる。ラック
７は、スライドテーブル２がディスク再生位置に達して
それ以後の後退を阻止された後は、ロックレバー13との
係合が解除され、単独で所定位置までさらに後退移動す
る。一方、スライドテーブル２をディスク再生位置から
ディスク取扱位置へ移動させるべくピニオンモータ５を
逆転駆動すると、ラック７は当所、単独で上記所定位置
から前進移動する。その後、ラック７はロックレバー13
に係合してスライドテーブル２を伴って移動し、スライ
ドテーブル２はディスク取扱位置に至る。

以下、このディスクプレーヤＰの動作、特にスライドテ
ーブル２の後退移動について説明する。

一番前まで引き出されてディスク取扱位置に置かれたス
ライドテーブル２のトレイ部2aにディスク３を載置した
（第２図および第３図参照）後、ローディングボタンを
押す。すると、ピニオンモータ５によりピニオン６が回
転し、これにかみ合ったラック７が後方へ移動し始め
る。このときラック７は、スライドテーブル２のロック
レバー13によりスライドテーブル２に固定されており、
したがってスライドテーブル２は、ラック７と一体にな
って後退移動し始める。そしてスライドテーブル２の後
退移動に連れて、サブシャーシ４におけるガイド部材10
が、ラック７におけるガイド溝11の水平部11aを水平案
内され、傾斜部11bとの境界にきた時に、スライドテー
ブル２の移動が止まる（第５図および第６図参照）。

その直後にロックレバー13が動いてラック７とスライド
テーブル２との固定が解除され、ラック７だけがさらに
後退移動する。このためガイド部材10は、ガイド溝11の
水平11aと傾斜部11bとの境界（第６図参照）から傾斜部
11bを徐々に上昇案内され、傾斜部11bの上方端まで移動
する（第７図および第８図参照）。このようなガイド部
材10およびガイド溝11の傾斜部11bによって、サブシャ
ーシ４は第６図のような傾斜状態から第８図のような水
平状態へ移行し、ディスク３はターンテーブル12によっ
て徐々に持ち上げられ、再生可能な状態におかれる。

このディスクプレーヤＰにおいては、サブシャーシ４
が、その前部が上下回動可能となるように後部でメイン
シャーシ１に枢支され、かつ、上記前部の一側に外方へ
突出したガイド部材10を有し、スライドテーブル２に取
り付けられたラック７が、上記ガイド部材10に対応する
箇所に、ガイド部材10をラック７の後退移動の前期には
水平案内し、後退移動の後期には徐々に上昇案内して、
スライドテーブル２に載置されたディスク３をサブシャ
ーシ４のターンテーブル12により持ち上げるべく作用す
るガイド溝11を有し、さらに、上記のように作用する駆
動力伝達手段としてのロックレバー13を有している。

したがってこのディスクプレーヤＰによれば、サブシャ
ーシ４がスライドテーブル２およびラック７の前進・後
退移動に対応して上下回動することが可能になり、サブ
シャーシ４を上下移動させるためのモータなどの別途動
力が不要となるため、スライドテーブル２におけるラッ
ク７とメインシャーシ１におけるピニオン６とは常時か
み合わせておくことが可能となり、使用中、特に再生開
始直前および再生終了直後に振動などの衝撃が加わって
も、ラック７とピニオン６とが互いにかみ合っているた
め、スライドテーブル２が前方へ飛び出すおそれがな
い。

（ヘ）考案の効果 この考案は上記のように構成されているので、サブシャ
ーシがスライドテーブルおよびラックの前進・後退移動
に対応して上下回動する。したがって、サブシャーシを
上下移動させるためのモータなどの別途動力が不要とな
り、それによって動力伝達をスライドテーブルのみに行
なうことができる。具体的には、スライドテーブルにお
けるラックとメインシャーシにおけるピニオンとは常時
かみ合わせておくことが可能になる。したがってこの考
案によれば、使用中、特に再生開始直前および再生終了
直後に振動などの衝撃が加わっても、スライドテーブル
が前方へ飛び出すおそれがない。

【図面の簡単な説明】

第１図から第８図までは、この考案に係るディスクプレ
ーヤの１つの実施例を示す。 すなわち、第１図は分解斜視図、第２図はスライドテー
ブルが最前方位置にある状態における平面図、第３図は
同状態における、一部を切り欠いた右側面図、第４図は
同状態における、一部を切り欠いた正面図、第５図は、
スライドテーブルが最後方位置にありターンテーブルが
ディスクを持ち上げる前の位置にある状態における平面
図、第６図は同状態における、一部を切り欠いた右側面
図、第７図は、スライドテーブルが最後方位置にありタ
ーンテーブルがディスクを持ち上げた後の位置にある状
態における平面図、第８図は同状態における、一部を切
り欠いた右側面図である。 １……メインシャーシ、1a……マグネット体部、 ２……スライドテーブル、2a……トレイ部 ３……ディスク、４……サブシャーシ、 ５……ピニオンモータ、６……ピニオン、 ７……ラック、８……取付軸 ９……Ｌ字板、10……ガイド部材、 11……ガイド溝、 11a……水平部、11b……傾斜部、 12……ターンテーブル、13……ロックレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】メインシャーシと、 このメインシャーシに取り付けられ、前方のディスク取
   扱位置と後方のディスク再生位置との間で前進・後退移
   動可能なディスク載置用スライドテーブルと、 メインシャーシに後部が枢支されて前部が上下回動可能
   とされ、その前部に、上方回動時にスライドテーブル上
   のディスクが装着されるターンテーブルを有するサブシ
   ャーシと、 このサブシャーシの前部に設けられたガイド部材と、 このガイド部材が嵌まり込んで前後へ略水平に案内され
   る水平部と、この水平部の前端に連なって前方上部へ傾
   斜状に伸びかつガイド部材が嵌まり込んで上下へ傾斜状
   に案内される傾斜部とからなるガイド溝を有するラック
   と、 このラックをピニオンを介して前進・後退移動させるピ
   ニオンモータと、 ラックの後退移動の前期においては、ラックに伴って、
   ガイド部材を略水平に案内することにより、スライドテ
   ーブルをディスク取扱位置からディスク再生位置まで後
   退移動させ、ラックの後退移動の後期においては、スラ
   イドテーブルを後退移動させることなくラックを単独で
   後退移動させて、ガイド部材を上方へ傾斜状に案内する
   ことにより、サブシャーシの前部を上方へ回動させる駆
   動力伝達手段と を備えてなるディスクプレーヤ。