JPH0642507A - 増圧型流体圧シリンダ - Google Patents

増圧型流体圧シリンダ

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JPH0642507A
JPH0642507A JP4192373A JP19237392A JPH0642507A JP H0642507 A JPH0642507 A JP H0642507A JP 4192373 A JP4192373 A JP 4192373A JP 19237392 A JP19237392 A JP 19237392A JP H0642507 A JPH0642507 A JP H0642507A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストンロッドの押し出し終端付近において
増大した作動力を出すことができ、比較的構造が簡単で
小形化が可能な増圧型流体圧シリンダを提供する。 【構成】 ロッドカバー4の外側に補助シリンダチュー
ブを接続し、その端部に補助ロッドカバー3を固定する
ことにより補助シリンダ室21が形成され、補助シリン
ダ室21内には増圧ピストン10がピストンロッド6の
外周部で軸方向に摺動可能に配設される。ピストンロッ
ド6が押し出し終端の手前に達すると、増圧ピストン1
0とロッドカバー4間の補助シリンダ室21内に流体圧
が通路28を通して流入する。増圧ピストン10内の空
間にロック用鋼球13が、その増圧ピストン10をピス
トンロッド6の外周部にロックさせるように配設され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアーシリンダ、油圧
シリンダ等の流体圧シリンダに関し、特にピストンロッ
ドの押し出し終端付近において作動力を増大させる増圧
型流体圧シリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】流体圧シリンダは、クランプ機構、圧縮
機構、かしめ機構など各種の作動機構において使用され
るが、このようなクランプ機構や圧縮機構では、通常、
作動開始時にはあまり作動力を必要としないが、作動の
終端付近において、大きな作動力を必要とする場合が多
く、このために、機構を駆動する流体圧シリンダは、そ
のピストンロッドの押し出し終端付近において、開始位
置や中間位置に比べより大きな作動力を出す必要があ
る。
【0003】このため、クランプ機構等に使用する流体
圧シリンダの大きさを決める場合、その作動の終端部で
必要な作動力を得ることができる大きさ(シリンダチュ
ーブの径)の流体圧シリンダが選択されるのが通常であ
る。したがって、ピストンロッドの押し出し開始時から
終端部の手前までは小形(シリンダチューブ径の小さ
い)の流体圧シリンダで充分である場合でも、終端作動
力のために、大形で重量が重く価格も高い流体圧シリン
ダを使用せざるを得ない課題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来では、流
体圧シリンダに流体圧を供給する管路にブースタ装置を
接続し、ピストンロッドの押し出し終端位置付近で、よ
り高い圧力を印加するようにし、終端付近において作動
力を増大させることも行われている。
【0005】しかし、この種のブースタ装置は、構造が
複雑であると共に、少なくとも4個の電磁弁を使用する
必要があり、コストが増大する課題があった。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、ピストンロッドの押し出し終端付近にお
いて増大した作動力を出すことができ、比較的構造が簡
単で小形化が可能な増圧型流体圧シリンダを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このために、本発明の増
圧型流体圧シリンダは、ロッドカバーの外側に補助シリ
ンダ室が形成され、補助シリンダ室内には増圧ピストン
がピストンロッドの外周部で軸方向に摺動可能に配設さ
れ、ピストンロッドが押し出し終端の手前に達した際、
増圧ピストンとロッドカバー間の補助シリンダ室内に流
体圧を通す通路がロッドカバー内に設けられ、ピストン
ロッドの周囲で増圧ピストンの内側にテーパ面を持つ空
間が形成され、補助シリンダ室内に流体圧が入り増圧ピ
ストンが移動した際、増圧ピストンをピストンロッドに
対しロックさせるロック用鋼球が空間内に配設されて構
成される。
【0008】
【作用】ヘッドカバーとピストン間のシリンダ室内に流
