JPH0642933Y2 - ラックアンドピニオン歯車装置 - Google Patents
ラックアンドピニオン歯車装置Info
- Publication number
- JPH0642933Y2 JPH0642933Y2 JP15647287U JP15647287U JPH0642933Y2 JP H0642933 Y2 JPH0642933 Y2 JP H0642933Y2 JP 15647287 U JP15647287 U JP 15647287U JP 15647287 U JP15647287 U JP 15647287U JP H0642933 Y2 JPH0642933 Y2 JP H0642933Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rack
- pinion
- sliding contact
- contact member
- steering
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案はラックアンドピニオン歯車装置に係り、例えば
自動車の操舵システムに設けられるラックアンドピニオ
ン歯車装置に関する。
自動車の操舵システムに設けられるラックアンドピニオ
ン歯車装置に関する。
(従来の技術) 一般に、ラックアンドピニオン歯車装置は、ピニオンと
ラックを噛合させる簡単な構造を有しており、例えばス
テアリングホイールを回転させる操舵力によって操向輪
に蛇角を与える自動車の操舵システムにステアリングギ
ヤとして設けられている。このようなラックアンドピニ
オン歯車装置においては、操舵によるピニオンの回転を
ラックに確実に伝達するとともに、ラックに入力される
車輪からの不要な振動を減衰させて適度の操舵力を維持
させる必要がある。
ラックを噛合させる簡単な構造を有しており、例えばス
テアリングホイールを回転させる操舵力によって操向輪
に蛇角を与える自動車の操舵システムにステアリングギ
ヤとして設けられている。このようなラックアンドピニ
オン歯車装置においては、操舵によるピニオンの回転を
ラックに確実に伝達するとともに、ラックに入力される
車輪からの不要な振動を減衰させて適度の操舵力を維持
させる必要がある。
従来のこの種のラックアンドピニオン歯車装置として
は、例えば特公昭62-4267号公報に記載されたものがあ
り、第4、5図のように示される。第4、5図におい
て、1はピニオンであり、ピニオン1はハウジング2に
回転自在に支持されている。ピニオン1の下方にはラッ
ク3がハウジング2を貫通して設けられており、ピニオ
ン1はおよびラック3には互いに噛合する所定形状の歯
が形成されている。ピニオン1はステアリングホイール
Sに連結され、ステアリングホイールSの回転に応じて
回転するとともにラック3を軸方向に移動させる。ラッ
ク3は両端部でタイロッドLを介して操向輪Wに連結さ
れており、ラック3が軸方向に移動することにより操向
輪Wに蛇角が与えられるようになっている。
は、例えば特公昭62-4267号公報に記載されたものがあ
り、第4、5図のように示される。第4、5図におい
て、1はピニオンであり、ピニオン1はハウジング2に
回転自在に支持されている。ピニオン1の下方にはラッ
ク3がハウジング2を貫通して設けられており、ピニオ
ン1はおよびラック3には互いに噛合する所定形状の歯
が形成されている。ピニオン1はステアリングホイール
Sに連結され、ステアリングホイールSの回転に応じて
回転するとともにラック3を軸方向に移動させる。ラッ
ク3は両端部でタイロッドLを介して操向輪Wに連結さ
れており、ラック3が軸方向に移動することにより操向
輪Wに蛇角が与えられるようになっている。
ハウジング2には摺動部材4およびコイルスプリング5
が設けられており、摺動部材4はコイルスプリング5に
よりラック3に付勢されている。摺接部材4はラック3
の移動時にラック3に摺動抵抗を付与し、ホイールアラ
イメントのずれ等に起因する操舵系の振動、例えばシミ
ー現象をラック3の摺動抵抗によって減衰させるように
なっている。コイルスプリング5は操舵が重くなってピ
ニオン1およびラック3の噛合圧力が所定値に達したと
き、圧力角に起因してピニオン1およびラック3の軸直
角方向に作用する反発力によって圧縮されるようになっ
ており、ラック3が噛合深さの浅くなる方向に変位でき
るようにしている。また、ラック3は噛合深さの浅くな
