JPH0643300U - 液体輸送のための圧送容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、容器を透明体で構成しさらにその
外側に透明体からなる保護カバーを設けることにより、
安全性が高くしかも容器内に収容された液体を容器の外
部から目視によって観察できる液体輸送のための圧送容
器を提供することを目的とする。 【構成】 本考案では、透明な材質からなる筒体と、該
筒体の外側に設けられ透明な材質からなり上部に気体の
逃がし孔を持つ保護カバーと、上記筒体と保護カバーの
両端を挟んで固定する上板及び底板と、上記上板に取り
付けられ圧力気体の入口及び液体圧送用の吸込が設けら
れた蓋体と、からなる液体輸送のための圧送容器の構成
とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、液体塗布分野等で多く用いられている液体輸送のための圧送容器構 造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

液体塗布分野等では図２示されるような液体輸送のための圧送容器が広く用い られている。すなわち、図２において容器５０内に液体５２を収容し、蓋５４で 密封し、圧力気体の導入管５６から容器５０内へ圧力気体を導入し、その圧力に よってサイホン管５８から前記液体５２を容器５０の外へ送り出す。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記した圧送容器には次のような問題があった。すなわち、比較的小容量でし かも低圧で用いられるもの、例えば容量が１リットル以下で圧力が１ｋｇ／ｃｍ ² 以下程度で使用されるものでは、ガラス等からなる透明体の容器を用いたもの がある。しかし容量や圧力が大きくなると強度的な問題からどうしても金属製の 容器が用いられている。金属製の容器の場合には透明性が無いので、容器内に収 容された液体の状態を容器の外部から目視によって観察することができない。

【０００４】 従って容器内に収容された液体が、経時変化によって分離するような性質のも のや、懸濁液等で懸濁粒子が経時変化によって凝集性や沈降性があるもの等の場 合、それら液体の状況を容器の外から常時観察したいという使用目的には適さな い。また、比較的大型のものあるいは高圧で用いられるものの場合、容器をガラ スで製作すると万一破損した場合には、液体や容器の破片が周辺に飛び散り周囲 を汚損したり危険でもある。

【０００５】 本考案はこれらの諸問題に鑑みてなされたもので、容器を透明体で構成しさら にその外側に透明体からなる保護カバーを設けることにより、安全性が高くしか も容器内に収容された液体を容器の外部から目視によって観察できる液体輸送の ための圧送容器を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記した課題を解決するために本考案では次のような圧送容器の構成とした。 すなわち、透明な材質からなる筒体と、該筒体の外側に設けられ透明な材質から なり上部に気体の逃がし孔を持つ保護カバーと、上記筒体と保護カバーの両端を 挟んで固定する上板及び底板と、上記上板に取り付けられかつ圧力気体の入口及 び液体圧送用の吸込管が設けられた蓋体と、からなる液体輸送のための圧送容器 の構成とした。

【０００７】

【作用】

本考案では圧送容器の構造を前記した構成としたので、圧送容器内に収容され た液体は、圧力気体の導入口から圧送容器内に導入される圧力気体によって加圧 され、その圧力によって吸込管から圧送容器外へと送り出される。そして圧送容 器を構成する筒体及び保護カバーは透明な材質で構成されるので、圧送容器の内 部に収容された液体を、圧送容器の外部から目視によって常時観察することがで きる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案をその一実施例を示す図１に基づいて詳細に説明する。図１は本 考案の液体輸送のための圧送容器の縦断面図である。