体圧が印加され、ピストンとピストンロッドが押し出し
方向に駆動される。このとき、ピストンロッドが押し出
し終端の手前に達すると、ロッドカバー内の通路から補
助シリンダ室内の増圧ピストンとロッドカバー間に流体
圧が入り、増圧ピストンをピストンロッドの方向に押す
と共に、増圧ピストン内側のロック用鋼球がその空間内
のテーパ面によってピストンロッド外周に強力に押圧さ
れ、増圧ピストンがピストンロッドに対しロックされ
る。このため、ピストンロッドがこの後、終端位置まで
押し出される間、増圧ピストンが流体圧を受けて移動す
る作動力がピストンロッドの作動力に加わり、押し出し
終端付近においてピストンロッドの作動力は増大され
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0010】図1は流体圧シリンダの平面図を示し、図
2はその拡大II−II断面図を示している。シリンダチュ
ーブ1の末端にヘッドカバー2が端部を閉鎖するように
固定され、シリンダチューブ1の先端側にはロッドカバ
ー4がピストンロッド6を摺動可能に支持しチューブ開
口部を閉鎖するように固定される。さらに、ロッドカバ
ー4の外側には補助シリンダチューブ1aが接続固定さ
れ、補助シリンダチューブ1aの先端部に補助ロッドカ
バー3が端部を閉鎖しピストンロッド6を摺動可能に支
持するように固定され、補助シリンダチューブ1a内に
補助シリンダ室21が形成される。
【0011】シリンダチューブ1内にピストン5が嵌挿
され、そのピストン5に固定されたピストンロッド6
は、図2に示すように、元部に大径部6aを有し、その
大径部6aに続いて通常の太さのロッドが、テーパ状の
段差部6bを介して先端まで延設される。
【0012】ロッドカバー4にはピストンロッド6が挿
通する孔が中央に設けられるが、この孔はピストンロッ
ド6の大径部6aが密に通り摺動可能な径に形成され、
孔の内周側にシール部材7が嵌着される。また、補助ロ
ッドカバー3の中央におけるピストンロッド6を摺動可
能に支持する孔にも、軸受メタル8及びシール部材9が
嵌着されるロッドカバー4と補助ロッドカバー3間の補
助シリンダチューブ1a内つまり補助シリンダ室21内
に、増圧ピストン10が摺動可能に嵌挿される。増圧ピ
ストン10と補助ロッドカバー3間にコイルばね11が
配設され、増圧ピストン10はコイルばね11により図
2の右側つまり元部側に付勢される。
【0013】増圧ピストン10は、中央軸方向に穿設さ
れた孔にピストンロッド6が嵌挿され、その孔の外周部
に、ピストンロッド6の段差部6bが当る当接部10a
が形成される。さらに、ピストンロッド6の周囲で増圧
ピストン10の内側には、テーパ面(円錐傾斜面)12
aを有する空間(略円錐形凹部)12が形成される。そ
の空間12はピストンロッド6の周囲を包囲するように
位置し、そのテーパ面12aはピストンロッド6の先端
側に向って角度が広がるように形成される。
【0014】さらに、空間12内には、例えば8個のロ
ック用鋼球13がピストンロッド6の周囲を囲むように
配設される。このロック用鋼球13は、ピストンロッド
6の大径部6aが増圧ピストン10の空間12内に進入
した際、テーパ面12aとピストンロッド外周面に当接
可能な外径を有している。また、増圧ピストン10の外
周部にはシール部材14が嵌着され、その内周部にはシ
ール部材15が嵌着される。
【0015】さらに、ロッドカバー4の補助シリンダ室
21側には、ピストンロッド6の引き戻し動作時、ロッ
ク用鋼球13を先端側に押してそのロックを解除するロ
ック解除部17が、空間12内に差し込むように突設さ
れる。
【0016】ロッドカバー4には、通路27を通してシ
リンダ室20と連通する給排気ポート25が設けられ、
さらに、通路28を通して補助シリンダ室21と連通す
る給排気ポート26が設けられる。通路28の補助シリ
ンダ室21側の開口端部には弁座29が形成され、その
弁座29に対向した増圧ピストン側にシール材16が嵌
着される。増圧ピストン10がロッドカバー4に当接し
た状態で、シール材16が弁座29に密着し、通路28
の開口部を閉鎖する。つまり、シール材16と弁座29
によりバルブ部が形成される。
【0017】先端部の補助ロッドカバー3には、補助シ
リンダ室21と連通する通路30が形成され、この通路
30は管路31を介してシリンダ室20と連通する通路
27に連通する。一方、元部のヘッドカバー2に、シリ
ンダ室20の元部側に連通する給排気ポート24が設け
られる(図1)。
