JPH0643008A - 液面検出器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高濃度アルコール燃料による抵抗板及び可動
接点の腐食を、抵抗板及び可動接点をケース内に収容す
ることで防止すると共に、ケースのシール性を十分かつ
容易に確保すること。 【構成】 液面の変化に応じて動くフロート４と、抵抗
板１７と、抵抗板１７上を摺動可能な可動接点１６と、
可動接点１６を保持する接点ホルダー１２と、フロート
４に一端部が連結される小径のフロートアーム５と、フ
ロートアーム５の他端部が連結される大径の連結部７を
有すると共に接点ホルダー１２が固定されるシャフト６
と、シャフト６を回転可能に支持する軸受部９，１０を
有すると共に抵抗板１７、可動接点１６、接点ホルダー
１２及びシャフト６を収容するケース８と、ケース８と
シャフト６の連結部７との間に配設されるオイルシール
２５とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は液面検出器、詳しくは
高濃度アルコール燃料等腐食性液体の液面レベル検出に
好適な液面検出器に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、車載用燃料タンク内のガソリン
等液体燃料の液面レベルを検出する液面検出器は、液面
の変化に応じて動くフロートと、抵抗板と、抵抗板上を
摺動可能な可動接点と、可動接点を保持する接点ホルダ
ーとを備え、フロートの動きを接点ホルダーに伝達する
よう構成される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年環境問
題の立場から、高濃度アルコール燃料を車両用燃料とし
て使用することに対する要請が高まりつつある。

【０００４】しかし、高濃度アルコール燃料の液面レベ
ルを上記のような従来の液面検出器で検出しようとする
と、抵抗板及び可動接点を燃料液体中に浸漬させる構造
を採っているため抵抗板及び可動接点の腐食が著しいも
のになり、液面レベルを正確に検出できなくなる。

【０００５】そこで、抵抗板及び可動接点をオイルシー
ルを利用してケース内に収容し、高濃度アルコール燃料
に浸漬されないように構成することが考えられる。

【０００６】しかし、従来の液面検出器においては、フ
ロートの動きを接点ホルダーへ伝達する部材が、通常、
小径の針金状のものを曲げ加工したアームのみで構成さ
れているため、オイルシール内周面と接触するアーム外
周面に十分な真円度を与えるための作業が煩雑になる。
また、アームが小径であるためオイルシールとして内径
の小さなものが要求されるが、通常、小径のオイルシー
ルを製造するには、工程上の困難性を伴う。したがっ
て、ケースのシール性を確保することが困難となる。

【０００７】この発明は、上記問題点を解決し、ケース
のシール性を簡単かつ十分に確保することができる液面
検出器を提供することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、この発明に係る液面検出器は、液面の変化に
応じて動くフロートと、抵抗板と、前記抵抗板上を摺動
可能な可動接点と、前記可動接点を保持する接点ホルダ
ーと、を備え、前記フロートの動きを前記接点ホルダー
に伝達する液面検出器において、前記フロートに一端部
が連結される小径のフロートアームと、前記フロートア
ームの他端部が連結される大径の連結部を有すると共に
前記接点ホルダーが固定されるシャフトと、前記シャフ
トを回転可能に支持する軸受部を有すると共に前記抵抗
板、前記可動接点、前記接点ホルダー及び前記シャフト
を収容するケースと、前記ケースと前記シャフトの前記
連結部との間に配設されるオイルシールと、を備えるこ
とを特徴とする。

【０００９】

【発明の作用効果】この発明によると、フロートから接
点ホルダーへ動力を伝達する部材を、小径のフロートア
ームと大径の連結部を有するシャフトとからなる２部材
で構成し、ケースと大径の連結部との間にオイルシール
を配設する構成としたため、連結部に十分な真円度を与
えるための作業が容易になる。また、連結部が大径であ
ることに伴い内径の大きなオイルシールを使用すること
ができるため、オイルシールの作製が容易になる。した
がって、ケースのシール性を簡単かつ十分に確保するこ
とができる。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図１ないし図４
を参照しつつ説明する。

【００１１】この実施例に係る液面検出器１は、車載用
燃料タンク２内の高濃度アルコール燃料３の液面レベル
を検出するためのものであり、該液面検出器１は、図４
に示すように、燃料タンク２の蓋２ａの裏側に吊り下げ
るようにして取り付けられる。

【００１２】液面検出器１は、高濃度アルコール燃料３
の液面の変化に応じて動くフロート４を備える。

【００１３】フロート４は、図１及び図３に示すよう
に、小径のフロートアーム５の一端部と連結されてい
る。

【００１４】フロートアーム５の他端部は、金属製シャ
フト６の大径の連結部７に圧入、溶着又はねじ止め等に
より固定されている。

【００１５】シャフト６は、樹脂製ケース８の軸受部
９，１０により回転可能に支持されている。連結部７側
の軸受部９には段差１１が形成され、連結部７が段差１
１と当接することにより、シャフト６の図左方向への移
動が規制されている。

【００１６】シャフト６には、本発明にいう接点ホルダ
ー１２の一の構成要素となる樹脂製ホルダー１３が圧入
等により固定されている。ホルダー１３が連結部７側の
軸受部９の凸部１４の端面１４ａと当接することによ
り、シャフト６の図右方向への移動が規制されている。

