JPH04109025U - 化学薬品用搬送容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 特に電子工業用の液体状で高純度化学薬品の
様な、液体状の化学薬品用の搬送容器を、助剤を含まな
い高純度のポリエチレンで出来たポリエチレン製の内側
殻状体１と、助剤を含むポリエチレン製の外側殻状体２
とから作る構成とする。 【効果】 上記の様に液体状の化学薬品用の搬送容器を
構成することによって、内容物が汚れることを排除で
き、フォークリフトで乱暴に取り扱っても壊れないし、
またこの搬送容器は簡単に且つ安価に製造出来るという
顕著な効果を奏することが出来る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、液体状の化学薬品、特に電子工業用の液体状の高純度化学薬品用容 器に関する。

【０００２】 近年、例えば電子工業用のプロセス化学薬品の如き液体状の特殊化学薬品を高 純度にすることへの要求が著しく高まって来ている。その際例えばプロセス化学 薬品を使用して電子工業により製造されたマイクロチップスの寸法が益々小さく なっているため、液体状の高純度化学薬品に異物のないことへの要求が益々高ま っている。

【０００３】 本考案の枠内では、高純度化学薬品とは、0.2 μより大きな大きさの異物を最 大５０粒／mlで、0.5 μより大きな大きさの異物を最大１０粒／ml含んでいる化 学薬品と了解さるべきである。更に例えばアルミニウム、コバルト、クロム、銅 、鉄、マグネシウム、マンガン、ニッケル、鉛などの金属類は最高でそれぞれ１ ppb の量しか含まれていないものとする。塩化物含有量が最高で0.1ppm、硝酸塩 含有量が0.2ppm、燐酸塩含有量が0.02ppm そして硫化物含有量が0.1ppmである。

【０００４】

【従来の技術】

液体状で異物のない高純度化学薬品の製造は微粒子化学薬品メーカーによって コントロールされる。貯蔵及び運搬のためには市販の材料で出来た公知の容器は 勿論適当でない。

【０００５】 電子工業で液体状の高純度化学薬品を運搬する場合に経済的な理由から大型容 器だけが使われている。これら容器は容器内容物を除去し、フォークリフト等に よって粗雑に扱っても壊れにくく、簡単で安価に製造出来る様に作られている。

【０００６】 これら容器はフォークリフト及び他の普通の運搬装置によって何ら搬送の危険 を伴わずに移動出来る様にすべきである。即ち事故が起きても容器が壊れないよ うに保護すべきである。しかし全ての前述した要件を満足させる大型化学薬品用 容器は知られていない。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、これらの要件を満足させる大型化学薬品用容器を提案することを課 題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案による液体状の化学薬品、特に電子工業用の液体状の高純度化学薬品の ための搬送容器は、それが高純度で何ら助剤を含んでいないポリエチレンからな る内側殻状体と、助剤を含む市販のポリエチレンからなる外側殻状体とから出来 ていることを特徴とするものである。

【０００９】 何ら助剤を含まない高純度ポリエチレンとは、本考案の枠内では通常は極普通 の助剤を使わずに製造されたポリエチレンのことである。通常極普通の助剤は、 当業者に良く知られている安定化剤、特に酸化防止剤である（例えばプラスチッ ク 78(2)、142 頁(1988 年発行) 参照）。これに反して助剤を含むポリエチレン は上記助剤を使用して製造されているポリエチレンを意味する。

【００１０】 内側殻状体と外側殻状体との間の空間は、より有利には、弁を介して外側殻状 体内に配量送入されるガスが満たされている。適当するガスは、例えば窒素、例 えばヘリウム、ネオン又はアルゴンの如き稀ガス又は空気である。

【００１１】 より目的に合うように内側殻状体は、それが出来るだけ滑らかで継ぎ目とか移 行部のない内面を形成するように製造される。上方部分及び下方部分は、例えば それ自体プレートで製造されている深絞りした皿状床材から形成でき、これら床 材は円筒形の中央部材と継ぎ目なく結合されている。この内側殻状体は外側殻状 体と完全に且つ溶接継ぎ目なく結合されている。この内側殻状体は外側殻状体と 完全に且つ溶接継ぎ目なく包囲されている。

