JPH0641437Y2 - スピ−カ−キヤビネツトの表装板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、スピーカーキャビネットのバッフル板面に装
着する表装板、特にそのフレームを合成樹脂の一体成型
によって形成するのに適した表装板に関する。

〔従来技術〕

オーディオシステムなどのスピーカーキャビネットに
は、スピーカーの保護と装飾を兼ねてそのバッフル板面
を覆うように表装板が取りつけられている。

この表装板は、基本的にはスピーカーキャビネットの縁
に合わせて組まれた木粋あるいは合成樹脂でできたフレ
ームと、その前面に張られたサラン、ナイロン・ジャー
ジなどのネットからできている。そして、これらの表装
板には、音響特性上の障害になることを考慮してフレー
ムの側面にスリットを設けたもの、あるいはラウンドバ
ッフルに対応すべくネットをキャビネットのバッフル板
面から浮かせて装着するものなどがある。

しかし、現在では以前の木粋に代わって樹脂成型で作ら
れたフレームが主流となっているにもかかわらず、材
質、成型法の差異こそあれ、そのフレームの基本的な構
造には際立った特徴が見られない。

〔目的〕

本考案は、音響特性を考慮し、樹脂成型の特徴を生かす
ことができる斬新なスタイルのフレームを有する表装板
を提供することを目的とする。

〔構成〕

第１図（ａ），（ｂ）はそれぞれ本考案の表装板の実施
例を示す平面図および側面図であり、第２図はその表装
板の斜視図である。なお、第１図（ａ）は表装板の半分
を、ウレタンフォームを張った状態と張ってない状態と
に分けて示してあり、同図（ｂ）においては、その右半
分を同図（ａ）に示したＡ−Ａ面での断面とスピーカー
キャビネットの断面を示してある。また、第２図におい
てはウレタンフォームを一部切開して示してある。

以下、本考案の構成について、この実施例に基づいて説
明する。

スピーカーキャビネットの表装板においては、そのフレ
ームがバッフル板より前方に突出していると、そのフレ
ームの内側面から反射波が生じ、この反射波とスピーカ
ーからの直接波とが干渉して音響特性に悪影響をもたら
すという問題が生じるので、本考案のフレームは、第１
図に示したように、表装板のフレーム１を支持枠２とそ
れに交叉する多数のフィン３とによりルーバー状に型成
してその剛性を保つとともに、このフレーム１に入射す
る音波が外部に拡散されるようにして上記の干渉現象を
軽減するとともに、ディフューザとしての機能を有する
ようにした。

さらに、図示の実施例においては支持枠（２）として第
１、第２の支持枠(2₁,2₂)を備え、同図（ｂ）の断面図
に明らかなようにフィン３にフレームの内側に向けた突
出部Ｂを設け、この突出部Ｂによって第１の支持枠2₁を
内傾させて配設することにより、このフレーム１のディ
フューザとしての機能をさらに高めるようにした。ま
た、第１図あるいは第２図に示したようにフレーム１に
より囲撓される空間には、ウレタンフォーム４を張って
あるが、このウレタンフォーム４は上記第１の支持枠2₁
の表側に貼るようにすることができる。

なお、この実施例では図に示したように第１の支持枠2₁
の各コーナーに支持材６を設け、また、フレームの四隅
は連結部材５によって各辺を構成するルーバー状の部材
を結合して、フレーム１を補強するようにしてある。

また、フレームの表面側から力が加えられても多数のフ
ィン３の端部がバッフル板面に当接するようになってい
るため支持枠２が撓むことなく、ラウンドバッフルに対
応すべくバッフル板面から浮かせた従来のものに比べ
て、スピーカーユニットの保護という点で、安全性に優
れている。

なお、図示の構造からわかるように、この実施例のフレ
ームは、フレームの背面と裏面にそれぞれ整合するよう
な金型を用いて、合成樹脂などによって一体成型が可能
であることは明らかであろう。

〔効果〕

本考案のスピーカーキャビネットの表装板によれば、そ
のフレームを、バッフル板面にほぼ平行な面内に配設さ
れた薄板状の支持枠と、この支持枠と交叉して配設され
た多数のフィンとから構成するようにしたので、フレー
ムの剛性を失うことなく表装板の側面方向の開口面積を
大きくすることができ、表装板の側面方向へ伝播する音
波へのフレームによる干渉を防止するとともに、前記側
面方向に音波を方向制御して滑導させることができ、音
響上の抵抗を少なくしたディフューザとしての機能が得
られ、ラウンドバッフルに対応させることにより格別の
効果を得ることができる。

さらに、木枠の表装板に代わる樹脂成型フレームの表装
板とすることができ、その形状も従来の基本的スタイル
を脱却した斬新なデザインのものとなり、上記音響的効
果と合わせて装飾的にも格別の効果をかもしだすことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は表装板の実施例を示す平面図およびその断面
図、第２図は実施例の表装板の斜視図である。 １はフレーム、２は支持枠、３はフィンである。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スピーカーキャビネットのバッフル板面に
   ほぼ平行な面内に配設された薄板状の支持枠（２）と、
   前記バッフル板面と上記支持枠とに垂直になるように該
   支持枠と交叉して配設された多数のフィン（３）とを有
   するフレーム（１）を備えたことを特徴とするスピーカ
   ーキャビネットの表装板。
2. 【請求項２】上記フレームが複数の支持枠を備え、各支
   持枠が互いに重畳しないように形成されていることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のスピーカ
   ーキャビネットの表装板。
3. 【請求項３】上記フレームが合成樹脂で一体成型された
   ものであることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項ないし第２項記載のスピーカーキャビネットの表装
   板。