る方向に変位するとき、くさび形の背面3aで摺接部材4
を押し広げながら下降させ、摺接部材4を所定量下降さ
せた後にローラ6に当接す。ローラ6はピン7を介して
支持部材8に回転自在に支持され、ラック3に転がり接
触するとともに、摺接部材4の下降によるコイルスプリ
ング5の圧縮を停止させてラック3の摺動抵抗が過大に
なるのを防止するようになっている。
が設けられており、摺動部材4はコイルスプリング5に
よりラック3に付勢されている。摺接部材4はラック3
の移動時にラック3に摺動抵抗を付与し、ホイールアラ
イメントのずれ等に起因する操舵系の振動、例えばシミ
ー現象をラック3の摺動抵抗によって減衰させるように
なっている。コイルスプリング5は操舵が重くなってピ
ニオン1およびラック3の噛合圧力が所定値に達したと
き、圧力角に起因してピニオン1およびラック3の軸直
角方向に作用する反発力によって圧縮されるようになっ
ており、ラック3が噛合深さの浅くなる方向に変位でき
るようにしている。また、ラック3は噛合深さの浅くな
る方向に変位するとき、くさび形の背面3aで摺接部材4
を押し広げながら下降させ、摺接部材4を所定量下降さ
せた後にローラ6に当接す。ローラ6はピン7を介して
支持部材8に回転自在に支持され、ラック3に転がり接
触するとともに、摺接部材4の下降によるコイルスプリ
ング5の圧縮を停止させてラック3の摺動抵抗が過大に
なるのを防止するようになっている。
(考案が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来のラックアンドピニオン
歯車装置にあっては、ラック3がくさび形の背面3aで摺
接部材4を押し広げながら移動させ、同時にコイルスプ
リング5を圧縮させる構成となっていたため、ラック3
の摺動抵抗が操舵力に比例して増減し、操向輪Wの操向
抵抗によって操舵が重くなる据切り操舵時等にラック3
の摺動抵抗が増大して操舵がさらに重くなり、過度の操
舵力を維持することができないという問題点があった。
このため、操舵フィーリングが低下するばかりか、ラッ
ク3および摺接部材4の摺動抵抗を所定値以上に設定す
ることができず、操向輪Wの操向抵抗が小さく操舵が軽
い通常走行時にラック3の摺動抵抗が不足いてシミー現
象を有効に防止することができなかった。
歯車装置にあっては、ラック3がくさび形の背面3aで摺
接部材4を押し広げながら移動させ、同時にコイルスプ
リング5を圧縮させる構成となっていたため、ラック3
の摺動抵抗が操舵力に比例して増減し、操向輪Wの操向
抵抗によって操舵が重くなる据切り操舵時等にラック3
の摺動抵抗が増大して操舵がさらに重くなり、過度の操
舵力を維持することができないという問題点があった。
このため、操舵フィーリングが低下するばかりか、ラッ
ク3および摺接部材4の摺動抵抗を所定値以上に設定す
ることができず、操向輪Wの操向抵抗が小さく操舵が軽
い通常走行時にラック3の摺動抵抗が不足いてシミー現
象を有効に防止することができなかった。
そこで本考案は、操舵力の大きさに応じてラックの移動
抵抗を増加あるいは減少させることにより、適度の操舵
力を維持するとともにシミー現象等を有効に防止して、
操舵フィーリングを向上させることを目的としている。
抵抗を増加あるいは減少させることにより、適度の操舵
力を維持するとともにシミー現象等を有効に防止して、
操舵フィーリングを向上させることを目的としている。
(問題点を解決するための手段) 本考案は、上記の目的を達成するため、支持体に回転自
在に支持されたピニオンと、該ピニオンと噛合し、ピニ
オンの回転によって軸方向に移動するとともに、噛合圧
力が高まると噛合深さが浅くなる方向に変位可能なラッ
クと、支持体に支持され、ラックの背面に摺接する摺接
部を有する摺接部材と、支持体およびラックの間に設け
られ、ラックをピニオンに付勢する弾性部材と、を備え
たラックアンドピニオン歯車装置において、前記摺接部
材の摺接部を、ラックから離隔する方向の変位を許容す
るよう前記支持体に対して所定間隙だけ離間させるとと
もに、前記ラックと弾性部材の間でラックの背面に転が
り接触する転がり軸受部を設け、該転がり軸受部がピニ
オンおよびラックの噛合圧力に応じてラックと共に変位
し、摺接部材の摺接部をラックから離隔させるよう摺接
部材に係合したことを特徴としている。
在に支持されたピニオンと、該ピニオンと噛合し、ピニ
