JPH0643155Y2 - 室炉式コークス炉への廃棄タイヤ装入装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、室炉式コークス炉への廃棄タイヤ装入装置に
関するものである。

（従来の技術） 本出願人は、先に特願昭62−152040号で、コークス炉の
炭化室内にドーナツ状の廃棄タイヤをコークス押出口又
は排出口より装入し、上記廃棄タイヤ装入口に炉蓋を装
着し、次いで上記炭化室内に炉頂装炭孔より石炭を装入
し、石炭と共に廃棄タイヤを乾留することにより、コー
クス生産量を操作することなく燃料ガスとして回収使用
するコークス炉発生ガスを安価に増加させることができ
るコークス炉操業方法を提供した。

上記廃棄タイヤの炭化室内への装入は、炭化室内の赤熱
コークスを押出機で押出し、ガイド車サイドの炉蓋を装
着した1000℃程度の空の炭化室内の底面と、コークス押
出機の炭化室底面より高い位置の作業床との間に、ドー
ナツ状の廃棄タイヤの転動ガイドを架設して、上記押出
機作業床より廃棄タイヤを上記転動ガイド上に乗せ、転
動ガイドのスロープを転動させて炭化室内に転動装入す
るものであり、通常はコークス炉発生ガス量を増大させ
るために、廃棄タイヤを転動ガイドに乗せることを繰り
返し実施して、できるだけ多数本の廃棄タイヤを炭化室
内に装入するものである。

なお転動ガイドより炭化室に入った廃棄タイヤは炭化室
底面を更に転動して、ガイド車サイドの炉蓋又は既に装
入され炭化室内にある廃棄タイヤに当たって停止する。
また上記装入法で炭化室内に装入できる廃棄タイヤの最
大本数は、炭化室サイズ、廃棄タイヤサイズによって異
なるが、例えば炉幅410mm,炉長13200mm,炉高4300mmの炭
化室に、外径550mm程度の廃棄タイヤを装入する場合
は、22本程度となる。

ドーナツ状の廃棄タイヤをコークス押出口より転動装入
することを繰り返し実施して、多数本、例えば22本の廃
棄タイヤの装入が完了すると、上記炭化室底面と押出機
作業床との間に架設した廃棄タイヤ転動ガイドを撤去し
たのち、コークス押出口に炉蓋を装着して廃棄タイヤ装
入工程が終了する。

（考案が解決しようとする問題点） 上記廃棄タイヤ装入工程中は、開口面積の大きいコーク
ス押出口が開放されているので、廃棄タイヤ装入工程に
長時間を要すると、炉温の低下を招き熱損失が大きくな
ると共に炭化室築造煉瓦の冷却収縮によって上記煉瓦が
損傷してしまう問題がある。

ところが上記特願昭62−152040号明細書で開示した廃棄
タイヤ装入方法では、廃棄タイヤ転動装入工程の直前、
直後に廃棄タイヤ転動ガイドの架設工程、撤去工程が必
要であり、上記廃棄タイヤ装入工程の所要時間を長くし
ており、上記炉温低下、熱損失を増大すると共に煉瓦損
傷の発生の危険性を高めている。

本考案は、廃棄タイヤ転動ガイドの架設、撤去工程を排
除して、コークス押出口解放時間を短縮して炉温低下、
熱損失を減少すると共に、煉瓦損傷を抑制することがで
きるコークス炉への廃棄タイヤ装入装置を提供するもの
である。

（問題点を解決するための手段） 本考案の要旨は次の通りである。

室炉式コークス炉の炉団方向に走行する走行台車に、コ
ークス炉の炭化室の底面に向かって下向き傾斜するスリ
ープを設け、このスロープ上に廃棄タイヤの横転を防止
すると共に廃棄タイヤの転動方向を炭化室長手方向に規
制する一対のガイドを設けたことを特徴とする室炉式コ
ークス炉への廃棄タイヤ装入装置。

（実施例及び作用） 以下本考案を図面に示す一実施例装置に基づき詳細に説
明する。

第１図において、１はコークス炉の炭化室、２は炉団方
向に走行可能なコークス押出機、３はコークス押出機２
に設けた廃棄タイヤ装入装置である。

上記廃棄タイヤ装入装置３は、押出機２の先端部に炭化
室１の底面４に向かって下向きに傾斜するスロープ５を
形成し、このスロープ５上に廃棄タイヤ６の横転を防止
すると共に転動方向を炭化室１長手方向に規制する一対
のガイド7,7を設けてなるなるものである。

