JPH0643297A - 赤外刺戟性リン光体により放射線像を記録及び観視し、又は再生するための方法 - Google Patents

赤外刺戟性リン光体により放射線像を記録及び観視し、又は再生するための方法

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JPH0643297A
JPH0643297A JP5071263A JP7126393A JPH0643297A JP H0643297 A JPH0643297 A JP H0643297A JP 5071263 A JP5071263 A JP 5071263A JP 7126393 A JP7126393 A JP 7126393A JP H0643297 A JPH0643297 A JP H0643297A
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light
radiation
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Luc Struye
リュク・ストリュエ
Paul Leblans
ポール・ルブラン
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Agfa Gevaert NV
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に半導体レーザーで非常に効率的に光刺戟
される波長範囲で光刺戟して放射線像を記録し、観視又
は再生する方法である。 【構成】 (1) 第一の方式によれば、貯蔵しうる放射
線エネルギーでの均一照射に由来する均一に貯蔵された
エネルギーを含有する材料に赤外光を像に従って適用す
る、そして(2) 第二の方式によれば、貯蔵しうる放射
線エネルギーでの材料の像に従った照射に由来する像に
従って貯蔵されたエネルギーを含有する材料に赤外光を
均一に適用する、光刺戟性貯蔵リン光体を含有する材料
を赤外光で光刺戟して放射線像を記録し、観視し、又は
再生する方法であり、前記赤外光が720〜1550n
mの波長範囲にあり、前記リン光体が、ホスト金属とし
て少なくとも1種のアルカリ土類金属を、ドープ剤とし
てEu2+を、共ドープ剤として、リチウム、硼素、イッ
トリウム、サマリウム、ランタン、ガリウム及び/又は
チタンを含有する光刺戟性ハロシリケート又はハロ(シ
リケート−ゲルマネート)リン光体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は赤外刺戟性リン光体による放射線
像を記録し、そして観視又は再生するの方法に関する。
【0002】紫外放射線の如きエネルギー富含(rich)
不可視放射線、X線の如き透過放射線及び陰極線の如き
荷電粒子放射線は適切な物質を発光させることは良く知
られている。前記放射線の影響の下ルミネセンスの現象
を示す物質はリン光体と称される。
【0003】Journal of Applied Physics18巻(19
47年4月)343〜347頁に記載されている如く、
X線、β線、γ線、紫外線及び可視光線からのエネルギ
ーを貯蔵し、このエネルギーを不定期間保持するリン光
体を作ることができる。このエネルギーは、赤外放射線
の強度によって支配される放出速度で赤外放射線によ
り、赤から紫外まで変化する光の形で部分的に放出され
る。
【0004】例えばUS−P3859527に記載され
たX線パターンを記録し、再生する方法によれば、パネ
ル中に導入された光刺戟性リン光体は入射パターンに従
って変調されたX線に露光され、その結果としてX線放
射線パターンに由来するエネルギーをその中に一時的に
貯蔵する。X線露光後或る時間間隔で、可視光又は赤外
光のビームがパネルを走査して、可視像を作るために処
理できる逐次電気信号に変換され、検出される光として
貯蔵されたエネルギーの放出を刺戟する。この目的のた
め、刺戟性リン光体は入射X線エネルギーのできる限り
多くを貯蔵し、そして走査ビームによって刺戟されるま
で貯蔵されたエネルギーをできる限り徐々に放出すべき
である。換言すれば、リン光体は遅い暗減衰を有する高
いエネルギー貯蔵能力を有すべきである。それに加え
て、光刺戟時の貯蔵されたエネルギーの放出は、効率的
に進行すべきである、即ち殆ど全部の貯蔵されたエネル
ギーが、刺戟性光の波長範囲から充分に離れた波長範囲
を有する刺戟光の形で適宜な読みとり時間内で放出され
るべきである。
【0005】実際に、刺戟性リン光体パネルは、満足で
きる解像度を得るため、50〜300μmの直径を有す
る走査レーザービームの光に対して露光される。
【0006】US−P3859527(図1参照)に記
載された特定の硫化物系リン光体は赤外光で刺戟可能で
あり、それ自体放出放射線に対しては透明である。これ
らのリン光体は充分な時間の長さに対して高エネルギー
放射線の像を保持できるが、赤外放射線による読みとり
は、高輝度の刺戟された光を生ぜしめない。
【0007】より良好な貯蔵容量を有する貯蔵リン光体
に対する研究は、既に知られているアルカリ土類金属弗
化物X線リン光体の使用に導いた、このリン光体は60
0〜700nm光範囲で効率的に刺戟できることが証明
された(US−P4239968の図4参照)。
【0008】その光範囲で、633nmで放出するHe
−Neレーザーで光刺戟は有利に行うことができる。
【0009】リン光体を刺戟することによって放出され
る光(被刺戟光と称される)は300〜500nmの波
長範囲に位置しているのが好ましく、これは光電子増倍
管が高量子効率を有しており(定期刊行物、Radiology
1983年9月号、834頁参照)、そしてこれによっ
て適切なフィルターにより長い波長の刺戟性光から被刺
戟光を分離することが容易である。刺戟しうるリン光体
パネルは繰返し使用しなければならないから、残存(読
みとり得ない)エネルギーは、各像形成段階の間で消去
されなければならない。残存エネルギーパターンを消去
するため、充分な輝度の刺戟性光でリン光体パネルを投
光することによってこれは行うことができる。
【0010】実際的に有用なリン光体のために別の重要
な性質は、その化学的安定性、特にその湿分に対する抵
抗性である、何故なら吸湿性リン光体は、湿って来たと
きルミネセンス力の損失に悩まされるからである。
【0011】US−P4587036から知ることがで
きるように、幾らかのユーロピウムドープしたアルカリ
土類金属フルオロハライド(これはEP0021342
に記載されている)は湿分に対して敏感であり、これに
よりそれらの蛍光力は低下する。
【0012】公開されたヨーロッパ特許出願No. 030