オンの回転によって軸方向に移動するとともに、噛合圧
力が高まると噛合深さが浅くなる方向に変位可能なラッ
クと、支持体に支持され、ラックの背面に摺接する摺接
部を有する摺接部材と、支持体およびラックの間に設け
られ、ラックをピニオンに付勢する弾性部材と、を備え
たラックアンドピニオン歯車装置において、前記摺接部
材の摺接部を、ラックから離隔する方向の変位を許容す
るよう前記支持体に対して所定間隙だけ離間させるとと
もに、前記ラックと弾性部材の間でラックの背面に転が
り接触する転がり軸受部を設け、該転がり軸受部がピニ
オンおよびラックの噛合圧力に応じてラックと共に変位
し、摺接部材の摺接部をラックから離隔させるよう摺接
部材に係合したことを特徴としている。
(作用) 本考案では、ラックに転がり接触した転がり軸受部がピ
ニオンとラックの噛合圧力に応じてラックと共に変位
し、摺接部材の摺接部がラックに当接および離隔され
る。したがって、操舵力に応じてラックおよび摺接部材
間の摺動抵抗が加減され、ラックの移動抵抗が増減され
る。この結果、適度の操舵力が維持され、しかもシミー
現象等が有効に防止される。
ニオンとラックの噛合圧力に応じてラックと共に変位
し、摺接部材の摺接部がラックに当接および離隔され
る。したがって、操舵力に応じてラックおよび摺接部材
間の摺動抵抗が加減され、ラックの移動抵抗が増減され
る。この結果、適度の操舵力が維持され、しかもシミー
現象等が有効に防止される。
(実施例) 以下、本考案を図面に基づいて説明する。
第1、2図は本考案に係るラックアンドピニオン歯車装
置の第1実施例を示す図であり、本考案を自動車のステ
アリングギヤに適用した例である。
置の第1実施例を示す図であり、本考案を自動車のステ
アリングギヤに適用した例である。
まず、構成を説明する。第1図において、11はピニオン
であり、ピニオン11は支持体を構成するハウジング12に
回転自在に支持されている。ピニオン11の下方にはラッ
ク13がピニオン11と所定角度で交叉するようハウジング
12を貫通して設けられており、ピニオン11およびラック
13には互いに噛合する所定形状の歯が形成されている。
ピニオン11はハウジング12の外方で図外のステアリング
ホイールに連結され、ステアリングホイールの回転に応
じて回転しながらラック13を軸方向に移動させるように
なっている。ラック13は両端部で図外の操向輪に連結さ
れており、ラック13が軸方向に移動することにより操向
輪に蛇角が与えられるようになっている。
であり、ピニオン11は支持体を構成するハウジング12に
回転自在に支持されている。ピニオン11の下方にはラッ
ク13がピニオン11と所定角度で交叉するようハウジング
12を貫通して設けられており、ピニオン11およびラック
13には互いに噛合する所定形状の歯が形成されている。
ピニオン11はハウジング12の外方で図外のステアリング
ホイールに連結され、ステアリングホイールの回転に応
じて回転しながらラック13を軸方向に移動させるように
なっている。ラック13は両端部で図外の操向輪に連結さ
れており、ラック13が軸方向に移動することにより操向
輪に蛇角が与えられるようになっている。
14は摺接部材であり、摺接部材14はハウジング12に少な
くとも1つ設けられている。摺接部材14は弾性材料から
なり、ラック13の軸直角方向でハウジング12に摺動自在
に嵌挿された嵌挿部14aおよびハウジング12から間隔C
(所定の間隙)だけ離間することでラック13から離隔す
る方向の変位を許容される摺接部14bを有している。ま
た、摺接部材14の下方にはアジャストスクリュー15が設
けられており、アジャストスクリュー15はハウジング12
にねじ結合してハウジング12と共に支持体を構成してい
る。摺接部材14およびアジャストスクリュー15の間には
皿ばね16が介装されている。摺接部材14は皿ばね16を介
してアジャストスクリュー15に支持され、皿ばね16によ
り摺接部14bをラック13に当接するよう付勢されてい
る。摺接部材14の摺接部14bはラック13が軸方向に移動
するとき、ラック13に摺接しながら所定の摺動抵抗を付
与するようになっており、アジャストスクリュー15のね
じ込量によって皿ばね16の付勢力を加減して該摺動抵抗
を調整できるようにしている。そして、ホイールアラメ
ントのずれ等に起因する操舵系の振動、例えばシミー現
象をラック13の摺動抵抗により減衰させて防止するよう
