JPH064151B2 - 防水工法 - Google Patents

防水工法

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JPH064151B2
JPH064151B2 JP4643688A JP4643688A JPH064151B2 JP H064151 B2 JPH064151 B2 JP H064151B2 JP 4643688 A JP4643688 A JP 4643688A JP 4643688 A JP4643688 A JP 4643688A JP H064151 B2 JPH064151 B2 JP H064151B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高濃度のポリマーアスファルトエマルジョン
を使用した常温施工の防水工法に関し、特に、従来のこ
の種防水工法に比べて、防水層の耐水性、耐候性等にす
ぐれ、且つ防水層のふくれの発生がない防水工法に関す
るものである。
従来、土木防水、建築防水等における常温施工の防水工
法として、ゴムアスファルトエマルジョンを凝固液と共
に防水施工面に吹付け、瞬時にゴムアスファルトエマル
ジョンを凝固させて防水施工面上にゴムアスファルト塗
膜を形成する防水工法が実施されている。例えば、アス
ファルトエマルジョンに合成ゴムラテックスを混合した
アニオン系ゴムアスファルトエマルジョンと塩化カルシ
ウム等の多価金属塩の水溶液とを、別々のノズルからエ
アースプレー方式で同時に防水施工面に向けて噴霧し、
両者の噴霧を防水施工面に到達する前に接触混合させる
ようにすることにより、防水施工面上にゴムアスファル
ト固体層を形成させるものである。この防水工法は、防
水施工面に1〜2回の吹付けで厚4〜6mm程度の塗膜を
形成できる作業の能率の良い工法である。しかしなが
ら、ゴムアスファルトエマルジョンの濃度(固形分)が
70重量%未満のもので、防水層形成の際に、ゴムアス
ファルトエマルジョンの凝固による流水がかなりみられ
る。防水層に部分的にふくれを生ずる。吹付材の飛散が
みられるなどの問題点があった。また、高濃度のゴムア
スファルトエマルジョンを用いる防水工法も知られてい
る。例えば、特公昭58−41107号公報がある。こ
の方法は、全固形分70重量%以上(通常80〜85重
量%)のゴムアスファルトエマルジョンと多価金属塩水
溶液とを、別個のエアレス型噴霧吹付機から同時に噴射
させて、防水施工面に到達する前に両者を接触混合させ
ることにより、防水施工面にゴムアスファルト固体層を
形成させるものである。この方法は、エアレス型噴霧吹
付機を使用するため、エアスプレー型吹付機に比べて吹
付材の飛散が少なく、また、吹付材が高濃度のため、ゴ
ムアスファルト固体層を形成する際に、吹付材の凝固に
よって発生する流出水が少なくなり、更にまた、ゴムア
スファルト固体層がふくれを生ずることもかなり改善さ
ているが、なおふくれの問題は残っている。
また、上述の方法は、いづれも吹付材に繊維、フィラー
等を混合していないため、施工面や施工後のゴムアスフ
ァルト固体層の強度、耐候性等の点で十分でない面があ
った。
例えば、吹付材を凝固液と共に吹付け、施工面にゴムア
スファルト固体層を形成する際にだれやずれを生じた
り、乾燥収縮によるずれを生ずる場合があり、更に、形
成されたゴムアスファルト固体層が屋外に曝露されたと
きに、だれ、ずれ、かたよったしわより、凝集力による
クラックの発生等を生ずる場合があり、また風化により
チョーキング(表面の粉化)の傾向もみられるなどの問
題点があった。
また、防水材、保護被覆材等として瀝青乳剤、ゴムアス
ファルトエマルジョン等に繊維状物質、フィラー等を混
合した組成物も知られている。これらを施工面に塗布、
乾燥して形成させた防水層は、強度、耐候性等が良好で
ある。しかし、繊維、フィラー等をかなり混合させるた
め乳化剤、安定剤等の量を多くし、貯蔵性、作業性等を
得ている。繊維、フィラー等の混合は、塗膜からの水分
の蒸発を容易にし、ふくれ発生の防止にも役立っている
が、一面では保水し、更には乳化剤、安定剤等のために
一度十分に乾燥させないと耐水性を発揮できない欠点を
持っている。とくに、貯水池等の水に長期浸漬されるよ
うな場所の防水では、塗膜を一度十分に乾燥させること
が必要であった。
また、その塗膜は、湿気のある施工面や湿度の高い場所
の施工面においては、乾燥に時間がかかる。また、1回
の塗布厚が厚いと、塗膜の表面の乾燥が進んでも内部の
乾燥がおくれ、さらに塗膜の乾燥時間がかかり、また、
塗膜にふくれが発生するなどの問題点があった。
本発明は、上述のゴムアスファルトエマルジョンによる
防水工法の問題点を解消するもので、施工性が良好で厚
塗りができ、塗膜にだれ、ずれ、ふくれの発生等がな
く、強度、耐水性、耐候性等の良好な防水層を形成でき
