JP2976538B2 - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JP2976538B2
JP2976538B2 JP3017824A JP1782491A JP2976538B2 JP 2976538 B2 JP2976538 B2 JP 2976538B2 JP 3017824 A JP3017824 A JP 3017824A JP 1782491 A JP1782491 A JP 1782491A JP 2976538 B2 JP2976538 B2 JP 2976538B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄氷槽の蓄冷材を循環
させて過冷却したのちその過冷却状態を解消してスラリ
ー状の氷化物にする氷蓄熱装置などに用いる熱交換器に
係り、熱交換器の凍結防止対策に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、工業プラントやビルなどにおける
比較的大規模な空調システムには蓄熱空調システムが利
用されている。蓄熱空調システムに使用する装置とし
て、過冷却制御型の氷蓄熱装置が知られている。
【0003】この過冷却制御型の氷蓄熱装置は、冷却装
置に接続された熱交換器と蓄氷槽との間で蓄氷槽の蓄冷
材を循環させる循環路を設け、熱交換器により蓄氷槽の
蓄冷材を冷却した後、過冷却状態を解消させてスラリ―
状の氷にするものである。
【0004】過冷却用の熱交換器としては、例えば、U
SP4401449号公報,USP4671077号公
報および特開昭63−14064号公報に開示された氷
蓄熱装置では、よく知られている多管型(Shell−
and−tube type)熱交換器が用いられてい
る。そして、シェル内に低温熱媒体としての冷媒または
ブラインを流通する一方、シェル内に多数配設された伝
熱管に水を流通し、冷媒またはブラインによって水を過
冷却している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱交換器を設計する場
合、一般的に伝熱管内の水の流れを乱した方が有利であ
る。これは、乱れによる管壁近傍の流体と主流の流体と
の間の熱交換により、伝熱が効果的に行われるためであ
る。
【0006】しかしながら、過冷却を目的とする上記熱
交換器では、激しい乱れがおきると流路が閉塞するとい
う問題がある。すなわち、過冷却された水は不安定で、
わずかの刺激によっても過冷却状態を解消して氷化を開
始しやすい。そして、過冷却状態の解消は伝熱管内の水
の流れに生じた激しい乱れによってもおこる。いったん
氷化が開始すると、氷が伝熱管の管壁に付着して着氷層
をつくり、着氷層がさらに厚くなれば流路を閉塞し、さ
らには氷の膨脹圧によって伝熱管が破損するという問題
が生じてくる。
【0007】このような問題を解決する方法として、伝
熱管の管外側の低温熱媒体の温度をあまり下げず、伝熱
管温度を比較的高い値にすることにより、氷の付着を防
止することが考えられる。しかし、この方法では、水の
過冷却度△Tsc(冷却温度Tが凝固点Tf より低い度合
いを示すものであって、△Tsc=|T−Tf |で現され
る)が小さいために一循環あたりの製氷量が少なくな
り、単位時間あたりの製氷量が減少してしまう。したが
って、昼間の空調に必要な蓄氷量を確保するには、熱交
換器をスケールアップをしなければならないという問題
が生じてくる。
【0008】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、伝熱管の過冷却度を維持しさらには
増大させると共に、流路の凍結閉塞を防止することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明が講じた手段は、伝熱管内を流れる蓄冷材の
流路を伝熱管の管内周壁に沿って筒状に形成する流路形
成体と、流路形成体の外周または伝熱管の内周のいずれ
か一方に、流路形成体によって設定された流路を流れる
蓄冷材に螺旋状の旋回流をつくる突条を設けたものであ
る。
【0010】具体的には、本発明の解決手段は、図1
(実線部分のみ)に示すように、低温熱媒体が流通する
外側流路(11)と、該外側流路(11)内に配設さ
れ、蓄冷材(W)が流通し、上記低温熱媒体(M)によ
り蓄冷材(W)を過冷却する伝熱管(20)とを備えた
熱交換器を前提としている。
【0011】さらに、伝熱管(20)内に流路形成体