【００１２】 こうして機械的に不安定な内側殻状体が例えば極端な搬送負荷のために破壊さ れても、周囲に液体が流出するのが阻止される様に成される。

【００１３】 本考案による容器の開口は、例えば閉鎖プレートの如き蓋、特に溶接されたブ ロックフランジで密閉されている。特に有利には外側殻状体の如きフランジは助 剤を含むポリエチレンから出来ており、化学薬品と接触する内側では、助剤を含 まない高純度のポリエチレンからなるプレートと溶接されている。ブロックフラ ンジは内側殻状体と外側殻状体とを溶接によって結合する。

【００１４】 フランジは、供給導管及び排出導管、スタンドパイプ又は吸い上げ管等のため の幾つかの接続部を有し、これらは容器を満たしたり空にしたりすることが可能 である。液体状の化学薬品の供給及び排出導管用の接続部等は接続短管として構 成することができ、これら短管自体は、例えばネジ型蓋、迅速連結体、コック及 び／又は弁の適当な閉鎖体で閉鎖可能である。固有の容器閉鎖体にはセンサー用 の接続部及び充満過程又は空にする過程を監視するためのセンサーを設けること が出来る。

【００１５】 閉鎖体に設けた接続部は、容器を満たすものも容器から化学薬品を取り出すの にも役立つ。この為に必要な化学薬品用の供給及び排出導管並びに前記稀ガス又 は圧搾ガス用の場合により設ける供給及び排出導管又は充満過程又は取り出し過 程に必要なセンサー等は化学薬品を満たす時にも取り出す時にも蓋に設けた接続 部に接続される。例えば接続短管の如き接続部は、その構成において、例えばそ の直径において互いに全て同じに構成することが良い。この同じ構成とはしかし ながら一つ又は幾つかの接続部又は接続短管が違っていても構わない。また全て の接続短管は異なって構成しても良い。

【００１６】 内側容器を空にするのは過圧又はポンプによって行うことが出来る。複数の接 続部は、内側殻状体の底まで達し、何ら助剤を含む高純度のポリエチレン製の幾 つかのスタンドパイプと結合されている。換気はダイヤフラム弁又はニードル弁 を介して行うのがより目的に適っている。弁を介した換気は、もし化学薬品に特 有の容器過圧がかかった時に、１つのスタンドパイプ接続部を介して化学薬品が 制御が出来ない程流出するのを防止する。更に圧力を下げた場合異物の無いフィ ルターにかけたガスを圧力バランスを採るために供給することも出来る。

【００１７】 本考案による容器の別の実施例では、この容器がポリエチレン管からなる外側 容器内に据えられ、支え部材によって固定される。この管は平らな下床によって 閉鎖され、特にプラスチックプレートに組付けられている。上側はフランジ用の 開口を有する凸状の上床と溶接によって閉鎖されており、その際出っ張ったカラ ーは容器フランジに組付けた計器のため保護カラーの機能を持っている。凸状の 上床の最も下の点に例えば管の如き外側へ通じるドレインを設けるのが目的に適 っている。外側容器の上方縁部は最後に付加的なプレートで閉じても良い。

【００１８】 外側容器と内側容器との間の空間は空にすることも出来るが、例えば断熱材の 如き材料で全部又は部分的に満たしても良い。

【００１９】 断熱材として例えばコルク、ばらばらの綿、鉱物繊維材、特に発泡プラスチッ クを使用することが出来る。発泡プラスチックは、細胞状の室が開いていても閉 じていても良く、熱可塑性でエラストマー状の又は熱硬化性のポリマーが知られ ている。例えば発泡材はポリスチロール、ポリビニールクロライド、ポリエチレ ン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、特に例えばメチ ル−ビス−フェニルイソシアネートをベースにしたポリウレタンから作りうる。 特に有利には外側容器と内側容器との間の中間室が所謂ポリウレタン−集合発泡 材で発泡される。