る防水工法を提供するものである。
そして、本発明の防水工法は、含水率30〜18重量%
のアニオン系ポリマーアスファルトエマルジョン100
重量部に長さ3〜15mmの繊維0.1〜2重量部を添加
混合した混合エマルジョン(A)と、混合エマルジョン
(A)を凝固するための凝固液(B)とを、別個のノズ
ルからエアスプレー方式で噴霧し、該混合エマルジョン
(A)と該凝固液(B)とが噴霧状態で混合接触するよ
うに吹付けて、防水施工面に繊維を内在させたポリマー
アスファルト層よりなる防水層を形成させることを特徴
とする防水工法を要旨とするものである。
本発明で、含水率30〜18重量%のアニオン系ポリマ
ーアスファルトエマルジョン(以下単にポリマーアスフ
ァルトエマルジョンという)と云うのは、次のようなも
のである。
即ち、ポリマーアスファルトエマルジョンは、アニオン
系の水中油滴型エマルジョンであって、水相にゴム粒
子、高分子重合体粒子等のようなポリマー粒子と、アス
ファルトおよびまたは改質アスファルト(アスファルト
にゴム、ポリマー等を混和して改質したアスファルト)
の粒子とが分散している含水率30〜18重量%のエマ
ルジョンである。そして、ポリマーアスファルトエマル
ジョンの固形分中のアスファルトとポリマーとの比率
は、アスファルト100重量部に大使、ポリマー15〜
50重量部のものである。
そして、ポリマーアスファルトエマルジョンは、例えば
次の方法で造ることができる。
(1)ゴムラテックスまたはゴムラテックスとビニール
ポリマー系ラテックスの混合ラテックスと、加熱溶融し
たアスファルトまたはアスファルトにゴム、ビニールポ
リマー等を混和した改質アスファルトとを乳化機を通し
て混合する方法によって造ることができる。
その方法に、2つの方法がある。一つは、ラテックスと
アスファルトまたは改質アスファルトをコロイドミル、
ハレルボモジナイザーのような乳化機に同時に通して混
合乳化する方法。他の一つは、ラテックス中にアスファ
ルトまたは改質アスファルトを添加混合して分散乳化す
る方法である。このいづれの方法によっても造ることが
できる。
(2)上記ポリマーアスファルトエマルジョンに、アス
ファルトエマルジョン、改質アスファルトエマルジョ
ン、ゴムラテックス、ビニールポリマー系ラテックスを
適宜添加混合する方法によって造ることができる。
上記のアスファルトには、ストレートアスファルト、セ
ミブローンアスファルト、プロパン脱歴アスファルト、
ブローンアスファルト等の石油アスファルト、レーキア
スファルト等の天然アスファルトの1種または2種以上
が用いられる。また、アスファルトにプロセスオイル、
潤滑油等のオイル、アンスラセンオイル、パイン油、ク
レオソート油等を少量添加して用いることもできる。ま
た、老化防止剤を添加することもできる。
上記のゴムラテックスとは、天然ゴムラテックス及び合
成ゴムラテックスである。合成ゴムラテックスには、ポ
リイソプレン、イソプレン・ブタジエン共重合体、スチ
レン・ブタジエン共重合体(低スチレン、中スチレン、
高スチレンを含む)、メタクリレートまたはアクリレー
トとブタジエンの共重合体、アクリルニトリルとブタジ
エンの共重合体、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、
ポリイソブレチン、ブチルゴム、ポリウレタン等のラテ
ックスである。また、これらはカルボキシル化したスチ
レン・ブタジェンゴムラテックスのように、カルボキシ
ル基やその他の官能基を導入したラテックスも含まれ
る。ビニールポリマー系ラテックスとは、酢酸ビニール
・アクリレートまたはメタアクリレート共重合体、酢酸
ビニール・エチレン共重合体、酢酸ビニール・脂肪酸ビ
ニルエステル共重合体、酢酸ビニールとマレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸等のジエステルの共重合体等のラ
テックス、アルキルメタクリレート・アルキルアクリレ
ート共重合体、スチレン・アルキルアクリレート共重合
体、エチレン・アルキルアクリレート共重合体、これら
の共重合体にカルボキシル基その他の官能基を導入した
共重合体等のラテックスである。
ゴムラテックスは、1種類使用することも2種類以上を
使用することもある。また、ビニールポリマー系ラテッ
クスと併用することも、併用しないこともある。併用す
るときは、一般にゴムラテックスとビニールポリマー系
ラテックスの混合比率を固形分でゴム:ビニールポリマ
ーの重量比率が100:100以下にすることが好まし
い。
改質アスファルトは、上述のアスファルトに上述のゴ
ム、ビニールポリマー等を混和したもので、通常アスフ
ァルト100重量部に対しゴム、ビニールポリマー等
0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜8重量部の割
合で混和される。