4121には、Eu2+及び/又はCe3+ドープした(活
性化した)ハロシリケートが記載されており、これは特
に湿分に対し抵抗性であり、そして514.5nmのア
ルゴンイオンレーザー光で刺戟したとき、貯蔵されたX
線エネルギーの可視刺戟光への高変換効率を有する。
【0013】公開されたヨーロッパ特許出願No. 038
2295には、Eu2+又はCe3+ドープした(活性化し
た)ハロゲルマネート及びハロ(シリケート−ゲルマネ
ート)リン光体が記載されており、これは特に湿分に対
し抵抗性であり、600nmを超える波長範囲の光、従
って633nmのHe−Neレーザー光で刺戟したと
き、貯蔵されたX線エネルギーの可視刺戟光へ高い変換
効率を有する。
【0014】一般に知られている如く、殆どのリン光体
はその実験式構造中に1種以上のホスト金属及び1種以
上の共ドープ剤と混合したドープ剤又は活性剤金属を含
有する。ホスト金属はリン光体X線阻止能を与え、そし
てドープ剤及び共ドープ剤との組合せでそのエネルギー
貯蔵容量を決定する。刺戟時の蛍光放出スペクトル及び
吸収されたエネルギーの放出される蛍光への変換の効率
は主としてドープ剤そして場合により存在する共ドープ
剤によって決定される。
【0015】例えば公開されたEP−A0304121
から知ることができるように、リン光体組成が光刺戟ス
ペクトルを決定するという事実を心にとめて、工業的に
利用でき、高価でなく、信頼性あるレーザーによって放
出される光に対して最適である光刺戟を有するリン光体
を作るための研究がなされている。その点において、赤
外放出半導体レーザー及び半導体レーザー配列が有利で
ある、何故ならそれらの非常にコンパクトな構造、電気
制御の容易さ、相対的に低い価、及び現在3mW〜10
Wの範囲にあるそれらの光放出力(The 1991 Prod
uct Catalogueof SPECTRA Diode Lasers and the perio
dical Lasers and Optronics 、1991年8月参照)
のためである。かかるレーザーの例は、それぞれ750
nm及び820nmで発光最高を有するSONY(商
標)SLD 201 V−3及びSONY SLD 2
02 V−3の如き、750〜980nmの範囲で発光
極大を有するGaAlAs及びInGaAsレーザーダイオードが市
場で入手できる。
【0016】本発明の目的は、特に共ドープしたハロシ
リケート及びハロ(シリケート−ゲルマネート)リン光
体を、それらが特に半導体レーザーで非常に効率的に光
刺戟される波長又は波長範囲で、赤外放射線で光刺戟す
ることにより、放射線像を記録し、そして観視し又は再
生するための方法において、前記化合物を使用すること
にある。
【0017】特に本発明の目的は、前記共ドープしたハ
ロシリケート及びハロ(シリケート−ゲルマネート)リ
ン光体によりX線像を記録し、再生するための方法を提
供することにあり、前記リン光体の、X線像に像に従っ
て露光した後の前記リン光体の光刺戟が、刺戟された光
の光像が光電子的に検出される720〜1550nmの
波長範囲での赤外光で効率的に進行する。
【0018】本発明の他の目的及び利点は以下の説明か
ら明らかになるであろう。
【0019】本発明は、光刺戟性貯蔵リン光体を含有す
る材料を赤外光で光刺戟する工程を含む放射線像を記録
し、そして観視し又は再生するための方法であり、(1)
第一の方式によれば、貯蔵しうる放射線エネルギーで
の均一照射に由来するエネルギーをその中で貯蔵中及び
/又は貯蔵後、前記材料に前記赤外光を像に従って適用
し、そして(2) 第二の方式によれば、貯蔵しうる放射
線エネルギーでの前記材料の像に従った照射に由来する
像に従って貯蔵されたエネルギーを含む前記材料に前記
赤外光を均一に適用することからなり、前記赤外光が7
20〜1500nmの波長範囲、好ましくは720〜1
100nmの範囲にあり、前記リン光体が、ホスト金属
として少なくとも1種のアルカリ土類金属、ドープ剤と
してEu2+、そして共ドープ剤としてリチウム、硼素、
イットリウム、サマリウム、ランタン、ガリウム及び/
又はチタンを含有する光刺戟性ハロシリケート又はハロ
(シリケート−ゲルマネート)リン光体であることを特
徴とする。
【0020】前記ハロシリケート又はハロ(シリケート
−ゲルマネート)中のハロゲンはCl、Br又はI又は
それらの混合物であるのが好ましく、主としてBrであ
るのが更に好ましい。
【0021】「シリケート」なる語は、ケイ素及び酸素
からなるアニオンを含む化合物に適用する。
【0022】「シリケート−ゲルマネート」なる語は、
ケイ素、ゲルマニウム及び酸素からなるアニオンを含む
化合物に適用する。
【0023】前記した第一の方式によれば、本発明は
(1) 前記リン光体により貯蔵できる放射線、例えば紫
外放射線又は陰極線放射線に光刺戟性リン光体を均一に
露光する工程、(2) 前記リン光体を赤外光で像に従っ
て光刺戟して前記露光されたリン光体によって貯蔵され
たエネルギーを像に従って放出させ、これによって光刺
戟光を発生させる工程、及び(3) 光刺戟光を観視し、
又は検出する工程を含み、前記リン光体が前述した如き
ハロシリケート又はハロ(シリケート−ゲルマネート)
リン光体であり、光刺戟を、720〜1550nm、好
ましくは720〜1100nmの範囲の赤外光で行う赤
外像を記録し、観視し又は再生する方法を含む。
【0024】全面的に紫外線露光した貯蔵リン光体の光
刺戟赤外光による像に従った光刺戟は、写真を作るため
に発表されている(例えばUS−P2482814参
照)。別の応用において、前記光刺戟は例えば暗さ又は
ヘイズを介して、赤外像の直接観視又は記録で応用され
る。これらの用途において、リン光体被覆の支持体は赤
外光及び/又は光刺戟された光に対して透明であるのが
好ましい。
【0025】前述した第二の方式によれば、本発明は
(1) 光刺戟性リン光体をX線に対して像に従って露光
する工程、(2) 前記リン光体を赤外光で光刺戟し、吸
収されたX線に従って前記リン光体から光刺戟光を放出
する工程、及び(3) 光刺戟光を好ましくは光電子的に
検出する工程を含み、前記リン光体が前述した如きハロ
シリケート又はハロ(シリケート−ゲルマネート)リン
光体であり、光刺戟を、720〜1550nm、好まし
くは720〜1100nmの波長範囲での光刺戟性赤外
光で行うX線像を記録し、再生する方法を含む。
【0026】図1に、実施例7に記載した如く作ったリ
チウム共ドープしたハロシリケートリン光体のX線露光
により得られた即発発光スペクトルを示す。前記スペク
トルは、赤外光により光刺戟したとき得られる蛍光の発
光スペクトルと同じである。相対発光強度(R.E.)