(21)が挿入され、該流路形成体(21)の外周また
は伝熱管(20)の管内周壁のいずれか一方には、伝熱
管(20)内における蓄冷材(W)の流れを螺旋状の旋
回流にする螺旋突条(22)が形成された構成としてい
る。
【0012】
【作用】以上の構成により、本発明の構成によれば、蓄
氷槽(2)より蓄冷材(W)が強制循環され熱交換器の
伝熱管(20)内に流入する。伝熱管(20)内には流
路形成体(21)が挿入されている。この流路形成体
(21)の外周と伝熱管(20)の管内周壁とにより、
伝熱管(20)内を流れる蓄冷材(W)の流路が筒状に
形成される。そして、流路形成体(21)の外周または
伝熱管(20)の管内周壁のいずれか一方に形成された
螺旋突条(22)が、蓄冷材(W)の流れを螺旋状の旋
回流にする。したがって、蓄冷材(W)の流れは、筒状
の流路内で旋回流の遠心力によって伝熱管(20)の管
内周壁に押し付けられるので、乱れが発生しにくくな
り、流れが安定する。
【0013】
【実施例】以下、本発明を氷蓄熱装置に用いる過冷却用
の熱交換器に適用した例を図面に基づき説明する。
【0014】図1に氷蓄熱装置の構成を示す。氷蓄熱装
置(1)は、スラリ―状に氷化した蓄冷材(W)を貯溜
するための蓄氷槽(2)を備え、該蓄氷槽(2)と冷却
器としての熱交換器(3)との間は、循環路(4)によ
り蓄冷材(W)の循環可能に接続されている。該循環路
(4)は、蓄氷槽(2)の底部から熱交換器(3)に蓄
冷材(W)を供給する往流路(4A)と、熱交換器
(3)から蓄氷槽(2)の上部にスラリ―状の氷になっ
た蓄冷材(W)を戻す復流路(4B)とからなってお
り、往流路(4A)に介設されたポンプ(5)により、
循環路(4)内で蓄氷槽(2)の蓄冷材(W)を強制循
環させている。
【0015】さらに、上記循環路(4)の復流路(4
B)において、熱交換器(3)の下流側には、熱交換器
(3)で過冷却された蓄冷材(W)の過冷却状態を解消
させる過冷却解消部(6)が設けられている。
【0016】過冷却解消部(6)の過冷却状態の解消方
式としては、冷却することにより熱的衝撃を与えるも
の、大きな流速や乱れを発生させたり、振動や気泡を発
生させることにより機械的な衝撃を与えるものなど、種
々のものが挙げられる。
【0017】また、蓄氷槽(2)には、図1に示すよう
に、蓄冷材(W)に混在する氷化物がもつ冷熱を空調に
用いるための冷房負荷(7)が設けられている。冷房負
荷(7)としては、貯溜されている蓄冷材(W)を冷媒
回路の冷媒を冷却するのに用いる方式であっても、空気
を直接冷却する方式であってもよい。
【0018】熱交換器(3)の冷却方式としては、低温
熱媒体として冷媒を用いて蓄冷材(W)を直接冷却する
直接膨脹式、あるいは低温熱媒体として冷却されたブラ
インを用いて蓄冷材(W)を間接的に冷却する間接膨脹
式のいずれであってもよい。蓄冷材(W)には、水又は
水溶液が用いられる。
【0019】次に、多管型熱交換器の構造の具体例を図
2に示す。図2に示された多管型熱交換器(3)は、縦
置型ワンパス方式の熱交換器(冷却器)であって、管板
(10)を介して外側流路としての円筒型のシェル(1
1)と、該シェル(11)の上下に位置する端室(1
2),(12)とが区画形成されている。シェル(1
1)内には多数の伝熱管(20)の束が収納されてい
る。伝熱管(20)の両端は管板(10)に固定されて
いると共に、上下の両端室(12),(12)に連通し
ている。シェル(11)には、流体の流入口(13)と
流出口(14)とが開設されている。一方、下方の端室
(12)に流入ノズル(15)が設けられ、上方の端室
(12)に流出ノズル(16)が設けられている。そし
て、シェル(11)内に低温側流体である低温熱媒体
(M)が流通され、伝熱管(20)に高温側流体である
蓄冷材(W)が流通されている。両流体はいずれも下か
ら上へ流通する並流となるように配管されている。つま
り、低温熱媒体(M)は流入口(13)よりシェル(1
1)内に流入し、流出口(14)より流出する。また、
蓄冷材(W)は流入ノズル(15)より下方の端室(1
2)内に流入し、該下方の端室(12)より伝熱管(2
0)内を流通した後上方の端室(12)に入り、上方の
端室(12)の流出ノズル(16)より流出する。
【0020】次に、本発明の特徴として、図3に示すよ
うに、伝熱管(20)内には、流路形成体(21)が挿
入されている。流路形成体(21)は内側に変形可能な
円筒中空体に形成され、外周には螺旋突条(22)が形
成されている。流路形成体(21)の形状を内側に変形
