JPH0641465A - カーボンブラック組成物 - Google Patents

カーボンブラック組成物

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JPH0641465A
JPH0641465A JP21650892A JP21650892A JPH0641465A JP H0641465 A JPH0641465 A JP H0641465A JP 21650892 A JP21650892 A JP 21650892A JP 21650892 A JP21650892 A JP 21650892A JP H0641465 A JPH0641465 A JP H0641465A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カーボンブラック造粒粒子において微粒状の
ものがなく、輸送などの取扱いでも粒子の破壊のない適
度の(従来よりも高い)硬度を有しており、カーボンブ
ラック粒子が接触した袋体や容器などを汚すこともな
く、かつゴムへの分散性にも優れ、これとともにカーボ
ンブラック配合ゴム組成物の補強性や耐摩耗性などの機
械的特性をも改良することのできるカーボンブラック組
成物の提供。 【構成】 ジエン系ゴムをプロセスオイルに溶解して得
られた溶液をカーボンブラック造粒物に含浸させたこと
を特徴とするカーボンブラック組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種ゴム用補強剤やプ
ラスチック用着色剤などとして広く用いられているカー
ボンブラック組成物に関するものであり、より詳しくは
カーボンブラックのハンドリング、ゴムへの混練りなど
でのカーボンブラックによる物品の汚染ならびに輸送時
の造粒粒子の破壊を著しく減少させたカーボンブラック
組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】カーボンブラックは高温のファーネス中に
重質原料油を導入し、その熱分解あるいは不完全燃焼に
より生産されるが、発生時は気体を多量に含む毛綿状の
黒色のスス状物質であり、このままの嵩高い状態では取
扱いが非常に困難となる。したがって輸送や移送時など
での取扱いを容易にし、また飛散を防止するために造粒
工程を経てペレット状として出荷されているのが一般的
である。このペレット状物は、ゴムへの充填時の配合混
練り工程ではペレット状物がゴムマトリックス中に粒状
物として残存することなく容易にほぐれて分散するとい
う性質が望まれる一方で、貯蔵や輸送などの取扱いでは
少し程度の外力では破壊せず、かつ容易に流動するとい
う相反する特性も同時に満たす必要がある。加えて、カ
ーボンブラックは非常に軽い物質であり、容易に大気中
に浮遊して他の物質の表面を汚すという汚染性を低減す
ることも望まれている。カーボンブラックの製造工程中
のペレット化工程においては、造粒水以外の有機物を添
加してペレットを製造する方法について従来から多くの
技術が公知である。たとえば、USP 2,813,0
40号公報には、乾燥カーボンブラックに一定割合に制
御された量のオイルを導入し、ドラム中で処理すること
からなるプロセスがあり、100メッシュ以下の小粒子
がほとんどないと記載されている。また、USP 2,
942,299号公報では、ある粒子サイズのカーボン
ブラックに油状物質を添加し、この添加物を少なくとも
2つのペレットサイズに分けることにより狭い油濃度範
囲のペレットを得るプロセスが記載されている。さらに
は、USP 3,338,729号公報には、少なくと
も1073℃(2000°F)の温度のカーボンブラッ
クファーネスからの熱流出スモークにオイルを添加する
プロセスが記載されている。これらのオイル含有ペレッ
トの有利な点としては、汚染性がなく、またゴムへの分
散性も良好であり、かつ通常のぺレットよりも高い補強
性が得られると述べている。また、他の有機物を添加し
てペレット化する方法では、ラテックスを添加したUS
P 3,941,740号公報があり、得られた造粒物
は粘着性がないと記載されている。最近では、カーボン
ブラック粉末にゴム成分含有ラテックスにより造粒処理
されたカーボンブラックビーズに関する発明(特開平2
−110673号)も公開されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オイル
を添加して造粒したカーボンブラックペレットは本発明
者らの実験によればゴムへの分散性は通常の造粒物より