をnmでの波長に対してプロットした。
【0027】図2、図3及び図4は、pJ/mm3 /m
Rで表示した変換効率(C.E.)を、数字で示した各
実施例のスクリーンのX線照射と読みとりの間の分によ
る時間経過の関数としてプロットした。
【0028】図5において、実施例1により作ったリン
光体の赤外帯域での刺戟スペクトルを示す。グラフにお
いて、相対輝度、即ち刺戟光の発光の相対強度(R.
E.I.)を刺戟赤外光の波長(nm)に対してプロッ
トした。
【0029】本発明により使用するため、特に興味ある
リン光体は、ホスト金属としてBa、Sr及びCaから
なる群から選択した少なくとも1種のアルカリ土類金属
を含有する。
【0030】本発明により使用するのに好ましいリン光
体は下記実験式の範囲内にある:
【0031】 Ba5-(n+p+q+z)ZqGevSiwO4X6 : Eun 2+, D2p +, M2z/r r+
【0032】式中Zはストロンチウム及びカルシウムか
らなる群から選択した少なくとも1種の共ホスト金属で
あり、qは0〜0.5の範囲にあり、vは0〜0.5の
範囲にあり、v+wは1に等しく、Xは臭素及び/又は
塩素であり、DはNa+ 、K+ からなる群から選択した
少なくとも1種の共ドープ剤であり、MはLi+
3+、Ga3+、Y3+、La3+、Sm3+及びTi4+からな
る群から選択した少なくとも1種の共ドープ剤であり、
nは0.0001〜0.20の範囲にあり、pは0〜
0.015の範囲にあり、zは2×10-5〜2×10-1
の範囲にあり、rは1,3又は4である。
【0033】本発明により使用する他のリン光体は下記
実験式の範囲内にある。
【0034】 Sr5-(n+p+q+z)ZqGevSiwO4X6 : Eun 2+, D2p +, M2z/r r+
【0035】式中Zはバリウム及びカルシウムからなる
群から選択した少なくとも1種の共ホスト金属であり、
qは0〜0.5の範囲にあり、vは0〜0.5の範囲に
あり、v+wは1に等しく、Xは臭素及び/又は塩素で
あり、DはNa+ 、K+ からなる群から選択した少なく
とも1種の共ドープ剤であり、MはLi+ 、B3+、Ga
3+、Y3+、La3+、Sm3+及びTi4+からなる群から選
択した少なくとも1種の共ドープ剤であり、nは0.0
001〜0.20の範囲にあり、pは0〜0.015の
範囲にあり、zは2×10-5〜2×10-1の範囲内にあ
り、rは1,3又は4である。
【0036】光刺戟によるX線像再生に特に有用なリン
光体は、下記実験式(I) 又は(II)の一つの範囲内にあ
る:
【0037】 (I) Ba5-(n+p+z)GevSiwO4X6 : Eun 2+, D2p +, Li2z (II) Sr5-(n+p+z)GevSiwO4X6 : Eun 2+, D2p +, Li2z
【0038】式中vは0〜0.5の範囲にあり、v+w
は1に等しく、Xは臭素及び/又は塩素であり、nは
0.0001〜0.15の範囲にあり、pは0〜0.0
15の範囲にあり、DはNa+ 及びK+ からなる群から
選択した少なくとも1種の共ドープ剤であり、zは2×
10-5〜2×10-1の範囲にある。
【0039】本発明によるX線像再生に特に有用な他の
光刺戟性リン光体は、下記実験式(III) 又は(IV)の一つ
の範囲内にある:
【0040】 (III) Ba5-(n+z)GevSiwO4X6, Eun 2+, Li2z (IV) Sr5-(n+z)GevSiwO4Br6, Eun 2+, Li2z
【0041】式中nは0.0001〜0.15の範囲に
あり、vは0≦v≦0.5の範囲にあり、v+wは1に
等しく、Xは臭素及び/又は塩素であり、zは2×10
-5〜2×10-1の範囲にある。
【0042】共ドープした光刺戟性リン光体は、450
〜1100℃の温度で40時間以下の時間、SiO(シ
リカ)もしくはSiO2 とGeO2 の混合物と混合した
形で、酸化物に熱分解できるホスト金属化合物例えば炭
酸塩、及びホスト金属ハロゲン化物化合物と混合した形
でEu23 もしくはEuF3 を少なくとも1度焼成す
ることによって作ることができる。焼成段階で、Eu2
3 は他の共ドープ剤のハロゲン化物及び/又は酸化
物、例えばY23 及び/又はYF3 、及び/又はSm
Cl3 との混合物の形で使用できる。
【0043】リチウム共ドープしたリン光体の製造にお
いては、前述した他のリン光体成分の原料混合物に、L
iOH、Li2 CO3 、LiF、LiCl、LiBr又
はLiIの如きリチウム化合物を加える。硼素ドープし
たリン光体の製造は、例えばフラックスとしてB23
を用いて行う。ガリウムドープしたリン光体の製造は焼
成において例えばGa(NO33 を用いて行う。チタ
ンドープしたリン光体の製造は焼成において例えばTi
4 を用いて行う。
【0044】原料混合物は、450〜1000℃の温度
でN2 雰囲気中で第一焼成を受ける。焼成は500〜1
000℃の温度で還元性雰囲気中で、多段階で行うのが
好ましい。
【0045】X線像の記録及び再生において、前述した
リチウムドープしたリン光体の赤外光での光刺戟は、例
えば赤外(720〜1550nm)放出ガスレーザー、
染料レーザー、又は固体状態レーザーで行う、固体状態
レーザーの中、レーザーダイオードとも称される半導体
レーザーが、そのコンパクトな構造及び容易に電気的に
制御できるレーザー光出力のため好ましい。
【0046】単一半導体レーザー又は複数のダイオード
レーザーの配列が使用される。
【0047】特に有用な赤外放出固体レーザーには、例
えばNd:YAG(1064又は1319nm)、N
d:YLF(1047,1313又は1053nm)、
Ti:サファイヤ(700〜900nmの間で同調しう
る)、アレキサンドライト(790nm)、Nd;C
r:GSGG(1061nm)、Nd:ガラス(106
1nm)、Er:ガラス(1540nm)、Er,Y
b:ガラス(1535nm)、Cr:LiSAF(78
0〜1010nmの間で同調しうる)、フォーステライ