【0018】次に、上記構成の流体圧シリンダの動作を
説明する。
【0019】給排気ポート26と給排気ポート24は共
に、流体圧力源に接続された方向切換弁の一方のポート
に接続され、給排気ポート25はその方向切換弁の他方
のポートに接続される。
【0020】ピストンロッド6が引き戻し位置又は中間
位置(図2)にある状態で、方向切換弁が切り換えら
れ、流体圧力が給排気ポート24、26に印加された場
合、ピストン5は図2の左方向に作動力を受け、ピスト
ンロッド6は押出し方向に進む。このとき、給排気ポー
ト26を通して通路28にも流体圧が印加され、増圧ピ
ストン10を図2左方向に押すが、コイルばね11のば
ね力が勝り、増圧ピストン10は動かない。ピストンロ
ッド6は図2の左方向に進み、その段差部6bがロッド
カバー4から増圧ピストン10内の空間12内に入る
と、そのテーパ状の段差によって各ロック用鋼球13を
大径部6aの周囲に持ち上げながら、さらに左方向に進
む。
【0021】ピストンロッド6が図4に示す位置に達す
ると、その段差部6bが増圧ピストン10の当接部10
aに当り、これによって、増圧ピストン10が左側に押
され、移動を開始する。すると、弁座29に密着してい
た増圧ピストン10の背面(シール材16)が離れ、通
路28から流体が補助シリンダ室21内に流入する。こ
の流体圧により、増圧ピストン10が左方向に押され、
同時に圧力流体が空間12内にも入る。
【0022】この増圧ピストン10が左方向(ピストン
ロッド6の押し出し方向)に、流体圧により押されて移
動することにより、空間12内のロック用鋼球13がテ
ーパ面12aによってピストンロッド大径部6aの外周
部に強力に押圧される。このため、増圧ピストン10が
ロック用鋼球13によってピストンロッド6に対しロッ
クされる。
【0023】したがって、図5の位置に達したピストン
ロッド6は、ピストン5に印加される作動力と共に、増
圧ピストン10の作動力を加えて押し出し駆動される。
つまり、その押し出し終端の手前において、ピストンロ
ッド6の作動力が増圧ピストン10の受圧面積分だけ増
大され、増圧された状態で、ピストンロッド6は終端部
まで押し出される。
【0024】一方、ピストンロッド6を引き戻し作動す
る場合、方向切換弁を切り換えて給排気ポート25から
流体圧力を印加し、給排気ポート26を排気側に連通さ
せる。これにより、増圧ピストン10の背面側の圧力が
抜けて、増圧ピストン10がピストンロッド6と共に図
5の右方向に戻り、図4の位置つまりその背面がロッド
カバー4の弁座29に当接する位置まで、増圧ピストン
10が戻ったとき、ロック用鋼球13がロック解除部1
7により図の左側に押されて移動し、増圧ピストン10
のピストンロッド6に対するロックが解除される。
【0025】そして、ピストンロッド6は、ピストン5
がシリンダ室20からその前面で受る右方向の圧力によ
り、末端まで引き戻される。
【0026】なお、補助シリンダ室の補助シリンダチュ
ーブ1aの径を、シリンダチューブ1の径より大きくし
て、増圧ピストンの径を増大させれば、その受圧面積を
増大させて、ピストンロッドの終端付近で作動力を、よ
り一層増大させることができる。
【0027】図6、図7は他の実施例を示している。こ
の例の増圧型流体圧シリンダは、ピストンロッド36が
段差部をなくした同一径のロッドで形成され、当接部を
有しない増圧ピストン40がピストンロッド36の外周
部に嵌挿される。ロッドカバー4と増圧ピストン40間
のバルブ部はなく、通路28の末端が増圧ピストン40
とロッドカバー4間の補助シリンダ室21内に開口して
いる。
【0028】また、ピストン5の外周に磁石35が固定
され、ピストン5が押し出し終端の手前に達したことを
検出するように、近接スイッチ37がシリンダチューブ
1の外周部に取付けられている。
【0029】一方、通路28に連通した給排気ポート2
6に接続される流体圧管路(給排気ポート24と共に流
体圧源に接続される)には弁38が接続され、その弁3
8は近接スイッチ37がピストンの押し出し終端手前に
達したことを検出したとき、制御回路39により開制御
される。他の構成は上記実施例と同様である。
【0030】このように構成された増圧型流体圧シリン
ダは、ピストンロッド36が引き戻し位置又は中間位置
にある状態で、方向切換弁が切り換えられ、流体圧力が
給排気ポート24に印加された場合、ピストン5は図の
左方向に作動力を受け、ピストンロッド36は押出し方
向に進む。
【0031】ピストンロッド36が図6に示す位置つま