可能な中空体としたのは、たとえ過冷却状態が解消し氷
が生成し、氷が伝熱管(20)と流路形成体(21)と
の間の流路を閉塞したときにも、氷の膨脹圧によって流
路形成体(21)が内側に膨出変形できるようにし、伝
熱管(20)が氷によって破損されないようにするため
である。
【0021】螺旋突条(22)は、蓄冷材(W)の流れ
に螺旋状の旋回流を形成できるものであればよい。とく
に、図3の螺旋突条(22)は、スクリューコンベアの
ねじ羽根と同じような曲面形状がヘリカルに形成された
ねじり羽根に形成している。ねじり羽根を採用した場合
には、乱れをおこすことなく蓄冷材(W)の流れを反転
でき、つまり、螺旋突条(22)側にあった高温部分を
周期的に伝熱管(20)側に反転でき、蓄冷材(W)を
均一かつ効率的に冷却することができる。なお、螺旋突
条(22)を複数本形成すれば、蓄冷材(W)を数本の
旋回流に分けて冷却でき、冷却効果が向上する。
【0022】流路形成体(21)および螺旋突条(2
2)の材料としては、蓄冷材(W)により腐食しにくい
素材を用いることが好ましい。具体的には、合成樹脂ま
たはステンレスのごとき耐蝕性の金属を用いる。
【0023】次に、上記氷蓄熱装置(1)の作動につい
て説明する。蓄冷熱運転を行ない、蓄氷槽(2)に冷熱
を蓄えるには、蓄冷材(W)を蓄氷槽(2)と熱交換器
(3)との間で循環させると共に、熱交換器(3)によ
り蓄氷槽(2)の蓄冷材(W)を過冷却する。過冷却さ
れた蓄冷材(W)は過冷却解消部(6)で再冷却等さ
れ、その過冷却状態が解消されて、スラリ―状の氷化物
が生成される。そして、この氷化物を含む蓄冷材(W)
は、流動可能なスラリ―状を保ったまま蓄氷槽(2)へ
強制循環して貯溜され、昼間の冷房運転時の冷熱として
使用される。
【0024】熱交換器(3)では、低温熱媒体(M)が
流入口(13)よりシェル(11)内に流入し、シェル
(11)内を上方に向かって流通し、流出口(14)よ
り機外に排出される。蓄冷材(W)は往流路(4A)よ
り下方の端室(12)に流入し、この下方の端室(1
2)において各伝熱管(20)に蓄冷材(W)が分配供
給される。伝熱管(20)内に流入した蓄冷材(W)は
上昇し、上昇中に伝熱管(20)を介して低温熱媒体
(M)により冷却され、過冷却状態となって上方の端室
(12)に達する。そして、過冷却された蓄冷材(W)
は、上方の端室(12)の流出ノズル(16)から復流
路(4B)に流出する。
【0025】さらに、熱交換器(3)の伝熱管(20)
内の構造と蓄冷材(W)の流れについて詳しく説明す
る。
【0026】伝熱管(20)内において蓄冷材(W)の
過冷却状態を解消させる最も大きな要因は激しい乱れが
発生することである。熱交換器の伝熱効率を向上させる
上で、ある程度乱れを生じさせることは、管壁近傍の流
体と主流の流体との間の熱交換による効率的な伝熱を行
うために必要である。しかしながら、過冷却用の熱交換
器には、乱れが激しくなると、過冷却された蓄冷材
(W)の過冷却状態が解消し、氷化の発生に引き続いて
流路の閉塞をおこすきっかけとなるという問題がある。
【0027】そこで、本発明では、伝熱管(20)内に
流路形成体(21)を挿入することにより伝熱管(2
0)内に筒状の流路を形成し、かつこの限定された流路
における蓄冷材(W)の流れを、螺旋突条(22)によ
り螺旋状の旋回流にする構成としている。すなわち、伝
熱管(20)内に挿入された流路形成体(21)の外周
と伝熱管(20)の管内周壁とが、伝熱管(20)内を
流れる蓄冷材(W)の流路を筒状に形成する。さらに、
流路形成体(21)の外周に形成された螺旋突条(2
2)が蓄冷材(W)の流れを螺旋状の旋回流にする。
【0028】伝熱管(20)によって形成された筒状の
流路はある横断面でみれば環状であり、伝熱管(20)
の中心部分には蓄冷材(W)は流通しない。一方、流路
形成体(21)を伝熱管(20)内に挿入しない場合に
は、蓄冷材(W)は管壁のある点から管中心を通って対
向する管壁まで移動でき、蓄冷材(W)の流れには激し
い乱れが発生するおそれがある。これに対して、本発明
では蓄冷材(W)の流路が横断面が環状に形成されてい
るので、蓄冷材(W)が半径方向に移動できる領域は小
さく、乱れの程度を小さくすることができる。たとえ、
旋回流により蓄冷材(W)の流速がある程度増加して
も、乱れの増大を抑制することができる。しかも、旋回
流の遠心力が蓄冷材(W)を伝熱管(20)の管内周壁
に押し付けることと相俟って、乱れを抑制し、蓄冷材