【００２０】 本考案による化学薬品は、500 l 以上の内容物で、高純度で液体の、場合によ っては活性の化学薬品を汚染の危険も破壊の危険も無く確実に搬送を行うことが 出来る。また搬送の際及び貯蔵の際大きな温度変動が避けられる。

【００２１】

【実施例】

次に図示の実施例に基づいて本考案を詳細に説明することにする： 図１で内側殻状体は１で、外側殻状体は２で示してある。内側殻状体と外側殻 状体との間の中間室３内には弁４を介してガスを配量送入することが出来る。ブ ロックフランジ５は内側殻状体と外側殻状体を溶接によって結合し、供給及び排 出導管、スタンドパイプ又は吸い上げ管などのための図示していない複数の接続 部を有している。内側の容器はポリエチレン管６からなる外側容器内に据えられ 、支え部材７によって固定されている。この管は平らな下床８によって閉鎖され ており、パレット９上に組付けられている。その上側はフランジ５のため開口を 有する凸状の上床１０で閉鎖されている。ドレイン１１は凸状の上床１０の最も 低い点から外部へと通じている。外側の容器６は上方の付加的なプレート１２に よって閉じられている。

【００２２】 外側容器と内側容器との間の空間１３は下方部分において発泡材１４で発泡さ れている。

【００２３】

【考案の効果】

特に電子工業用の液体状の高純度化学薬品用の搬送容器を本考案の様に構成す ることによって、容器内容物が汚れるのが除去でき、フォークリフトで乱暴に取 り扱っても壊れ難く、それを簡単に安価に製造できるという顕著な効果を奏する ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案による搬送容器の特に有利な実施
形態を縦断面図で示す。

【符号の説明】

１ 内側殻状体 ２ 外側殻状体 ３ 中間室 ４ 弁 ５ ブロックフランジ ６ ポリエチレン管 ７ 支え部材 ８ 下床 ９ パレット １０ 上床 １１ ドレイン １２ プレート １３ 外側容器と内側容器との間の空間 １４ 発泡材

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体状の化学薬品、特に電子工業用の液
   体状の高純度化学薬品用の搬送容器において、容器が、
   全く助剤を含まない高純度のポリエチレンからなる内側
   殻状体（１）と、助剤を含んでいる市販のポリエチレン
   からなる外側殻状体（２）とから出来ていることを特徴
   とする搬送容器。
2. 【請求項２】 内側殻状体と外側殻状体との間の空間
   （３）がガスで満たされ、このガスは弁（４）を介して
   外側殻状体内に配量送入されうることを特徴とする請求
   項１に記載の搬送容器。
3. 【請求項３】 開口が溶接されたブロックフランジ
   （５）で閉鎖されていることを特徴とする請求項１又は
   請求項２に記載の搬送容器。
4. 【請求項４】 ブロックフランジ（５）が助剤を含むポ
   リエチレンから出来ており、化学薬品と接触する内側で
   は何ら助剤を含まない高純度のポリエチレンからなるプ
   レートと溶接されていることを特徴とする請求項３に記
   載の搬送容器。
5. 【請求項５】 搬送容器がポリエチレン管でできた外側
   容器（６）内に設置され、そして支え部材（７）によっ
   て固定されていることを特徴とする請求項１から請求項
   ４のうちの１項に記載の搬送容器。
6. 【請求項６】 外側容器と内側容器との間の空間（１
   ３）は全部又は部分的に、例えば断熱材の如き材料（１
   ４）で満たされていることを特徴とする請求項５に記載
   の搬送容器。
7. 【請求項７】 外側容器（６）がプラスチックプレート
   （９）上に組み立てられていることを特徴とする請求項
   ５又は請求項６に記載の搬送容器。