り押し出し終端の手前に達すると、近接スイッチ37が
ピストン5の磁石35を検出し、この検出信号を入力し
た制御回路39は弁38を開制御する。すると、通路2
8に流体圧が印加され、ロッドカバー4と増圧ピストン
40間の補助シリンダ室21内に流体圧が進入する。こ
のため、増圧ピストン40が流体圧により図の左方向に
押され、同時に圧力流体が空間12内にも入る。
【0032】この増圧ピストン40が図の左方向に流体
圧により押されて移動することにより、空間12内のロ
ック用鋼球13がテーパ面12aによってピストンロッ
ド36の外周部に強力に押圧される。このため、増圧ピ
ストン40がロック用鋼球13によってピストンロッド
36に対しロックされる。
【0033】したがって、図7の位置に達したピストン
ロッド36は、ピストン5に印加される作動力と共に、
増圧ピストン40の作動力を加えて押し出し駆動され、
その押し出し終端の手前において、ピストンロッド36
の作動力が増圧ピストン40の受圧面積分だけ増大さ
れ、増圧された状態で、ピストンロッド36は終端部ま
で押し出される。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の増圧型流
体圧シリンダによれば、ピストンロッドが押し出し終端
の手前に達した際、ロッドカバー内の通路から補助シリ
ンダ室内の増圧ピストンとロッドカバー間に流体圧が入
り、増圧ピストンをピストンロッドの押し出し方向に押
すと共に、増圧ピストンの空間内のロック用鋼球が増圧
ピストンをピストンロッドに対しロックするように構成
されるから、ピストンロッドがそこから終端位置まで押
し出される間、増圧ピストンが流体圧を受けて移動する
作動力がピストンの作動力に加わり、押し出し終端付近
におけるピストンロッドの作動力を、同じ径の流体圧シ
リンダより大きく増大させることができる。また、シリ
ンダチューブの先端部分に補助シリンダ室を設け、その
内部に増圧ピストンを配設させる構造のため、極めて小
形に形成することができ、構造も比較的簡単であって、
安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す流体圧シリンダの平面
図である。
【図2】図1のII−II拡大断面図である。
【図3】図2の III− III断面図である。
【図4】ピストンロッドの段差部が増圧ピストンに当っ
た状態の断面図である。
【図5】増圧ピストンがロック用鋼球を介してピストン
ロッドにロックされた状態の断面図である。
【図6】他の実施例を示す流体圧シリンダの拡大断面図
である。
【図7】他の実施例を示す流体圧シリンダの押し出し終
端付近の拡大断面図である。
【符号の説明】
4−ロッドカバー、5−ピストン、6−ピストンロッ
ド、10−増圧ピストン、12−空間、12a−テーパ
面、13−ロック用鋼球、21−補助シリンダ室、28
−通路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロッドカバーの外側に補助シリンダ室が
    形成され、該補助シリンダ室内には増圧ピストンがピス
    トンロッドの外周部で軸方向に摺動可能に配設され、該
    ピストンロッドが押し出し終端の手前に達した際、該増
    圧ピストンとロッドカバー間の補助シリンダ室内に流体
    圧を通す通路が該ロッドカバー内に設けられ、該ピスト
    ンロッドの周囲で該増圧ピストンの内側にテーパ面を持
    つ空間が形成され、該補助シリンダ室内に流体圧が入り
    該増圧ピストンが移動した際、該増圧ピストンを該ピス
    トンロッドに対しロックさせるロック用鋼球が該空間内
    に配設されていることを特徴とする増圧型流体圧シリン
    ダ。
  2. 【請求項2】 前記ピストンロッドの外周部に、該ピス
    トンロッドが押し出し終端の手前に達した際、前記増圧
    ピストンの一部に当接して押す段差部が設けられ、該段
    差部が増圧ピストンを押して移動させることにより、バ
    ルブ部を開き該保持シリンダ室内に流体圧を印加させる
    構成とした請求項1記載の増圧型流体圧シリンダ。
  3. 【請求項3】 前記ロッドカバーには前記補助シリンダ
    室に向けてロック解除部が突設され、該ピストンロッド
    の引き戻し動作時、該ロック解除部が前記ロック用鋼球
    を押してロックを解除する請求項1記載の増圧型流体圧
    シリンダ。
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