にしている。
くとも1つ設けられている。摺接部材14は弾性材料から
なり、ラック13の軸直角方向でハウジング12に摺動自在
に嵌挿された嵌挿部14aおよびハウジング12から間隔C
(所定の間隙)だけ離間することでラック13から離隔す
る方向の変位を許容される摺接部14bを有している。ま
た、摺接部材14の下方にはアジャストスクリュー15が設
けられており、アジャストスクリュー15はハウジング12
にねじ結合してハウジング12と共に支持体を構成してい
る。摺接部材14およびアジャストスクリュー15の間には
皿ばね16が介装されている。摺接部材14は皿ばね16を介
してアジャストスクリュー15に支持され、皿ばね16によ
り摺接部14bをラック13に当接するよう付勢されてい
る。摺接部材14の摺接部14bはラック13が軸方向に移動
するとき、ラック13に摺接しながら所定の摺動抵抗を付
与するようになっており、アジャストスクリュー15のね
じ込量によって皿ばね16の付勢力を加減して該摺動抵抗
を調整できるようにしている。そして、ホイールアラメ
ントのずれ等に起因する操舵系の振動、例えばシミー現
象をラック13の摺動抵抗により減衰させて防止するよう
にしている。
一方、ラック13およびアジャストスクリュー15の間には
弾性部材であるコイルスプリング17および転がり軸受部
18が設けられている。コイルスプリング17はラック13を
ピニオン11に付勢してピニオン11およびラック13の間で
バックラッシュが発生するのを抑制するとともに、ピニ
オン11およびラック13の噛合圧力が高まって所定値に達
したとき、圧力角に起因してピニオン11およびラック13
の軸直角方向に作用する反発力によって圧縮されるよう
になっている。すなわち、該反発力により、ラック13が
噛合深さの浅くなる方向に変位できるようになってい
る。
弾性部材であるコイルスプリング17および転がり軸受部
18が設けられている。コイルスプリング17はラック13を
ピニオン11に付勢してピニオン11およびラック13の間で
バックラッシュが発生するのを抑制するとともに、ピニ
オン11およびラック13の噛合圧力が高まって所定値に達
したとき、圧力角に起因してピニオン11およびラック13
の軸直角方向に作用する反発力によって圧縮されるよう
になっている。すなわち、該反発力により、ラック13が
噛合深さの浅くなる方向に変位できるようになってい
る。
転がり軸受部18はローラ21、固定軸22および支持部材23
から構成されており、転がり軸受部18はローラ21によっ
てラック13の円曲背面13aに転がり接触している。ロー
ラ21はラック13の円曲背面13aに対応する凹状の断面形
状を有し、固定軸22を介して支持部材23に回転自在に支
持されている。
から構成されており、転がり軸受部18はローラ21によっ
てラック13の円曲背面13aに転がり接触している。ロー
ラ21はラック13の円曲背面13aに対応する凹状の断面形
状を有し、固定軸22を介して支持部材23に回転自在に支
持されている。
固定軸22はラック13に直交するよう支持部材23に固定さ
れており、ローラ21がラック13の軸方向移動によって回
転するようになっている。支持部材23は摺接部材14に嵌
挿されたテーパ状の頭部23aおよびコイルスプリング17
に当接したばね受部23bを有しており、頭部23aおよびば
ね受部23bによって摺接部材14に衝止可能な段差部23cが
形成されている。そして、据切り操舵等によってピニオ
ン11およびラック13の噛合圧力が高まって所定値に達し
たとき、支持部材23の頭部23aがラック13と共にピニオ
ン11とラック13の噛合深さが浅くなる方向(第2図の矢
印A方向)に変位し、摺接部材14を押し下げて皿ばね16
を撓ませた後、摺接部材14の摺接部14bを弾性変形させ
て押し広げることにより摺接部14bをラック離隔させる
ことができるようになっている。すなわち、転がり軸受
部18がラック13と共に変位し、摺接部材14の摺接部14b
をラック13から離隔させるよう摺接部材14に係合してい
る。
れており、ローラ21がラック13の軸方向移動によって回
転するようになっている。支持部材23は摺接部材14に嵌
挿されたテーパ状の頭部23aおよびコイルスプリング17
に当接したばね受部23bを有しており、頭部23aおよびば
ね受部23bによって摺接部材14に衝止可能な段差部23cが
形成されている。そして、据切り操舵等によってピニオ