【００１７】ホルダー１３には、本発明にいう接点ホル
ダー１２の他の構成要素となる金属製プレート１５が圧
入等により固定されている。

【００１８】プレート１５の先端には、可動接点１６が
かしめ等により配設されている。可動接点１６はケース
８により支持された抵抗板１７と常時接触状態に保たれ
ている。抵抗板１７の表面には、図示を省略したが抵抗
パターンが印刷されている。抵抗パターンの両端には、
それぞれターミナルプレート１８，２７の一端部が圧接
状態とされ、各ターミナルプレート１８，２７の他端部
は、ケース８の外側に突出したターミナル１９，２０に
接続されている。両ターミナル１９，２０間には、外部
から所定の電圧が印加され、抵抗板１７の端子間電圧は
所定値に維持される。

【００１９】ケース８には、他のターミナル２１が外側
に突出して配設されている。このターミナル２１の基部
には、他のターミナルプレート２２の一端部が接続され
ている。このターミナルプレート２２の他端部は、連結
部７側の軸受部９の凸部１４の外周に圧入等により固定
されている。ターミナルプレート２２の他端部は、導電
スプリング２３の一端部とスポット溶接等により固定さ
れている。導電スプリング２３は、軸受部９の凸部１４
及びホルダー１３の凸部２４の外周にはめられている。
導電スプリング２３の他端部は、上記プレート１５とス
ポット溶接等により固定されている。したがって、可動
接点１６はターミナル２１と電気的に接続されており、
抵抗板１７上の可動接点１６の位置に応じた電圧、すな
わち、抵抗板１７の端子間電圧を分圧した電圧がターミ
ナル２１を介してケース８外部に取り出される。

【００２０】ケース８とシャフト６の連結部７との間に
は、オイルシール２５が配設され、ケース８のシール性
が確保されている。各ターミナル１９，２０，２１の外
周には、ラバーワッシャ２６がはめられ、シール性が確
保されている。また、ケース８の蓋８ａは、超音波溶着
等によりケース本体に固着され、ケース８のシール性は
確保される。

【００２１】次に、上記のように構成された液面検出器
１の動作を説明する。

【００２２】燃料タンク２内の高濃度アルコール燃料３
の液面が所定レベルにあるとき、フロート４は、当該液
面レベルに応じた上下方向位置に保たれ、フロートアー
ム５を介してシャフト６は所定の回転角度位置に保た
れ、ホルダー１３及びプレート１５を介して可動接点１
６は抵抗板１７上の所定位置に保たれる。この可動接点
１６の位置により可動接点１６の電圧が定まり、この電
圧が、プレート１５、導電スプリング２３及びターミナ
ルプレート２２を経てターミナル２１から外部に出力さ
れる。

【００２３】この状態から、液面が低下したとすると、
フロート４は液面の低下に伴い下降し、フロートアーム
５を介してシャフト６が所定方向へ回転し、ホルダー１
３及びプレート１５を介して可動接点１６が所定方向へ
移動する。この可動接点１６の移動により、可動接点１
６の電圧が変化し、この変化した電圧が、プレート１
５、導電スプリング２３及びターミナルプレート２２を
経てターミナル２１から外部に出力される。

【００２４】以上説明したように、この実施例に係る液
面検出器１は、フロート４から接点ホルダー１２へ動力
を伝達する部材を、小径のフロートアーム５と大径の連
結部７を有するシャフト６とからなる２部材で構成し、
ケース８と大径の連結部７との間にオイルシール２５を
配設する構成とした。このため、連結部７に十分な真円
度を与えるための作業が容易になる。また、連結部７が
大径であることに伴い内径の大きなオイルシール２５を
使用することができるため、オイルシール２５の作製が
容易になる。したがって、ケース８のシール性を簡単か
つ十分に確保することができる。

【００２５】なお、上記実施例では、抵抗板１７をいわ
ゆる分圧タイプのものとしたが、本発明にいう抵抗板１
７はこれに限定されるものではなく、他に、可変抵抗タ
イプのものとしてもよい。また、シャフト６は、樹脂製
シャフトであってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例に係る液面検出器の要部断面図

【図２】ケース８の蓋８ａが無い状態の同液面検出器の
正面図

【図３】図１における部分拡大図

【図４】同液面検出器の使用状態図

【符号の説明】

１ 液面検出器 ４ フロート ５ フロートアーム ６ シャフト ７ 連結部 ８ ケース ９，１０ 軸受部 １２ 接点ホルダー １６ 可動接点 １７ 抵抗板 ２５ オイルシール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液面の変化に応じて動くフロートと、 抵抗板と、 前記抵抗板上を摺動可能な可動接点と、 前記可動接点を保持する接点ホルダーと、 を備え、前記フロートの動きを前記接点ホルダーに伝達
   する液面検出器において、 前記フロートに一端部が連結される小径のフロートアー
   ムと、 前記フロートアームの他端部が連結される大径の連結部
   を有すると共に前記接点ホルダーが固定されるシャフト
   と、 前記シャフトを回転可能に支持する軸受部を有すると共
   に前記抵抗板、前記可動接点、前記接点ホルダー及び前
   記シャフトを収容するケースと、 前記ケースと前記シャフトの前記連結部との間に配設さ
   れるオイルシールと、 を備えることを特徴とする液面検出器。