JPH0641541Y2

JPH0641541Y2 - 吸収性物品

Info

Publication number: JPH0641541Y2
Application number: JP7546189U
Authority: JP
Inventors: 隆俊小林
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1989-06-27
Filing date: 1989-06-27
Publication date: 1994-11-02
Anticipated expiration: 2004-06-27
Also published as: JPH0315511U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、吸収性物品に関するものであり、更に詳しく
は、横漏れ、後漏れを完全に抑制することができる生理
用ナプキンに関するものである。

〔従来の技術〕

従来から、一般に使用されている吸収性物品（生理用ナ
プキン）の基本構造は、液透過性の表面材と、液不透過
性の防水材と、これら両者間に介在する吸収体を備えて
構成され、実質的に縦長に形成されたものである。そし
て、このような生理用ナプキンとしては、吸収性能が良
いこと、いかなる状態においても漏れないこと、吸収さ
れた経血が戻らず、使用時の違和感がなく快適なことな
どが強く要求されつつある。

そのため、従来の生理用ナプキンとしては、その吸収体
としての液吸収機能及び液保持機能を高めた高吸収性ポ
リマーを用いたもの、あるいは該吸収体の形状を使用者
の体形に近似させて使用感の向上を図ったものなどが提
案されている。例えば、パルプ吸収体内に曲げ抵抗力が
ある弾性材料を配置させたもの（実開昭59-190235号公
報、実開昭60-58131号公報等）、あるいは、非吸収体面
側に弾性回復性のある発泡シートを設けるなどして、吸
収速度に優れたパルプに弾性回復性を付与して保型し、
使用時における防漏性を高めるようにしたものが提案さ
れている。

（実開昭55-89423号公報、実開昭59-190233号公報
等）。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記各公報に記載の生理用ナプキンは、
確かに、身体の動きにより吸収体の幅方向の変形を防止
することができ、その結果、吸収体幅を常に一定に維持
することができ、横漏れを抑制することができる反面、
身体の複雑な形態に追随し得ず、使用時に隙間を発生す
ることが多く、液漏れを確実に防止することができず、
また、保型用の弾性体の抵抗力が身体に加わり使用者に
不快感を与えるなどの課題があった。

従って、本考案の目的は、使用感に優れ、股間部の形態
に応じて変形して、確実に液漏れを防止することができ
る吸収性物品を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、液透過性の表面材、液不透過性の防水材及び
これら両者の間に介在する吸収体を有する吸収性物品に
おいて、傾斜部を有する一対の保型片を、それぞれの傾
斜部の高い側を外側に位置させて非肌当接面の長手方向
の両側近傍部にそれぞれ固定すると共に、上記傾斜部そ
れぞれの表面に衣服に固定可能な粘着剤層を設けたこと
を特徴とする吸収性物品を提供することにより上記目的
を達成したものである。

〔作用〕

本考案によれば、使用時に保型片の傾斜部が非肌当接面
と、各同一平面を形成すると共に、両側部を肌側に持ち
上げて凹部を形成して、吸収した経血を凹部に封塞す
る。

〔実施例〕

以下、第１図乃至第４図に示す実施例に基づいて本考案
を説明する。尚、各図中、第１図は本考案の吸収性物品
の第１実施例である生理用ナプキンの非肌当接面側を示
す平面図、第２図は第１図におけるII−II線断面図、第
３図は第１図に示す生理用ナプキンの使用状態を示す第
１図相当図、第４図は本考案の吸収性物品の第２の実施
例である生理用ナプキンに用いられる保型片を示す横方
向断面図である。

本考案の吸収性物品の第１の実施例の生理用ナプキン１
は、その平面形状が第１図に示す如く縦長の略矩形状に
形成され、肌に当接しない面（非肌当接面）の長手方向
両側近傍部の稍々前方に偏倚させて接着剤によって固定
された後述する一対の縦長形状の保型片２を備えてい
る。