ン11およびラック13の噛合圧力が高まって所定値に達し
たとき、支持部材23の頭部23aがラック13と共にピニオ
ン11とラック13の噛合深さが浅くなる方向(第2図の矢
印A方向)に変位し、摺接部材14を押し下げて皿ばね16
を撓ませた後、摺接部材14の摺接部14bを弾性変形させ
て押し広げることにより摺接部14bをラック離隔させる
ことができるようになっている。すなわち、転がり軸受
部18がラック13と共に変位し、摺接部材14の摺接部14b
をラック13から離隔させるよう摺接部材14に係合してい
る。
なお、支持部材23の段差部23cは摺接部材14に衝止さ
れ、ラック13および転がり軸受部18が噛合深さの浅くな
る方向に所定量以上変位するのを摺接部材14によって弾
性的に規制するようになっている。
れ、ラック13および転がり軸受部18が噛合深さの浅くな
る方向に所定量以上変位するのを摺接部材14によって弾
性的に規制するようになっている。
次に、作用を説明する。
ステアリングホイールが操舵されると、ステアリングホ
イールの回転に応じてピニオン11が回転し、ラック13が
軸方向に移動されて操向輪に蛇角が与えられる。いま、
通常走行中に操舵が行われたとすると、操向輪の操向抵
抗が小さいので、小さい操舵力によってラック13が軸方
向に移動する。このとき、コイルスプリング17によりラ
ック13に付勢された摺動部材14の摺接部14bがラック13
と摺接し、ラック13に所定の摺動抵抗が付与される。し
たがって、ホイールアライメントのずれ等に起因した走
行中の操舵システムの振動、例えばシミー現象が有効に
防止される。また、ラック13がコイルスプリング17によ
ってピニオン11に付勢され、ピニオン11およびラック13
の間でバックラッシュの発生が抑制されているので、ス
テアリングホイールの回転により即座に操向輪に蛇角が
与えられる。このため、ステアリングホイールの中立位
置を明確にし、運転者に常時適度の操舵反力を与えるこ
とができる。
イールの回転に応じてピニオン11が回転し、ラック13が
軸方向に移動されて操向輪に蛇角が与えられる。いま、
通常走行中に操舵が行われたとすると、操向輪の操向抵
抗が小さいので、小さい操舵力によってラック13が軸方
向に移動する。このとき、コイルスプリング17によりラ
ック13に付勢された摺動部材14の摺接部14bがラック13
と摺接し、ラック13に所定の摺動抵抗が付与される。し
たがって、ホイールアライメントのずれ等に起因した走
行中の操舵システムの振動、例えばシミー現象が有効に
防止される。また、ラック13がコイルスプリング17によ
ってピニオン11に付勢され、ピニオン11およびラック13
の間でバックラッシュの発生が抑制されているので、ス
テアリングホイールの回転により即座に操向輪に蛇角が
与えられる。このため、ステアリングホイールの中立位
置を明確にし、運転者に常時適度の操舵反力を与えるこ
とができる。
一方、車輪の操向抵抗が大きい据切り操舵が行われる
と、大きい操舵力によってピニオン11が回転され、ピニ
オン11およびラック13の噛合圧力が高まって、ラック13
がコイルスプリング17を圧縮しながら噛合深さの浅くな
る方向に移動する。このとき、転がり軸受部18の支持部
材23がラック13によって移動されながら、摺接部材14を
押し下げ、皿ばね16を撓ませる。次いで、支持部材23の
頭部23aが摺接部材14の摺接部14bを弾性変形させながら
押し広げ、摺接部14bがラック13から離隔される。した
がって、ラック13に摺接部材14からの摺動抵抗が付与さ
れず、ラック13が転がり軸受部18の転がり抵抗のみで軸
方向に移動される。このため、ラック13の移動抵抗が大
幅に減少され、操舵力が軽減される。さらに、転がり軸
受部18がコイルスプリング17を介してアジャストスクリ
ュー15に弾性支持されているので、ラック13の変位が大
きい場合に固定軸22が撓みを生じてローラ21の回転抵抗
が増加することはない。そして、コイルスプリング17の
与圧を適度に設定することにより、ラック13とローラ21
の転がり抵抗を一定に確保することができる。
と、大きい操舵力によってピニオン11が回転され、ピニ
オン11およびラック13の噛合圧力が高まって、ラック13
がコイルスプリング17を圧縮しながら噛合深さの浅くな
る方向に移動する。このとき、転がり軸受部18の支持部