なお上記ガイド７はスロープ５後方のフラットな作業床
８まで延長して設けて廃棄タイヤ６をストックするよう
にしている。また上記スロープ５の角度及び長さはスロ
ープ５を転動したドーナツ状の廃棄タイヤ６が更に炭化
室１内を転動し、ガイド車サイドの炉蓋９まで到達する
角度及び距離を選定している。

上記装入装置３を使用する廃棄タイヤ６の装入は以下の
ように実施するものである。

ガイド車（図示せず）及び押出機２を、乾留の完了し
た炭化室１位置に移動する。

ガイド車及び押出機２の搭載された炉蓋取り装置（図
示せず）で、上記炭化室１の炉蓋を取る。

ガイド車及び押出機２を炉団方向に移動して、ガイド
車のガイド及び押出機２のプッシャー（図示せず）を上
記炭化室１の窯口に位置させる。

押出機２のプッシャーを前進させ、コークスケーキ
（図示せず）を押し出し、プッシャーを後進させる。

ガイド車を炉団方向に移動して、炉蓋取り装置に保持
される炉蓋９をガイド車サイドの窯口に装着すると共に
押出機２を炉団方向に移動して、上記炭化室１の押出機
２サイドの窯口10に上記廃棄タイヤ装入装置３のガイド
7,7を位置させる。

作業床８にストックされている廃棄タイヤ６を１本づ
つスロープ５上に乗せることを繰り返し行う。スロープ
５上に乗せられた廃棄タイヤ６はスロープ５上を転動し
て炭化室１内に入り、更に炭化室底面４上を転動し、炉
蓋９または炭化室１内に装入停止する廃棄タイヤ６に当
たり停止する。

なお廃棄タイヤ６がスロープ５上を転動中に廃棄タイヤ
同志が接触した場合、接触部分の回転方向は逆方向で一
時的な円滑な転動を妨げるので、作業床にストックされ
ている廃棄タイヤ６を１本づつ間欠的スロープ５上に乗
せて、廃棄タイヤ６が僅かな間隔をあけてスロープ５上
を転動するようにして廃棄タイヤ６の円滑な転動を確保
すると共に複数の所定本数の廃棄タイヤの装入所要時間
を短縮することができる。

複数の所定数の廃棄タイヤ６のスロープ転動装入が完
了すると、コークス押出機２を炉団方向に移動して炉蓋
取り装置に保持される炉蓋を、廃棄タイヤ装入口となっ
た押出機２サイドの窯口10に装着して廃棄タイヤ装入工
程を終了する。

装炭車（図示せず）を使用して装炭孔11より上記炭化
室１内にコークス生産量に見合った量の石炭を装入す
る。

（考案の効果） 以上のように、本考案の室炉式コークス炉への廃棄タイ
ヤ装入装置は、室炉式コークス炉の炉団方向に走行する
走行台車に、コークス炉の炭化室底面に向かって下向き
傾斜するスロープを設け、このスロープ上に廃棄タイヤ
の横転を防止すると共に廃棄タイヤの転動方向を炭化室
長手方向に規制する一対のガイドを設けたものであるか
ら、廃棄タイヤ転動ガイドの架設、撤去工程が排除さ
れ、コークス押出口（廃棄タイヤ装入口）解放時間が短
縮され、炉温低下、熱損失が軽減され、煉瓦損傷が有効
に抑制されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のコークス炉への実施例廃棄タイヤ装入
装置の説明図である。 １……炭化室、２……コークス押出機 ３……廃棄タイヤ装入装置 ４……炭化室底面 ５……スロープ、６……廃棄タイヤ ７……ガイド、８……作業床 ９……炉蓋 10……押出機サイドの窯口 11……装炭孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】室炉式コークス炉の炉団方向に走行する走
   行台車に、コークス炉の炭化室の底面に向かって下向き
   傾斜するスロープを設け、このスロープ上に廃棄タイヤ
   の横転を防止すると共に廃棄タイヤの転動方向を炭化室
   長手方向に規制する一対のガイドを設けたことを特徴と
   する室炉式コークス炉への廃棄タイヤ装入装置。