JPH0643316B2 - 安定なカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬の製造方法 - Google Patents
安定なカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬の製造方法Info
- Publication number
- JPH0643316B2 JPH0643316B2 JP12997288A JP12997288A JPH0643316B2 JP H0643316 B2 JPH0643316 B2 JP H0643316B2 JP 12997288 A JP12997288 A JP 12997288A JP 12997288 A JP12997288 A JP 12997288A JP H0643316 B2 JPH0643316 B2 JP H0643316B2
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- Japan
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- injection
- potassium canrenoate
- potassium
- canrenoate
- producing stable
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬の製造方
法に関し、更に詳細には安定剤として塩基性アミノ酸を
少量含有し、長時間保存してもpH値の変動が少なく、し
かも溶解時に「おり」、「あく」等の不溶物の発生がな
い安定なカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬の製造方法
に関する。
法に関し、更に詳細には安定剤として塩基性アミノ酸を
少量含有し、長時間保存してもpH値の変動が少なく、し
かも溶解時に「おり」、「あく」等の不溶物の発生がな
い安定なカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬の製造方法
に関する。
カンレノ酸はアルドステロンのもつ電解質代謝作用に拮
抗し、このカリウム塩であるカンレノ酸カリウムは強力
なミネラルコルチコイド拮抗剤として有用な薬物であ
る。
抗し、このカリウム塩であるカンレノ酸カリウムは強力
なミネラルコルチコイド拮抗剤として有用な薬物であ
る。
カンレノ酸カリウムを水溶液注射薬とするには、加熱滅
菌を行なうとゲル化を生じるため、無菌操作により調製
する必要がある。また無菌操作により調製したとして
も、この水溶液は経時的に水に不溶性のカンレノ酸を生
成し、それが「おり」、「あく」等の不溶物となつて現
われ、品質的に満足できるものは得られない。そのため
粉末小分け製剤、凍結乾燥製剤等の粉末製剤とする必要
が生じる。
菌を行なうとゲル化を生じるため、無菌操作により調製
する必要がある。また無菌操作により調製したとして
も、この水溶液は経時的に水に不溶性のカンレノ酸を生
成し、それが「おり」、「あく」等の不溶物となつて現
われ、品質的に満足できるものは得られない。そのため
粉末小分け製剤、凍結乾燥製剤等の粉末製剤とする必要
が生じる。
しかし、粉末小分け製剤は、製造時の無菌性確保が難し
いため、従来カンレノ酸カリウムは凍結乾燥製剤として
提供されていた。
いため、従来カンレノ酸カリウムは凍結乾燥製剤として
提供されていた。
また、カンレノ酸カリウムは、pH8〜10付近でもつと
も安定であるが、経時的にpHが下降するこにより「お
り」、「あく」等の不溶物が生成することが知られてい
る。
も安定であるが、経時的にpHが下降するこにより「お
り」、「あく」等の不溶物が生成することが知られてい
る。
そこで、pHの下降を防ぎ、pH値を8〜10に維持するよ
うに各種の緩衝剤を用いた凍結乾燥注射薬が検討されて
いるが、pH安定性や人体への安全性という点から満足で
きるものは未だ少ない。例えば、特公昭56-17326号で
は、緩衝剤としてトリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タンを添加することにより上記課題の解決を図つている
が、このトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンは、
医薬品に対する使用前例が乏しく、注射薬に添加するに
は安全性の面から考えて好ましいとはいえないものであ
つた。
うに各種の緩衝剤を用いた凍結乾燥注射薬が検討されて
いるが、pH安定性や人体への安全性という点から満足で
きるものは未だ少ない。例えば、特公昭56-17326号で
は、緩衝剤としてトリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タンを添加することにより上記課題の解決を図つている
が、このトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンは、
医薬品に対する使用前例が乏しく、注射薬に添加するに