材23がラック13によって移動されながら、摺接部材14を
押し下げ、皿ばね16を撓ませる。次いで、支持部材23の
頭部23aが摺接部材14の摺接部14bを弾性変形させながら
押し広げ、摺接部14bがラック13から離隔される。した
がって、ラック13に摺接部材14からの摺動抵抗が付与さ
れず、ラック13が転がり軸受部18の転がり抵抗のみで軸
方向に移動される。このため、ラック13の移動抵抗が大
幅に減少され、操舵力が軽減される。さらに、転がり軸
受部18がコイルスプリング17を介してアジャストスクリ
ュー15に弾性支持されているので、ラック13の変位が大
きい場合に固定軸22が撓みを生じてローラ21の回転抵抗
が増加することはない。そして、コイルスプリング17の
与圧を適度に設定することにより、ラック13とローラ21
の転がり抵抗を一定に確保することができる。
以上のように、本実施例においては、操舵力に応じてラ
ック13および摺接部材14間の摺動抵抗が加減され、ラッ
ク13の移動抵抗が増加あるいは減少される。この結果、
過度の操舵力が維持されるとともにシミー現象等が有効
に防止され、運転者の操舵フィーリングが向上する。ま
た、ラック13が円曲背面13aを有しているので、従来の
ようなくさび形の背面のものに比べ、部品加工コストを
低減させることができる。
ック13および摺接部材14間の摺動抵抗が加減され、ラッ
ク13の移動抵抗が増加あるいは減少される。この結果、
過度の操舵力が維持されるとともにシミー現象等が有効
に防止され、運転者の操舵フィーリングが向上する。ま
た、ラック13が円曲背面13aを有しているので、従来の
ようなくさび形の背面のものに比べ、部品加工コストを
低減させることができる。
第3図は本考案に係るラックアンドピニオン歯車装置の
第2実施例を示す図である。
第2実施例を示す図である。
第3図において、31はピニオンであり、ピニオン31は支
持体を構成するハウジング32に回転自在に支持されてい
る。ピニオン31の下方にはラック33が設けられており、
ラック33はピニオン31の回転によって軸方向に移動する
とともに、ピニオン31とラック33の噛合深さが浅くなる
方向に変位可能になっている。ラック33の円曲背面33a
側には弾性材料からなる摺接部材34が設けられており、
摺接部材34はハウジング32に摺動自在に嵌挿された嵌挿
部34aおよびラック33の円曲背面33aに摺接する摺接部34
bを有している。35はハウジング32と共に支持体を構成
するアジャストスクリューであり、摺接部材34は皿ばね
36を介してアジャストスクリュー35に支持され、皿ばね
36により摺接部34bをラック33に当接するよう付勢され
ている。また、ラック33およびアジャストスクリュー35
の間には弾性部材であるコイルスプリング37および転が
り軸受部38が設けられており、ラック33はコイルスプリ
ング37によりピニオン31に付勢されている。
持体を構成するハウジング32に回転自在に支持されてい
る。ピニオン31の下方にはラック33が設けられており、
ラック33はピニオン31の回転によって軸方向に移動する
とともに、ピニオン31とラック33の噛合深さが浅くなる
方向に変位可能になっている。ラック33の円曲背面33a
側には弾性材料からなる摺接部材34が設けられており、
摺接部材34はハウジング32に摺動自在に嵌挿された嵌挿
部34aおよびラック33の円曲背面33aに摺接する摺接部34
bを有している。35はハウジング32と共に支持体を構成
するアジャストスクリューであり、摺接部材34は皿ばね
36を介してアジャストスクリュー35に支持され、皿ばね
36により摺接部34bをラック33に当接するよう付勢され
ている。また、ラック33およびアジャストスクリュー35
の間には弾性部材であるコイルスプリング37および転が
り軸受部38が設けられており、ラック33はコイルスプリ
ング37によりピニオン31に付勢されている。
転がり軸受部38はローラ41、固定軸42および支持部材43
から構成されており、転がり軸受部38は固定軸42を介し
て支持部材43に回転自在に支持されたローラ41によって
ラック33の円曲背面33aに転がり接触している。支持部
材43はラック33側に向かって拡径するテーパ状の頭部43
aおよびコイルスプリング37に当接したばね受部43bを有
しており、支持部材43はばね受部43bで摺接部材34に摺
動自在に嵌挿されている。また、摺接部材34および支持