ト(1130〜1370nmの間で同調しうる)がある
(Lasers and Optronics、1991年12月25日号、
178〜184頁参照)。
【0048】用いるレーザーダイオードは、720〜1
550nmの波長範囲で少なくとも50mWの光学出力
を有するのが好ましい。
【0049】例えば、光刺戟は、GaAlAs、InGaAs、GaAl
As/GaAs、InGaAsP 、GaLnAsP 、又はInGaAlP 半導体レ
ーザーの平行走査レーザービームで行う(例えばLasers
andOptronics、1991年12月25日号、7頁参
照)。
【0050】リン光体板上に刺戟光ビームを焦点合せす
るため、レンズ又はレンズのセットを使用するのが好ま
しい。非点収差を修正するため、アナモルフプリズム対
又はシリンダー状レンズの対を使用するのが好ましい。
同様に光学繊維特にセルフォック(selfoc)レンズを用
いてダイオードレーザーの光を集めそして平行にするこ
とができる。SELFOCは定期刊行物、Lasers and Optroni
cs、1991年8月号に広告された光学繊維の登録商標
である。
【0051】被刺戟光を検出する前に、被刺戟光、即ち
光刺戟によって放出された光に対する高透過率を有する
一つ以上の光学繊維によって刺戟光を濾光する。
【0052】光刺戟によって放出される光は、光エネル
ギーを電気エネルギーに変える変換器、例えばデイジタ
ル化し、貯蔵できる逐次電気信号を与える光電管(光電
子増倍管)で検出するのが好ましい。貯蔵後、これらの
信号はデイジタル処理を受けることができる。デイジタ
ル処理は、像コントラスト増強、空間周波数増強、増減
色、増加色及び個々の像部分の縁解像を含む。
【0053】記録されたX線像の再生のための一つの実
施態様によれば、光学的に処理されたデイジタル信号
は、例えば音響−光学変調器により、書き込みレーザー
ビームを変調するため使用されるアナログ信号に変換さ
れる。変調されたレーザービームは次いで写真材料例え
ばハロゲン化銀乳剤フィルムを走査するために使用さ
れ、フィルム上に像処理された状態で光学的にX線像が
再生される。この例及びそれに使用する装置は例えば定
期刊行物、Radiography 1983年9月号、833〜8
38頁を参照され度い。
【0054】別の実施態様によれば、光刺戟を介して得
られた光に相当する電気信号のアナログ−デイジタル変
換から得られたデイジタル信号は陰極線管で表示され
る。表示前に信号はコンピューターで処理できる。放射
線写真の粗い又は微細な像特性の像品質を増強し、像の
信号対雑音比を改良するため通常の像処理法を適用でき
る。
【0055】本発明による前述した方法で使用するた
め、支持された又は自己支持性であることができ、X線
像貯蔵パネルと称されるパネル又はスクリーンを形成し
うる結合剤層中に分散した状態で光刺戟性リン光体を適
用するのが好ましい。
【0056】分散した形で前記リン光体を導入する結合
剤層を形成するのに好適な結合剤には、フィルム形成性
有機重合体例えばセルロースアセテートブチレート、ポ
リアルキル(メタ)アクリレート例えばポリ(メチルメ
タクリレート)、ポリビニル−n−ブチラール例えばU
S−P3043710に記載されたもの、コポリ(ビニ
ルアセテート/ビニルクロライド)及びコポリ(アクリ
ロニトリル/ブタジエン/スチレン)又はコポリ(ビニ
ルクロライド/ビニルアセテート/ビニルアルコール)
又はそれらの混合物がある。
【0057】高いX線エネルギー吸収を得るため、最少
量の結合剤を使用するのが好ましい。しかしながら、非
常に少量の結合剤は脆すぎる層を生ぜしめることがある
ので、妥協をしなければならない。リンの被覆量は約3
00〜1500g/m2 の範囲であるのが好ましい。
【0058】好ましい実施態様によれば、リン光体層は
支持体シート上に支持された層として使用する。好適な
支持体材料はフィルム形成性有機樹脂、例えばポリエチ
レンテレフタレートから作られる、しかし、所望によっ
てα−オレフィン層の如き樹脂層で被覆された紙支持体
及びカードボード支持体も特に有用である。ガラス及び
金属支持体も使用できる。リン光体層の厚さは0.05
〜0.5mmの範囲であるのが好ましい。
【0059】光刺戟性リン光体スクリーンの製造のた
め、リン光体粒子は結合剤の溶液中に均質に分散させ、
次いで支持体上に被覆し、乾燥する。本発明のリン光体
結合剤層の被覆は通常の方法、例えばスプレー被覆、浸
漬被覆又はドクターブレード被覆により行うことができ
る。被覆後、被覆混合物の溶剤は蒸発により、例えば熱
(60℃)空気流中で乾燥することによって除去する。
【0060】超音波処理が、リン光体−結合剤組合せの
脱泡を行うため及び充填密度を改良するため適用でき
る。場合により付与する保護被覆する前に、リン光体−
結合剤層はカレンダー掛けし(加圧下に)、充填密度
(即ち乾燥被覆1cm3 についてのリン光体のg数)を
改良することができる。
【0061】所望により、光反射層をリン光体−結合剤
層とその支持体の間に設け、光刺戟により放出される光
の出力を増強する。かかる光反射層は結合剤中に分散し
た白色顔料粒子例えば二酸化チタンを含有できる、又は
それは蒸着金属層例えばアルミニウム層から作ることが
できる、又は例えばUS−P4380702に記載され
ている如く、放出された光を反射するが刺戟光は吸収す
る着色顔料層であることができる。
【0062】所望により、リン光体含有層と支持体の界
面での光の反射を避け、これによって光刺戟性リン光体
の解像度を増大させるため、光吸収層を、リン光体含有
層とその支持体の間に又は支持体自体中に設ける。
【0063】医学用X線におけるよりもよりエネルギー
の大なるX線及びγ線を使用する、金属被写体の非破壊
試験に用いる如き工業用放射線写真においては、X線増
感スクリーン中の蛍光リン光体層を金属層又は金属支持
体と組合せることが有利なことが見出された、これらの
金属は原子番号46〜83のものである(US−P38
72309参照)。金属層又は支持体は、工業用X線装