【０００９】 図において、符号１は液体輸送のための圧送容器を示し、２は透明な材質から なる筒体で本実施例では石英ガラスを用いた。４は筒体２よりも大きな内径を有 し筒体２の外側を覆うように設けられしかも透明体からなる保護カバーであり、 本実施例ではアクリル樹脂の成形品を用いた。該保護カバー４の上部には後で説 明する圧力気体の逃がし孔６が設けられる。８は上板、１０は底板を示し、上記 筒体２及び保護カバー４の両端部は、上板８及び底板１０に設けた段部１２にパ ッキン１４を介してはめ込まれ筒体２と保護カバー４との間に設けた複数の棒状 ステー１６とボルト１８によって強固に固定される。２０は圧力気体の導入口２ ２と液体輸送のための吸込管２４が設けられた蓋体で、シールリング２６を介し てボルト２８によって上板８に取り付けられる。吸込管２４は蓋体２０に螺合さ れたコネクター３０と共に蓋体に取り外し可能に取り付けられている。またコネ クター３０の下流側にはフレキシブルホース３２が接続されている。圧力気体の 導入口２２は管継手３４圧力調整弁３６等を介して図外の圧力気体供給装置に接 続される。４０は圧送容器１内に収容された液体を示す。

【００１０】 次に上記実施例の作用について説明する。 まずボルト２８を抜き取り蓋体２０を吸込２４等と共に上板８から取り外す。 次に圧力容器１内に液体４０を収容し、再び蓋体２０を上板８に取り付けて圧力 容器１を密閉する。次に図外の圧力気体供給装置から供給される圧力気体を圧力 調整弁３６、管継手３４等を介して圧力気体の導入口２２から圧送容器１内へ導 入する。この圧力気体の圧力によって液体４０は吸込管２４からフレキシブルホ ース３２等を経て圧送容器１外の所定の場所に送り出される。

【００１１】 本実施例は以上詳述した構成と作用を持つものであるが、使用中に圧力気体の 内圧で万一筒体２が破損した場合でも、圧力気体は保護カバー４の上部に設けた 圧力気体の逃がし孔６から大気開放され瞬時に圧力を失いまた液体４０や破損し た筒体２の破片は保護カバー４によって捕捉されるので周囲に飛散ることはない 。また筒体２及び保護カバー４は透明体で構成しているので、内部の液体４０を 圧送容器１の外部から常時観察することができる。

【００１２】 また、最近では透明なＰＥＴボトルなどのワンウエイ容器に詰められた薬液等 が流通しているが、それらは図１に仮想線で示すように開栓後のボトル４２をそ のまま圧送容器１内に収容して使用すればよい。このような使用の方法では作業 の途中で液体の種類を変える必要がある場合に、ボトル４２ごと交換すれば済む ので、圧力容器の内部を清掃する必要が無く便利である。

【００１３】 また、実施例では蓋体２０をボルト２８で上板８に取り付ける構造としたが、 これに限定されることなく他のクランプ方式例えばラチェット方式等とすること もできる。

【００１４】 また、上板８及び底板１０を固定するために複数本の棒状ステー１６を用いた が、上板８又は底板１０の部材の一部を延長させた構造としてステー１６と同じ 機能を持たせることもできる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、透明な材質からなる筒体と、該筒体の外 側に設けられ透明な材質からなり上部に気体の逃がし孔を持つ保護カバーと、上 記筒体と保護カバーの両端を挟んで固定する上板及び底板と、上記上板に取り付 けられ圧力気体の導入口及び液体圧送用の吸込が設けられた蓋体と、からなる液 体輸送のための圧送容器の構成としたので、内部の液体を圧送容器の外部から常 時観察することができ、しかも従来のものに比べて比較的高圧（２〜６ｋｇ／ｃ ｍ² ）で容量が大きいもの（２〜１０リットル）にも対応することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す液体輸送のための圧送容
器の縦断面図。

【図２】従来例を示す説明図。

【符号の説明】

１ 圧送容器 ２ 筒体 ４ 保護カバー ６ 逃し孔 ８ 上板 １０ 底板 ２０ 蓋体 ２２ 導入口 ２４ 吸込管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明な材質からなる筒体（２）と、該筒
   体（２）の外側に設けられ透明な材質からなり上部に気
   体の逃がし孔（６）を持つ保護カバー（４）と、上記筒
   体（２）と保護カバー（４）の両端を挟んで固定する上
   板（８）及び底板（１０）と、上記上板（８）に取り付
   けられかつ圧力気体の導入口（２２）及び液体圧送用の
   吸込管（２４）が設けられた蓋体（２０）と、からなる
   ことを特徴とする液体輸送のための圧送容器。