部材43は所定の間隙gをもって離間されており、ラック
33と共に摺接部材34および転がり軸受部38が第3図のB
方向に所定量変位したとき、摺接部材34および支持部材
43が接近して当接し、さらに、支持部材43aによって摺
接部材34の摺接部34bを弾性変形させ、摺接部34bをラッ
ク33から離隔させることができる。すなわち、転がり軸
受部38がピニオン31およびラック33の噛合圧力に応じて
ラック33と共に噛合深さの浅くなる方向に変位し、摺接
部材34の摺接部34bをラック33から離隔させるように摺
接部材34に係合している。なお、支持部材43はラック33
と共にピニオン31とラック33の噛合深さが浅くなる方向
に変位して摺接部材34を弾性変形させるが、支持部材43
はコイルスプリング37によりアジャストスクリュー35に
対して弾性支持されているのみであり、アジャストスク
リュー35によって変位が規制されない。
から構成されており、転がり軸受部38は固定軸42を介し
て支持部材43に回転自在に支持されたローラ41によって
ラック33の円曲背面33aに転がり接触している。支持部
材43はラック33側に向かって拡径するテーパ状の頭部43
aおよびコイルスプリング37に当接したばね受部43bを有
しており、支持部材43はばね受部43bで摺接部材34に摺
動自在に嵌挿されている。また、摺接部材34および支持
部材43は所定の間隙gをもって離間されており、ラック
33と共に摺接部材34および転がり軸受部38が第3図のB
方向に所定量変位したとき、摺接部材34および支持部材
43が接近して当接し、さらに、支持部材43aによって摺
接部材34の摺接部34bを弾性変形させ、摺接部34bをラッ
ク33から離隔させることができる。すなわち、転がり軸
受部38がピニオン31およびラック33の噛合圧力に応じて
ラック33と共に噛合深さの浅くなる方向に変位し、摺接
部材34の摺接部34bをラック33から離隔させるように摺
接部材34に係合している。なお、支持部材43はラック33
と共にピニオン31とラック33の噛合深さが浅くなる方向
に変位して摺接部材34を弾性変形させるが、支持部材43
はコイルスプリング37によりアジャストスクリュー35に
対して弾性支持されているのみであり、アジャストスク
リュー35によって変位が規制されない。
本実施例においては,第1実施例と同様に操舵力に基づ
くピニオン31およびラック33の噛合圧力に応じて摺接部
材34の摺接部34bがラック33から離隔されるので、第1
実施例と同様の作用、効果を得ることができる。さら
に、摺接部材34および支持部材43が間隙gをもって離間
されているので、アジャストスクリュー35のねじ込み量
に拘らず常に安定した圧力で転がり軸受部38をラック33
に転がり接触させ、転がり抵抗を一定に確保しながらよ
り的確なタイミングでラック33の摺動抵抗を加減するこ
とができる。
くピニオン31およびラック33の噛合圧力に応じて摺接部
材34の摺接部34bがラック33から離隔されるので、第1
実施例と同様の作用、効果を得ることができる。さら
に、摺接部材34および支持部材43が間隙gをもって離間
されているので、アジャストスクリュー35のねじ込み量
に拘らず常に安定した圧力で転がり軸受部38をラック33
に転がり接触させ、転がり抵抗を一定に確保しながらよ
り的確なタイミングでラック33の摺動抵抗を加減するこ
とができる。
(効果) 本考案によれば、ラックに転がり接触した転がり軸受部
をピニオンとラックの噛合圧力の高まりに応じてラック
と共に変位させ、摺接部材の摺接部をラックから離隔さ
せているので、操舵力に応じてラックの摺動抵抗を加減
し、ラックの軸方向の移動抵抗を増減させることができ
る。この結果、ラックの移動抵抗の増減により常時適度
の操舵力を維持させることができるとともに、シミー現
象等を有効に防止することができ、操舵フィーリングを
向上させることができる。
をピニオンとラックの噛合圧力の高まりに応じてラック
と共に変位させ、摺接部材の摺接部をラックから離隔さ
せているので、操舵力に応じてラックの摺動抵抗を加減
し、ラックの軸方向の移動抵抗を増減させることができ
る。この結果、ラックの移動抵抗の増減により常時適度
の操舵力を維持させることができるとともに、シミー現
象等を有効に防止することができ、操舵フィーリングを
向上させることができる。
第1、2図は本考案に係るラックアンドピニオン歯車装
