JPH0642847A - 氷粒製造装置における給水ノズルの凍結回避制御方法 - Google Patents

氷粒製造装置における給水ノズルの凍結回避制御方法

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JPH0642847A
JPH0642847A JP21877692A JP21877692A JPH0642847A JP H0642847 A JPH0642847 A JP H0642847A JP 21877692 A JP21877692 A JP 21877692A JP 21877692 A JP21877692 A JP 21877692A JP H0642847 A JPH0642847 A JP H0642847A
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一男 平島
Kuniaki Kawamura
邦明 川村
Yoshiaki Tanaka
義昭 田中
Takahiko Matsukawa
隆彦 松川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非親水性不凍液と直接、熱接触しつつ粒状氷
を製造する過程又は休止中に、給水ノズルが凍結するの
を防止するため、流水系の熱伝導に関する物理的な諸因
子についての実験式に基いて合理的に給水体の流量を制
御する方法。 【構成】 給水ノズルの管内径Diに対して圧送される
給水ノズル管内の流量Wtを、給水ノズル長L、給水体
の密度ρt、粘度μf、膨張係数β、重量の加速度g、給
水ノズルの管内、外壁温度差Δtの諸因子に関する無次
元数により表せる実験式Wt/Di=1.84375(L
3×ρf 2×g×β×Δt/μf 20,25に基いて設計値、
定数値及び計測値とから求めて給水体の制御に適用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学、食品、医療、表
面処理等の諸分野において、冷却、洗浄、研磨、ブラス
ト等の目的に利用される粒状氷の製造装置を運転中若し
くは休止中に、上記粒状氷の源泉となる給水ノズルが凍
結することによって引起こされる目詰り障害を払拭し
た、流水系に係わる熱伝導の諸因子を無次元数によって
表わせる実験式に基ずいて合理的に制御する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、本発明者の一人はほぼ球状の粒状
氷製造装置について、先に提案(特開平2ー30916
公報)しているが、この装置は粒の揃った球状氷を多量
且つ連続的に製造する装置として優れている。即ちこの
装置では不凍液を氷点以下に冷却する手段を内装若しく
は外装させた非親水性不凍液の充填域下方に噴射部材を
配し、多数の給水ノズルへ均等に水圧が加わるように、
これらのノズルの上流側に分流手段を設け、上記不凍液
充填域との対面側のノズル開口端を隆起させて、水滴離
れを向上せしめる方式を採用しているので、均一な製氷
目的は達成できるが、製氷装置の運転中又は特に休止中
に、上記不凍液と常時対面しているノズル内の水が凍結
して閉塞を起こし目詰まりするのを回避するため、装置
の上、下空間を区分けする仕切部にヒーターを付設して
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに前記従来の装
置が、外周に冷却管を螺回した不凍液充填容器の下方
で、その上下空間を区分けする仕切板に多数のノズルを
挟合するように管状ヒーターをも埋設しているために、
氷点以下の凝固点をもつ疎水性の液体冷媒を、その凝固
点以上でも加熱してしまうことになり、零下20乃至5
0℃或いはこれ以下の超低温に維持しようとする造粒氷
設備においては、冷却負荷として無駄なエネルギの増大
を招く結果となり、電力を含む著しいエネルギ消費につ
ながる問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来の
問題点に鑑みて、給水ノズルからの給水開始と終了の時
期、給水温度と、流量、ノズル近傍での流速等を考慮し
た流体の熱伝導に係わる実験式に基いて、給水ノズルの
管内壁の温度が凍結温度以上に保つことのできる条件を
満足するように、熱伝導関連の諸因子を制御して、無駄
な加熱手段を排除することに特徴を有する制御方法とす
るものである。
【0005】今、給水ノズルから圧送される液体(給水
体)を非親水性不凍液と接触させつつ粒状氷を製造する