(W)の流れを安定化させることができる。その結果、
伝熱管(20)内において過冷却状態が解消しにくくな
り、流路の閉塞を防止することができる。
【0029】また、従来は、蓄冷材(W)流速の変動は
ある程度避けることできず、流速の変動によって過冷却
状態が解消されるという事態を避けるため、過冷却度を
小さめに設定することによって安全率を大きくとってい
た。しかしながら、伝熱管(20)内での過冷却状態を
解消しにくくできるようになり、過冷却度を大きく設定
することができる。そして、一循環あたりの製氷量を増
大させることができ、製氷能力を向上することが可能と
なる。
【0030】また、蓄冷材(W)の流れを旋回流にする
ことは、蓄冷材(W)の滞留時間を長くすることにもな
り、伝熱量を増加させることになるので、この面からも
製氷能力を向上することができる。
【0031】なお、熱交換器(3)の構造としては、低
温熱媒体および蓄冷材(W)の流量が少ない場合には流
速を確保するために二重管型(Double−tube
type)熱交換器を用いてもよい。また、熱管の管
外側(低温熱媒体側)の境膜伝熱係数が管内側(蓄冷材
側)のそれよりずっと小さい場合には、伝熱管にローフ
ィンチューブを用い、管外側の伝熱面積を拡げることに
より単位管長あたりの伝熱量を増加させてもよい。ま
た、多管型熱交換器における管内側流体の往復回数につ
いては、ワンパス、マルチパスのいずれであってもよ
い。
【0032】次に、本発明の過冷却について実験例に基
づいて説明する。
【0033】図4(a),(b)は熱交換器として二重
管型の熱交換器を採用した本発明例1を示している。二
重管の内管である伝熱管(20)には内径14.0mmの
直管を使用した。流路形成体(21)は、外径10.0
mmの棒材に合成樹脂被覆の線材を巻回することにより、
螺旋突条(22)を形成した。線材の径δおよび巻線の
ピッチpを変えた流路形成体(21)を2種類用意し
た。流路形成体(21)を伝熱管(20)内に挿入する
ことにより、二重管型の熱交換器を製作した。伝熱管
(20)内に、流速3〜4l/minで蓄冷材(W)を流通
し、過冷却状態の解消が開始される限界の過冷却度△T
scを測定した。
【0034】過冷却度△Tscの測定としては、熱交換器
の伝熱管の終端付近に熱電対を取り付け、伝熱管温度あ
るいは蓄冷材(W)の温度を測定した。そして、測定し
た温度記録に基づき、過冷却状態が解消されると温度曲
線が急激に0℃に上昇することから、変曲点を求めるこ
とによって解消時点の温度Tがわかり、過冷却度△Tsc
を決定した。
【0035】本発明例1は、螺旋突条(22)の線径δ
を1.2mm、ピッチpを8.0mmとした。図5(a),
(b)に示す本発明例2は、螺旋突条(22)の線径δ
を2.0mm、ピッチpを48.0mmとした。
【0036】また、図6(a),(b)に示す流路形成
体(21)および螺旋突条(22)を挿入しない場合を
比較例1とし、図7(a),(b)に示す流路形成体
(21)に螺旋突条(22)を形成していない場合を比
較例2とし、同様にして過冷却度△Tscを測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示すように、流路形成体(21)を
挿入しなかった比較例3および流路形成体(21)に螺
旋突条(22)を形成しなかった比較例4に比べ、過冷
却状態の解消が開始される限界の過冷却度△Tscを増大
させることができることを確認しえた。また、螺旋突条
(22)を伝熱管(20)に密着した本発明例2は、螺
旋突条(22)と伝熱管(20)との間にすきまがある
本発明例1に比べ、限界過冷却度△Tscが大きい。これ
は、隣り合う流路間で蓄冷材が流通しないので、旋回流
がより形よく形成されたためと考えられる。
【0039】ところで、過冷却制御型の氷蓄熱装置で
は、過冷却用の熱交換器内において過冷却状態を解消さ
せないことが重要であることは、上述の通りである。そ
のためには、過冷却温度を制御しなければならないが、
それには、まず過冷却度、つまは過冷却された蓄冷材の
温度を正確に知らなければならない。
【0040】蓄冷材を温度測定するには、接触式と非接
触式があるが、測定装置の抵抗によって過冷却状態を解
消することがない非接触式の測定装置を用いることが好
ましい。非接触式の測定装置としては、温度による屈折
率変化を利用する光学式の測定装置のほか、蓄冷材に感
温液晶を混入し、水の色が温度変化により変化すること
を利用した測定装置が用いられる。