例えば、加熱溶融したストレートアスファルトにスチレ
ン・ブタジェンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソ
プレンブロック共重合ゴム、エチレン酢酸ビニール共重
合物、エチレン・アクリレート共重合物、ポリアクリレ
ート等の粒状物を添加混合し、溶融分散して混和するこ
とができる。
また、加熱溶融したストレートアスファルトに上記ゴム
ラテックス、ポリマーラテックス等を添加混合し、水分
を蒸発させて混和する方法、加熱溶融したストレートア
スファルトに部分加硫のゴム粉末を添加混合し、溶融分
散させて混和する方法、加熱溶融したストレートアスフ
ァルトにゴムとアスファルトおよびまたはオイルとの混
練マスターバッチを添加混合し、溶融分散させて混和す
る方法、加熱溶融したアスファルトにゴム溶液を添加混
和し溶剤を揮散させて混和する方法などで造ることがで
きる。改質アスファルトには、老化防止剤、オイル等を
添加することができる。
また、アスファルト、改質アスファルトの乳化や接着性
等を改善するために種々の添加剤を添加することができ
る。
アスファルトや改質アスファルトの乳化に当って、乳化
剤、分散剤、保護コロイド等を適宜使用することができ
る。これらは、アニオン系のものが主に使用される。ま
た、pH調節等のために、アルカリや塩等を添加すること
もできる。改質アスファルトを分散させているポリマー
アスファルトエマルジョンは、アスファルトを分散させ
ているポリマー・アスファルトエマルジョンに比べて塗
膜の耐候性が優れており、また、塗膜中の繊維との結合
性、ゴム、ポリマー粒子との造膜性が改善される。
本発明で使用する長さ3〜15mmの繊維とは、次のよう
なものである。
繊維は、ガラス繊維、人絹、ビニロン、サラン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等の
合成繊維、炭素繊維等である。石綿も使用可能だが発が
ん性の点で使用することは好ましくない。繊維は、フィ
ラメント、あるいは沢山の本数のフィラメントを集束剤
(例えばシラン)で集束したもの(例えばガラス繊維ス
トランド)を長さ3〜15mmに切断したものである。繊
維は、分散性の良いものがよい。糸のように繊維をあつ
めてよってあるものは好ましくない。ストランドは、集
束してあるため比較的量を多く混合してもからみ合わず
分散でき、吹付けの際は集束がこわれて個々のフィラメ
ントになって分散するので、良好な吹付けができる。繊
維の使用量は、繊維の種類、太さ、長さ、比重等によっ
てかわるが、一般にポリマーアスファルトエマルジョン
100重量部に対し0.1〜2.0重量部、好ましくは
0,2〜1.8重量部の範囲が良好である。繊維の混合
方法は、ポリマーアスファルトエマルジョンに繊維を添
加混合する方法がとられる。混合する際、消泡剤をポリ
マーアスファルトエマルジョンに加えるとよい。例え
ば、水中油滴型シリコンオイルエマルジョンの消泡剤が
ある。この消泡剤をポリマーアスファルトエマルジョン
における水分の0.0001〜0.2重量%、普通0.
01〜0.1重量%の量を添加する。消泡剤を加えるこ
とにより、ポリマーアスファルトエマルジョンに対して
繊維を加えるときに、空気を連行することがなく、ま
た、泡立ちもなく、繊維をむらなく混合分散させること
ができる。これは吹付材を吹付けるときに、吹付材の吐
出量を一様にし、また、繊維の分散が一様になるので、
吹付作業性がよく、塗膜の仕上り状態が良好になる。繊
維を添加することにより、吹付材の粘性が上るが、添加
量が少ないので吹付け作業に支障がなく、かえって吹付
材の飛散防止に役立っている。吹付作業で、吹付材の噴
霧粒子と凝固液の噴霧粒子とを混合接触させて吹付材を
凝固させたものは、繊維をともなって防水施工面に高圧
で吹付けられて圧着するため、飛散が少なくよく接着
し、だれ、ずれ等がなく、塗布厚を厚く吹付けることが
できる。垂直面や天井等でも良好に吹付けることができ
る。塗膜からの凝固水の離水も早く、乾燥性も良く、ふ
くれが発生しない。また、繊維は、ポリマーアスファル
ト固体層に内在して補強材となるので、防水層の強度、
耐候性を著しく向上させることができる。
繊維の長さは3〜15mmのものがよい。3mm未満のもの
も使用できるが、繊維によるだれ、ずれ防止、ふくれ防
止、補強効果(強度、耐候性、耐久性)を効果的に活用
するには、3mm以上が好ましい。3mm未満では、使用量
が多くなり、吹付作業性を悪くする。また、15mmをこ
えるときは、繊維の混合分散が悪く、繊維同志がからみ
やすくなり、吹付作業性を低下し、塗膜に繊維が一様に
分散されずむらをつくり、また、けばだちが生じて塗膜
が緻密でなくなる。
繊維の使用量が、ポリマーアスファルトエマルジョン1
00重量部に対し、0.1重量部未満では、吹付時の塗
膜のずれ、だれ防止、ふくれ防止、防水層の強度、耐候