上記生理用ナプキン１は、例えば、第２図に示す如く、
不織布あるいは開口部を有するポリエチレン等のフィル
ムからなる液透過性の表面材３と、ポリエチレンなど極
薄の合成樹脂フィルムあるいは該フィルムが紙にラミネ
ートされた防水材４と、これら両者３、４の間に介在す
る解繊パルプあるいは高吸収性ポリマー等からなる縦長
矩形状の吸収体５とを有して構成されている。

即ち、上記吸収体５は、第２図に示す如く、一方の表面
から他方の表面の周縁部に亘って防水材４が被覆され、
該周縁部の内側全面には防水材４に連設された吸収紙６
が被覆され、該吸収紙６を介して経血を吸収するように
なされている。

また、上記防水材４及び上記吸収紙６によって被覆され
た吸収体５全面に上記液透過性の表面材３が被覆されて
いる。

また、上記の非肌当接面には、上述の如く、一対の保型
片２、２が平行させて固定されている。該保型片２は、
第２図に示す如く、横方向断面形状が傾斜部2Aを有する
略直角三角形に形成されており、該傾斜部2Aの高い側を
外側に位置させて非肌当接面の長手方向の両側近傍部に
設けられている。更に、該傾斜部2Aの表面には、上記生
理用ナプキン１をショーツ８等の衣服に固定可能な粘着
剤層が設けられている（第３図参照）。

また、上記保型片２は、上記生理用ナプキン１の長手方
向両側近傍部であって使用時に股間部空間の変化が激し
い前端部側へ偏倚させて配置されており、その好ましい
配置位置は、該生理用ナプキン１の大きさにより変化す
るため一概に規定されるものではないが、吸収体５の長
さが200mm、その幅が70mm程度の普通型ナプキンでは、
その前端から保型片２の前端まで距離L₁が30mm〜80mmの
範囲にあることが好ましく、35mm〜50mmがより好まし
い。更に保型片２、２間の間隔W₂が20〜60mmの範囲にあ
ることが好ましく、25mm〜50mmがより好ましい。

上記保型片２の長手方向の長さL₂は、20〜90mmの範囲に
あることが好ましく、40〜80mmがより好ましい。また、
該保型片２の均一幅を有する部分の長手方向長さL₃は、
20〜90mmの範囲にあることが好ましく、30〜70mmがより
好ましい。また、非肌当接面に接着される面の幅W₃は、
２〜20mmの範囲にあることが好ましく、５〜10mmがより
好ましい。

而して、上記保型片２は、弾性回復性のある材料である
ことが好ましく、例えば、ポリオレフィン、ポリウレタ
ン等を発泡させた発泡体、あるいは不織布等の剛性が高
くて弾性復元性を有する材料であることが好ましく、安
全性、コスト等を考慮すれば、ポリオレフィン、不織布
がより好ましく、ポリエチレンが更に好ましい。

また、上記発泡体の発泡形態としては、独立発泡、連通
発泡のいずれであっても良く、独立発泡がより好まし
い。

また、上記保型片２の圧縮抵抗性は、そのＫ値が0.15cm
³/g以上が好ましく、0.2〜2.0cm³/gの範囲であることが
より好ましい。尚、Ｋ値とは、初期の厚さhoを任意の厚
さｈまで圧縮するために必要な圧力Ｐをいい、Ｋ、ho、
ｈ及びＰの間にはｈ＝hoP^-kなる関係が成立する。Ｋ値
が0.15cm³/g以下では保型片２の追随性に劣り、使用時
に身体との間に隙間を生じて好ましくなく、2.0cm³/gを
超えると使用時に異物感を与え好ましくない。

また、保型片２の高さｈは、2mm以上が好ましく、２〜1
0mmの範囲にあることが好ましく、３〜7mmがより好まし
い。

また、上記保型片２の傾斜部2Aの粘着剤層は、例えば、
粘着性ホットメルト等のようにショーツ８等の衣服に固
定可能な粘着剤を塗布することによって形成され、ま
た、上記粘着剤の塗布された両面テープが貼着されて形
成される。