置によって放出される強力に賦活されたX線及びγ線よ
りも高い効率で、隣接リン光体層中で吸収される低エネ
ルギーの二次X線及び光電子のエミッターとして作用す
る。工業用刺戟放射線写真でのこの種のスクリーン構造
の適用は、貯蔵リン光体層中により多くのエネルギーを
蓄積し、従ってより多くのエネルギーを光刺戟によって
後で放出できる。
【0064】ここに説明した如きハロシリケートリン光
体を含有するリン光体スクリーンについて、それらの光
−物理的特性を決定するための測定を行った。
【0065】第一の測定において、X線励起下のリン光
体の即発発光スペクトルを測定する。測定は、X線照射
による励起を110kVpで操作するX線源で行う分光
フルオリ光度計(spectrofluorimeter)で行う。連続X
線励起中、放出された光は光電子増倍管と組合せたモノ
クロメータで走査する。この発光スペクトルは光刺戟し
たとき得られるそれと同じであり、刺戟光から蛍光発光
を分離するに当って使用すべきフィルターを選択するた
めに使用される。
【0066】第二の測定において、700〜1200n
mの波長範囲での刺戟性赤外光を用いて刺戟スペクトル
即ち相対刺戟効率(C.E./S.E.)を測定する、
これによって刺戟の一定強度での刺戟光の波長に対する
相対発光強度を意味する。
【0067】刺戟スペクトルは、分光フルオリ光度計P
EKIN ELMER(商標)タイプ MPF−4で測
定する。前記スペクトルを測定するため、リン光体試料
は前もって、10mAのカソード電流及び50kVで操
作するX線露光源BALTEAU(商標)タイプ GL
Aで、20cmの距離で1分間露光しておく。
【0068】分光光度計は二つのモノクロメータを含
む。Ba5SiO4Br6 : Eu, Li リン光体を用いる特定の試験
においては、発光スペクトルの測定に使用するモノクロ
メータは、440nmでその発光の最高を有する前記リ
ン光体の発光の最高を受容するため10nmの解像に相
当するスリット幅で、440nmで一定に保つ。前記リ
ン光体及びモノクロメータの間に、フィルターV−Y4
3(前述したMPF−4タイプ装置に属する)を、40
0nmより短い波長の光を減衰するために使用する。こ
れによってモノクロメータのハーモニックスの光が実質
的に除去される。
【0069】光刺戟光はキセノンランプから起る、その
光は、700〜1200nmの波長を有する連続的に変
化する刺戟光を得るため第二モノクロメータによって走
査する。刺戟光の強度は、そのモノクロメータ後に光電
子増倍管で検出され、電気信号出力は電子レコーダーで
登録される。
【0070】図5から知ることができるように、実施例
1の Ba5SiO4Br6 : Eu, Liリン光体の赤外刺戟スペクト
ルは、相対発光強度(R.E.I.)対波長(nm)と
して表わされ、740nm、760nm、820nm及
び890nmで発光極大を有し、主発光極は760nm
である。
【0071】第三の測定において、一定のX線量に対し
露光したとき貯蔵される全光刺戟しうるエネルギー(E
0)及び刺戟エネルギー(Se)を測定する。X線励起前
に、リン光体スクリーン中になお存在する残存エネルギ
ーは照射によって除去する。消去中光励起を避けるた
め、435nmより短い波長の全部を除くカットオフS
CHOTT GG435フィルターを、リン光体スクリ
ーンへ光刺戟する光を放出するタングステンランプの間
に置く。
【0072】次にリン光体スクリーンを、80kVp及
び20mAで操作するタングステン陽極X線源で励起す
る。これにドイツ国のSIEMENS AGのMONO
DOR X線源を使用した。低エネルギーX線は、X線
スペクトルを硬化するため21mmの厚さのアルミニウ
ム板で濾別する。X線照射後、リン光体スクリーンは暗
所へ移し、測定のためセットする。このセットにおい
て、X線照射したリン光体スクリーンを光刺戟するため
赤外レーザー光を使用する。
【0073】異なる種類のダイオードレーザーを使用で
きる、例えば30mWの光学出力を有するSONY(商
標)タイプ SLD 204V又は823nmで200
mWの光学出力を有するSONY(商標)ダイオードレ
ーザータイプ SLD302V/Wを使用できる。測定
は、750nmで3mWの光学出力を有するレーザーダ
イオードSHARP(商標)タイプ LT030MDを
用いて同様に行うことができる。
【0074】受光器は、電子シャッター、単一レンズ
(Melles Griot) 、ダイヤフラム、着色ガラスフィルタ
ーSCHOTT( 商標)タイプ BG39及び光電子増
倍管HAMAMATSU(商標)タイプ R1398を
含む。
【0075】強力に発散するダイオードレーザーのレー
ザー光は、3mmの直径を有する円形孔を有するダイヤ
フラムシートに対して押圧したリン光体試料上の単一レ
ンズで焦点合せをする。その方法で7.1mm2 のスポ
ット部域を有するリン光体試料に貯蔵されたエネルギー
のみが測定される。
【0076】電子シャッターを開いたとき、赤外レーザ
ービームがリン光体スクリーンを刺戟することを開始
し、デイジタルオツシロスコープを作動させる。リン光
体スクリーン試料と光電子増倍管の間に置いた着色ガラ
スフィルターBG39は赤外刺戟性光をブロックする。
前記フィルターは放出された光(440nm)の波長で
95%の透過係数を有する。
【0077】光電子増倍管で発生した光電流は電圧信号
に変えられる。信号はデイジタルオツシロスコープTE
KTRONIX(商標)タイプ 7D20で可視化され
る。測定結果はコンピューターHEWLETT PAC
KARD(商標)タイプ HP9826で読む。
【0078】機能は数学的に次の如く表わされる:
【0079】
【数1】
【0080】式中Aは振幅であり、τは時間定数であ
り、tは刺戟時間であり、eは自然対数の底である。
【0081】t=τで、63%の貯蔵されたエネルギー
が放出された。前記結果を得るため、曲線下の積分を、
開始点(電子シャッターの開放時)から1/e点の間で
計算する。