性等の向上効果を発揮できない。2重量部をこえるとき
は、繊維の分散が悪く、塗膜にむらをつくり、またけば
だちを生じて塗膜が緻密でなくなる。
繊維と共にポリマーアスファルトエマルジョンに少量の
フィラーを併用して混合することもできる。その使用量
は、作業性、耐水性、耐候性等を減じない範囲とし、ポ
リマーアスファルトエマルジョンに対して5重量%以下
がよい。フィラーとしては、例えば、雲母粉、金属粉、
無水硅酸粉、クレー、タルク、ベントナイト、石粉、顔
料などがある。ほかに、コロイド硫黄、加硫剤、促進
剤、老化防止剤を添加することもできる。
本発明で使用される凝固液(B)は、ゴムラテックスや
ポリマーラテックス等のラテックス状態を瞬時に破壊す
るものが用いられる。これらは、例えば、塩化カルシウ
ム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩
化バリウム、硝酸バリウム、塩化アルミニウム、塩化
鉄、明ばんなど水溶性多価金属塩の水溶液が用いられ
る。通常1〜12重量%水溶液、好ましくは2〜10重
量%の水溶液が使用される。1重量%未満では、混合エ
マルジョン(A)の凝固がおそくなり、12重量%をこ
えるときは、凝固効果が良くても塩害のおそれがあり、
また、コスト高となる。
凝固液(B)には、多価金属塩のほかに、カチオン系界
面活性剤、カチオン系高分子凝集剤の1種または2種以
上を溶解させた水溶液を用いることができる。カチオン
系界面活性剤、カチオン系高分子凝集剤等(以下単に、
カチオン系界面活性剤等という)の併用は、吹付時にお
ける混合エマルジョン(A)の噴霧粒子と凝固液(B)
の噴霧粒子との混合接触を良くし、その凝固を助ける。
凝固液(B)中のカチオン系界面活性剤等は、繊維に吸
着して疎水化し、離水を容易にする。また、混合エマル
ジョン(A)中に含まれる安定剤、保護コロイド等と反
応して不溶化し、離水させる。従って吹付材における凝
固物の施工面に対する接着が良く、離水が早く、乾燥性
も良く、塗膜にふくれを生じないようにすることができ
る。また、繊維等は疎水化されるため、ポリマーアスフ
ァルト固体層との接着性、結合性が良好となり、塗膜の
耐水性、防水性が著しく向上するので、繊維の補強効果
と共に、防水層の強度、耐候性が良好になるなどの優れ
た効果を発揮することができる。
カチオン系界面剤としては、例えば、次のようなものを
用いることができる。長鎖アルキル基を有する脂肪族あ
るいは脂環族のモノアミン、ジアミン、トリアミン、ア
ミドアミン、ポリアミノエチルイミダゾリン、長鎖ヒド
ロキシアルキルジアミン、ロジンアミン、これらアミン
類の酸化エチレン付加物、アミンオキサイド等、これら
のアミン系界面活性剤に塩酸、スルファミン酸、酢酸な
どの酸を作用させた水溶性ないし水分散性の塩、これら
のアミン界面活性剤の第4級アンモニウム塩等である。
また、カチオン系高分子凝集剤には、例えば、ポリジア
ルキルアミノアルキルアクリレート(メタクリレー
ト)、ポリアミノメチルアクリルアミド、ポリビニルピ
リジウム塩、ポリジアリルアンモニウム塩、ポリビニル
イミダゾリン、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリ
アクリルアミドのカチオン性変性物、カチオン性共重合
物、キトサン等が用いられる。
これらのカチオン系界面活性剤やカチオン系高分子凝集
剤を併用するときは、上記多価金属水溶液に対し、カチ
オン系界面剤、カチオン系高分子凝集剤等を大体0.0
1〜0.3重量%の範囲で添加する。一般に0.01重
量%未満では、上述の添加効果が発揮できなくなり、ま
た、0.3重量%をこえるときは、添加効果は良好でも
コスト高となる。
本発明の防水工法では、混合エマルジョン(A)と凝固
液(B)とを別個のノズルからエアスプレー方式で噴霧
し、両者の噴霧粒子を空中で混合接触させるが、両者の
混合比率は、容積比で、混合エマルジョン(A):凝固
液(B)が3〜10:1を標準とし、通常は4〜8:1
の範囲である。
次に吹付方式について説明する。
本発明では、エアスプレー方式を用いる。即ち、混合エ
マルジョン(A)が繊維を含むため、エアスプレー方式
が適している。吹付けには、一般に、2個のノズル(2
頭ノズルあるいは2頭式)を具備する吹付スプレーガン
を用いるか、3個のノズル(3頭ノズルあるいは3頭
式)を具備する吹付スプレーガンを用いて混合エマルジ
ョン(A)と凝固液(B)とを同時に噴射する。2個の
ノズルのときは1個のノズルから混合エマルジョン
(A)を、他のノズルから凝固液(B)を噴射し、3個
のノズルのときは、1個のノズルから混合エマルジョン
(A)を、他の2個のノズルから凝固液(B)を噴射す
る場合と、2個のノズルから混合エマルジョン(A)
を、他の1個のノズルから凝固液(B)を噴射する場合
とがある。
本発明で使用するエアスプレー方式の1例を、図によっ