次に、上記生理用ナプキン１の使用態様を第３図に基づ
いて説明する。

上記生理用ナプキン１の使用時に、第３図に示す如く、
生理用ナプキン１を、一対の保型片２、２の傾斜部2Aの
粘着剤層７でショーツ８に粘着して固定して着用する
と、生理用ナプキン１の長手方向の両側部が持ち上がっ
て、各保型片２、２の傾斜部2A、2Aが非肌当接面と略同
一面を形成するように変形して肌に密着するように生理
用ナプキン１に長手方向の凹部を形成し、経血を該凹部
から効果的に吸収して吸収体５内に保持すると共に該凹
部の側壁で経血に漏れを防止する。

本考案の第２の実施例の生理用ナプキン１は、保型片２
の形態を異にする以外、全て第１の実施例と同様に構成
されている。

本実施例の生理用ナプキン１に用いられる保型片２は、
第４図に示す如く、シートを断面Ｖ字状に形成したもの
で、一方の面が傾斜部2Aとして形成したもので、一方の
面が傾斜部2Aとして形成され、他方の面が非肌当接面へ
の接着面として形成され、第１の実施例と同様、傾斜部
2Aの高い側を外側に位置させて非肌当接面に接着、固定
される、その取り付け位置、寸法等についても第１の実
施例と同様に構成されている。

上記保型片２の材料としては、発泡性シートまたは不織
布が好ましく、発泡性シートの材質としては、ポリオレ
フィン類、ポリウレタン類が好ましく、安全性、コスト
等を考慮するとポリオレフィンよりが好ましく、特にポ
リエチレンが好ましい。

上記シートは、剛軟度が5g・cm以上の曲げモーメントを
有することが好ましく、５〜70g・cmの範囲にあること
がより好ましく、15〜50g・cmがより好ましい。該剛軟
度が5g・cm未満では保型片２の追随性に劣り、使用時に
身体との間に隙間を生じて好ましくなく、70g・cmを超
えると使用時に異物感を与え好ましくない。

尚、上記各実施例では、保型片２ついては、断面形状が
略直角三角形のもの、Ｖ字状のものについてのみ説明し
たが、本考案の保型片はこれらに限定されるものではな
く、傾斜部を有しその高い側を外側に位置させて非肌当
接面の長手方向の両側近傍部に固定でき、その表面に衣
服に固定可能な粘着剤層を設けることのできるものであ
れば良い。

〔考案の効果〕

本考案の吸収性物品は、傾斜部を有する一対の保型片
を、それぞれの傾斜部の高い側を外側に位置させて非肌
当接面の長手方向の両側近傍部にそれぞれ固定すると共
に、上記傾斜部それぞれの表面に衣服に固定可能な粘着
剤層を設けてあるため、股間部の形態に応じて変形し、
使用感に優れ、確実に液漏れを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の吸収性物品の第１実施例である生理用
ナプキンの非肌当接面側を示す平面図、第２図は第１図
におけるII-II線断面図、第３図は第１図に示す生理用
ナプキンの使用状態を示す第１図相当図、第４図は本考
案の吸収性物品の第２の実施例である生理用ナプキンに
用いられる保型片を示す横方向断面図である。 1;生理用ナプキン、2;保型片 3;表面材、4;防水材 5;吸収体、7;粘着剤層

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】液透過性の表面材、液不透過性の防水材及
びこれら両者の間に介在する吸収体を有する吸収性物品
において、傾斜部を有する一対の保型片を、それぞれの
傾斜部の高い側を外側に位置させて非肌当接面の長手方
向の両側近傍部にそれぞれ固定すると共に、上記傾斜部
それぞれの表面に衣服に固定可能な粘着剤層を設けたこ
とを特徴とする吸収性物品。
【請求項２】上記保型片が、上記長手方向中心より前方
に位置していることを特徴とする実用新案登録請求の範
囲第（１）項記載の吸収性物品。
【請求項３】上記保型片が、弾性体であることを特徴と
する実用新案登録請求の範囲第（１）または（２）項記
載の吸収性物品。