も若干向上する傾向にはあるが顕著なものとは認められ
ず、また引張強さなどの機械的特性においてもその効果
は小さいという結果が得られた。さらに、オイルの添加
量を増加して行くとカーボンブラック−オイル含有物の
粘性が増大し、少しの外力によりペレット同志が接着し
てしまうという欠陥が発生する。また、オイルの添加量
を増した場合、全体としてペレット硬度が上昇し、これ
が分散性の低下を引き起こすという欠点がみられた。さ
らに、テラックスの添加ではカーボンブラックの外部へ
の汚染性についてはかなりの効果が認められたが、テラ
ックスに含まれる水分を蒸発させる加熱段階でラテック
スの樹脂成分が部分的に凝集し、また熱による変質が発
生して、ゴムに配合した場合に分散不良を引き起こすと
いう欠点があった。この分散不良は、加熱処理を経ない
処理物についても発生した。このように、カーボンブラ
ック製造工程において各種の添加物あるいはオイルによ
り処理されてはいるが、ゴムへの分散性や粒子同志の接
着、粒子の硬度などで問題があった。本発明は、従来の
このような問題点を解消することを課題としてなされた
ものであり、その目的はカーボンブラック造粒粒子にお
いて微粉状のものがなく、輸送などの取扱いでも粒子の
破壊のない適度の(従来よりも高い)硬度を有してお
り、カーボンブラック粒子が接触した袋体や容器などを
汚すこともなく、かつゴムへの分散性にも優れ、これと
ともにカーボンブラック配合ゴム組成物の補強性や耐摩
耗性などの機械的特性をも改良することのできるカーボ
ンブラック組成物を提供することにある。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明は、ジエン系ゴム
をプロセスオイルに溶解して得られた溶液をカーボンブ
ラック造粒物に含浸させたことを特徴とするカーボンブ
ラック組成物に関する。前記ジエン系ゴムとしては、ジ
エン系モノマーをゴム分子の少なくとも1つの構成要素
とするものであって、例えばNR(天然ゴム)、SBR
(スチレン−ブタジエンゴム)、IR(イソプレンゴ
ム)、BR(ブタジエンゴム)、EPDM(エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体)などを挙げることがで
き、単独または混合して使用する。また、プロセスオイ
ルとしてはパラフィン系、芳香族系、オレフィン系のオ
イルを例示することができ、これらは単独または混合し
て使用する。また、この溶液のカーボンブラックへの含
浸添加量は、カーボンブラック100重量部に対して、
前記溶液中のプロセスオイル量がJISK6221で規
定されたml/100gで表示されるカーボンブラック
のDBP吸油量の5〜80%の範囲の重量部で添加す
る。いいかえれば、カーボンブラック自体のオイル吸収
能力〔JIS K6221 5.8吸油量A法により測
定されるジブチルフタレート(DBP)吸油量で評価さ
れる〕に依存し、カーボンブラック100重量部に対し
てプロセスオイル量として5〜80%、好ましくは20
〜60%の割合で添加する。このときのゴム成分の添加
量としてはカーボンブラック100重量部に対して0.
04〜4.0重量部、望ましくは0.1〜2.4重量部
となるように添加する。
【0005】
【作用】本発明におけるカーボンブラックは、各種ゴム
の中でもその構成要素としてイソプレン、ブタジエンと
いった分子中に共役二重結合を有するジエンの単独重合
体またはその他の成分との共重合体からなるNR,SB
R,IR,BR,EPDMなどの少なくとも1種のゴム
を、パラフィン系、芳香族系、オレフィン系から選ばれ
た少なくとも1種のプロセスオイルに溶解し、この溶解
物により処理されたカーボンブラック組成物であるが、
プロセスオイルのみで処理した場合に比較してオイルの
高配合時においても造粒粒子同志の接着は全くなく、ま
た造粒粒子の硬さ(直径1mmのカーボンブラックの粒
子を用い、この粒子を破壊するのに要する荷重)が高い
(高いと輸送時や移送時における粒子相互の接触による
粒子の破壊はすくない)にもかかわらずゴム中へも容易
に分散することができ、したがってカーボンブラック輸
送用の容器(紙袋、フレキシブルコンテナーなど)に充
填した場合においてもその表面への付着はほとんどみら
れず、またゴムへの配合時での飛散もほとんどないとい
う利点を有している。通常のカーボンブラックは造粒水
を添加し、その後の乾燥工程を経て0.5〜2mmの粒
子として造粒されるが、この場合にゴム成分添加オイル
処理物と同じ硬度となるように造粒液に含まれる成分を
調整したときにはゴムへの分散性は極度に低下し、ゴム