て説明する。図は2頭ノズルを有する吹付スプレーガン
を使用したエアスプレー方式の概要図である。図におい
て(1)は吹付主材貯槽、(2)は吹付主材貯槽(1)
に供給された混合エマルジョン(A)(以下、主材とい
う)である。(3)は吸込管、(4)は主材圧送用のイ
ンジェクションポンプ、(5)は高圧ホース、(6)は
コック、そして(7)は主材用スプレーガンである。主
材用スプレーガン(7)の先端中央に主材の吐出ノズル
(8)が開口しており、主材の吐出ノズル(8)の周囲
には高圧エアを吹出すエア吹出口(9)が設けられてい
る。(10)はエアコンプレッサー、(11)はエアホ
ース、(12)はコック、(13)は逆止弁、そして
(14)はコックである。エアコンプレッサー(10)
で造られた高圧エアーは、エアホース(11)を経て、
スプレーガン(7)に送られ、エア吹出口(9)から吹
出すことができる。(15)は凝固液貯槽、(16)は
凝固液貯槽(15)に供給された凝固液(B)、(1
7)は吸込管、(18)は凝固液を圧送するための圧送
ポンプである。(19)は高圧ホース、(20)はコッ
ク、(21)は凝固液用スプレーガンである。(22)
はそのノズルである。また、エアホース(11)から分
岐したエアホース(23)が高圧ホース(19)に連結
し、エアホース(23)にはコック(24)と逆止弁
(25)が設けられている。凝固液(16)は圧送ポン
プ(18)により高圧ホース(19)に供給され、その
中間において高圧エアの供給を受けて混合し、凝固液用
スプレーガン(21)に送られ、ノズル(22)から噴
霧される。主材(2)は、インジェクションポンプ
(4)により圧送、高圧ホース(5)を通り、主材用ス
プレーガン(7)に圧送され主材の吐出ノズル(8)か
ら噴出されエア吹出口(9)からの高圧エアにより霧状
に噴射される。主材用スプレーガン(7)からの主材噴
霧粒子と凝固液用スプレーガン(21)からの凝固液噴
霧粒子とが空中で混合接触できるように、主材の吐出ノ
ズル(8)と凝固液のノズル(22)との噴射方向が互
に角度を以て配設してある。これら主材の吐出ノズル
(8)と凝固液のノズル(22)との位置関係は何れの
ノズルが上位になっても下位になっても、また、左側に
なっても右側になってもよく、両者の噴霧粒子が防水施
工面(26)の大略10cm〜数10cm程度手前で混合接
触するように配設されればよい。なお、これらノズルの
位置を決定するに際しては、ノズルの開口位置を前後に
ずらして配設することもできる。また、主材の噴霧角度
よりも凝固液の噴霧角度を拡げておくと両者の混合接触
を効果的に行なうことができる。吹付け作業の終了時に
は、各スプレーガンに洗浄液を通すなどして洗浄してお
くとよい。(27)は主材が分散凝固して形成した塗膜
(繊維を内在させたポリマーアスファルト固体層)であ
り、防水施工面(26)に結合している。
本発明の防水工法は、主材と凝固液とを多頭式吹付けス
プレーガンを用い噴霧し、両者を噴霧状態で混合接触さ
せて吹付けるので主材は瞬時に凝固を始め、それが防水
施工面に高圧で圧着される。この主材の凝固粒子は、含
有する繊維のために、はねかえりや飛散がなく、防水施
工面に効果的に接着して塗膜を形成する。従って、厚塗
りが容易で、だれやずれが全くみられない。また、塗膜
からすみやかに離水がはじまり、乾燥が早い。しかも、
乾燥工程中の収縮のためのずれ、ひきつれ等がなく、ま
た、ふくれの発生がなく、スムースに塗膜の防水層を造
ることができる。また、形成された防水層は、繊維を入
れてないものに比べて、屋外曝露中に塗膜のふくれ、塗
膜のずれを生じず、チョーキングも少なく、しわよりや
クラックが発生せず、塗膜状態が良好であり、耐候性に
すぐれている。
次に本発明の防水工法の作用効果について説明する。
(1)吹付け主材として、高濃度ポリマーアスファルト
エマルジョンに適切な長さ(3〜15mm)と量(0.1
〜2重量%)の繊維を混合した混合エマルジョンを使用
することにより、エアスプレー方式における吹付け作業
性を良好に保つと共に、繊維添加効果を十分に発揮させ
ている。
すなわち、混合エマルジョンの噴霧粒子が凝固液の噴霧
粒子と混合接触して瞬時に凝固するときに、その凝固す
るポリマーアスファルト粒子は、繊維を伴って凝固する
ので、これが高圧で防水施工面に吹付けられても、その
繊維の存在が飛散防止に役立ち、また、防水施工面への
塗れ、付着、結合性を良くする。また、繊維が長かった
り量が多いと、繊維のために、表面がけばだつが、本発
明ではそのようなことがない。そして、スムースに塗膜
でき、一度に厚く吹付けができ、だれ、ずれ等がないの
で、垂直面、天井面等への施工ができる。
しかも、防水施工面に吹付けられた塗膜から凝固の際に
分離する水は、水滴となって塗膜表面に出てくるが、高
濃度ポリマーアスファルトエマルジョンを用いるために
流出水が少なく、塗膜中の水分の離水、水分の蒸発は、
