JPH064371U - 燃料噴射器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な濃度の噴霧を形成する。 【構成】 噴射器本体１内に設けられた針弁２のシート
部３と、噴射器本体１先端に設けられた噴孔４との間
に、燃料溜まり５が形成される。そして、針弁２の先端
が斜めにカットされ（カット部６）、これによって燃料
溜まり５が針弁２の軸線Ｌに対し非対称形状に形成され
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内燃機関への燃料供給用の燃料噴射器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の内燃機関の燃料噴射器として、例えば図４に示すようなものがある。 これについて説明すると、噴射器本体１内に先端が円錐形の針弁２が移動可能 に設けられ、噴射時以外は下動してシート部３に着座し、噴射時に上動して開弁 する。そして、噴射器本体１の先端に噴孔４が形成されるが、シート部３と噴孔 ４との間に燃料溜まり（容積）５が形成されており、燃料は燃料溜まり５を経て 噴孔４より噴射される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の燃料噴射器においては、噴孔４からの噴霧は 、噴射器本体１内での燃料の流れ方の影響により、不均一な形態となってしまう 。これは燃料が燃料溜まり５の中である特有の流れＦを作ってしまうからであり 、その流れが噴孔４まで維持され、不均一な噴霧となるのである。ここでいう不 均一とは、噴霧中に濃くて粒径の大きい部分があることである。一般的には、噴 霧の中心部に粒径大の濃い噴霧Ａが形成され、その回りに粒径小の薄い噴霧Ｂが 形成される。

【０００４】 本考案は、このような従来の問題点に鑑み、均一な濃度の噴霧を形成すること のできる燃料噴射器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案は、噴射器本体内に設けられた針弁のシート部と噴射器本体 先端に設けられた噴孔との間に燃料溜まりを有する燃料噴射器において、燃料溜 まりを針弁の軸線に対し非対称形状に形成する構成とする。 尚、燃料溜まりを針弁の軸線に対し非対称形状に形成することは、燃料溜まり を画成する針弁の先端又は噴射器本体内面の形状を変更することにより実現でき る。

【０００６】

【作用】

上記の構成においては、燃料溜まりが非対称形状に形成されることから、燃料 の流れを乱して、燃料が特有の流れを作らないようにすることができ、これによ り均一な濃度で粒径の小さな噴霧を実現することができる。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案の実施例を説明する。尚、従来例（図４）と同一要素には同一符 号を付して異なる要素についてのみ説明する。 図１は第１の実施例を示している。 この実施例では、針弁２の先端を斜めにカットして、カット部６を形成してあ る。すなわち、図２の左側のハッチング部分をカットして、右側の形状にしてあ る。これにより、燃料溜まり５を針弁２の軸線Ｌに対し非対称形状に形成してあ る。

【０００８】 これによれば、燃料溜まり５内において燃料の流れが乱れ、燃料が特有の流れ を作ることが防止される。この結果、均一な濃度で粒径の小さな噴霧を実現する ことができる。 図３は第２の実施例を示している。 この実施例では、噴射器本体１の燃料溜まり５を形成する内面の一部に凸部７ を形成し、これによって燃料溜まり５を針弁２の軸線Ｌに対し非対称形状に形成 してある。

【０００９】 このようにしても同様の作用効果が得られる。尚、凸部７に代えて凹部を設け ることにより、燃料溜まり５を針弁２の軸線Ｌに対し非対称形状に形成してもよ い。 尚、本考案に係る燃料噴射器は、一般的には、ディーゼルエンジン用の高圧燃 料の燃料噴射ノズル、特に渦流室に設けられる単孔タイプのものとして好適に用 いられるが、ガソリンエンジン用の低圧燃料の噴射弁としても用いることができ るものである。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、均一な濃度の噴霧を作ることが可能にな ると共に、噴霧の粒径も小さくできるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１の実施例を示す燃料噴射器の要
部断面図

【図２】 針弁の加工方法を示す図

【図３】 第２の実施例を示す燃料噴射器の要部断面図

【図４】 従来の燃料噴射器の要部断面図

【符号の説明】

１ 噴射器本体 ２ 針弁 ３ シート部 ４ 噴孔 ５ 燃料溜まり ６ カット部 ７ 凸部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】噴射器本体内に設けられた針弁のシート部
   と噴射器本体先端に設けられた噴孔との間に燃料溜まり
   を有する燃料噴射器において、前記燃料溜まりを前記針
   弁の軸線に対し非対称形状に形成したことを特徴とする
   燃料噴射器。