中に分散せずにマトリックスに分散されないカーボンブ
ラック塊状物が表面上に多く発生してしまうことにな
る。ラテックス添加においては、この分散不良の程度は
さらに顕著となる。これに対して本発明のゴム溶解オイ
ル添加物では溶解物が造粒粒子の表面しか浸透せず、造
粒粒子の硬さの大きさ(強度)は表面だけからしか生ぜ
ず、カーボン粒子の中央部分においてはゴム溶解オイル
は浸透せずに軟らかい状態のまま存在しているため、本
発明のカーボンブラック組成物は、従来の造粒粒子やラ
テックス添加造粒物と同じ造粒粒子の硬さを持っていた
としても、そのゴムマトリックス中への分散の仕方は大
きく異なっているのである。このように、本発明のカー
ボンブラック組成物は通常の造粒粒子の持つ硬さよりも
高いにもかかわらずゴムへの分散性が改良されるととも
に、ゴム配合時において補強性や耐摩耗性という機械的
特性についても改善されるという顕著な効果を発現する
ことができるのである。これは、造粒時に添加されたゴ
ム成分がカーボンブラックと結合(物理的なものか化学
的なものかは明確ではないが)して、より強固なカーボ
ンブラック−ゴムの相互作用が形成されたためと予想し
ている。さらに、オイル単独の添加ではオイル成分がカ
ーボンブラックの造粒粒子の表面にしみ出るために発生
するカーボンブラック充填容器内部の汚れ及び紙袋表面
へのオイルのしみだしも全く発生しない。
【0006】
【実施例】以下に、本発明のカーボンブラック組成物の
調製方法及びゴム組成物の特性について実施例でさらに
詳細に説明する。 実施例1 1.ゴム成分溶解プロセスオイルの調製 ゴム成分としてEPDM、プロセスオイルとしてパラフ
ィン系を用いた場合の調製は次のように行った。パラフ
ィン系プロセスオイル〔商品名 PW−380;出光興
産(株)製〕500gを内容積3リットルのステンレス
製ビーカーに入れ、温度調節可能なヒーター上に置い
た。約80℃に加熱し、撹拌器で撹拌しながらEPDM
ゴム〔商品名 JSR EP−24;日本合成ゴム
(株)製〕20.2gをナイフで細かく切断して添加し
た。約80℃の温度を維持しながら5時間撹拌を続けて
EPDMゴムをプロセスオイルに完全に溶解せしめ、次
に1500gのプロセスオイルを加えて1重量%のEP
DMゴム溶解プロセスオイルを調製した。得られたEP
DM溶解プロセスオイルの粘度は80℃において180
センチポアズであった。 2.EPDMゴム溶解プロセスオイル添加によるカーボ
ンブラック処理物の調製前記1.で調製したEPDMゴ
ム溶解プロセスオイルを用い、次のようにしてカーボン
ブラック処理物を調製した。通常のカーボンブラック製
造工程により造粒・乾燥工程を経た造粒カーボンブラッ
ク(FEF級カーボンブラック 商品名:旭#60、D
BP吸油量115ml/100g)粒子をポット式ミキ
サー〔(株)マゼラー社製〕に入れ、予め約80℃に加
熱したEPDMゴム溶解プロセスオイルを噴霧しながら
少しずつ添加し、所定の添加割合となるように加え、E
PDMゴム溶解プロセスオイルで処理したカーボンブラ
ック処理物を調製した。EPDMゴム溶解プロセスオイ
ルはカーボンブラック100重量部に対して、プロセス
オイルの添加量として3,5,10,30,50および
70重量部となるように添加・混合した。なお、添加は
いずれの場合も15分で完了するように行った。
【0007】実施例2 実施例1の1.と同じゴム、プロセスオイルおよび装置
を用い、溶解させるゴムの量を変化させて濃度を変えた
ゴム溶解プロセスオイルを調製した。EPDMゴムの溶
解量は、0.1重量%、0.3重量%、0.5重量%、
1重量%、3重量%、5重量%および6重量%となるよ
うに添加・溶解させた。なお、ゴム量の増加につれて撹
拌時間も多くし、ゴム6重量%を完全に溶解させるため
に撹拌時間は24時間を要した。また、ゴム量の増加に
つれて溶解物の粘度も上昇するので、5重量%および6
重量%溶解時においては加熱温度を120℃まで上げて
撹拌を行った。
【0008】実施例3 実施例1において、ゴムとしてNR(RSS#1)およ
びSBR〔商品名:SBR1500,日本合成ゴム
(株)製〕、プロセスオイルとして芳香族系のJSOア
ロマ790〔日本サン石油(株)製〕を用いてゴム成分
として1重量%溶解したプロセスオイル溶解物をカーボ
ンブラック100重量部に対してそれぞれプロセスオイ
ルとして50重量部添加してカーボンブラック組成物を
調製した。
【0009】
【評価】
A.カーボンブラック処理物の造粒粒子の硬さの測定 実施例1で調製したEPDMゴム溶解プロセスオイル処
理カーボンブラックについて、その造粒粒子の硬さをJ