繊維を通して行なわれるので、乾燥が早く、塗膜にふく
れを生じない。乾燥により膜厚方向に収縮し、耐水性の
防水層を形成するが、乾燥中に塗膜がずれたり、かたよ
ってひきつれることがなく、一様な厚さの防水層を形成
できる。本発明の防水工法による防水層を屋外に約2年
間曝露した結果は、ふくれがなく、また繊維の補強効
果、応力緩和効果によりしわより、づれ、クラック等が
全くみられない良好な状態を保ち、さらに、表面のチョ
ーキングが少ない等、耐候性が良好であった。一方繊維
を混合しない高濃度ポリマーアスファルトエマルジョン
による防水層では、部分的にふくれの発生が見られ、ま
た、表面の硬化により凝集力が働いたものと見られる亀
甲状のしわよりが見られ、さらに部分的にひきつれを生
じている。また、表面にチョーキングがみられる。また
本発明の防水工法による防水層へのセメントモルタルの
付着も良好である。
(2)本発明の防水工法において使用する高濃度ポリマ
ーアスファルトエマルジョンとして、ラテックスに改質
アスファルトを乳化させた高濃度ポリマーアスファルト
エマルジョンを使用することにより、よりすぐれた耐候
性、耐久性の防水層を形成することができる。すなわ
ち、防水層におけるポリマー粒子と改質アスファルト粒
子による粒子の結合性、ポリマーアスファルトと繊維の
結合性、アスファルトの耐候性が改善されるためであ
る。
(3)本発明の防水工法において使用する凝固液とし
て、多価金属塩水溶液にカチオン系界面活性剤、カチオ
ン系高分子凝集剤を添加したものを使用することによ
り、上述の効果に加えて、繊維等を疎水化し、また、高
濃度ポリマーアスファルトエマルジョン中の安定剤、保
護コロイド等を不溶化、疎水化するため防水層の耐水
性、防水性、耐候性、耐久性が更に向上する。
(4)本発明の防水工法により形成された防水層の上
に、必要に応じて、トップコートかセメントモルタルの
押えを施することができるが、繊維の存在は、これらの
接着を良好にする。
本発明の防水工法は、叙上のようにすぐれた作用効果を
有するため、ビルの屋上防水、厨房、浴室、地下壁体、
床面、貯水槽等建築全般の防水のほか、地下鉄、共同
溝、随道、地下道、用水路、貯水池、上下水道施設、堤
防、ダム、橋梁等の土木分野の防水にも活用できる。そ
のほか、防湿、防蝕、防気、緩衝保護、劣化防止、防
音、防振等の目的で用いることができる。例えば、サイ
ロ、倉庫の防湿、防気被覆、冷凍、冷蔵倉庫の防湿、住
宅の床下の防湿、タンク、パイプ類の防蝕、保護、コン
クリート構造物の劣化防止防水保護、コンテナー類の防
蝕、防湿、緩衝被覆保護、発泡断熱材などの防蝕、防
湿、緩衝被覆などに使用することができる。
次に本発明の実施例について説明する。
実施例1 アニオン系スチレン・ブタジエンゴムラテックス(固形
分50重量%)78重量部とアニオン系アクリル酸エス
テル共重合体ラテックス(固形分50重量%)22重量
部との混合ラテックス100重量部に、半硬化牛脂肪酸
カル石鹸(固形分90重量%)1重量部を加え溶解し、
約35℃にしたものと、120〜130℃に加熱溶融し
たストレートアスファルト(針入度(25℃)80〜1
00)130重量部とを乳化機で混合して、含水率22
重量%のアニオン系ポリマーアスファルトエマルジョン
を得る。このポリマーアスファルトエマルジョン中の固
形分中のアスファルト100重量部に対するポリマー量
(ゴム量とアクリル酸エステル共重合体量との和)は約
38重量部である。このポリマーアスファルトエマルジ
ョン100重量部に対してシリコーンオイルエマルジョ
ン0.05重量部を添加混合したものに、耐アルカリ性
ガラス繊維チョップストランド(旭硝子製)を、その繊
維の長さが夫々3mm、6mm、13mmおよび19mmのもの
を0.05〜2.5重量部の範囲で混合して混合エマル
ジョン(A)とし、塩化カルシウムの7重量%水溶液を
凝固液(B)として2頭式吹付スプレーガンを用いエア
スプレー方式で垂直のセメントモルタル壁面に吹付実験
を行った。混合エマルジョン(A)と凝固液(B)の混
合割合は容積比で5:1であった。
混合エマルジョン(A)の吹付量は、1m2当り約5kg
で、厚さ約4mmの繊維を内在させたポリマーアスファル
ト固体層よりなる防水層を形成させた。混合エマルジョ
ン(A)の吹付圧力は5kg/cm2、凝固液(B)の吹付
圧力は7kg/cm2、エア圧力は7kg/cm2に調節された。
混合エマルジョン(A)の噴霧粒子と凝固液(B)の噴
霧粒子とが壁面の50cm手前で混合接触するようにして
吹付けた。塗膜形成時のずれやだれ、ふくれを観察し、
また屋外曝露の2年の防水層の状態を観察した。塗膜形
成時の観察では、繊維長さ3mmでは、0.05重量部
で、塗膜にだれ、ずれがみられ、またふくれが部分的に
発生した。0.1重量部で、だれ、ずれはみられない
が、ふくれが部分的に発生した。0.3重量部から2.