【0082】絶対値を得るため、光電子増倍管及び電圧
コンバーターへの電流の両方の感度、又分離フィルター
の透過スペクトル及びリン光体の発光スペクトルの旋回
も考慮に入れる。放出光は全ての方向に等しく散乱され
るから、発光の一部のみが光電子増倍管で検出されるだ
けである。ダイヤフラム及び光電子増倍管の位置は全放
出光の10%が光電子増倍管で検出されるようにする。
【0083】これらの全ての修正がなされた後、X線変
換効率の値がpJ/mm2 /mRの単位で得られる。リ
ン光体の量は、最後の結果をスクリーンの厚さで割るこ
とによって考慮に入れる、かくしてpJ/mm3 /mR
の単位でのX線変換効率が得られる。前記結果はスクリ
ーンの厚さによって決るから、比較しうるためには全て
の測定は殆ど同じリン光体被覆量で行わなければならな
い。
【0084】光刺戟エネルギーは、貯蔵されたエネルギ
ーの63%を放出するのに必要なエネルギーとして定義
される。適用される光刺戟エネルギーはμJ/mm2
表示され、刺戟光の強度を時間定数に乗ずることによっ
て得られる。
【0085】第四の測定において、リン光体試料の暗減
衰特性が規定される。そのため、一定のX線量に露光し
たとき貯蔵された光刺戟しうるエネルギーを、前記露光
後15,60又は300分測定する。時間を変えて、第
三の測定のために前述した如きC.E.の測定法を用い
る。
【0086】医学及び工業用放射線写真でのそれらの用
途とは別に本発明による刺戟性リン光体スクリーンはオ
ートラジオグラフィにも同様に有用である。
【0087】古典的なオートラジオグラフィにおいて
は、放射性パターンの記録を直接又は現像を介して中に
形成する写真材料と被写体と密着させて置くことによ
り、被写体内の放射性材料の写真記録が作られる。本発
明によるオートラジオグラフィにおいては、放射性目的
物を本発明による刺戟性リン光体スクリーンと接触させ
て又は非常に近づけて置く、これによりリン光体は目的
物中の放射性パターンのエネルギーを貯蔵する。貯蔵さ
れたエネルギーは光刺戟によって蛍光の形で放出され、
放出された光は検出され、例えば写真材料又は陰極線管
上に像貯蔵し、再生のために使用される。
【0088】本発明を下記実施例で説明するが、これに
限定するものではない。
【0089】割合、部及び百分率は、他に特記せぬ限り
重量による。
【0090】実施例 1及び2及び比較実施例 3 Ba4.985-zEu0.015SiO4Br6 : Li2z(z=5×10-3又は
1.5×10-2)(zは比較実施例3においては0であ
る)。
【0091】下記成分を秤量した: BaBr2 ・2H2 O 541.7g BaCO3 ・0.47%H2 O 187g Eu23 ・3.33%H2 O 1.32g SiO2 ・1.89%H2 O 30.6g
【0092】前記成分を均質に混合し、粉砕した。次に
混合物を二つの500ml容器に分けた。各容器に4個
の1.5cm球及び180mlの無水エタノールを加
え、混合物を15分間遊星形ボールミル中で粉砕した。
粉砕後原料混合物をオーブン中に置き、70〜80℃で
一夜乾燥した。
【0093】50gの原料混合物に第一焼成を受けさせ
た。焼成は、1l/分のN2 流れの下で800℃で行っ
た。90分後、粉末を炉から取り出し、粉砕し、再び同
じ条件の下で90分焼成した。
【0094】実施例1の材料を作るため、1.46×1
-3gのLiOHを、15gの第一焼成材料と均質混合
し、混合物を還元性雰囲気中で再焼成した。
【0095】実施例2の材料を作るため、4.38×1
-3gのLiOHを、15gの第一焼成材料と均質混合
し、混合物を還元性雰囲気中で再焼成した。
【0096】比較実施例3の材料を作るため、15gの
第一焼成材料を、LiOHを存在させずに還元性雰囲気
中で焼成した。
【0097】800℃で行った焼成に当って用いた還元
性雰囲気は、H2 及びN2 の5/95容量%混合物から
なっていた。
【0098】各粉末試料は2時間で2回、そして90分
で2回焼成した。二つの焼成の間で粉末は乳鉢中で粉砕
した。
【0099】3種の得られた試料は同様の即発発光スペ
クトルを有していた。即発発光スペクトルは、光刺戟し
たとき放出する蛍光のスペクトルと同じであり、図1に
示す、図1において、相対発光強度R.E.を波長(n
m)に対してプロットした。
【0100】各リン光体を次に酢酸エチルに溶解したポ
リエチルアクリレートを含有する結合剤溶液中に分散さ
せた。それぞれ得られた分散液を厚さ100μのポリエ
チレンテレフタレートの透明シート上に被覆して500
g/m2 の被覆重量を与えた。次に各スクリーンをそれ
らのリン光体のエネルギー貯蔵特性を測定するために使
用した。He−Neレーザー光(633nm)に露光す
ることにより残存貯蔵エネルギーを消去した後、各スク
リーンをX線の一定線量で照射し、次いでHe−Neレ
ーザーで刺戟した。前述した如く変換効率を測定した。
【0101】図2に、実施例1,2及び比較実施例3
(それぞれ曲線1,2及び3に対応する)のスクリーン
のX線照射と823nmで放出されるダイオードレーザ
ーでの読みとりの間の時間(分)の関数として、pJ/
mm3 /mRで表示した変換効率(C.E.)をプロッ
トした。
【0102】この図2から、ドープ剤としてLiを含有
する実施例1及び2の前記スクリーンのX線照射と読み
とりの間の時間間隔(分)の関数としてプロットした変
換効率が、比較実施例3に示したリチウムを含有しない
かかるリン光体のそれよりも非常に良好である(これは
前記スクリーンが非常に遅い暗減衰を有することを意味
する)ことが明らかである。
【0103】実施例 4及び5及び比較実施例 6
【0104】実施例4のリン光体の製造においては、実
施例1により第一焼成を受けた原料混合物15gと4.
51×10-3gのLiCO3 を均質混合した。かくして
得られた混合物を還元性雰囲気中で再焼成した。
【0105】実施例5のリン光体の製造においては、実
施例1により第一焼成を受けた原料混合物15gと1.