は安全性の面から考えて好ましいとはいえないものであ
つた。
従つて、安全性に優れた安定剤を用い、長時間保存して
もpH値の変動が少なく、復水時に不溶物のない安定なカ
ンレノ酸カリウム注射薬の提供が望まれていた。
もpH値の変動が少なく、復水時に不溶物のない安定なカ
ンレノ酸カリウム注射薬の提供が望まれていた。
本発明者らは、カンレノ酸カリウム注射薬の安定剤とし
て用いることができ、しかも安定性の高い添加物につい
て鋭意研究を行なつた結果、塩基性アミノ酸を少量添加
して凍結乾燥することにより、長時間保存後においても
pH値の変動が極めて少なく、かつ性状の面からも「お
り」、「あく」等の不溶物の生じないカンレノ酸カリウ
ム粉末注射薬が得られることを見出した。
て用いることができ、しかも安定性の高い添加物につい
て鋭意研究を行なつた結果、塩基性アミノ酸を少量添加
して凍結乾燥することにより、長時間保存後においても
pH値の変動が極めて少なく、かつ性状の面からも「お
り」、「あく」等の不溶物の生じないカンレノ酸カリウ
ム粉末注射薬が得られることを見出した。
すなわち本発明は、カンレノ酸カリウムと、これに対し
て0.5重量%以上のアルギニン、ヒスチジン及びリジ
ンから選ばれる1種または2種以上の塩基性アミノ酸と
を水に溶解し、pHを8〜10に調整した後、凍結乾燥す
ることを特徴とするカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬
の製造方法を提供するものである。
て0.5重量%以上のアルギニン、ヒスチジン及びリジ
ンから選ばれる1種または2種以上の塩基性アミノ酸と
を水に溶解し、pHを8〜10に調整した後、凍結乾燥す
ることを特徴とするカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬
の製造方法を提供するものである。
本発明に使用する塩基性アミノ酸は光学異性体の区別な
く使用できる。塩基性アミノ酸の使用量がカンレノ酸カ
リウムに対し0.5重量%に満たないと、緩衝能力がない
ため製剤の安定化が図れない。また塩基性アミノ酸の使
用量の上限に制限はないが、一般に経済性や製剤化等の
面から5重量%程度で充分である。
く使用できる。塩基性アミノ酸の使用量がカンレノ酸カ
リウムに対し0.5重量%に満たないと、緩衝能力がない
ため製剤の安定化が図れない。また塩基性アミノ酸の使
用量の上限に制限はないが、一般に経済性や製剤化等の
面から5重量%程度で充分である。
斯くして得られたカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬
は、長時間保存しても安定で、pH値の変動が極めて少な
く、また性状の面でも、「おり」、「あく」等の不溶物
の生成はない。また安定性向上のための添加剤がアミノ
酸であるため、安定性についても全く問題なく、注射薬
として好適である。
は、長時間保存しても安定で、pH値の変動が極めて少な
く、また性状の面でも、「おり」、「あく」等の不溶物
の生成はない。また安定性向上のための添加剤がアミノ
酸であるため、安定性についても全く問題なく、注射薬
として好適である。
次に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
する。
する。
実施例1 カンレノ酸カリウム100gを注射用蒸留水300mlに
溶解後、これにL−アルギニン2.5gを注射用蒸留水1
00mlに溶解したものを加えた。混合後0.1N塩酸を用
いてpHを9.5に調整し、次に注射用蒸留水を用いて50
0mlに補正した。これを0.22μmのメンブランフイルタ
ーにより無菌ろ過し、無菌条件下、滅菌された3mlアン
プルに1mlずつ分注した。常法により凍結乾燥を行なつ
た後、無菌条件下アンプルを熔閉し、下記注射薬を得
た。
溶解後、これにL−アルギニン2.5gを注射用蒸留水1
00mlに溶解したものを加えた。混合後0.1N塩酸を用
いてpHを9.5に調整し、次に注射用蒸留水を用いて50
0mlに補正した。これを0.22μmのメンブランフイルタ
ーにより無菌ろ過し、無菌条件下、滅菌された3mlアン
プルに1mlずつ分注した。常法により凍結乾燥を行なつ
た後、無菌条件下アンプルを熔閉し、下記注射薬を得
た。
1アンプル中 カンレノ酸カリウム 200mg L−アルギニン 5mg (pH:9.50) 実施例2 pH調整を行なわない以外は実施例1と同様にして下記注
射薬を得た。
射薬を得た。
1アンプル中 カンレノ酸カリウム 200mg L−アルギニン 2mg (pH:9.85) 実施例3 L−アルギニンの代わりにL−リジンを用いる以外は実
施例2と同様にして下記注射薬を得た。
施例2と同様にして下記注射薬を得た。
1アンプル中 カンレノ酸カリウム 200mg L−リジン 6mg (pH:9.50) 実施例4 L−アルギニンの代わりにL−ヒスチジンを添加し、ま
た塩酸の代わりに水酸化ナトリウムを用いてpH調整を行
なう以外は実施例1と同様にして下記注射薬を得た。
た塩酸の代わりに水酸化ナトリウムを用いてpH調整を行
なう以外は実施例1と同様にして下記注射薬を得た。