0重量部では、だれ、ずれ、ふくれの発生がなく良好で
あった。2.5重量部では、だれ、ずれ、ふくれの発生
はないが、繊維のけばだち、むらがあらわれ、表面を押
えないとややポーラスな層を造る。繊維長さ6mm、13
mmについても同様の傾向がみられた。19mmでは、繊維
がからみやすく、吹付作業性が悪く、塗膜のけばだち、
ポーラス化が生じた。また防水層の2年間曝露の状態
は、繊維長さ3mmでは、0.05重量部で、塗膜のだ
れ、ずれ、ふくれの発生がみられ、またポリマーアスフ
ァルトの凝集力により部分的に塗膜がひっぱられ僅かに
巣あき、クラック等を生じた。0.1重量部で、だれ、
ずれがみられ、またふくれも部分的に発生した。また凝
集力により塗膜の亀甲状のしまが出来、巣あき、クラッ
ク等をおこしすい状態であった。0.3重量部から2.
0重量部までは塗膜にだれ、ずれ、ふくれがみられず、
凝集力による異状がみられず良好であった。2.5重量
部では、だれ、ずれ、ふくれはなく、凝集力による異状
がないが、ややポーラスな層のままで防水性に難があ
る。また緻密でないことから風化が見られた。繊維長さ
6mm、13mmについても繊維長さ3mmと同様の傾向がみ
られた。防水層について、表面のチョーキング化はある
が、概ね良好であった。
比較例1 比較のために実施例1で使用したアニオン系ポリマーア
スファルトエマルジョンと凝固液とを使用して実施例1
と同様の方法で吹付実験を行った。その結果は、吹付時
に塗膜のずれ、だれがやや見られ、また部分的にふくれ
を生じた。また防水層の曝露2年後の状態は、塗膜にず
れ、だれ、それにふくれが見られた。また、塗膜は部分
的にひきつれてしわよりし、巣あき、クラック等が見ら
れた。また、表面にチョーキングが見られた。
実施例2 実施例1で使用したアニオン系ポリマーアスファルトエ
マルジョン100重量部に、シリコンオイルエマルジョ
ン0.05重量部と耐アルカリ性ガラス繊維チョップス
トランド(旭硝子製、長さ12mm)1重量部を添加混合
して混合エマルジョン(A)を造り吹付主材とする。
凝固液は、水100重量部にココナッツアミンアセテー
ト0.1重量部、ポリジアルキルアミノアルキルメタク
リレート0.01重量部および塩化カルシウム7重量部
を溶解して造る。
吹付主材と分解液の混合比率を、容積比で5:1の割合
で2頭式吹付スプレーガンを用いエアスプレー方式で垂
直のセメントモルタル壁面上に主剤が1m2当り約5kgに
なるように吹付けて、厚さ約4mmの繊維等を内在させた
ポリマーアスファルト固体層よりなる防水層を形成させ
た。主材の吹付圧力5kg/cm2分解液の吹付圧力7kg/c
m2、エア圧力7kg/cm2で吹付けた。
吹付けは、順調にでき、壁面への付着、接着性が良く、
飛散もなく、塗膜のずれ、だれ等が生ぜす、1回の吹付
けで厚塗りができた。凝固水の離水、乾燥も良好で、塗
膜にふくれの発生がみられなかった。仕上り面は、繊維
のけばだちやむらがなく、一様な面を形成した。防水層
は、そのまま屋外に曝露し約2年間を経過したが、防水
層には、だれ、ずれ、ふくれ等は全くみられず、また凝
集力によるしわより、ひきつれ等は全くみられず、更に
ガラス繊維が表面に見えるけれども、ポリマーアスファ
ルトで被覆されており、緻密であった。また、表面のチ
ョーキングも少なく、良好であった。
実施例3 天然ゴムラテックスとクロロプレンゴムラテックスの混
合ラテックス(固形分50重量%、固形分中の天然ゴム
とクロロプレンゴムの比率、天然ゴム25重量%、クロ
ロプレンゴム75重量%)100重量部に、半硬化牛脂
肪酸カリ石鹸(固形分90重量%)1重量部を加えて溶
解し、35〜40℃にしたものと、120〜130℃に
加熱溶融したストレートアスファルト(針入度(25
℃)60〜80)150重部とを乳化機を通して混合
し、含水率20重量%のポリマーアスファルトエマルジ
ョンを得る。このポリマーアスファルトエマルジョン中
の固形分中のアスファルト100重量部に対するポリマ
ー量は、約33重量部である。
このポリマーアスファルトエマルジョン100重量部
に、耐アルカリ性ガラス繊維チョップストランド(旭硝
子製、長さ12mm)1重量部および雲母粉2重量部を添
加混合して混合エマルジョン(A)(吹付主材)とす
る。この吹付主材を水100重量部にココナッツアミン
アセテート0.1重量部、ラウリルトリメチルアンモニ
ウムクロラド(固形分30重量%)0.1重量部、およ
び塩化カルシウム5重部を溶解した凝固液と共に、吹付
主材:凝固液の容積比4:1の割合で2頭式吹付スプレ
ーガンを用いてエアスプレー方式で、垂直のセメントモ
ルタル壁面上に吹付主材が1m2当り約5kgになるように
吹付けて、厚さ約4mmの繊維等を内在させたポリマーア
スファルト固体層よりなる防水層を形成させた。吹付主
材の吹付け圧力は5kg/cm2、凝固液の吹付け圧力は7k
g/cm2、そしてエア圧力は7kg/cm2であった。
壁面に吹付けられた吹付主材の分解凝固物は、接着性が
よく、ずれやだれは全くみられず、飛散も殆どなく、壁
面に接着した。1回の吹付けで厚塗りができ、吹付け直