35×10-2gのLiCO3 を均質混合した。かくして
得られた混合物を還元性雰囲気中で再焼成した。
【0106】比較実施例6のリン光体の製造において
は、15gの前記第一焼成した原料混合物をLiCO3
を存在させずに還元性雰囲気中で焼成した。
【0107】リン光体試料の還元焼成は、H2 及びN2
の5/95容量%混合物からなる雰囲気中で800℃で
行った。
【0108】リン光体試料は、2時間で4回焼成し、二
つの一連の焼成の間に粉末は乳鉢中で粉砕した。
【0109】スクリーンはそれぞれ実施例1,2及び比
較実施例3について記載した如く作った。
【0110】図3に、pJ/mm3 /mRで表示した変
換効率(C.E.)を、X線照射と、実施例4,5及び
比較実施例6(それぞれ曲線4,5及び6に対応する)
のスクリーンの823nmで放出するダイオードレーザ
ーでの読みとりの間の時間(分)の関数としてプロット
した。
【0111】図3から、ドープ剤としてLiを含有する
実施例4及び5に示した如き本発明によるリン光体の暗
減衰挙動は、比較実施例6に示した如くリチウムを含有
しないかかるリン光体のそれよりも非常に良好であるこ
とが明らかである。
【0112】 実施例 7,8,9及び10及び比較実施例 11 Ba4.985-zEu0.015SiO4Br6 : Li2z(z=1.5×1
-2)(zは比較実施例11では0である)。
【0113】下記成分を秤量した: BaBr2 ・2H2 O 541.7g BaCO3 ・0.47%H2 O 187g Eu23 ・3.33%H2 O 1.32g SiO2 ・1.89%H2 O 30.6g
【0114】前記成分を均質混合し、粉砕した。続いて
混合物を二つの500ml容器に分けた。各容器に、4
個の1.5cm球及び180mlの無水エタノールを加
え、混合物を遊星形ボールミル中で15分間粉砕した。
粉砕後原料混合物をオーブン中に入れ、70〜80℃で
一夜乾燥した。
【0115】50gの原料混合物に第一焼成を受けさせ
た。焼成は1分について1lのN2流れ中で800℃で
行った。90分後粉末を炉から取り出し、粉砕し、90
分同じ条件の下で再焼成した。
【0116】実施例7及び8の材料を作るため、それぞ
れ4.67×10-3gのLiF及び7.36×10-3
のLiClを、15gの第一焼成材料と均質混合し、混
合物を還元性雰囲気中で再焼成した。
【0117】実施例9及び10の材料を作るため、それ
ぞれ1.56×10-2gのLiBr及び2.41×10
-2gのLiIを、15gの第一焼成材料と均質混合し、
混合物を還元性雰囲気中で再焼成した。
【0118】比較実施例11の材料を作るため、Li化
合物を存在させずに還元性雰囲気中で15gの第一焼成
材料を焼成した。
【0119】800℃で行った焼成に用いた還元性雰囲
気は、H2 及びN2 の5/95容量%混合物からなって
いた。
【0120】各粉末試料は2時間で4回焼成した。二つ
の焼成の間で粉末は乳鉢中で粉砕した。
【0121】各リン光体試料は、酢酸エチルに溶解した
ポリエチルアクリレートを含有する結合剤溶液中に分散
させた。得られた各分散液を厚さ100μのポリエチレ
ンテレフタレートの透明シート上に被覆して、500g
/m2 の被覆重量を与えた。次に各スクリーンをそれら
のリン光体のエネルギー貯蔵特性を測定するために使用
した。ダイオードレーザー光(750nm)に露光する
ことにより残存貯蔵エネルギーを消去した後、各スクリ
ーンを一定線量のX線で照射し、次いでダイオードレー
ザーで刺戟した。X線照射と823nmで放出するダイ
オードレーザーで行ったリン光体スクリーンの読みとり
の間の時間経過の関数として変換効率を測定した。
【0122】図4に、pJ/mm3 /mRで表示した変
換効率(C.E.)を、X線照射と、実施例7〜10及
び比較実施例11(それぞれ曲線7,8,9,10及び
11に対応する)のスクリーンの読みとりの間の分での
時間の関数としてプロットした。
【0123】図4からドープ剤としてLiを含有する実
施例7〜10に例示した本発明によるリン光体の暗減衰
挙動が、比較実施例11に例示したリチウムを含有しな
いリン光体のそれよりも非常に良いことが明らかであ
る。
【0124】実施例 12〜18 実施例12〜18のリン光体を作るに当っては、原料混
合物は比較実施例11のリン光体と同じに作った。
【0125】実施例12の材料を作るため、1.37×
10-2gのSmCl3 を15gの原料混合物と均質混合
した。
【0126】実施例13及び14の材料を作るため、そ
れぞれ1.42×10-2g及び4.26×10-2gのイ
ットリウムプロポキサイドを使用して、15gの原料混
合物と均質混合した。
【0127】実施例15の材料を作るため、1.11×
10-2gのB23 を15gの原料混合物と均質混合し
た。
【0128】実施例16の材料を作るため、3.14×
10-2gのLaF3 を15gの原料混合物と均質混合し
た。
【0129】実施例17の材料を作るため、4.09×
10-2gのGa(NO33 を15gの原料混合物と均
質混合した。
【0130】実施例18の材料を作るため、1.98×
10-2gのTiF4 を15gの原料混合物と均質混合し
た。
【0131】実施例12〜18のリン光体材料は、それ
らの共ドープ剤を含有する前記15gの原料混合物に6
回の焼成を受けさせた。
【0132】第一焼成は1分について1lのN2 流中で
800℃で行った。90分後炉から粉末を取り出し、粉
砕し、同じ条件の下で90分再焼成した。
【0133】続いて、H2 5容量%及びN2 95容
量%の混合物からなる還元性雰囲気中で4回2時間の焼
成を行った。焼成温度は800℃であった。二つの焼成
の間で粉末は乳鉢中で粉砕した。
【0134】各リン光体試料を、酢酸エチル中に溶解し
たポリエチルアクリレートを含有する結合剤溶液中に分
散させた。得られた分散液を、厚さ100μのポリエチ
レンテレフタレートの透明支持体上に被覆して500g
/m2 の被覆重量を与えた。次に各スクリーンをそれら
のリン光体のエネルギー貯蔵特性を測定するために使用
した。He−Neレーザー光(633nm)に露光して
残存貯蔵エネルギーを消去した後、各スクリーンを一定
線量のX線で照射し、次いでHe−Neレーザーで刺戟
した。測定結果の分析により、前記した如く変換効率
(C.E.)を測定した。
【0135】同じ方法で、変換効率(C.E.)を、そ
れぞれ750及び823nmのダイオードレーザー光で
刺戟して測定した。
【0136】下表における実施例12〜18を参照し、
633nmと比較において823nmで得られたC.