装置において、内、外径比D0/Diの上記給水ノズルに
水液が接触し、温度差をもって通流している場合には、
熱伝達によって熱の移動つまり上記流体内での熱伝達に
関する各種条件に適合した理論式が提唱されて、特に無
次元数によって表現できるグラスホフ数やプラントル数
がよく用いられている。
【0006】通常、圧送管に流入する入口断面での給水
体の温度分布は略一定であり、内部へ通流するに伴って
管内壁に沿った境界層に発達していく速度助送区間を経
た流れとなり、この境界層が全面的な層流として保たれ
るか、管内の途中で乱流となる場合がある。そして、管
内での熱伝導の開始点は、上記管の入口と必ずしも一致
するとは限らず、管内流体の断面で見た温度分布が熱伝
達開始点で一致していても、それから先まで管内壁に沿
って温度境界層が発達して、遂には管内全部が温度境界
層と看做し得るに至ると考えられている。
【0007】そこで、給水ノズルからの給水体について
伝熱関係式で表すと、給水体の温度Tw 、給水ノズルの
管内壁温度Tbi、その熱伝達率hw、給水ノズル内の給
水体の温度をTB、給水ノズルの管内、外径比D0/Di
=m(管内、外表面積比に相当)、給水ノズルの厚さ
(D0−Di)をδb、その熱伝導率をkb、その外壁温度
をTb、給水体側の熱伝達率hBとすると、hw(Tw −
bi)=In[m×kb×(Tbi−Tb0)/δb]=m×
B×(Tb0−TB)にて与えられる。そして 上記給水
ノズルの給水体側の熱伝達率hBについて実験式を求め
ると、液体の種類が変っても任意の単位系で使用できる
無次元数、ここではグラスホフ数Grf(=L3×ρf 2×
g×β×Δt/μf 2)及びプラントル数Prf(=Cp×
μf/kf)で表せる。給水ノズル長L、給水体の熱伝導
率kf、給水体の密度ρf、その粘度をμf、重力の加速
度g(=1、27×108)、給水体の体積膨張係数
β、その定圧比熱Cpによる式は、hB=1、18×(G
rf×Prf025×kf/Lにて書直すことができる。
【0008】更に、上記給水ノズルの管内側における熱
伝達率hwについて実験式を求めると、ノズル管内の流
量をWtとして、hw=0、64(Wt×Cp/kf×L)
×kf /Diにて与えられる。従って、給水体の温度Tw
と給水ノズルの管内壁温度Tbiの温度差のある時の熱伝
達率hwが、給水ノズルの管外壁温度Tb0と管内壁温度
Bであると、給水ノズルの給水体側の熱伝達率hBが、
給水ノズルの管内、外表面積比mに比例して平衡が保た
れていることを意味している。
【0009】以上の理論式に実験式により与えられる値
を代入して整理すると、Wt/Di=1.84375(L
3×ρf 2×g×β×Δt/μf 20、25となり、この式の
意味するところは、右辺の給水ノズルの長さL(設計
値)、給水体の密度ρt及び粘度μf、給水液の膨張係数
β、重力の加速度g、給水ノズルの管内、外壁温度差Δ
t(tbi−tb0)、給水体の粘度μf等は、元来、設計
値か定数として与えることができるので、左辺の給水ノ
ズルの管内径Di(設計値)に対する圧送管内の流量Wt
の比、つまり圧送管の単位面積当りの流量(変数)を計
測することによって求め得ることが判る。
【0010】更に、一般的な水の熱的性質は、温度が例
えば20乃至200℃の範囲での温度上昇に対する物理
的定数として、本発明においては定圧比熱Cp、熱伝導
率kb 、kf、温度伝導率hw、hB、膨張係数βは比例的
に上昇し、粘度μf、プラントル数Prf、比重量(Kg
/m3)は低減することが判っているから、前記実験式
によって表される物理的事象が、求めた計測値を基に流
水系に当てはめると極めて近似した結果が得られる。
【0011】
【実施例】以下、図面により粒氷製造装置に対して本発
明の給水ノズルの凍結回避制御方法を適用した好ましい
実施例について詳説するが、この実施例に記載されてい
る構成部品、手段等の寸法、材質、形状、これらの相対
的配置については、特に断りのない限り本発明の範囲を
それのみに限定する趣旨はなく、単なる説明例に過ぎな
いものである。
【0012】図1において、水の比重より大なる疎水性
の不凍液として例えば、弗素系不活性液体1が充満され
た容器2の下部に、内径0.8mmの給水ノズル3を複
数設けて、常温の給水体4をポンプ14、温度計15、
流量調節弁17、分配器18からなる給水系に矢示方向
から圧送する。そして、上記容器2の胴体部には、上記
不凍液1を冷却するために、冷却負荷としての冷凍機に
連結された冷媒通路6が設けられている。上記冷凍機
は、上記不凍液を−20℃乃至−30℃の範囲で温度計
