JPH0641645Y2 - 静電塗装機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は静電塗装機に関する。さらに詳しくは、自動車
の塗装などに用いられる静電塗装機に関する。

［従来の技術］ 第２図には従来より用いられている静電塗装の要領が示
されている。（50）は被塗装物である自動車ボデーであ
り、アースされている。（60）は従来の静電塗装機であ
り、先端部（61）、中間部（62）および基端部（63）か
らなる。先端部（61）には塗料噴射機構が配置され、作
業中はこの部分に−８万〜−12万Ｖの高電圧がかけられ
るようになっている。中間部（62）にはカラーチエンジ
バルブ（64）などが内蔵され、そこからは塗料タンク
（図示されていない）に接続される複数の塗料ホース
（65）が延びている。基端部（63）には、高圧発生装置
（図示されていない）などへの接続機構や静電塗装機
（60）自体の支持機構が配置されている。（66）は先端
部（61）と中間部（62）とを電気的に絶縁する絶縁プレ
ート、（67）は中間部（62）と基端部（63）との間に介
装された中継プレートである。前記中継プレート（67）
は塗料供給ホース（65）を保持するものであり、材質は
アルミニウムまたは鉄などの金属材料が用いられてい
る。

塗装作業を行う際は、塗装機（60）の先端部（61）に負
の高電圧をかけ、塗料噴射機構から塗料を噴射させる。
そうすると、噴射された塗料が先端部周辺の高電圧によ
り負の電気を帯びて微粒化し、この塗料粒子が自動車ボ
デー（50）の正電気に引かれ、塗着する。

［考案が解決しようとする課題］ ところで静電塗装を行っているときは、周囲の空気も電
気を帯びるので、先端部（61）と中間部（62）との間を
絶縁プレート（66）で絶縁していても、中継プレート
（67）に負の電気が帯電することがある。

したがって、何らかのきっかけでスパークすると、溶剤
などの蒸気に引火して爆発するような事故を起しかねな
い。

本考案はかかる事情に鑑み、爆発などの事故を未然に防
止しうる静電塗装機を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案の静電塗装機は、先端部の高圧域に配置された塗
料噴射機構と、中間部の絶縁域に配置されたカラーチエ
ンジバルブを含む塗料供給機構と、基端部に配置された
高圧発生装置や塗料タンクへの接続機構および支持機構
と、先端部と中間部とを電気的に絶縁する絶縁プレート
と、中間部を覆う樹脂カバーと、中間部と基端部との間
に介装され、前記カラーチエンジバルブから延びる複数
の塗料供給ホースを保持するための中継プレートとから
なり、前記中継プレートが前記樹脂カバーとは別体の合
成樹脂製であることを特徴とする。

［作用］ 本考案においては、中継プレートが合成樹脂製であるの
で帯電せず、したがって中継プレートからスパークする
ことがない。

［実施例］ つぎに本考案の一実施例を第１図に基づき説明する。

第１図において、（Ａ）は本考案の一実施例であるベル
型回転霧化式静電塗装機であり、先端部（１）、中間部
（２）および基端部（３）からなる。先端部（１）には
ベルカップ（11）やシェーピング用エアリング（12）、
エアーモータ（13）、シュラウド（14）などからなる公
知の塗料噴射機構が配置されている。またこの部分は基
端部（３）を介して高圧発生装置（図示されていない）
に接続され、塗装作業中は−８万〜−12万Ｖ程度の負の
高電圧がかかるようになっている。

（15）は先端部（１）の中間部（２）とを電気的に絶縁
する絶縁プレートである。この絶縁プレート（15）で絶
縁している結果、先端部（１）は高圧域であるが、中間
部（２）は絶縁域となっている。

中間部（２）には、公知の塗料供給機構、たとえば複数
のバルブを組合せたカラーチエンジバルブ（16）が配置
されている。このカラーチエンジバルブ（16）からは複
数の塗料供給ホース（17）が延びており、それぞれのホ
ース（17）の途中は中継プレート（18）で支持されてい
る。（19）は絶縁ブッシュである。

基端部（３）には公知の接続機構や支持機構が配置され
ている。また（20）はシュラウド（14）を前後進させる
ためのエアシリンダである。

前記中継プレート（18）は非帯電性のある合成樹脂製で
あればよく、たとえばポリプロピレンや塩化ビニルなど
を用いうる。そして、この中継プレート（18）は、中間
部（２）を覆う樹脂カバー（21）とは別体の物となって
いる。したがって、中間部（２）は絶縁プレート（15）
と、中継プレート（18）と、樹脂カバー（21）とで覆わ
れる絶縁域となっている。

本考案の静電塗装機（Ａ）では、中継プレート（18）が
非帯電性のある合成樹脂製であるので、塗装作業中に先
端部（１）の周囲の空気が帯電しても、中継プレート
（18）に帯電することがない。

［考案の効果］ 本考案では、中継プレートが帯電しないので、人が近づ
いたりしてもスパークを発生することがなく、そのため
爆発などの危険を減少させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例にかかわる静電塗装機の横断
面図、第２図は静電塗装方法と従来の塗装機の説明図で
ある。 （図面の主要符号） （１）：先端部 （２）：中間部 （３）：基端部 （16）：カラーチエンジバルブ （17）：塗料供給ホース （18）：中継プレート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先端部の高圧域に配置された塗料噴射機構
   と、中間部の絶縁域に配置されたカラーチェンジバルブ
   を含む塗料供給機構と、基端部に配置された高圧発生装
   置や塗料タンクへの接続機構および支持機構と、先端部
   と中間部とを電気的に絶縁する絶縁プレートと、中間部
   を覆う樹脂カバーと、中間部と基端部との間に介装さ
   れ、前記カラーチェンジバルブから延びる複数の塗料供
   給ホースを保持するための中継プレートとからなり、前
   記中継プレートが前記樹脂カバーとは別体の合成樹脂製
   であることを特徴とする静電塗装機。