1アンプル中 カンレノ酸カリウム 200mg L−ヒスチジン 6mg (pH:9.50) 比較例1 Lーアルギニンを添加しない以外は実施例2と同様にし
て下記注射薬を得た。
て下記注射薬を得た。
1アンプル中 カンレノ酸カリウム 200mg (pH:8.43) 比較例2 L−アルギニンの代わりにNa2HPO4・12H2Oを7.5g及びN
a3PO4・12H2Oを0.6g用いる以外は実施例2と同様にし
て下記注射薬を得た。
a3PO4・12H2Oを0.6g用いる以外は実施例2と同様にし
て下記注射薬を得た。
1アンプル中 カンレノ酸カリウム 200mg Na2HPO4・12H2O 15mg Na3PO4・12H2O 1.2mg (pH:9.61) 実施例5 上記実施例1〜4及び比較例1、2で得た凍結乾燥注射
薬について、製造直後、40℃で3ケ月保存後及び60
℃で1ケ月保存後において、2mの注射用蒸留水で復
水し、そのpH値の測定及び不溶物の生成状況の観察を行
なつた。
薬について、製造直後、40℃で3ケ月保存後及び60
℃で1ケ月保存後において、2mの注射用蒸留水で復
水し、そのpH値の測定及び不溶物の生成状況の観察を行
なつた。
その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明の製造法によって得
られたカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬は、経時的な
pH値の変動が極めて小さく、また「おり」、「あく」等
の不溶物の生成がなく、比較例に比して優れた効果を有
する。
られたカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬は、経時的な
pH値の変動が極めて小さく、また「おり」、「あく」等
の不溶物の生成がなく、比較例に比して優れた効果を有
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 茂則 千葉県千葉市寒川町3―60 (56)参考文献 特開 昭54−163809(JP,A) 特公 昭55−30769(JP,B2) 特公 昭56−19848(JP,B2) 特公 昭55−17010(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】カンレノ酸カリウムと、これに対して0.
5重量%以上のアルギニン、ヒスチジン及びリジンから
選ばれる1種または2種以上の塩基性アミノ酸とを水に
溶解し、pHを8〜10に調整した後、凍結乾燥すること
を特徴とするカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12997288A JPH0643316B2 (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | 安定なカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12997288A JPH0643316B2 (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | 安定なカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01299232A JPH01299232A (ja) | 1989-12-04 |
JPH0643316B2 true JPH0643316B2 (ja) | 1994-06-08 |
Family
ID=15022990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12997288A Expired - Lifetime JPH0643316B2 (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | 安定なカンレノ酸カリウム凍結乾燥注射薬の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0643316B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1121223C (zh) * | 1997-02-05 | 2003-09-17 | 麒麟麦酒株式会社 | 含有神经鞘糖脂的冷冻干燥组合物及其制造方法 |
US6417167B1 (en) | 1997-02-05 | 2002-07-09 | Kirin Beer Kabushiki Kaisha | Lyophilized compositions containing shingoglycolipid and process for preparing them |
-
1988
- 1988-05-27 JP JP12997288A patent/JPH0643316B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01299232A (ja) | 1989-12-04 |
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