19にて設定された通り自動運転するようにできる。
【0013】上記容器の上部にできた氷粒5が上記不凍
液とともに排出口7から固液分離器兼水分離器8に流出
させると、氷粒5と不凍液1が金網11によって分離さ
れて、不凍液1と給水体4との比重差により給水体4を
分離する。そして分離された給水体は、上記固液分離器
兼水分離器8の下部より配管9を経て液体ポンプ10に
よって容器2の上部で上記排水口7から最も離れた位置
に戻し、氷粒5の排出を行う。一方、比重差によって分
離された給水体4は、上記固液分離器兼水分離器8の胴
体中程のレベルに設けた配管12を経由して排水弁13
から排出される。
【0014】かくして、不凍液1の温度を温度計19、
給水体の温度を温度計15、給水の流量を流量計16に
より計測してデータとして用い、予め熱伝導の実験式か
ら得られる給水流量となるように流量調節弁17を調節
するのである。
【0015】
【発明の効果】上記した通り本発明は、給水管から冷媒
液の容器中に給水ノズルを介して圧送される給水体につ
いて、給水ノズル長とその管内、外壁温度差、給水体の
密度、粘度及び膨張係数等、熱伝導に関する諸因子に対
して無次元数による実験式から求まる流量を抑えておき
さえすれば、給水ノズルの他の温度、物理的寸法並びに
係数を合理的に設定することにより、極めて簡易精確に
制御できるので、造粒氷装置の運転中又は休止中といえ
ども給水ノズルの凍結障害が完全に払拭でき、余計な熱
的、電気的エネルギの損失が防げるとともに、製氷装置
の制御系統を自動化して、数値制御する場合にも簡単に
適用ができる実益が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給水ノズルの凍結回避制御方法を実施
する氷粒製造装置の系統説明図。
【符号の説明】
1 非親水性不凍液 2 容器 3 給水ノズル 4 給水体 5 氷粒 6 冷媒通路 7 排出口 8 固液分離器兼水分離器 9、12 配管 10、14 ポンプ 11 金網 13 排水弁 15、19 温度計 16 流量計 17 調節弁 18 分配器 hw 給水ノズルの管内壁温度 hB 給水ノズルの給水体側の熱伝達率 Tw 給水体の温度 Tbi 給水ノズルの管内壁温度 Tb0 給水ノズルの管外壁温度 TB 給水ノズル内の給水体温度 kb 給水ノズルの熱伝達率 δb 給水ノズルの厚さ(=D0−Di) L 給水ノズルの長さ D0 給水ノズルの管外径 Di 給水ノズルの管内径 m 給水ノズルの管内、外表面積比 Grf グラスホフ数 Prf プラントル数 ρf 給水体の密度 β 給水体の膨張係数 Cp 給水体の定圧比熱 kf 給水体の熱伝導率 Wt 給水ノズルの管内流量 μf 給水体の粘度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非親水性不凍液と直接、熱接触しつつ粒
    状氷を製造する過程において、氷点以下の凝固点を有し
    氷点以下に冷却するため容器に充填した上記非親水性不
    凍液中に、温度、流量の計測手段及び流量調節弁並びに
    分配器からなる給水系を経て、複数の給水ノズルに圧送
    する給水体を、上記給水ノズル長及び、その管内、外壁
    温度差、給水体の密度、粘度並びに膨張係数についての
    実験式に基ずいて求まる流量となるように、上記流量計
    測手段により設定して圧送開始し、上記粒状氷の製造終
    了段階で上記不凍液による冷却の停止後、上記給水体の
    温度を上記給水ノズルから供給する流量に基いて水滴化
    せしめ、もって上記氷点以上の温度まで徐々に加温状態
    に保つようにしたことを特徴とする氷粒製造装置におけ
    る給水ノズルの凍結回避制御方法。
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JP2006292199A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Tadashi Tsunoda 製氷機及び蓄熱システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006292199A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Tadashi Tsunoda 製氷機及び蓄熱システム
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