置の第1実施例を示す図であり、第1図はその正面断面
図、第2図はその作動中のラックアンドピニオン歯車装
置の正面断面図、第3図は本考案に係るラックアンドピ
ニオン歯車装置の第2実施例を示すその正面断面図、第
4、5図は従来のラックアンドピニオン歯車装置を示す
図であり、第4図はそのラックアンドピニオン歯車装置
を用いた操舵システムの全体構成図、第5図はそのラッ
クアンドピニオン歯車装置の正面断面図である。 11、31……ピニオン、 12、32……ハウジング(支持体)、 13、33……ラック、 13a、33a……円曲背面(背面)、 14、34……摺接部材、 14b、34b……摺接部、 15、35……アジャストスクリュー(支持体)、 17、37……コイルスプリング(弾性部材)、 18、38……転がり軸受部、 C……間隙(所定の間隙)。
置の第1実施例を示す図であり、第1図はその正面断面
図、第2図はその作動中のラックアンドピニオン歯車装
置の正面断面図、第3図は本考案に係るラックアンドピ
ニオン歯車装置の第2実施例を示すその正面断面図、第
4、5図は従来のラックアンドピニオン歯車装置を示す
図であり、第4図はそのラックアンドピニオン歯車装置
を用いた操舵システムの全体構成図、第5図はそのラッ
クアンドピニオン歯車装置の正面断面図である。 11、31……ピニオン、 12、32……ハウジング(支持体)、 13、33……ラック、 13a、33a……円曲背面(背面)、 14、34……摺接部材、 14b、34b……摺接部、 15、35……アジャストスクリュー(支持体)、 17、37……コイルスプリング(弾性部材)、 18、38……転がり軸受部、 C……間隙(所定の間隙)。
Claims (1)
- 【請求項1】支持体に回転自在に支持されたピニオン
と、該ピニオンと噛合し、ピニオンの回転によって軸方
向に移動するとともに、噛合圧力が高まると噛合深さが
浅くなる方向に変位可能なラックと、支持体に支持さ
れ、ラックに摺接する摺接部を有する摺接部材と、支持
体およびラックの間に設けられ、ラックをピニオンに付
勢する弾性部材と、を備えたラックアンドピニオン歯車
装置において、 前記摺接部材の摺接部を、ラックから離隔する方向の変
位を許容するよう前記支持体に対して所定間隙だけ離間
させるとともに、 前記ラックと弾性部材の間でラックの背面に転がり接触
する転がり軸受部を設け、該転がり軸受部がピニオンお
よびラックの噛合圧力に応じてラックと共に変位し、摺
接部材の摺接部をラックから離隔させるよう摺接部材に
係合したことを特徴とするラックアンドピニオン歯車装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15647287U JPH0642933Y2 (ja) | 1987-10-13 | 1987-10-13 | ラックアンドピニオン歯車装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15647287U JPH0642933Y2 (ja) | 1987-10-13 | 1987-10-13 | ラックアンドピニオン歯車装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0160975U JPH0160975U (ja) | 1989-04-18 |
JPH0642933Y2 true JPH0642933Y2 (ja) | 1994-11-09 |
Family
ID=31435042
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15647287U Expired - Lifetime JPH0642933Y2 (ja) | 1987-10-13 | 1987-10-13 | ラックアンドピニオン歯車装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0642933Y2 (ja) |
-
1987
- 1987-10-13 JP JP15647287U patent/JPH0642933Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0160975U (ja) | 1989-04-18 |
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