IS 6221−1982「ゴム用カーボンブラック試
験方法」の6.3.3「造粒粒子の硬さ」に記載の方法
にしたがって硬さを測定した。この結果を表1〜3に示
した。これと同時に、通常の造粒工程品、プロセスオイ
ルのみの添加処理物、通常よりも硬度を上げた対象品お
よびSBRラテックス〔商品名 JSR2108、日本
合成ゴム(株)製〕および水溶性ブタジエン〔商品名
MN−1000−80、日本石油化学(株)製〕を添加
処理したカーボンブラックについても表1〜3に示し
た。
【表1】
【表2】
【表3】
【0010】これらの濃度を変えたEPDMゴム溶解プ
ロセスオイルを、カーボンブラック造粒物100重量部
に対して50重量部となるように実施例1の2.に記載
したと同様に処理してカーボンブラック処理物を調製し
た。このときのカーボンブラック処理物の造粒粒子の硬
さについて、表4〜6に示した。
【表4】
【表5】
【表6】 1:測定温度 120℃
【0011】B.EPDMゴム溶解プロセスオイル処理
カーボンブラック処理物のゴム配合特性 実施例1および実施例2のEPDMゴム溶解プロセスオ
イル処理カーボンブラックについて、次の表7の配合割
合でEPDMゴムに配合し、このとき300%引張応
力、引張強さ、伸び、分散性などのゴム特性について測
定した。この結果を表8〜10としてまとめて示した。
各カーボンブラック配合ゴム組成物の性能評価は、次の
ゴム特性試験条件により測定し、評価した。 ゴム特性試験条件 1.配合物の加硫条件:150℃,30分 2.分散度:1969年9月号のラバーワールド第16
0巻第6号第63〜70頁(著者:H.E.レイルスバ
ックら)に記載の方法に準じて、配合ゴム表面を32倍
に拡大した写真を用い、10〜1に区分された標準見本
のどのランクに該当するかを目視で判定した。なお、中
間にあると判定したサンプルについては7と8の間の場
合には7.5と表示した。 3.その他のゴム特性:JIS 6301−1975に
記載の試験法にしたがって測定した。
【表7】 *前記のEPDMゴム、カーボンブラックおよびプロセ
スオイルの配合量は最終的な配合量であり、カーボンブ
ラックへのオイル添加量に合わせて他の成分量を調整し
た。
【0012】
【表8】 *分散指数を除く各ゴム特性は、Run No.1の値
を100とした指数で表示した。
【表9】 *分散指数を除く各ゴム特性は、Run No.1の値
を100とした指数で表示した。
【表10】 *分散指数を除く各ゴム特性は、Run No.1の値
を100とした指数で表示した。
【0013】C.NRおよびSBR処理カーボンブラッ
ク組成物のゴム配合特性 実施例3で調製したNRおよびSBRのゴム成分を1重
量%含有する芳香族系オイル含浸カーボンブラック組成
物の特性およびゴム配合特性について測定した結果を次
に示す。処理カーボンブラック自体の特性を表11、ゴ
ム特性を表12に示した。なお、配合割合は表7と同じ
となるように調製し、ゴム成分としてはプロセスオイル
含有分を勘案して配合した(ゴム成分としては、NRま
たはSBRにEPDMを加えた量となる)。
【表11】 注 プロセスオイルの種類 (1)芳香族系
【表12】 *分散指数を除く各ゴム特性は、Run No.1の値
を100とした指数で表示した。
【0014】D.非汚染性の測定 実施例1で調製した各サンプルを、標準ふるい上に均一
に張った白紙上にカーボンブラックとして100gの
せ、JIS K6221−1982の6.3.1に記載
されたロータップ振とう機を用いて打撃を加えながら1
分間振とうさせ、白紙へのカーボンブラックの付着状況
を観察した。判定は、マンセル色立体の無彩色標準(1
1段階に分かれ、純白が10、漆黒が0で、中間を9区
分したもの)を用いて目視により行った。この結果を表
13〜15に示した。
【表13】
【表14】
【表15】
【0015】E.ゴムへの練り時間の短縮 カーボンブラックをゴムに配合した場合、通常の混合機
におけるトルク曲線は次のようになる(図1参照)。し
かしながら、カーボンブラックの基本特性の一つである
ストラクチャーが高くなると、カーボンブラックの造粒
粒子内に包含される空気量が増加し、この空気が系外に
排出されるまでの時間だけゴム中へのカーボンブラック
の分散時間が遅延するという現象が発生する。このた
め、カーボンブラックが混入されてから第2ピークまで
の時間であるカーボン混入時間(Carbon Inc
orporation Time…BIT)が通常より
も遅延する傾向にあり、たとえば高ストラクチャーFE
F級カーボンブラック〔商品名:旭F−200、旭カー
