JPH0642652A - ホロージェットバルブの止水構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 胴１の内周面に環状の溝部１１を形成し、こ
の溝部１１内に胴シート１２を遊嵌して設け、胴シート
１２の背面側の溝部１１内に胴シート１２をニードルシ
ート７に向けて押圧するゴムリング１５を設けた。 【効果】 経年変化によりニードル３が傾むいても、ゴ
ムリング１５に押圧される胴シート１２の姿勢がニード
ルシート７に対応するように変化し、ニードルシート７
と胴シート１２が全周において均等な適正状態で圧接す
るので、確実な止水性が得られるとともに、ニードルシ
ート７および胴シート１２の不均一な摩耗がなくなり、
経年変化による止水性の劣化を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ダム放流設備等に使用
されるホロージェットバルブの止水構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ダム放流設備に使用されるホロー
ジェットバルブとしては、たとえば図２に示すようなも
のがある。図２において、胴１の内部には上流側開口２
に対向してニードル３が配置されており、ニードル３は
プランジャー４の先端に固定されている。また、プラン
ジャー４は上流側開口２に向けて出退自在にシリンダー
５に保持されており、シリンダー５の内部にはニードル
３を出退駆動する駆動機構６が設けられている。さら
に、ニードル３の周縁部には盛金によってニードルシー
ト７が設けられており、胴１の上流側開口２に近い内周
面にはニードル３が閉塞する状態においてニードルシー
ト７に当接する胴シート８が盛金によって形成されてい
る。そして、ニードルシート７と胴シート８の当接によ
って胴１とニードル３の間を止水している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の構成において、ニードルシート７と胴シート８は盛金
で形成されてフレキシビリティがないので、据付状態や
経年変化によりニードルシート７と胴シート８の間に間
隙が生じ、止水性が損なわれる問題があった。

【０００４】また、上流側開口２を閉塞する状態におい
て、シリンダー５がニードル３を完全な水平状態に保持
することができず、自重によってニードル３の先端側が
下方に傾く状態となり、ニードルシート７と胴シート８
の密着性が損なわれて止水性が劣化する問題があった。

【０００５】本発明は上記課題を解決するもので、経年
変化によりニードルが傾いても確実に止水性を確保する
ことができるホロージェットバルブの止水構造を提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のホロージェットバルブは、胴の開口に対向
して配置され、前記開口を閉塞する位置と開放する位置
とにわたって出退自在に設けられたニードルと、ニード
ルの周縁部に設けられ、胴の内周面に設けた胴シートに
当接して胴とニードルとの間を止水するニードルシート
とを有するホロージェットバルブにおいて、胴の内周面
に環状の溝部を形成し、この溝部内に胴シートを遊嵌し
て設け、胴シートの背面側の溝部内に胴シートをニード
ルシートに向けて押圧する弾性部材を設けた構成とした
ものである。

【０００７】

【作用】上記構成により、ニードルによって胴の開口を
閉塞する状態において、ニードルシートと胴シートが当
接することによって胴とニードルとの間を止水する。こ
のとき、胴シートは弾性部材に付勢されてニードルシー
トに当接するので、確実な止水を得ることができる。し
かも、経年変化によりニードルが傾き、胴シートに対す
るニードルシートの当りが下側部に偏る場合には、ニー
ドルシートに強く当たる胴シートの下側部が弾性部材の
押圧力に抗して溝部内に押し込められ、胴シートの姿勢
がニードルシートに対応するように変化する。したがっ
て、ニードルシートと胴シートが全周において均等な適
正状態で圧接し、確実な止水性が得られるとともに、ニ
ードルシートおよび胴シートの不均一な摩耗がなくな
り、経年変化による止水性の劣化を抑制することができ
る。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図２において説明したホロージェットバルブと
同様の作用を行う部材については同一番号を付して説明
を省略する。図１において、胴１の内周面には、ニード
ル３のニードルシート７に対向して環状の溝部１１を形
成しており、溝部１１の内部には環状の胴シート１２を
遊嵌して設けており、溝部１１の開口縁部には胴シート
１２の脱落を防止するシート押さえ材１３をボルト１４
で固定している。さらに、胴シート１２の背面側に位置
して溝部１１の内部には弾性部材であるゴムリング１５
を設けており、ゴムリング１５は胴シート１２をニード
ルシート７に向けて押圧する。

【０００９】以下、上記構成における作用を説明する。
閉塞時は、プランジャー４を介してシリンダー５に保持
されるニードル３を駆動機構６により胴１の上流側開口
２に向けて移動させる。

【００１０】そして、ニードル３によって胴１の上流側
開口２を閉塞する状態において、ニードルシート７と胴
シート１２が当接することによって胴１とニードル３と
の間を止水する。このとき、胴シート１２はゴムリング
１５に付勢されてニードルシート７に当接するので、確
実な止水を得ることができる。

【００１１】しかも、経年変化によりニードル３が傾
き、胴シート１２に対するニードルシート７の当りが下
側部に偏る場合には、ニードルシート７に強く当たる胴
シート１２の下側部がゴムリング１５の押圧力に抗して
溝部１１内に押し込められ、胴シート１２の姿勢がニー
ドルシート７に対応するように変化する。

【００１２】したがって、ニードルシート７と胴シート
１２が全周において均等な適正状態で圧接し、確実な止
水性が得られるとともに、ニードルシート７および胴シ
ート１２の不均一な摩耗がなくなり、経年変化による止
水性の劣化を抑制することができる。

【００１３】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、経年
変化によりニードルが傾むいても、弾性部材に押圧され
る胴シートの姿勢がニードルシートに対応するように変
化し、ニードルシートと胴シートが全周において均等な
適正状態で圧接するので、確実な止水性が得られるとと
もに、ニードルシートおよび胴シートの不均一な摩耗が
なくなり、経年変化による止水性の劣化を抑制すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における胴シートの取付構造
を示す断面図である。

【図２】従来のホロージェットバルブの全体断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 胴 ２ 上流側開口 ３ ニードル ７ ニードルシート １１ 溝部 １２ 胴シート １５ ゴムリング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴の開口に対向して配置され、前記開口
   を閉塞する位置と開放する位置とにわたって出退自在に
   設けられたニードルと、ニードルの周縁部に設けられ、
   胴の内周面に設けた胴シートに当接して胴とニードルと
   の間を止水するニードルシートとを有するホロージェッ
   トバルブにおいて、胴の内周面に環状の溝部を形成し、
   この溝部内に胴シートを遊嵌して設け、胴シートの背面
   側の溝部内に胴シートをニードルシートに向けて押圧す
   る弾性部材を設けたことを特徴とするホロージェットバ
   ルブの止水構造。