E.値の比及び750nmと633nmの光でリン光体
スクリーン試料を刺戟して得たC.E.値の比を示す。
ブランクとして比較のため、前記共ドープ剤を含有しな
い材料を使用した。
【0137】 実施例 C.E.(750nm)/C.E.(633nm) C.E.(823nm)/C.E.(633nm) 12 1 1.89 13 1.13 2.08 14 0.83 1.41 15 1 1.61 16 0.89 1.44 17 1.03 1.75 18 1.06 1.55
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1,2及び比較実施例3で作ったリン光
体のX線露光により得られた即発発光スペクトルであ
る。
【図2】実施例1,2及び比較実施例3の変換効率を示
す。
【図3】実施例4,5及び比較実施例6の変換効率を示
す。
【図4】実施例7〜10及び比較実施例11の変換効率
を示す。
【図5】実施例1で作ったリン光体の赤外帯域での刺戟
スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール・ルブラン ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光刺戟性貯蔵リン光体を含有する材料を
    赤外光で光刺戟することにより放射線像を記録及び観視
    し、又は再生するための方法であり、 (1) 第一の方式によれば、貯蔵しうる放射線エネルギ
    ーでの均一照射に由来する均一に貯蔵されたエネルギー
    を含有する前記材料に前記赤外光を像に従って適用す
    る、そして (2) 第二の方式によれば、貯蔵しうる放射線エネルギ
    ーでの前記材料の像に従った照射に由来する像に従って
    貯蔵されたエネルギーを含有する前記材料に前記赤外光
    を均一に適用する方法において、前記赤外光が720〜
    1550nmの波長範囲にあり、レーザー光とも称され
    る半導体レーザーによって放出され、前記リン光体が、
    ホスト金属として少なくとも1種のアルカリ土類金属、
    ドープ剤としてEu2+及び共ドープ剤としてリチウム、
    硼素、イットリウム、サマリウム、ランタン、ガリウム
    及び/又はチタンを含有する光刺戟性ハロシリケート又
    はハロ(シリケート−ゲルマネート)リン光体であるこ
    とを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 (1) 前記リン光体により貯蔵しうる放
    射線に対し光刺戟性リン光体を均一に露光し、前記放射
    線が紫外放射線又は陰極線放射線である工程、 (2) 前記赤外光で前記リン光体を像に従って光刺戟し
    て前記均一に露光されたリン光体によって貯蔵されたエ
    ネルギーを像に従って放出させ、これによって光刺戟光
    を生ぜしめる工程、 (3) 光刺戟光を観視又は検知する工程を含むことを特
    徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 前記方法が、 (1) 光刺戟性リン光体をX線に対し像に従って露光す
    る工程、 (2) 前記赤外光で前記リン光体を光刺戟して吸収され
    たX線に従って前記リン光体から光刺戟光を放出させる
    工程、 (3) 光刺戟光を検知する工程を含むことを特徴とする
    請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザーダイオードが、720〜1
    550nmの波長範囲で少なくとも50mWの放出力を
    有することを特徴とする請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 前記レーザーダイオードが、GaAlAs、In
    GaAs、GaAlAs/GaAs、InGaAsP 、GaLnAsP 、又はInGaAl
    P 半導体レーザーであることを特徴とする請求項4の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記レーザーダイオードが、前記レーザ
    ーダイオードによって放出されるレーザービームをコリ
    メートするかピント合せする光学繊維とその出力面で連
    結されていることを特徴とする請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 前記リン光体が、ホスト金属として、B
    a、Sr及びCaからなる群から選択した少なくとも1
    種のアルカリ土類金属を含有することを特徴とする請求
    項1の方法。
  8. 【請求項8】 前記ハロシリケート又はハロ(シリケー
    ト−ゲルマネート)リン光体がハロゲンとしてCl、B
    r又はI又はそれらの混合物を含有することを特徴とす
    る請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 前記リン光体が、下記実験式 Ba5-(n+p+q+z)ZqGevSiwO4X6 : Eun 2+, D2p +, M2z/r r+ (式中Zはストロンチウム及びカルシウムからなる群か
    ら選択した少なくとも1種の共ホスト金属であり、qは
    0〜0.5の範囲にあり、vは0〜0.5の範囲にあ
    り、v+wは1に等しく、Xは臭素及び/又は塩素であ
    り、DはNa+ 、K+ からなる群から選択した少なくと
    も1種の共ドープ剤であり、MはLi+ 、B3+、G
    3+、Y3+、La3+、Sm3+及びTi4+からなる群から
    選択した少なくとも1種の共ドープ剤であり、nは0.
    0001〜0.20の範囲にあり、pは0〜0.015
    の範囲にあり、zは2×10-5〜2×10-1の範囲にあ
    り、rは1,3又は4である)の範囲内にあることを特
    徴とする請求項7の方法。
  10. 【請求項10】 前記リン光体が、下記実験式 Sr5-(n+p+q+z)ZqGevSiwO4X6 : Eun 2+, D2p +, M2z/r r+ (式中Zはバリウム及びカルシウムからなる群から選択
    した少なくとも1種の共ホスト金属であり、qは0〜
    0.5の範囲にあり、vは0〜0.5の範囲にあり、v
    +wは1に等しく、Xは臭素及び/又は塩素であり、D
    はNa+ 、K+ からなる群から選択した少なくとも1種
    の共ドープ剤であり、MはLi+ 、B3+、Ga3+
    3+、La3+、Sm3+及びTi4+からなる群から選択し
    た少なくとも1種の共ドープ剤であり、nは0.000
    1〜0.20の範囲にあり、pは0〜0.015の範囲
    にあり、zは2×10-5〜2×10-1の範囲にあり、r
    は1,3又は4である)の範囲内にあることを特徴とす
    る請求項7の方法。
  11. 【請求項11】 前記リン光体が、下記実験式(I) 又は
    (II) (I) Ba5-(n+p+z)GevSiwO4X6 : Eun 2+, D2p +, Li2z (II) Sr5-(n+p+z)GevSiwO4X6 : Eun 2+, D2p +, Li2z (式中vは0〜0.5の範囲にあり、v+wは1に等し
    く、Xは塩素及び/又は臭素であり、nは0.0001
    〜0.15の範囲にあり、pは0〜0.015の範囲に
    あり、DはNa+ 及びK+ からなる群から選択した少な
    くとも1種の共ドープ剤であり、zは2×10-5〜2×
    10-2の範囲にある)の一つの範囲内にあることを特徴
    とする請求項7の方法。
  12. 【請求項12】 前記リン光体が、下記実験式(III) 又
    は(IV) (III) Ba5-(n+z)GevSiwO4X6, Eun 2+, Li2z (IV) Sr5-(n+z)GevSiwO4Br6, Eun 2+, Li2z (式中nは0.0001〜0.15の範囲にあり、vは
    0≦v≦0.5の範囲にあり、v+wは1に等しく、X
    は臭素及び/又は塩素であり、zは2×10-5〜2×1
    -2の範囲にある)の一つの範囲内にあることを特徴と
    する請求項7の方法。
JP5071263A 1992-03-06 1993-03-04 赤外刺戟性リン光体により放射線像を記録及び観視し、又は再生するための方法 Pending JPH0643297A (ja)

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