後にポリマーアスファルト固体層の面から凝固によって
発生した水分が出てポリマーアスファルト固体層は、迅
速に乾燥した。そして、塗膜には、ふくれの発生はみら
れず、一様な仕上り面を形成した。
防水層は、屋外に曝露され約2年間を経過したが、防水
層にずれ、だれ、ふくれ等が全くみられす、風化もな
く、防水層の状態は極めて良好であった。
実施例4 天然ゴムラテックスとアニオン系スチレン・ブタジエン
ゴムラテックスの混合ラテックス(固形分50重量%、
固形分中の天然ゴムとスチレン・ブタジエンゴムの重量
比1:1)100重量部に、半硬化牛脂脂肪酸カリ石鹸
(固形分90重量%)1重量部を加え溶解して約35℃
にしたものと、加熱溶融したストレートアスファルト
(針入度80〜100)にスチレン・ブタジエンブロッ
ク共重合ゴム3重量%、ナフテン系プロセスオイル1重
量%、ロヂン1重量%を添加混合して造った改質アスフ
ァルト130重量部を約140℃にしたものを、乳化機
を通して混合し、含水率約22重量%のアニオン系ポリ
マーアスファルトエマルジョンを得る。
ポリマーアスファルトエマルジョン100重量部にシリ
コーンオイルエマルジョン0.05重量部と耐アルカリ
性ガラス繊維チョップストランド(旭硝子製、繊維長さ
6mm)1重量部を添加混合して混合エマルジョン(A)
とする。この混合エマルジョン(A)を、実施例2で使
用した凝固液(B)と共に実施例1と同様の方法で垂直
に立てたセメントスレート板に吹付け、厚さ約4mmの防
水層を形成させた。吹付主材の噴霧状態は良好で、凝固
液の噴霧粒子により瞬時に凝固をはじめ、施工面への接
着がよく、塗膜のだれ、ずれがなく、厚塗りができた。
また、ふくらみがみられなかった。防水層の曝露の結果
も、だれ、ずれ、ふくれがなくまた老化の徴候がみられ
ず、良好な状態である。
実施例5 実施例4で使用したアニオン系ポリマーアスファルトエ
マルジョン100重量部に、シリコーンオイルエマルジ
ョン0.05重量部とポリプロピレン繊維Pチョップ
(チッソ製、長さ5mm)1重量を添加混合する。繊維は
均一に分散した。これを混合エマルジョン(A)とし、
実施例2で使用した凝固液(B)と共に、実施例1と同
様の方法で垂直に立てたセメントスレート板に吹付け、
厚さ約4mmの防水層を形成させた。吹付主材の噴霧状態
は良好で、凝固液の噴霧粒子により瞬時に凝固をはじ
め、施工面への接着がよく、塗膜のだれ、ずれがなく、
厚塗りができた。また、ふくれもみられなかった。防水
層の曝露の結果も、だれ、ずれ、ふくれがなく、また、
老化の徴候がみられず、良好な状態である。
【図面の簡単な説明】
図は、本発明の防水工法のエアスプレー方式の1例とし
て2頭ノズルの吹付スプレーガンを使用したエアスプレ
ー方式のシステム概要図である。図において(1)は吹
付主材貯蔵、(2)は吹付主材、(3)は吸込管、
(4)は主材圧送用ポンプ、(5)は高圧ホース、
(6)はコック、(7)は主材用スプレーガン、(8)
は主材の吐出ノズル、(9)はエア吹出口、(10)は
エアコンプレッサー、(11)はエアホース、(12)
はコック、(13)は逆止弁、(14)はコック、(1
5)は凝固液貯槽、(16)は凝固液、(17)は吸込
管、(18)はポンプ、(19)は高圧ホース、(2
0)はコック、(21)は凝固液用スプレーガン、(2
2)はノズル、(23)は高圧ホース、(23)はエア
ホース、(24)はコック、(25)は逆止弁、(2
6)は防水施工面、そして(27)は塗膜(繊維入りポ
リマーアスファルト固体層)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水率30〜18重量%のアニオン系ポリ
    マーアスファルトエマルジョン100重量部に長さ3〜
    15mmの繊維0.1〜2重量部を添加混合した混合エマ
    ルジョン(A)と、混合エマルジョン(A)を凝固する
    ための凝固液(B)とを、別個のノズルからエアスプレ
    ー方式で噴霧し、該混合エマルジョン(A)と該凝固液
    (B)とが噴霧状態で混合接触するように吹付けて、防
    水施工面上に繊維を内在させたポリマーアスファルト層
    よりなる防水層を形成させることを特徴とする防水工
    法。
  2. 【請求項2】アニオン系ポリマーアスファルトエマルジ
    ョン中の水相に分散しているアスファルト粒子が、アス
    ファルトにゴム、高分子重合物等のポリマーを混和して
    改質した改質アスファルトよりなることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の防水工法。
  3. 【請求項3】繊維がチョップストランド(集束繊維を切
    断したもの)よりなることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項および第2項記載の防水工法。
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