【0041】また、接触式の測定装置であっても、測定
装置がきっかけとなって発生した着氷を剥離する手段を
設けることにより蓄冷材の温度測定に使用することがで
きる。例えば、熱交換器の伝熱管の終端付近に断熱部を
設け、この断熱部に熱電対などの接触式の測定装置を取
り付け、伝熱管温度あるいは蓄冷材(W)の温度を測定
する。測定装置がきっかけとなって過冷却状態が解消さ
れた場合、測定温度が急激に0℃に上昇するため、氷の
発生を検知できる。そして、測定温度が急激に変化した
直後にデフロスト運転を行う。したがって、氷剥離手段
としては、急激な温度変化を検知するセンサーと、セン
サーからの氷発生信号によりデフロスト運転を行うデフ
ロスト制御手段とを設ければよい。こうすれば、測定装
置が過冷却状態の解消を誘発し管壁に着氷が生じても、
伝熱管の閉塞、さらには破損が生じるという事態を防止
することができる。なお、デフロスト運転中はデフロス
トを低下させないために蓄冷材(W)の流通を停止する
ことが望ましい。
【0042】また、特殊な測定方法として、伝熱管内の
流路形成体に温度測定機能を持たせる方法がある。具体
的には、温度条件が最も問題になる伝熱管終端の温度を
光ファイバーで行うものである。つまり、流路形成体の
胴部に光ファイバーを内臓して伝熱管内の蓄冷材を照射
できるようにする。一方、伝熱管終端とこの終端付近の
シェルとに透明窓を取り付け、蓄冷材を透過した光ある
いは管内壁の反射光を外部から検知して温度測定を行う
ものである。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、伝熱管
内に流路形成体を挿入することにより伝熱管内に筒状の
流路を形成し、かつこの限定された流路における蓄冷材
の流れを、螺旋突条により螺旋状の旋回流にしている。
【0044】したがって、流路形成体が半径方向に移動
しうる領域を狭め、かつ螺旋突条がつくる螺旋状の旋回
流が蓄冷材(W)を伝熱管(10)の管内周壁に押し付
けることにより、乱れの程度を小さく維持し、蓄冷材
(W)の流れを安定化させることができる。その結果、
伝熱管(20)内における過冷却状態が解消しにくくす
ることができ、流路の閉塞を防止し、過冷却度を増大す
ることにより製氷能力の向上を図ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】氷蓄熱装置の構成を示す回路図である。
【図2】熱交換器の全体構造を示す断面図である。
【図3】熱交換器の伝熱管の構造を示す断面図である。
【図4】本発明例1を示し、図4(a)は縦断面図であ
り、図4(b)は横断面図である。
【図5】本発明例2を示し、図5(a)は縦断面図であ
り、図5(b)は横断面図である。
【図6】比較例1を示し、図6(a)は縦断面図であ
り、図6(b)は横断面図である。
【図7】比較例2を示し、図7(a)は縦断面図であ
り、図7(b)は横断面図である。
【符号の説明】
3 熱交換器 11 シェル(外側流路) 20 伝熱管 21 流路形成体 22 螺旋突条 M 低温熱媒体 W 蓄冷材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24F 5/00 102 F25C 1/00 F28F 1/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温熱媒体(M)が流通する外側流路
    (11)と、 該外側流路(11)内に配設され、蓄冷材(W)が流通
    し、上記低温熱媒体(M)により蓄冷材(W)を過冷却
    する伝熱管(20)とを備えた熱交換器において、 上記伝熱管(20)内に挿入され、該伝熱管(20)の
    管内周壁に沿う筒状の流路であって、該流路内を流れる
    蓄冷材(W)の乱れが該蓄冷材(W)の過冷却状態を維
    持する範囲となるような半径方向幅とされた流路を形成
    する流路形成体(21)と、 該流路形成体(21)の外周または伝熱管(20)の管
    内周壁のいずれか一方に形成され、一定旋回方向の螺旋
    状に形成されて伝熱管(20)内における蓄冷材(W)
    の流れを螺旋状の旋回流にする螺旋突条(22)とを備
    えていることを特徴とする熱交換器。
JP3017824A 1991-02-08 1991-02-08 熱交換器 Expired - Fee Related JP2976538B2 (ja)

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