ボン(株)製、DBP吸油量 180ml/g〕におい
ては、通常のFEF級カーボンブラック〔商品名:旭#
60、旭カーボン(株)製〕よりもBITが大きくな
り、このためカーボンブラックをゴムマトリックス中に
完全に混合・分散させるまでに長い時間を要するという
問題点があった。F−200カーボンブラック100重
量部に対してEPDMを1%溶解したプロセスオイル
(PW−380)50重量部を添加し、この組成物につ
いてBITを測定した。これと同時にFEF級カーボン
ブラックについても測定し、まとめて表16に示した
(FEFカーボンブラックにおけるBITを100とし
た指数で表わした)。表16の結果から明らかなよう
に、ストラクチャーの高いF−200での通常の造粒処
理やオイル添加では、オイル添加で空気排出効果は認め
られるものの、それでもBITの時間がFEFよりも長
くなり、このためFEFと同じ混練り条件では分散度が
小さくなってしまう。しかしながら、EPDMゴムを溶
解したオイルを添加した場合においてはBITおよび分
散度ともほぼFEF級カーボンブラックと同等になると
いう効果が認められる。
【0016】
【効果】上記で述べたように、本発明のカーボンブラッ
ク処理物は通常の造粒物に比較して大きな造粒粒子の硬
さを有しており、このため振とう機による摩滅処理にお
いても造粒物からはほとんど破壊による汚れは発生せ
ず、さらにゴムに配合した場合においても従来の造粒処
理物よりも望ましい物性を示していることは明かであ
る。また、表8〜10と表12におけるSBR処理の違
い(プロセスオイル溶解処理組成物とラテックス処理)
による差から明らかなように、同じSBRゴムによって
カーボンブラックを処理してもプロセスオイルに溶解し
て添加した組成物の方が、ゴム物性や分散性において優
れた特性を示している。プロセスオイルへのゴム添加量
が6重量%を越えた場合には、プロセスオイルの粘度が
高くなりすぎてカーボンブラックへの均一な添加が難し
くなり、また添加物の温度を上昇させる必要も生じるの
でゴムの添加量は5%を上限とする。さらに、プロセス
オイルとしての添加量が、カーボンブラックのDBP吸
油量の5%を下回った場合には、本発明の分散性の改良
および汚れ解消という効果に対してほとんど効力はな
く、逆に80%を越えた場合においてはオイルがペレッ
トの外部に多少ではあるがしみでてくる傾向があるので
好ましくない。本発明の実施例では、FEF級のカーボ
ンブラックで本発明の効果を説明したが、この処理が全
てのカーボンブラックに適用できることはいうまでもな
い。
【表16】
【図面の簡単な説明】
【図1】カーボンブラックをゴムに混練するときのトル
ク曲線を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴムをプロセスオイルに溶解し
    て得られた溶液をカーボンブラック造粒物に含浸させた
    ことを特徴とするカーボンブラック組成物。
  2. 【請求項2】 前記溶液中のゴム成分濃度が0.2〜
    5.0重量%である請求項1記載のカーボンブラック組
    成物。
  3. 【請求項3】 カーボンブラック100重量部に対し
    て、前記溶液中のプロセスオイル量がJISK6221
    で規定されたml/100gで表示されるカーボンブラ
    ックのDBP吸油量の5〜80%の範囲の重量部で含浸
    されている請求項1記載のカーボンブラック組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10140040A (ja) * 1996-11-07 1998-05-26 Mitsubishi Chem Corp 樹脂組成物用顔料及びその製造方法並びにこれを用いた樹脂組成物
JPH10140039A (ja) * 1996-11-07 1998-05-26 Mitsubishi Chem Corp ゴム配合用カーボンブラック成型体及びカーボンブラック含有ゴム組成物
JPH10140038A (ja) * 1996-11-07 1998-05-26 Mitsubishi Chem Corp インク用顔料及びその製造方法並びにこれを用いたインクの製造方法
USRE37022E1 (en) * 1993-08-27 2001-01-16 Asahi Glass Company Ltd. Fluorine-containing polymer composition

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