JPH06417A - 液体散布器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノズル自体が回転することなく、液体の噴出
圧力を利用して噴出液体を四方へ拡散可能な液体散布器
を得る。 【構成】 複数の噴出口８ａを備えた固定ノズル１と、
固定ノズル１に旋回可能に軸支された旋回部材２とから
なり、旋回部材２は噴出口８ａから噴出された噴出液に
よって旋回部材２を旋回させる回転羽根１２を備える。
これによって、ノズルそのものは固定状態でありなが
ら、噴出液体は液体の噴出力によって回転する旋回部材
２にガイドされ拡散される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液体散布器、より詳しく
は消毒用の薬剤や灌水用の水を散布する際に使用する液
体散布器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より薬剤や水を果樹園あるいは畑等
広い地域に散布する際、自動的にかつ平均的にむら無く
散布するための液体散布器が使用されている。

【０００３】このような散布器は、複数のアームの先端
部に噴出口を設け、この噴出口から放出される液体によ
って回転偶力を得て自動的に旋回する、いわゆるスプリ
ンクラー式のものが最も一般的である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところがこのスプリン
クラー式のものは、固定された基台に取付けられたアー
ムが回転する構造であり、固定された基台と旋回するア
ームとの接続部は、回転可能かつ水密状にする必要があ
る。このため、シール構造が複雑とならざるを得ず、ま
た長期の使用によってシール部の損傷も懸念される。

【０００５】本発明が解決すべき課題は、ノズル自体が
回転することなく、液体の噴出圧力を利用して噴出液体
を四方へ拡散可能な液体散布器を得ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の液体散布器は、
上記課題を解決するため、複数の噴出口を備えた固定ノ
ズルと、該固定ノズルに旋回可能に軸支された旋回部材
とからなり、前記旋回部材は前記噴出口から噴出された
噴出液によって前記旋回部材を旋回させる回転羽根を備
えていることを特徴とする。

【０００７】

【作用】本発明の液体散布器においては、ノズルそのも
のは固定状態であり、この固定ノズルから一定方向に噴
出した液体は、液体の噴出力によって回転する旋回部材
にガイドされ拡散されるようになる。

【０００８】

【実施例】図１は本発明の液体噴射装置の一実施例を示
す分解斜視図、図２はノズルの縦断面図、図３は旋回部
材の平面図である。

【０００９】図中１は固定ノズル、２はこの固定ノズル
１の上部にワッシャ３及びナット４によって旋回可能に
取付けられた旋回部材である。

【００１０】固定ノズル１は平板状のベース５と、この
ベース５上に設けられた中空状のケーシング６を備え、
ケーシング６の両側面にはホース取付け用の取付け部７
を突出形成し、また上部には平面形状が六角形のノズル
本体８を備えている。８ａはノズル本体８の六角形の各
面に形成した噴出口、９は旋回部材２取付け用の雄ねじ
を形成した取付け軸である。

【００１１】旋回部材２は、中央にノズル本体８よりも
若干径大の取付け孔１０ａを形成した円形の下プレート
１０、及びこの下プレート１０の略１／２の径の上プレ
ート１１を間隔を置いて配置し、下プレート１０と上プ
レート１１との間には、基端部に直線部１２ｂを先端部
に曲線部１２ａを形成した回転羽根１２を、直線部１２
ｂが円形の取付け孔１０ａの接線方向に位置するよう、
互いに９０°間隔で４枚固定している。また上プレート
１１の外周と回転羽根１２とが交差する部分には、噴出
液の上部への漏れを防ぐ扇形状の閉塞プレート１３を設
けている。これによって噴出液を上部へ漏らすことなく
効率的に回転力に変換することができる。１４は上プレ
ート１１の中心部に設けた中心方向の散布量を調整する
ための貫通孔である。

【００１２】上記構成において、図４の模式図に示すよ
うに、ノズル本体８の６箇所の噴出口８ａから噴出した
液体Ｆは、回転羽根１２の内面側１２ｃに衝突し、この
衝突圧によって旋回部材２に矢印方向の回転力が付与さ
れ、また噴出液自体が粉砕拡散されて飛沫状になる。こ
の粉砕拡散作用及び旋回部材２の旋回動作によって、噴
出水が全方向に平均して散布されることとなる。

【００１３】このように本実施例の液体散布器において
は、ノズル自体はなんら旋回せず、噴出力の力を利用し
て拡散され、従来のように複雑なシール構造そのものが
全く不要となった。

【００１４】なお、上記実施例において、上プレート１
１を小型化して閉塞プレート１３を省略し、回転羽根曲
線部１２ａを下方に傾斜した構造とすることによって、
狭い範囲を重点的に散布する散水パターンを得ることも
できる。

【００１５】

【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。

【００１６】（１）シール構造が不要な比較的簡単な構
造で、従来のスプリンクラーと同様な液体散布が可能と
なった。

【００１７】（２）回転羽根の形状を変えるだけで、容
易に散水パターンを変更することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である液体散布器の分解斜視
図である。

【図２】図１に示す液体散布器の固定ノズルの縦断面図
である。

【図３】図１に示す液体散布器の旋回部材の平面図であ
る。

【図４】液体噴出時の状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 固定ノズル、２ 旋回部材、３ ワッシャ、４ ナ
ット、５ ベース、６ケーシング、７ ホース取付け
部、８ ノズル本体、８ａ 噴出口、９ 取付軸、１０
下プレート、１０ａ 取付け孔、１１ 上プレート、
１２ 回転羽根、１２ａ 曲線部、１２ｂ 直線部、１
３ 閉塞プレート、１４ 貫通孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の噴出口を備えた固定ノズルと、該
   固定ノズルに旋回可能に取付けられた旋回部材とからな
   り、前記旋回部材は前記噴出口から噴出された噴出液に
   よって前記旋回部材を旋回させる回転羽根を備えている
   ことを特徴とする液体散布器。