JPH0641652Y2 - 背負式動力噴霧機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、背負うことができる薬液タンク内に設けたポ
ンプケースのインペラをタンク下方のエンジンにより駆
動できるようにして構成した背負式動力噴霧機に関す
る。

［従来の技術］ 従来、薬剤タンクの下方側にモータなどを吊下状に連設
してファンを駆動するような構造のものは、例えば、実
公渉59-28690号公報に見られるように知られている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、そのような構造では、ファンケースも薬
剤タンクの下方側に連設することになるので、支持構成
が必要となって複雑で、しかも大形化する構造になって
しまい、また、そのような構造と同様な動力噴霧機にし
た場合には、液洩れが発生しやすい構造になってしま
う、といった問題点を呈している。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、そのような問題点を課題として解決するとと
もに、エンジンによる振動を低減させて良好に背負うこ
とができるようにしたものであり、そのため、背負うこ
とができる薬液タンク内の底面上には、吐出口および吸
込口に連通するとともにインペラを内装したポンプケー
スを固設し、薬液タンクの底面下方側に吊下状に連設し
たエンジンの回転軸を前記ポンプケース内に延出すると
ともに前記インペラを装設して構成したものである。

［作用］ したがって、ポンプケースを薬液タンク内の底面上に固
定するととともに、エンジンをタンク下方にに吊下状に
連設したので、小形化したコンパクト構造にすることが
でき、液漏れも少なくして良好にポンプ駆動できること
になり、また、薬液タンク自体が防振体となってエンジ
ンの振動を減殺しながら良好に背負って作用できること
になる。

［実施例］ 次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図は背負式動力噴霧機全体の側面図を示し、上方に
開閉蓋（10）を有する大形の薬液タンク（１）の下部両
側からは幅狭の側板（11）（11）を垂設するとともに、
両側板（11）の下部がベース（12）の両側に一体的に連
設されるようにその全体を合成樹脂材により形成し、薬
液タンク（１）の背面下部からベース（12）の後方にか
けて背当て（13）を張設し、薬液タンク（１）の背面側
と両側板（11）の下部後方との間に両肩掛けバンド（1
4）をそれぞれ連繋して構成する。

前記薬液タンク（１）内の底面（1a）上には、上ケース
（5a）と下ケース（5b）とからなるポンプケース（５）
を固設するが、下ケース（5b）の下面とタンク底面（1
a）との間にＯリング（15）を介装し、薄形となるケー
ス（８）の下面には、リコイルスタータ部（16）および
始動用ノブ（17）やマフラー（18）等を有するエンジン
（Ｅ）の上面を接触させて各ねじ（19）により固定し、
ケース（８）の外周上面をタンク底面（1a）の下面にＯ
リング（20）を介装して接合するとともに、各ボルト
（21）を前記ポンプケース（５）からタンク底面（1a）
を通しケース（８）に螺挿してエンジン（Ｅ）をタンク
底面（1a）の下方に吊下状に連設して構成する。

また、前記ポンプケース（５）にはインペラ（４）を内
装するが、ポンプケース（５）の外周吸込側にはタンク
内に位置するストレーナ形の吸込口（３）を連通連設
し、ポンプケース（５）の外周吐出側より延出する吐出
管（2a）を、その先端の吐出口（２）がタンク外方に開
口するようにタンク周壁に嵌装してナット（22）により
固定する。また、前記エンジン（Ｅ）の上方に垂直に延
出してポンプケース（５）内に位置する回転軸（６）の
上端部には前記インペラ（４）を装設し、前記回転軸
（６）が貫通する前記下ケース（5b）の部位にはオイル
シール（23）を嵌装し、該オイルシール（23）の下方側
で前記ケース（８）内にのぞむ回転軸（６）の中間部に
は円板状の板体（９）を固設し、前記ケース（８）の外
周寄り底面に形成した下向きの排液口（７）からはホー
ス（7a）を垂設して構成する。

前記吐出口（２）には噴霧管を連通連設して構成する。

なお、前記エンジン（Ｅ）の下面側とベース（12）上と
の間に支持部材を介装して構成することもできるもので
ある。

したがって、両肩掛けバンド（14）を両肩にかけて背負
いながら防除作業を行うことになるが、薬液タンク
（１）の底面（1a）下方にエンジン（Ｅ）を直結状にし
て吊設したので、薬液タンク（１）自体が防振体となっ
てエンジン（Ｅ）による振動を吸振できることになり、
作業者は快適に作業を行なうことができることになる。

作業時には、回転軸（６）によりインペラ（４）を回転
させながら、薬液タンク（１）内の薬液を吸込口（３）
から吸入するとともに吐出口（２）から吐出して噴霧さ
せることになるが、ポンプケース（５）は薬液タンク
（１）内の底面（1a）上に固設したので、ポンプケース
（５）から機外に洩液することは防止できることにな
り、また、オイルシール（23）から僅かながら漏液する
と、エンジン（Ｅ）側にかからないように板体（９）に
よりケース（８）内に跳ね飛ばし、ケース（８）内から
排液口（７）を通してホース（7a）により支障なく機外
に排出できることになる。

［考案の効果］ このように本考案は、インペラ（４）を内装したポンプ
ケース（５）を薬液タンク（１）内の底面（1a）上に固
定するとともに、インペラ（４）を駆動するエンジン
（Ｅ）をタンク下方に吊下状に連設したので、ポンプケ
ース（５）を内装して下方にエンジン（Ｅ）を連設した
コンパクト構造にすることができるとともに、背負うこ
とになる全体を小形化することができることになり、ポ
ンプケース（５）を内装し液洩れが生じないようにして
良好にポンプ駆動ができることになり、また、エンジン
（Ｅ）を下方に連設するので該エンジン（Ｅ）からの振
動を薬液タンク（１）自体が吸収できて、防振状態で良
好に背負いながら軽快に作業できることになり、好適に
実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の断面図、第２図は
背負式動力噴霧機全体の側面図、第３図は一部を断面に
したその正面図を示す。 （１）……薬液タンク、（1a）……底面 （２）……吐出口、（３）……吸込口 （４）……インペラ、（５）……ポンプケース （６）……回転軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】背負うことができる薬液タンク（１）内の
   底面（1a）上には、吐出口（２）および吸込口（３）に
   連通するとともにインペラ（４）を内装したポンプケー
   ス（５）を固設し、前記薬液タンク（１）の底面下方側
   に吊下状に連設したエンジン（Ｅ）の回転軸（６）を前
   記ポンプケース（５）内に延出するとともに前記インペ
   ラ（４）を装設して構成したことを特徴とする背負式動
   力噴霧機。